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ブラウン電動シェーバー「シリーズ9Pro」を試す 美顔器ヘッドもありますよ

ASCII.jp / 2022年12月2日 16時0分

替刃式ユーザー、電動シェーバーも気になる

 思い起こせば、自分が「電動シェーバー」という存在を知ったのは、テレビの「モーニング・レポート」かもしれません。「ブラウン! モーニング・レポート!」というアレです。

 モーニング・レポートは、ブラウンが1981年から2003年に放送していたコマーシャル。家を出る前にヒゲを剃ったというサラリーマンに声をかけ、ブラウンのシェーバーでさらに剃ってもらい、剃り残していたヒゲが剃れました……と示すやつです。ちなみに、2019年からは「シェービング・レポート」として、動画共有サイトの広告で見かけるようになっています。

 あれから30年! と綾小路きみまろさんのように時代を進めます。筆者も30代半ばになりました。当然、ヒゲを剃る必要があり、現在はジレットの替刃式カミソリを使用しております。

 では、電動シェーバーはどうでしょうか。個人的には、「あごの下のラインがうまく剃れない」「替刃式のほうが(カミソリ負けもあるけど)ツルッと剃れる」ということで、あまり使ってきませんでした。

 しかし、いつまでもそのイメージにとらわれていいものか。最新モデルなら、筆者の不満が解消されているかもしれません。そこで、「ブラウン シリーズ9Pro」を試してみました。

 ブラウン シリーズ9Proは同社のシェーバーの最上位モデル。2021年8月に発売されています。

秘密は「プロブレード」にあり

 うたい文句は「0.05mmカットの深剃り」です。寝たヒゲや、くせヒゲなど、剃り残しが多いヒゲにアプローチして、朝剃っても夕方に目立ってくる「夕方ヒゲ」を防ごうということのようです。

 具体的な改良点としては、より多くの種類のヒゲを1度にとらえられるように設計されたトリマー刃「プロブレード」を、前モデルの「シリーズ9」より35%広く、30%薄く改良したとのこと。

チタン加工のトリマー刃「プロブレード」(金色の部分)

 これにより、長く伸びた寝たヒゲをより効果的にとらえることが可能になったそうな。従来は半分を剃り残していたという、23度以下に寝たヒゲもしっかり剃れるようになったとします。

 また、900の異なる大きさの穴を持つディープキャッチ網刃で、効果的にヒゲを取り込み、0.05mmの深剃りを実現したほか、前後に40度動くヘッドと、上下に動くサスペンション機能を搭載した「PROスイング密着システム」で、鼻の下やあご下にも密着したままシェービングが可能になりました。

 さらに、毎分1万回の振動が肌を震わせ、肌との摩擦を軽減。少ないストロークでヒゲが剃り切れるため、肌にやさしくなったとうたいます。

ヒゲの周囲やもみあげ部分などを整える「キワゾリ刃」もあります

 洗浄機も付属します。洗浄機に乾燥機能が追加され(全自動5段階アルコール洗浄システム)、より清潔なシェービングが可能になりました。また、匂いの原因となる皮脂汚れを落とすと同時に、99.9%の除菌も可能なのだとか。

「アルコール洗浄システム」のケース
洗剤は下から入れる

ヘッドが動くのが使いやすいですね

なんというむさ苦しい絵面でしょう。申し訳ありません。記事のため、しばらくヒゲを伸ばしっぱなしにした筆者です

 論より証拠、さっそく剃ってみましょう。モデルはもちろん筆者です。ヒゲを剃っていない写真を読者のみなさんにお見せするのは気が引けるのですが、ご容赦いただければ……。

なんとも地味な光景ですね……

 気に入ったのは、ヘッドが前後に40度、サスペンション機能で上下に動くことです。これにより肌に密着するので、顔のカーブに沿ってくれます。剃りやすさを実感できる最大のポイントはこれでしょう。

 ちなみにヘッドを固定するヘッドロックスイッチもありますので、「この角度で剃るときは固定したいなー」という人でも安心です。

 「毎分1万回の振動が肌を震わせ、肌との摩擦を軽減」については、はたしてどうかしら……といったところです。確かに、剃り終わったあとのジリジリする感じはなかったかも。

顔の左半分だけ剃ってみました

 実際に左半分だけ剃ってみると、思ったよりおもしろい絵面にはならなかったのですが、かなりしっかりと剃れたことはわかりました。とくに、首のあたりや頬など、「面」でヘッドが当たる部分に関しては、きれいに仕上がります。

そして、全部剃るとこうなります

 ヘッドが動くことや、プロブレードの改良などが効いているのでしょう、少ないストロークでも、なかなかきれいに剃れる印象です。何度も何度も当てないとなかなか剃れない……という感じはありませんでした。この点に関しては、替刃式カミソリユーザーの自分も納得です。

 一方で、鼻の下やあご周りのラインなどは、やはり慣れが必要かな……とも感じました。ヒゲの生えている流れにうまく沿わせないと、1度や2度のストロークではなかなか剃りきれない。これは、ブラウンがどうというより、電動シェーバー共通の課題でしょう。

頬や首など平面な部分はいいのですが、あごの下あたりはちょっと工夫が必要。慣れてくればもっときれいに剃れるかと

 もちろん、筆者は替刃式ユーザーなので、慣れの部分もあるかと思います。細かい箇所でもシェーバーが密着できるように設計されたヘッドとうたうだけあり、「大きくて、細かいところが剃りにくい……」と感じることは少なかったので、使い慣れてくるのは早そうです。

 まとめると、「思った以上にきれいに剃れる。特に頬の部分などでは顕著」「替刃式ほどツルツルになるわけではないが、取り回しやすさが感じられる」「寝たヒゲや顔のカーブに関しては、ヘッドの当て方をある程度工夫すれば(慣れれば)それなりにイケる」といったところでしょうか。

美顔器ヘッドの効果を実感するのは時間がかかるかも?

「美顔器ヘッド」を装着したところ。知らない人は「ヘッドのカバーかしら」と思うかも

 さて、最上位モデルのブラウン シリーズ9Proですが、2022年8月に「ブラウン シリーズ9Pro 美顔器ヘッド付属モデル」が発売されました。

 こちらには、「美顔器ヘッド」なる交換用ヘッドが付属しています。シェーバーヘッドと付け替えることで、化粧水などのスキンケア製品を肌へ浸透させるものだとか。

 ブラウンの説明によると、美顔器ヘッドから発生する磁力が化粧水成分に作用して起こる磁力の反発と、毎分1万回のシェーバーの振動により、化粧水を肌へと浸透させるのだそう。グリセリンなどのほとんどの保湿成分と反応するため、どんなスキンケア製品でも使用が可能としています。

 自宅で何回か使ってみましたが、効果はすぐには実感できませんでした。確かに、手のひらでパシャパシャと化粧水をはたくのとは違う、ビリビリした感触はあります。

 しかし、それも「手のひらで叩くのと、振動するヘッドで叩くのは大きく異なるのだから、感触が同じわけがない」と言われればそれまでです。プラシーボかもしれませんが、使い続ければ実感できるのでしょうか。

 ともかく、電動シェーバーを選ぶ理由はいくつかありますが、便利で(クリームやジェルなどが必要ない)、肌に優しいという要素は大きいと思います。一方で、その代償というほどでもないですが、深剃りができない、細かいところが剃りにくい……というイメージもあるでしょう。

 そのような点で、ブラウン シリーズ9Proは使いやすい上に、なかなかの剃り具合を実現してくれるものに仕上がっています。替刃式ユーザーですが、もっと電動シェーバーを使ってみようと感じせてくれる出来でした。

モーダル小嶋

1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。

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