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ドコモの3G機はまだ使えるのか? 3Gケータイ+格安SIMの組み合わせで試した

ASCII.jp / 2022年11月20日 12時0分

 ソフトバンクが、3Gサービスの終了日を「2024年1月31日」と正式発表したことで、再び3Gケータイの終わりについて話題になっている。そこで格安SIMで3Gケータイを使うとどうなのか、今でも3Gが使えるドコモMVNOのSIMを使って試した。

3Gケータイを引っ張り出して、格安SIMと組み合わせて試した

5Gではなく、4G契約のMVNOの格安SIMなら 3Gケータイはまだ使える

 ドコモは現時点で、3Gサービス(FOMA)の終了日は2026年3月31日と発表している。ドコモの3Gは800MHz帯と2GHz帯の2つの周波数で提供されているが、2GHz帯は先に順次停波するとしている。しかし、800MHz帯、FOMAプラスエリアに対応したもの、つまり初期のもの以外のドコモのFOMA携帯電話なら、当分は普通に使えると考えられる。

 MVNOの場合は、セット販売や動作確認をしているのはスマートフォンが中心なので、ケータイや3G機種は使えないように見えるが、条件を満たしていれば、通話とSMSは問題なく使える。

3G(FOMA)ケータイもちゃんと使える

 その条件とは、5G契約でないこと。たとえばIIJmioは、会員ページから4G契約と5G契約を切り替えが可能だが、5Gをオンにすると3Gサービスが使えなくなり、オフにすると使えるようになる。

 そこで、MVNOとしてIIJmio、OCN モバイル ONE、mineo、日本通信SIMの合計4回線を用意した。いずれも5Gはオフの状態。端末として3Gケータイ「らくらくホン ベーシック3(F-08C)」を用意し、どうなるか試してみた。

音声はまったく問題なし、SMSも使える

 4枚のSIMを用意したが、音声の発着信、SMSの送受信ともに問題なし。念のため、5G契約ではどうなるか試してみたが、IIJmioで試したところ5Gをオンにしたらすぐに圏外となった。

 念のため、ドコモの5G契約のSIMも試したが、同じく圏外となって使えなかった。SIMが機能がしているかどうかの確認として、自番号表示を試したが、電話番号は問題なく表示したので、SIMは正常でネットワーク側から接続を認められていない状態といえる。

MVNOの格安SIMでも5G契約にすると「圏外」になる

 3Gのエリアの問題も、ここ数日間あちこち持ち歩いてみて、アンテナマークを確認していたが、さすがドコモ。どこへいってもアンテナは3本立ち。着信テストもしてみたが、どこでも問題なく接続できた。

街中を持ち歩いてみたが、どこへ行ってもバリ3だった

 音声通話に関しては、VoLTE同士のクリアな高音質通話にはかなわないものの、3Gのレベルの音質で通話は可能だ。

 MVNOなので当然キャリアメールは使えないが、ネットワーク設定をすればデータ通信ができる3Gケータイもあることにはある(「ARROWS ケータイ F-05G」を格安SIMで使用してみた!)。4GケータイはAndroidがベースで、3Gケータイは独自OSというイメージがあるが、初期のAndroidベースのケータイには3Gまでの製品があったのだ。

 今回そのような機種が手元になかったので試していないが、上の記事で紹介しているような、APN設定ができるものであれば、3G回線でもネットはできるはずだ。

MVNOのSIMにするメリットは料金と通話

 さて、ここでFOMA契約のSIMから、MVNOに変更するメリットを考えてみたい。基本使用料を下げられるというのはもちろんだが、MVNOによっては通話料も半額になったり、通話定額オプションが用意されている。

 以前はMVNOの格安SIMで通話料を安くするには、通話アプリからの発信か、発信時の電話番号の前にプリフィックス番号を付ける必要があったが、今は設備側で自動プリフィックス付与機能があって、ユーザーは普通に電話をかければいいMVNOも増えている。今回試した中ではIIJmio、OCN モバイル ONE、mineoが該当する(IIJmioは通話定額は要アプリ)。そして、日本通信SIMも仕組みはやや違うが、同様にアプリや番号の追加は不要。つまり、今回試したMVNOは普通に発信するだけで、いずれも30秒あたり11円で通話ができる。

 また、MVNOのSIMならば、ほとんどの手続きはネットで完結する。今はドコモでも解約までネットで可能になったが、一部の手続きはオペレーターと通話しなければならないこともある。その点、MVNOのほうが必要な手続きは簡単そうだ。

実はドコモの「ケータイプラン」もおトクにはなっている

 MVNOの格安SIMにすると基本使用料などが下がる可能性もあるが、キャリアメールが必要なら、そのまま使い続けるしかない。

 どうしても従来型ケータイを使いたいのなら、現行機種として販売されている4G対応のケータイに機種変更、プランも最新のケータイ向けのプランにするのがいいだろう。たとえばドコモは「ケータイプラン」が2019年10月に登場しており、データ通信量が月100MBも含まれて、月1507円。家族間通話は無料で、かけ放題オプションも月1870円で追加できる(1回5分までは月770円)。

ドコモの4Gケータイ向けプランが、名前もそのままの「ケータイプラン」。3Gケータイ時代の「タイプSS バリュー」などのように無料通話分がないのが残念だが、100MBのデータ通信込みで1507円。同じ「ファミリー割引」グループに入っている家族間の通話も無料になる

 昔のような2段階定額などもないため、使いすぎても通信速度が絞られるだけで(最大128kbps)、意図せず請求額が跳ね上がることもない。

 auやソフトバンクも似たようなプランとなるが、どちらもデータ通信はオプションで、それを含めると大体ドコモと同じような金額になる。こちらもケータイを使い続けたいのなら新機種の購入が必要となるが、無理にスマートフォンにせず、今後も使い続けることができるので確認してみてほしい。

3G機種やケータイを使っているからといって焦る必要はない

 3Gケータイを現在でも使えるかどうかだが、ドコモに限って言えば、しばらくは問題無さそうであるため、特に問題がないなら急いで急いで新しい機種にする必要もないだろう。ただし、3Gスマートフォンの場合は相当古い機種になるため、セキュリティー更新がされない可能性が高く、早急に新しい機種に買い替えることをおすすめする。

 特定の3Gケータイを使い続けたいマニア的なユーザーで、低コストで維持したいのであればMVNOが有利になり、たとえば日本通信SIMなら月321円から維持できる。

 なお、今回はドコモのSIMで試してみたが、ソフトバンクでは旧機種に新しい契約のSIMを差すなどした場合に、「アクセスインターネット(パケット通信)」で通信してしまう場合があり、昔の基準のパケット料金となって、あっという間に高額請求になるケースが考えられる。その点は注意してほしい。

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