カメラ性能がアップしたミドルクラスの王道モデル「AQUOS sense7」
ASCII.jp / 2022年11月25日 12時0分
今やミドルクラスの定番ブランドとなったシャープの「AQUOS sense」シリーズ。その最新機種となる「AQUOS sense7」がドコモとKDDI(au、UQ mobile)、楽天モバイルから発売中だ。デザインやカメラなど大幅なリニューアルが図られたAQUOS sense7だが、その使い勝手はどのようなものだろうか。実機をお借りして確認してみよう。
素材感は継承もデザインは「AQUOS R7」ライクに
まずは外観を確認すると、ディスプレーサイズは約6.1型でサイズは約70×152×8.0mm、重量は約158g。前機種となるAQUOS sense6/6sと同じ画面サイズで、サイズと重量が約70×152×7.9mm、約156gとなっていることから、サイズ感はほぼ変わっていない。
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だが見た目はかなり変化しており、そのことを象徴しているのが背面デザインだ。AQUOS sense7は素材感こそAQUOS sense6/6sと同様アルミを用いており、米国国防総省が定める「MIL-STD-810G」に準拠した耐衝撃性能を備えているのだが、そのデザインは先んじて販売されている大画面モデルの「AQUOS sense7 plus」と同様、2022年のフラッグシップモデル「AQUOS R7」のデザインを踏襲。カメラを中央上部に配置し、特徴を際立たせている。
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普遍的だったAQUOS sense6と比べて個性が明確になったのは評価できる一方、カメラモジュールの大型化のためか、出っ張りはやや大きくなったようにように感じる。ただ円形のデザインということもあって引っ掛かりは弱く、そこまで気にならない印象だ。
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側面を確認するとキー類は右側面に集中しており、音量キーと電源キー、そして指紋センサーが備わっているが、Googleアシスタントキーはなくなっている。また、底面にはUSB Type-C端子と3.5mmのイヤホン端子が備わっている。
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ちなみに指紋センサーは最近の機種で多い電源キーと一体のタイプではなく、別になっているのでロック解除にはやや手間がかかる。ただフロントカメラを用いた顔認証によるロック解除にも対応しており、しかもこちらはマスクをした状態でも解除ができることから、日常のロック解除には顔認証、決済などに指紋認証を用いるなど、使い分けをするのが良いだろう。
標準カメラは進化も 望遠カメラは姿を消す
続いてカメラを確認すると、背面のカメラは約5030万画素/F値1.9の標準カメラと、約800万画素/F値2.4の広角カメラの2眼構成。中央に配置されているのが標準カメラとなる。
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AQUOS sense6/6sから大きく変わった点は、1つに標準カメラのイメージセンサーである。センサーサイズが1/2型から1/1.55型へと大型化がなされており、より暗い場所での撮影に強くなったほか、すべての画素を用いた位相差オートフォーカス(AF)にも対応。AQUOS sense6/6sと比べてAFの速度が2倍高速化したと謳っている。
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さらに新しい画質エンジン「ProPix4」や、RAWデータによるレイヤー合成など、AQUOS R7譲りの技術をふんだんに投入しており、画質の改善が進められている。以前はあまり評判が良いとは言えなかったAQUOS senseシリーズのカメラだが、フラッグシップモデルでライカカメラによる監修が入って以降、ミドルクラスのモデルでも画質改善が進んできているようだ。実際に撮影すると、さまざまな部分で改善が進んでいる様子を見て取ることができる。
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そしてもう1つ、大きく変化したのが望遠カメラがなくなったこと。ただ、元々望遠カメラの性能はあまり高いわけではなかったのと、イメージセンサーや画質エンジンの向上により標準カメラの改良が進んだことから、デジタルズームでもある程度代替ができるとの判断がなされたのだろう。
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なお、フロントカメラは約800万画素/F値2.0とミドルクラスではオーソドックスな内容。背景ぼかしと美肌機能は背面、前面のカメラとともに「ポートレート」モードで利用できるよう共通化がなされている点は評価できるが、美肌機能はフロントカメラの方が充実度が高い。
対応バンドは「AQUOS sense7 plus」より多い
基本性能を確認すると、チップセットはAQUOS sense6sと同じクアルコム製の「Snapdragon 695 5G」を搭載しており、メモリーは6GB、ストレージは128GB。現在のミドルクラスのど真ん中というべき性能で、ベンチマークや主要ゲームのグラフィック設定などを確認してもSnapdragon 695 5Gを搭載した他のスマートフォンと大きく変わらない。
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ただAQUOS sense7 plusと違ってディスプレーやサウンドの性能強化はなされておらず、リフレッシュレートは60Hzで大口径のスピーカーユニットも搭載されていない。ディスプレーはシャープ独自のIGZO OLEDを搭載しているので十分見やすいが、映像やゲームなどを楽しむ際にAQUOS sense7 plusほどの満足感が得られない点は惜しい。
一方で、AQUOS sense7 plusより優位性のあるポイントもあり、それがモバイル通信の対応周波数帯だ。というのもAQUOS sense7は、AQUOS sense7 plusで対応していない5Gのn41(2.4GHz帯)とn79(4.5GHz帯)に対応するほか、4Gに関してもソフトバンクだけでなく、ドコモとauのプラチナバンド(バンド18、19)にも対応しており、携帯4社のどの回線で利用しても一定の性能を発揮できるようになっている。
これはソフトバンク以外の携帯3社から販売されることや、ソフトバンク独占販売のAQUOS sense7 plusと違って今後オープン市場向け(SIMフリー)モデルが登場する可能性があることなどが影響していると考えられるが、最近注目されるバックアップ回線のことを考えるならば、携帯電話会社を問わず利用できる安心感は大きいだろう。ちなみにSIMは物理SIM(nanoSIM)とeSIMのデュアルSIM構成となっており、もちろん複数回線を同時に利用することも可能だ。
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バッテリー容量は5050mAhと、AQUOS sense6/6s(4570mAh)と比べ容量が増えている。AQUOS senseシリーズはIGZO技術を用いることでバッテリーの持続時間には定評があるが、さらに容量が増量されたのは安心感が高いだろう。さらに安心感という意味で言えば、IPX5・IPX8の防水性能とIP6Xの防塵性能、そしてFeliCaを搭載しているというのもやはり大きい。
【まとめ】“王道”の座は揺るがないが価格は悩ましい
AQUOS sense7はデザイン面などでシャープらしい個性を打ち出しながらも、ニーズが大きいカメラの性能はしっかり強化されており、それでいて安心して使える機能・性能には引き続き重点が置かれるなど、やはりミドルクラスの王道というべき内容に仕上がっていると感じる。突出した要素がある訳ではないものの、安心して人に勧められる点は大きなメリットといえるだろう。
ただ一方で、携帯各社・ブランドのオンラインショップで一括価格を確認すると、ドコモは5万4230円、au/UQmobileは5万9500円、楽天モバイルは4万9980円。従来3万円台というイメージが強かったAQUOS senseシリーズとして見るとどうしても割高感は否めない。もちろんその分機能・性能は向上しているし、各社の端末購入プログラムを利用すれば3~4万円台での利用も可能なのだが、値上げラッシュが続く昨今だけに、なおさら価格は悩ましいところだ。
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