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WQHD&60fps以上! M1 MaxとM2搭載MacBookで『バイオハザード ヴィレッジ』をプレイした

ASCII.jp / 2022年11月5日 12時0分

 2022年6月6日に実施されたアップル最大かつ恒例の開発者向けイベント「WWDC 2022(世界開発者会議)」。そのなかで触れられた「macOS Ventura」のゲーム機能強化のなかで言及されたのが、Appleシリコン向け最新グラフィックAPI「Metal 3」で採用された「MetalFX Upscaling(メタルエフエックス アップスケーリング)」だ。

 MetalFX Upscalingは、PCゲーミングシーンではすでにおなじみになっている超解像度技術のアップル版で、Appleシリコンが内蔵するGPUに最適化されている。低解像度で描画した映像フレームに、超解像処理とアンチエイリアス処理をして高解像度化する、ポストエフェクト処理を実現した技術で、低解像度でレンダリングするため、高性能なdGPUでなくとも、高画質、高フレームレートを実現できるのが特徴になる。

 アップルは、「macOS Ventura」&「Metal 3」で、これまで決して得意分野とはいえなかったMacでのゲーミングを目指している感じだ。そんなゲーミング=Windows PC(自作PC)という認識を変えるには、キラータイトルも必要なのだが、WWDC 2022ではカプコンの伊集院 勝氏が登壇し、対応ゲームとして『バイオハザード ヴィレッジ』を紹介。

 実際、10月24日の「macOS Ventura」のリリースに合わせて、10月28日にMac版『バイオハザード ヴィレッジ』がApp Storeに登場している。

販売価格は5000円。言語は”EN”になっているが、音声など完全に日本語対応なので安心だ。なお、ゴア表現等は17才以上推奨のCEROレーティング「D」相当となっている

 そんなMac版『バイオハザード ヴィレッジ』を実際にM1 Maxを搭載した16インチ MacBook Proでプレイしてみたので、お届けしていこう。

PS5&Xboxコントローラーをサクッと認識、カスタマイズ可能に

 カプコンが誇る独自ゲームエンジン「RE ENGINE(アールイーエンジン)」で描かれた美しくも残酷な世界を巡る『バイオハザード ヴィレッジ』をプレイする前に、プレイで欠かせないゲームコントローラーに触れておこう。macOSはMontereyから「DUALSHOCK 4」と「DualSense」のPlayStation 4/5用ワイヤレスコントローラーと、「Xboxワイヤレスコントローラー」(Model 1914以降)を正式サポート。

 ワンタッチで接続できるようになっているうえ、ホームボタンの長押しで「Launchpad」を起動したり、共有ボタンで録画開始したりすることも可能になっている。macOS Venturaではさらに進化し、ボタンやスティックのカスタマイズを実現。ゲーム向けAPI「Metal 3」&超解像度技術「MetalFX Upscaling」とともに、ゲーミング環境を整えている。

ワイヤレスコントローラーをBluetoothで、ワンタッチで認識、接続できる。なお、接続方法はアップルのサポートページにも掲載されている 
「ゲームコントローラ」から接続解除や、カスタマイズが可能
ボタンなどのカスタマイズの最下段には、「ジェスチャ共有」の項目もある
macOS Montereyからは、外部液晶ディスプレーの高リフレッシュレート駆動もサポートされている

ゲーム内でMetalFX Upscalingの設定ができる

 32コアのGPUを内蔵するM1 Max搭載の16インチ MacBook Proを使って、Mac版『バイオハザード ヴィレッジ』をプレイしていこう。まずは「バイオハザード」シリーズをプレイするうえで、大事な雰囲気を損なわない画質の設定を確認していこう。

 “現実に近いリアルな光源”を再現するNVIDIAのレイトレーシングの設定があるなど、随所にWindows版の名残があるが、「グラフィックス自動設定」から選ぶのが簡単だ。「おすすめ」、「パフォーマンス重視」、「バランス重視」、「画面品質重視」、「レイトレーシング(選択不可)」、「限界突破」の選択肢から選べる。重厚なストーリーと恐怖を満喫するなら、やはり「画面品質重視」を選びたい。

「画面品質重視」では、画質に最も影響する「テクスチャ品質」が「高:1GB」(最高は高:8GB)、「テクスチャフィルタリング品質」が「高(ANISO ×8)」(最高は高(ANISO ×16))に設定される

 「MetalFX Upscaling」は、デフォルト「オフ」になっており、設定は「Quality(画質重視)」と「Performance(速度重視)」がある。

「MetalFX Upscaling」は2つの設定を選べる

 ゲーム内からは、自動設定からの変更はできないが、各種設定は画面を確認しながら、変更可能になっている。画面全体のテクスチャー品質などに加え、細かい影の表現や、キャラの皮膚の質感(サブサーフェイススキャタリング)、レンズフレア、画面へのフィルム粒子ノイズなど、よりリアル、恐怖を増す設定をプレイするマシンに合わせて調節していこう。

光や影、皮膚の質感など、効果を確認しながら、設定していこう

「MetalFX Upscaling」の画質をチェック

「グラフィックス自動設定」から、「画面品質重視」を選択し、解像度は2560×1440ドットに設定。「MetalFX Upscaling」が「オフ」、「Quality(画質重視)」、「Performance(速度重視)」の状態を比べていこう。比較に使うシーンは、探索の中心になる「村」と、光と影の演出が雰囲気を盛り上げる序盤の「ドミトレスク城内」で、スクリーンショットを撮影している。

 まず雪が積もり、道にはぬかるみもある村から見ていこう。画質はゲーム内の最高ではないが、それでもかなり奇麗で独特な雰囲気も十分感じられる。

村1 オフ
村1 Quality(画質重視)
村1 Performance(速度重視)

「Quality(画質重視)」では、遠方にある家の2階にある窓など、全体的にボヤッとした描画になっている。地面の雪や、銃身の穴なども描画が甘くなっているのが、わかるだろう。ただ、「Performance(速度重視)」では、ひと目で差がわかる画質にダウンしている。道や雪の表現は大丈夫だが、奥にある像などはジャギー(ギザギザ)が目立っており、ちょっと興ざめしてしまう。

村2 オフ
村2 Quality(画質重視)
村2 Performance(速度重視)

 違うシーンでも同じで、「Quality(画質重視)」では描画が甘くなるが、『バイオハザード ヴィレッジ』の世界に浸ることができるだろう。

 続いて「ドミトレスク城内」を見ていこう。GPUへの負荷は、光と影の処理で「村」よりも高くなっている。

ドミトレスク城内1 オフ
ドミトレスク城内1 Quality(画質重視)
ドミトレスク城内1 Performance(速度重視)

 暗いシーンも多いので光と影の表現は非常に大事。「MetalFX Upscalingがオフ」以外では、残念ながら像の台座や、床にあるろうそくの火の描画が見えづらくなっている。見えなくても照らせるので問題ないのだが、気がついてしまうと気になる。Performance(速度重視)」設定時は、「村」と同じく、壁にある像周辺など、ジャギーが目につく。

ドミトレスク城内2 オフ
ドミトレスク城内2 Quality(画質重視)
ドミトレスク城内2 Performance(速度重視)

「オフ」と「Quality(画質重視)」では、ろうそくの火は描かれているが、表現が弱くなっている。また、右側の階段踊りにあたる光にも違いが見られるが、これまでと同じく、そこまで気にならないだろう。「Performance(速度重視)」もここまでと同じだが、右側に右にあるカップなどのオブジェクトにも、ジャギーが目立っている。

 フレームレートを優先したいファーストパーソンシューティングゲーム(FPS)では、「Performance(速度重視)」も良いと思うが、画質が大事な『バイオハザード ヴィレッジ』では、「MetalFX Upscaling」は「Quality(画質重視)」一択と言えるだろう。

フレームレートを確認してみた。

 コマンドを使ってゲーム中のフレームレートなどを表示。16インチ MacBook Proに加え、8コアGPUを内蔵するM2を搭載した13インチ MacBook Airでプレイ中のフレームレートをチェックしてみた。

「グラフィックス自動設定」で、「画面品質重視」を選び、解像度は2560×1440ドットと1920×1080ドットを選択。「MetalFX Upscaling」は「オフ」、「Quality(画質重視)」、「Performance(速度重視)」を試している。なお、フレームレートは表示のみで一定時間からの平均値などは取得できないため、比較的低めの数値を拾ってまとめている。

『バイオハザード ヴィレッジ』は30fps超えなら問題なくプレイでき、60fps張り付きで快適プレイといった感じだ。

ゲームのフレームレートなどを表示できるコマンドを実行している

 当然ながら、32コアのGPUを内蔵するM1 Maxの16インチ MacBook Proは、解像度2560×1440ドット、「MetalFX Upscaling」が「オフ」でも「村」、「ドミトレスク城内」ともに、60fpsを余裕で超えている。変わってM2搭載の13インチ MacBook Airでは、「MetalFX Upscaling」「Quality(画質重視)」に設定することで、30fpsでのプレイを狙える。

 素早い視点変更(エイム)が必要になるボス戦では、解像度を1920×1080ドットに落としてフレームレートに余裕を持たせるといったことは必要だが、『バイオハザード ヴィレッジ』を十分楽しめるだろう。

 筆者はフレームレートなどの確認後も、そのままプレイに熱中。気がつくとボスの巨女「ドミトレスク」を倒し、「ドミトレスク城」をクリアしていた。ストーリーにハマって、プレイを止められなくなるのも「バイオハザード」シリーズの魅力だ。そして「ヴィレッジ」と同じRE ENGINEで制作された「バイオハザード」シリーズとしては、グラフィックが刷新がされ、ゲームシステムとストーリーも再構築されたリメイク作品群、「バイオハザード RE:」シリーズがある。

 2023年3月24日には、名作「4」のリメイク版『バイオハザード RE:4』の発売も予定されている。個人的には『バイオハザード ヴィレッジ』に続いて、Appleシリコン&「MetalFX Upscaling」で、「バイオハザード RE:」シリーズを遊べる日も来るかも?と期待している。

ゲーム情報

タイトル:『バイオハザード ヴィレッジ』 ジャンル:サバイバルホラー 発売予定日:2022年10月28日(金)(好評発売中) Mac App Store価格:5000円(税込) 対応OS:macOS Monterey/ macOS Ventura 対応端末;Appleシリコン搭載Mac CEROレーティング:「D」(17才以上推奨)

©CAPCOM CO., LTD. 2021, 2022 ALL RIGHTS RESERVED.

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