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遮光機能が秀逸、約260gと軽量なARグラス「Magic Leap 2」を体験!

ASCII.jp / 2022年11月19日 13時0分

 ARグラスの「Magic Leap 2」は、既に国外では発売されているが、未だ国内での販売は行われていない。2023年の春ごろには発売されるとのことだが、価格は未定だ。

 今回、そんな「Magic Leap 2」を触る機会を得たので、どんな製品だったのかを簡単に紹介したい。

 Magic Leap 2は、Magic Leap 1の後継機。Magic Leap 1はコンシューマーやエンターテインメント向けの製品で、アプリストアも用意されていた。しかし、Magic Leap 2は、従来機でのフィードバックなどを得たうえで、法人向けにシフトしたという。

 デイスプレー解像度は、片眼1440×1760ドット、視野角70度、リフレッシュレート120Hz、1680万色の色彩に対応する。

 同社がCopute Packと呼ぶデバイスにAMDの7nmプロセスでZen 2ベースのSoCと、バッテリー、256GBストレージを搭載。Wi-Fi 6Eの無線LANにも対応する。駆動時間は公称3.5時間。

ヘッドセットとCopute Packの主な仕様

 Magic Leapは、家具の販売においてシステムキッチンを配置し、パーツやカラーを変えて確認したり、医療、工場の現場での新人教育だったりに活用されるとのこと。

 実際にMagic Leap 2のデモ機を体験したが、ヘッドバンド部分が非常に柔らかい素材で、両手で簡単に広げられて、頭にかぶった後、ヘッドバンドを左右から押すことで、ピタッと頭にフィットする。

左右のヘッドバンドのほか、頭の上にゴム製のバンドがあり、ヘッドセットが落ちないようになっている。約260gと軽く、装着にも手間がかからないので、手軽に被ったり、外したりができると感じた
正面と左右にカメラが搭載されている
Copute Packは、ケーブルでヘッドセットと繋がっており、着脱はできない。Magic Leap 2を使用する際は、肩や首に掛けておく
コントローラーには、トラックパッドとボタンが2つ、トリガーが2つ用意されている。充電はUSB Type-Cで行い、手首に掛けるストラップも備わっている
音はヘッドバンドの内側にあるスピーカーから聞こえる。単純なステレオサウンドではなく、バーチャル3サラウンドに対応し、後ろからの音なども再現されるとのこと

 左右から頭を挟む形になるが、力加減は絶妙で、長時間利用でも頭が痛くなるようなことはないように思えた。また、構造上眼鏡を付けたまま利用できないが、提携のメーカーによる視力調整レンズをマグネットで付けることで、視力の悪い人でも快適に使えるようになる。

 筆者も両目0.01くらいとかなり視力が悪く、乱視も入っているが、レンズで補正したら文字もハッキリと見え、快適に利用できた。加えて、ノーズパッドや額に当たる部分のパーツも複数用意されており、ユーザーが最もフィットし、快適に使えるようにカスタマイズできる。

レンズで視力補正も可能

 ARグラスの視聴できる範囲は、従来のMagic Leap 1や、マイクロソフトのHoloLensも、かつては小窓を覗くくらいの範囲でしかなかった。そのため、正面のARが見える範囲にARで見たいオブジェクトを合わせるため、頭や体をよく動かす必要があった。

 しかしながら、Magic Leap 2では、対角の視野角が広くなり、高さのあるオブジェクトを視界に収めるられるようになったため、より実用的になったと感じた。

写真はMagic Leap 2で視認した際の映像。無線接続でPCにミラーリングした映像なので、画質は粗め。また、ARで表示可能な範囲だけなので、実際にはシースルーで現実世界を見ている中に、この範囲内でデジタルデータがARで視聴できている

 加えて、面白い試みとして2つのディミング(遮光)機能を備えている。1つはARで表示されたウィンドウやオブジェクトといったデジタルデータ以外の光量を落とし、鮮明にする「グローバルディミング」。もう1つは、デジタルデータの周りに黒い影を作り、鮮明化する「セグメンテッドディミング」だ。

 簡単に言うと「グローバルディミング」では、デジタルデータ以外の背景を全体的に暗くして視認性を高め、「セグメンテッドディミング」ではデジタルデータの周りだけに影を加えて視認性を向上させる。こうした機能により、今までのARグラスのように太陽光下のような強い光が当たる場所では、デジタルデータが非常に薄く表示され、見づらいということがなく、快適な視認性を実現している。

ディミング機能がオフだと、窓からの強い光などがあると、オブジェクトの視認性が悪くなる
「セグメンテッドディミング」を有効にすると、オブジェクト周りに影ができ、視認性が向上する

 Magic Leap 2では、3DデータをARで表示し、片手用コントローラーで位置を動かしたり、拡大/縮小だったりが可能。また、内部まで作り込まれた3Dデータは、顔を埋めれば内部の構造も見ることができる。デモでは、3Dデータで作られたMagic Leap 2を分解し、パーツ1つ1つをコントローラーで動かし、じっくりと確認することができた。

 ARやMRなどは、古くから数多くの企業がハードウェアやソフトウェアを研究開発しているが、一般的な利用には普及率の高いスマホが使われることが多い。マップを現実世界の視覚上に表示するなど、いろいろと活用方法は考えられているが、安全性による国の許可などのハードルもあり、一般利用の普及はまだ少し時間がかかりそうだ。

 しかしながら、医療や工場などの現場では、Magic Leap 2のような機器が活躍する場は多そうだ。今後の動向にも注目したい。

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