【速報レポ】新型「Apple TV 4K」さらに賢く、より小さくなった!
ASCII.jp / 2022年11月2日 22時0分
アップルがA15 Bionicチップを載せた新しい「Apple TV 4K」を11月4日に発売します。先駆けて実機を試したファーストインプレッションを報告します。ずばりApple TV 4Kは、今が買い時です。
A15 Bionicチップ搭載でよりパワフル&コンパクトなった
Apple TV 4Kは4KテレビやPCモニターなど、HDMI端子を持つディスプレイデバイスにケーブルで接続して使う、据え置き型のストリーミングプレーヤーです。2021年春の第2世代機から約1年半を経て、第3世代機が発売されました。
本体の背面には、HDMI Ver. 2.1をサポートするデジタル端子を1系統搭載しています。テレビに接続するためのHDMIケーブルはパッケージに同梱されていないので、別途購入しなければなりません。Apple TV 4Kの実力をフルに引き出すために、HDMIケーブルは「プレミアムハイスピード(18Gbps)」、または「ウルトラハイスピード(48Gbps)」に区分される「Ver.2.0a/HDR対応」以上の製品を選ぶとよいでしょう。
昨今は、グーグルのスマートテレビ向けOS(Google TV/Android TV)が、多くの4Kテレビに内蔵されたことで、外付けストリーミングプレーヤーに対する注目は最盛期に比べると、少し落ち着いた感じもあります。ただ、Apple TV 4Kはアップルのコンテンツ配信サービスとの相性が、とても良いところが特徴です。
例えばApple Arcadeのゲームを大きなテレビの画面で手軽に遊べるデバイスは、ほかにありません。またApple TV 4Kなら、ホームネットワークを介してiPhoneやiPadの動画をAirPlayでApple TV 4Kに飛ばしたり、画面のミラーリングも簡単にできます。
もちろんApple TV 4Kでは、NetflixやAmazonプライム・ビデオ、YouTubeなど人気のアプリをダウンロードして、それぞれの動画コンテンツを見ることもできます。音楽サービスもApple Musicだけでなく、SpotifyやAmazon Musicなどにも対応しています。
Apple TV 4Kは、テレビサイドに置いて使うスタイルが一般的です。テレビのコンテンツに深く没入するためにも、テレビラックなどの上に置くものはシンプルにしたいものです。新しいApple TV 4Kは、第2世代のモデルよりも縦横・高さのすべての寸法が、ひとまわりほど小さくなりました。高性能・高効率なA15 Bionicチップを載せたことでファンレス設計にできたことから、本体が約20%もコンパクトになりました。
筆者が使っている第2世代のApple TV 4Kも十分スリムなのですが、よりコンパクトな最新のApple TV 4Kを目の当たりにしてしまうと新しいものに買い換えたくなります。
動作の安定感が向上。「HDR10+」対応のメリットは?
第3世代のApple TV 4Kには、iPhone 14シリーズと同じ「A15 Bionic」チップが搭載されています。A12 Bionicチップを搭載する第2世代のApple TV 4KよりもCPUは約50%、GPUは30%のパフォーマンス改善が期待できるとアップルは伝えています。
新旧モデルでユーザーインターフェースの操作感を比べると、例えばApple Arcadeのゲームのレスポンスが劇的に変わるかと言えば、そこまでではありません。第2世代機も優秀です。ただ、iPhone 14 Proで撮影した動画をAirPlay経由でApple TV 4Kに飛ばして見たり、アップルの機器による連携は新しいApple TV 4Kの方がスムーズに感じられました。
第3世代のApple TV 4Kは、HDR10の拡張規格である「HDR10+」をサポートします。母体のHDR10規格の場合はコンテンツ単位で輝度情報に関する静的メタデータを持ち、このデータをテレビなどが読み取ってHDRの映像を可能な限り忠実に再現します。HDR10+ではフレームやシーン単位で輝度情報を動的メタデータとして付与します。HDR映像の明暗をより正確に描く狙いもありますが、もうひとつは高精度なバックライト制御の技術や映像の高画質化エンジンを持たないスタンダード価格帯のテレビでも、動的メタデータが読み込めれば高画質なHDR映像が再現できる技術として注目されています。
HDR10+のメリットを活かすためには、Apple TV 4KをHDR10+に対応するテレビに接続して、同じくHDR10+対応のコンテンツを再生する必要があります。HDR10+に対応するテレビはパナソニックなどが発売しています。アップルも動画配信サービスのApple TV+に、今後はHDR10+対応コンテンツを増やすことを検討しているようです。合わせて試せる機会が楽しみです。
Siriや空間オーディオなど最新「tvOS 16」がもたらす進化
Apple TV向けのtvOSは、今秋に最新の「tvOS 16」にアップデートされました。
Siriのユーザーインターフェースのデザインが、新しくなりました。検索結果は画面上によりコンパクトに表示されます。またApple TVにAirPodsをペアリングすると、AirPodsのマイクに「Hey Siri」と話しかけて音声操作ができるようになります。
Apple TV 4Kの音声操作は、パッケージに同梱されるSiri Remoteからもできます。リモコン側面のSiriボタンを押してから、クリックパッドの上にあるマイクに話しかけます。第3世代のApple TV 4Kに同梱されるSiri Remoteは、充電用端子がLightningからUSB-Cに変更されました。
tvOS 16からスマートホームの新たな標準規格として、今秋から本格始動する「Matter」にも対応します。同じホームネットワーク内にあるHomeKit、またはMatter対応のスマートホームIoTデバイスをApple TV 4Kからコントロールできるようになります。またWi-Fi+イーサーネットモデルのApple TV 4Kは、ThreadメッシュネットワークのホームHubとして使えるところも特徴です。
空間オーディオ再生は、iPhoneで作成した空間オーディオのパーソナルプロファイルがApple TV 4Kにも共有されます。Apple TV 4Kと第3世代のAirPods、AirPods Pro、AirPods Maxを組み合わせた時にプロファイルが適用され、空間オーディオ再生時の没入感が向上します。
Apple TV 4Kにサウンドバーを組み合わせてみよう
Apple TV 4Kで楽しめる、Apple TV+のオリジナルムービーやApple Musicのドルビーアトモスによる空間オーディオ対応のコンテンツは、その数が日々増えています。せっかくなので、ドルビーアトモス再生に対応するサウンドバーを用意して、スピーカー再生による迫力の立体音楽体験も味わいたいものです。
ARC(オーディオ・リターン・チャンネル)に対応するテレビとサウンドバーを組み合わせると、互いの機器をHDMIケーブル1本で接続して、テレビの音声を迫力あるサウンドバーの音で楽しむことができます。ここにApple TV 4Kを加えて、ドルビーアトモスによる空間オーディオをシンプルに再生するための環境は、どのように構築すればよいのでしょうか。
リファレンスとして用意したソニーのドルビーアトモスに対応するサウンドバー「HT-A5000」は、本体にHDMI入力・出力端子を備えています。Apple TV 4KをサウンドバーのHDMI入力端子につなぎ、サウンドバーからのHDMI出力を、テレビのHDMI端子に接続する方法が基本です。詳細はアップルのホームページに図解入りの解説があるので参考にしてください。
非圧縮のドルビーアトモスのサウンドを伝送できる「eARC(エンハンスド・オーディオ・リターン・チャンネル)」に対応するテレビであれば、テレビを経由してApple TV 4Kからサウンドバーに空間オーディオコンテンツの音を送り出せます。国内メーカーの比較的新しい4Kテレビであれば、eARC対応のHDMIを搭載している可能性が高くなります。もしApple TV 4Kトサウンドバーを導入するなら、自宅のテレビの仕様を確認した後にセッティングを決めるとよいでしょう。
6人までの声を識別。年内予定のアップデートも楽しみ
新しいApple TV 4Kは、年内に2つの大きなソフトウェアアップデートによる機能追加を予定しています。
ひとつは、Siriが家族6人までの声を識別できるようになります。声を聞きわけた後に、各ユーザーにおすすめのコンテンツを提案してくれるようになります。
もうひとつは、HDMI 2.1aの規格に含まれる「Quick Media Switching」という機能のサポートです。例えば映画の予告編と本編のように、異なるフレームレートで収録されている映像が続けて再生された時に、合間に映像のギャップやノイズが発生する場合があります。これを回避しながら、フレームレートや解像度を切り換える機能です。こちらもどんな使い勝手になるのか、アップデート後に試してみたいです。
第3世代のApple TV 4Kは安価なWi-Fi専用機が1万9800円、イーサーネットも搭載するモデルが2万3800円で発売されます。
ストレージ容量は第2世代モデルの2倍と増えながら、Wi-Fi+イーサーネットモデルは価格を据え置いているので、とてもお得感があります。自宅に高速ネットワーク環境とWi-Fi 6対応ルーターを導入済みであれば、より安価なWi-Fi専用モデルでも安心して楽しめそうです。筆者が、もしApple TV 4Kを買い換えるのであれば、Apple Arcadeのゲームがより多くダウンロードできる内蔵ストレージ128GBのWi-Fi+イーサーネットモデルを選ぶでしょう。
第3世代のApple TV 4Kは高いパフォーマンスとコンパクトサイズ、そしてお買い得感がとても強く、今がまさに「買い時」を迎えていると思います。この秋冬、自宅のストリーミングエンターテインメント環境を充実させる計画を立てている方に、まさしく最適なデバイスです。
筆者紹介――山本 敦 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。
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