国分寺市とFCNTがシニア向けタブレット講習を開催! その充実の内容をレポート!
ASCII.jp / 2022年11月28日 11時0分
FCNTは個人宅に訪問してスマホの使い方を教えたり、スマホに関する悩みを解決したりする「らくらくコンシェルジュ」というサービスを提供しています。対象機種はarrows、らくらくスマートフォンなどのFCNT製端末だけではなく、他社のAndroidスマホやiPhone、タブレットも含まれます。
11月2日、東京都国分寺市でらくらくコンシェルジュの“特別編”でもあるイベントが開催されると聞き、取材しました。
国分寺市の高齢者向け施設で開催
会場は「さわやかプラザもとまち」。国分寺市から指定管理者の指定を受けた「NPO法人あおぞら」が運営・管理している、高齢者向け複合施設です。講座のタイトルは「タブレット端末基本動作講習」。一般向けのらくらくコンシェルジュの定員は最大3名ですが、この日は希望者5名、同施設のスタッフ1名の計6名が受講されていました。
講師はFCNTの田中 威さん。同じくFCNTの小川晴菜さんが受講者のそばでサポートしていました。なお、この日は国分寺市内にある東京経済大学の学生ボランティア2名もサポートで加わりました。
講習は2部構成で、休憩を挟んで約3時間。タブレットの基本操作からアプリのインストール、「Zoom」の使い方まで、かなり盛りだくさんの内容でした。
まだタブレットを持っていなくて、これから使ってみたい人に向けた講座ということで、受講者にはarrowsのタブレットが貸与されました。
タブレットの基本操作から 「Zoom」の使い方までを指導
講習は、本日の講師である田中さんの自己紹介から始まりました。
第1部は、タブレットの部位の説明、電源のオン・オフ、タッチ操作、ロック画面を解除してホーム画面を表示する方法など、基本的なことからスタート。参加者のみなさんは、すでにスマホを使われているとのことで、スムーズに操作している様子でした。
インターネット検索では、キーボードで入力して検索する方法だけでなく、音声で検索する方法も紹介。講師から提示された“チャレンジキーワード”を話して、自分ひとりで検索できるようになるための練習も行なわれました。
動画視聴には「YouTube」アプリを使用。タブレットの大きな画面ではスマホよりも見やすいこともあり、興味を持った参加者が多かったようです。「再生画面を大きくするにはどうすればいいの?」など、積極的に質問している参加者もいました。
スマホと同じようにタブレットでも欠かせない「アプリ」についての説明があり、アプリの探し方とインストール方法を教えて、第1部は終了しました。
第2部では、国立長寿医療研究センターが開発した「オンライン通いの場」アプリと、オンラインミーティングの定番である「Zoom」アプリの使い方が解説されました。どちらも、国分寺市からの要望で、講習内容に取り入れたそうです。
「オンライン通いの場」には、高齢者の健康づくりに役立つ6つの機能があります。講習では、その中から「体操動画」と「脳を鍛えるゲーム」を紹介し、参加者が実際に体験しました。
「Zoom」のレクチャーでは、田中さんが主催するミーティングに、受講者のみなさんが参加。マイクとビデオのオン・オフや画面表示の切り替えなど、基本操作を学んでから、挙手をして順番に自己紹介を行なっていました。短い時間ながら、みなさん「Zoom」の基本操作をできるようになり、ほかの参加者の自己紹介を聞いて、「拍手」のスタンプでリアクションを示せるようになられている方もいました。
初めてタブレットに触れた参加者の感想は?
今回の講習は、国分寺市がFCNTに依頼して開催されたとのこと。国分寺市では、介護予防の施策として「合同筋トレ(筋力トレーニング)」を実施しており、指導者がいる会場と別の会場をつなぐ手段として「Zoom」の導入を考えていたそうです。また、「さわやかプラザもとまち」にタブレットを設置する予定があり、高齢者に使い方を教えるため、スタッフも一緒に受講していたそうです。
講習が終わった後に、受講者に感想を聞いてみました。
ある女性の参加者は「スマホを使っていますが、画面が大きくて見やすいタブレットにも興味があります。普段、スマホでわからないことがあると息子に聞いていますが、息子に頼るばかりで自分で覚えようとしなくなってしまうんですよ。今日は自分で努力して覚えたいと思い、参加しました。1回では覚えられないので、また次があれば参加したいです」と話していました。
ある男性の参加者は「タブレットはすぐに必要ではないが、いずれ必要になるかも」という軽い気持ちで参加されたとのこと。「スマホを使っているのである程度は理解できたけど、全部理解できたとは言えないね。でも、とても楽しかったので、ぜひまた参加したい」と意欲を示していました。
自治体の要望にも応える「らくらくコンシェルジュ」
らくらくコンシェルジュはさまざまな要望に対応しているそうですが、今回の講習は初めての内容だったそうです。FCNTの田中さんと小川さんにも感想を聞きました。
──通常のらくらくコンシェルジュのレッスン時間は1回60分と聞いています。3時間の講習はいかがでしたか?
田中 午後と午前でお昼休みを挟んで5時間という経験はありますが、通しで3時間は初めてでした。受講される方がお疲れにならないかが心配でしたが、みなさんに楽しんでいただけたようで、よかったです。
──今回のテキストは、このために編集したものですか?
田中 タブレットの操作はスマホと共通する部分があるので、いつも使うテキストをベースにカスタマイズしました。第2部で取り上げた「通いの場」と「Zoom」は国分寺市から指定していただき、初めて扱うものでしたのでイチから作りました。「Zoom」は小川にも手伝ってもらいました。
小川 コミュニケーションツールの主流は「LINE」なので、参加者には「Zoom」はなじみがないものだったと思います。操作に手こずっている方もいらっしゃいましたが、挙手やリアクションまで覚えていただけたようで、ほっとしました。
──参加者の反応はどう感じましたか?
田中 長時間で初めての内容でしたが、学生ボランティアの方にも手伝っていただけたので、すんなり進められたと感じています。
──高齢者に教える上で留意していることや、教え方のノウハウはありますか?
田中 いろいろありますが、毎回やっているのは冒頭の自己紹介。「田中 威(たけし)と読みますが、威風堂々とはしていません」などと話して笑っていただき、場を和ませるようにしています。初めて参加される方は緊張してしまうことが多いので、ときどき笑いを誘い、緊張をほぐしていただけるように努めています。
──らくらくコンシェルジュの講師は何人いらっしゃるのですか?
田中 全国47都道府県に対応するスタッフがおります。
──今回はarrowsのタブレットを使いましたが、他社の製品を使うこともあるのですか?
田中 個人的にお伺いする場合は、メーカーや機種を問わず、すべてのスマートフォンに対応しています。ですが、私が担当している範囲ではAndroidをお使いの方が多いですね。
小川 私が教えるレッスンでは、iPhoneをお使いの方も結構いらっしゃいます。スマホ未経験者に教える講座では、みなさんに同じ端末をお貸ししています。スマホの場合、弊社のarrowsやらくらくスマートフォンを使っていただいています。すでにスマホをお使いの方が集まる講座では、それぞれ違うスマホなので、テキスト通りには進められず、個々にサポートする必要が生じます。
田中 弊社のスマホを使っていなくても、購入を勧めることもありませんし、販売もしません。らくらくコンシェルジュは、あくまでも誰でも気軽に利用できるサービスとして提供しています。
──ありがとうございます。本日はお疲れ様でした。
らくらくコンシェルジュは、スマホやタブレットの使い方で困っている個人だけではなく、高齢者のデジタルデバイド問題解消に取り組む自治体の要望にも応えてくれる存在になっているようです。
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