ネットギアの“Pro AV用スイッチ”「M4250」の評価は? アストロサーブに聞いた
ASCII.jp / 2022年11月18日 7時0分
2022年11月16日~18日に幕張メッセで開催されている「Inter BEE 2022」(主催/JEITA=電子情報技術産業協会)にネットギア ジャパンがブース出展している。
昨年に続いて2回目の出展となる今回はブース規模を拡大し、AV over IP向け設定がプリセットされた“AVライン”スイッチの「M4250シリーズ」「M4300シリーズ」を中心に据えたソリューション展示を行っている。
このうち、M4250シリーズを中心に据えたマルチベンダー会議室ソリューションの展示構築を支援したのが、企業や学校、公共施設などの映像/音声コミュニケーションシステムの設計や開発、構築を手がけるアストロサーブだ。アストロサーブ 代表取締役の奥谷茂氏、東日本営業部の小林稔希氏に、今回のソリューション展示の見どころや、ネットギアAVラインスイッチの評価、今後への期待などを聞いた。
今回のソリューション展示の見どころは?
――まずはアストロサーブという会社について、簡単にご紹介いただけますか。
奥谷氏:ひと言で言えば、映像や音声で「伝える」ということをサポートする会社だと思っています。具体的には会議室システムの構築だったり、ホール音響の構築だったり、デジタルサイネージだったり、そういうさまざまな「伝える」をハード、ソフトの両面からサポートしています。タッチパネルコントローラーのようなソフトウェアの開発、イベントの映像配信や収録といったことも含め、ワンストップでできるのも特徴です。
――今回のソリューション展示の「見どころ」を教えてください。
奥谷氏:一番の見どころとしては、この会議室システムを構成するすべての機器が、ネットギアのM4250スイッチに収容されている点だと思います。映像も音声もありますが、すべてIPベースで伝送されていてアナログ的な要素はない。来場者の方には「そういう世界になってきたんだよ」ということを見ていただきたいと思います。
ちなみにパワードスピーカー(GENELEC製)やリモートカメラ(キヤノン、AVer製)などはPoE+対応製品であり、Ethernetケーブル1本でM4250スイッチから給電しています。昔と比べて設置も非常にシンプルになりましたね。
――アストロサーブでは、M4300、M4250のような“AVライン”スイッチが登場する以前からネットギア製品を取り扱われていたのですか。
奥谷氏:個人的には以前から注目していて、実際のシステム構築でもしばしばネットギアのスイッチを利用していました。注目していた一番の理由は製品のコストパフォーマンスが良いこと、あとは「静かに動作する」という点でしょうか。ファン内蔵のモデルでも、他社と比べて動作音がうるさくないと感じます。
われわれの場合は音声や映像のシステム構築ですから、サーバールームではなく、企業の会議室や同時通訳ブースの片隅にスイッチを設置するわけです。そういう場所で音がうるさい製品だと、やはり困りますからね。
――個人的にはご存じだったけど、まだ会社としての深い関係ではなかったと。それが今回のInter BEEでソリューション展示を支援することになったきっかけは?
奥谷氏:アストロサーブはPSNI(映像/音声インテグレーターで構成される国際アライアンス)に加盟しているのですが、9月にイタリアで行われた年次ミーティングで、ネットギアがベンダーパートナーとして新たに加盟したことが発表されたんです。わたしもそこに出席していて「これは何とかつながりたいな」と考えていた矢先に、SNS経由でネットギア側からアプローチをいただきました。そこからすごいスピードで話が進み、今回の展示をお手伝いすることになりました。
AVシステム構築のプロ視点で「M4250シリーズ」スイッチの評価は?
――今回のソリューション展示の中心はM4250スイッチですが、実際にプロAVシステムを構築される立場から、どのように評価されていますか。
奥谷氏:ネットワークの知識があまりない人でも、GUIを開いてあらかじめ用意されているプロファイルから「このポートに何を接続するか」を設定するだけでよいので、すごくありがたいし有用だと思います。
わたし自身は昔のスイッチをコンソールから設定した経験もありますが、ものすごく面倒でした。しかも、ネットワークの仕事を専門でしているわけではないので、毎回設定のたびにコマンドを忘れてしまうんですよね(笑)。やはりシンプルなGUIで使えるのは助かります。
――設定が簡単だと現場のスピードアップにつながりますよね。
奥谷氏:コンソールや複雑なGUIからしか設定できないとなると、できる人が限られてしまいますから、誰でも設定できるのはとてもいいですね。昔のスイッチだと、そうした(機器に応じた最適な)設定がなされずに、初期設定のまま使われているものも多いのではないかと想像します。
――小林さんの立場から、M4250スイッチの評価はどうですか。
小林氏:営業の立場から言うと、最初にシステムを提案するときに「あまりいろいろ考えずに提案できる」のがありがたいですね。
これまでのスイッチだと、ほかのAV機器との組み合わせで本当に問題がなく動作するのか、あるいはお客さんの要望する機能が実現できるのか、社内のエンジニアに細かく確認してから提案する必要があったんです。そこが、M4250ならば豊富なプロファイルに対応していますから、安心して提案に組み込むことができる。これが大きなメリットだと思います。
それから、ポート数やPoEの給電容量の選択肢が非常に多いのも魅力です。そういう意味でも、ひとまずM4250シリーズを選んでおけばほとんどの提案に対応できる。営業マンとしてはうれしいですね。
――今後、プロAV向けスイッチとしてさらにこういう点を改善してほしい、という要望はありますか。
奥谷氏:スイッチとしての機能にはかなり満足しているので……。あえて言えば、ハーフラックのような小さなモデルでも、電源を本体に内蔵したモデルを出してほしいですね。PoE+ということもあって電源アダプターがかなり大きいので、ラックにすっきり収めようとすると面倒なんです(笑)。2Uの厚みになってもいいので電源を内蔵してくれるとうれしいですね。あるいはアダプターがネジ止めできるような仕組みでもいいと思いますが。
小林氏:わたしもそこが一番の要望ですね(笑)。付け加えるなら、さらに低価格なモデルもラインアップに追加されるとうれしいです。現在は全ポートPoE+給電のモデルですが、半分のポートだけ給電対応、給電なしといったかたちで低価格なモデルが追加されると、営業として提案の幅が広げられると思っています。
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