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有名レンズの雰囲気も再現、よりライカらしいカメラ機能を備えた「LEITZ PHONE 2」

ASCII.jp / 2022年11月23日 12時0分

 ドイツのライカカメラ社が全面監修したソフトバンクのスマートフォン「LEITZ PHONE」シリーズの第2弾、「LEITZ PHONE 2」が発売された。カメラ性能の強化に加え「Leitz Looks」が進化し、ライカカメラ社を代表する3つのレンズの画質を再現するなど、一層ライカカメラらしさに力が入れられたLEITZ PHONE 2の実力を実機から確認してみよう。

画面のフラット化でスクエアなデザインに変化 背面からFeliCaマークはなくなったが、もちろん本機も搭載

 まずは外観から確認すると、LEITZ PHONE 2は6.6型のディスプレーを搭載しており、サイズは約77×161×9.3mm、重量は約211g。最近のスマートフォンとしてはスタンダードだが、厚さと重量があるぶんやや大ぶりで、初代の「LEITZ PHONE 1」(約74×162×9.5mm、約212g)と比べても幅が増していることから、やはり大きくなったと感じる。

「LEITZ PHONE 2」の正面。ディスプレーがフラットになったことで、かなりスクエアな印象のデザインに変化している

 大きくなったと感じるのはもう1つ、ディスプレーの変化も影響しているからだ。LEITZ PHONE 1はカーブドディスプレーを採用し、側面にやや丸みのあるデザインとなっていたが、LEITZ PHONE 2はディスプレーがフラットでより角ばったデザインに変化したことも、大きく感じる要因だろう。

 ただ厚みがあるぶん、手にした時の安定感は高く、側面にはローレット加工が施されているので滑りにくくなっている。ライカカメラ社らしく撮影しやすさを重視したデザインにまとめたといえそうだ。

側面には凹凸が刻まれたローレット加工が施されており、撮影時も滑りにくくなっている

 背面のデザインは前モデルに近く、ホワイトのボディーに赤い「Leitz」のロゴと、大きなカメラが目立つ、シンプルながらも特徴的なデザイン。カメラ部分は新たに2つの段差が設けられ、出っ張りがより目立ちにくくなったのはうれしい。一方で前モデルにあったFeliCaマークがなくなっているのだが、FeliCa自体には対応しているので安心してほしい。

背面から見たところ。「Leitz」ロゴと大きなカメラが印象的なデザインで、FeliCaマークはなくなった。ちなみにカラーは「ライカM」の限定色がベースとのこと

 側面を見ると、右側面に電源キーと音量キー、底面にUSB Type-C端子、上面に3.5mmのイヤホン端子が備わっている。指紋センサーはLEITZ PHONE 1同様ディスプレー内蔵型で、2本指による認証にも対応している。

右側面には電源キーと音量キーを配置
底面には充電用のUSB Type-C端子が備わっている
上部にはイヤホン端子とSIMスロットがある

「Leitz Looks」の強化でライカらしさを増したカメラ

 最大のポイントとなるカメラを確認すると、背面のカメラは約4720万画素/F値1.9のメインカメラと、約190万画素のカメラの2つを搭載。ただ後者のカメラは距離測位用のセンサーとして活用するため、実際には1眼構成と考えてよいだろう。

カメラは2眼だが、実質的にはメインカメラの1眼構成。ベースモデルの「AQUOS R7」と同様に1型のセンサーとライカカメラ社監修のレンズが搭載されている
LEITZ PHONE 2で撮影した写真
同じ場所から0.7倍で撮影。1つのレンズで超広角からズームまでまかなう仕組みは変わっていない

 LEITZ PHONEシリーズはシャープが製造しており、同社のフラッグシップモデルがベースとなっていることから、LEITZ PHONE 2のカメラもハード的には「AQUOS R7」と同じ。それゆえメインカメラのセンサーは1型と非常に大きく、自然なボケ感のある写真を撮影できる一方、LEITZ PHONE 1より画素数が増えているので暗い所やズーム撮影により強くなったほか、8K動画撮影にも対応できるようになった。

こちらは6倍ズームで撮影した写真。画素数の向上でズーム撮影時も綺麗に撮影できるようになった
1型センサーを活かした、自然なボケ感のある写真を撮影することも可能
夕暮れ時の比較的暗い時間帯に撮影した写真。これくらいの明るさであればナイトモードを使わなくてもくっきり明るく撮影できる

 またLEITZ PHONE 1、ひいてはそのベースとなった「AQUOS R6」で弱点とされていたオートフォーカスに関しても、イメージセンサーにフォーカス用の位相差画素を搭載した「Octa PD-AF」に対応、より高速かつ的確にフォーカスが当てられるようになった。実際に撮影してみてもかなり撮影しやすくなったと感じる。

 カメラアプリに関しても、LEITZ PHONE 1同様ライカカメラのインターフェースを取り入れた構成となっており、マニュアルモードでもカメラに搭載されている機能以外は省くなど、ライカカメラ社らしいこだわりが随所に感じられる内容となっている。ちなみにRAW撮影はマニュアル、もしくはハイレゾモードで使用可能だ。

マニュアルモードで使える機能も、通常のカメラにない機能だけを実現するべく、あえてAQUOS R7からいくつかの機能を減らしているとのこと

 そのこだわりが最も強く取り入れられているのが、LEITZ PHONEシリーズ独自の撮影モード「Leitz Looks」である。LEITZ PHONE 1ではモノクローム撮影など、ライカカメラらしい写真を再現するフィルタが用意されていたが、LEITZ PHONE2ではさらに強化がなされており、ライカカメラ社を代表する3つのレンズの画質を体験できるようになった。

 1つ目は風景などの撮影に適した遠近感のある撮影ができる「Summilux 28」。2つ目はスタンダードな画角でスナップ撮影に適した「Summilux 35」。そして3つ目は、ポートレート撮影に適したボケ表現ができる「Noctilux 50」である。

「Leitz Looks」の「Summilux 35」で撮影した写真。一般的な画角で幅広いシーンで活用しやすい印象だ

 もちろんLeitz Looksはレンズだけでなく、「Monochrome」「Cinema Classics」「Cinema Contemporary」の3つのフィルタが用意されている。それらを組み合わせればよりライカカメラらしい特徴的な写真を撮影することが可能だ。

「Summilux 28」×「Monochrome」で撮影した写真。画角が広く、遠近感を明確にできるのが特徴だ

 筆者はライカカメラを使った経験がないので、それらレンズとの具体的な比較はできないのだが、実際に撮影してみると通常のスマートフォンカメラでは体験できない独特の表現が手軽にできると感じる。とりわけSummilux 28やNoctilux 50は遠近感がはっきりするので、うまく活用するとかなり印象的な写真を撮影できそうだ。

「Noctilux 50」×「Cinema Contemporary」で撮影した写真。ポートレートに適したレンズを再現しただけあって、顔のアップなど近距離の被写体撮影に向いている

 ただ実際にLeitz Looksモードで撮影してみると、シャッターを切った後に数秒時間がかかってしまうのが気になった。LEITZ PHONE 2のカメラはあくまで1つなので、3つのレンズの雰囲気を再現するにはそれぞれのレンズに合った画角に写真を切り取り、さらにソフトウェア処理でレンズの特徴を出す仕組みとなっている。その処理に時間がかかっているのだろうが、連続での撮影がしづらい点は少々ストレスに感じる人もいるかもしれない。

 ちなみにLEITZ PHONE 2にはもう1つ、こだわりの新機能として「Golden Hour Widget」が追加されている。これは「LFI Wideget」に続く第2弾の独自ウィジェットで、自然光が最も美しい朝夕の時間帯を、現在いる場所に応じて示してくれるというもの。光にこだわる撮影をするならぜひ活用したい機能といえる。

左上にあるのが「Golden Hour Widget」。現在地に合わせて美しい自然光が発生する時間を示してくれる

 なおフロントカメラは約1260万画素/F2.3で、こちらもAQUOS R7と共通している。AQUOS R7と同様、フロントカメラの方がポートレートモードの機能充実度が高いので、日常的なセルフィーの撮影用途としてはこちらの方が便利だろう。

フロントカメラもAQUOS R7と共通。ポートレートモードによる背景ぼかしや顔の加工などもそのまま継承されている

性能はAQUOS R7と共通、専用ケースとレンズキャップも付属

 性能面を確認すると、こちらもAQUOS R7と共通しており、チップセットにはクアルコム製のハイエンド向けとなる「Snapdragon 8 Gen 1」を搭載。メモリーは12GB、ストレージは512GBと性能的にはかなり高い。

 それゆえベンチマークのスコアも高く、AAAクラスのゲームも快適に動作する。そうしたことを考えるとLeitz Looksはかなり負荷の高い処理をしているのではないかと推測され、カメラの画素数の向上も含め、スペック向上によって実現できたものと見ることができそうだ。

「Geekbench 5」のCPUベンチマーク結果
「3DMark」(Wild Life Extreme)のベンチマーク結果
「PUBG MOBILE」のグラフィック設定はクオリティが「FHD」、フレーム設定が「ウルトラ」まで上げることが可能
「原神」のグラフィック設定はデフォルトで「中」。最高画質かつフレームレートを60fpsにしても動作は快適だ

 バッテリーは5000mAhで、Qiによるワイヤレス充電にも対応。防水・防塵性能もIP6X/IPX5/IPX8と最高水準なので、利用する上での安心感も高い。ただ製品自体かなり高額(22万5360円)なので、より安心して使いたいなら付属のケースとレンズキャップを装着しておくのがいいだろう。

シリコンケース(左)とレンズキャップ(右)も標準で付属する

 ケースはLEITZ PHONE 1と同様シリコン素材で、装着するとローレット加工の影響はなくなってしまうが、ケースの素材自体が滑りにくい。またレンズキャップもマグネット式なので、しっかり装着できることから安心感は高い。

実際に装着したところ。ローレット加工の溝はなくなるがケース素材が滑りにくく、キャップもマグネット式なので安心感は高い

 最後に通信機能についてだが、SIMは物理SIMとeSIMのデュアルSIM構成で、もちろん5Gにも対応。5Gはミリ波(バンドn257)やNTTドコモの4.5GHz帯(バンドn79)、4Gもドコモやauのプラチナバンド(バンド18/19)に対応するので、非常用に他社のSIMを入れておく場合も安心だ。

SIMスロットは物理SIM(nanoSIM)×1。形状的にやや装着しにくいのが気になった

【まとめ】ベースモデルとの価格差が小さいのはメリット

 まとめると、LEITZ PHONE 2はライカカメラらしさという部分をしっかり継承しながらも、ベースモデルの性能向上に合わせてよりライカカメラらしさを実現したといえるだろう。LEITZ PHONE 1では比較的影が薄いと感じたLeitz Looksも、LEITZ PHONE 2では通常のカメラと違った雰囲気の撮影ができるだけに、面白い使い方ができそうだ。

 価格も22万5360円と、LEITZ PHONE 1の発売当初の価格(18万7920円)と比べれば高いのだが、実はベースモデルのAQUOS R7もソフトバンクの一括価格で18万9360円と大幅に上がっているため、ベースモデルとの価格差がかなり小さくなっているのだ。もちろんどちらも高額で買いやすいとは言い難いのだが、カメラの愛好家がターゲットとなるだけに「これくらいの価格差ならLEITZ PHONE 2を選んでもいいかな」と思わせる価格設定となったことは、ある意味メリットといえるのかもしれない。

 ただ販路は一部のソフトバンクショップや家電量販店に限られるなど、LEITZ PHONE 1より狭くなっている。購入する際は近隣で購入できるかどうか注意を払うべきだろう。

 

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