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AMD Ryzen 9&Radeon RX 6600M搭載など、MINISFORUMがdGPU搭載小型PCも含めた最新ラインアップを発表

ASCII.jp / 2022年11月25日 9時0分

 リンクスインターナショナルは11月22日(火)、同社が代理店を務めるMINISFORUMの新製品発表会を実施した。MINISFORUMは、これまで手の平サイズのさまざまな小型PCを発売してきたPCメーカー。

 以前からIntegrated GPU(内蔵GPU、以下iGPU)性能の高いモバイルCPUを採用した小型PCが人気を博し、ラインアップをどんどん拡充している。ちなみに後述する市場想定価格と発売予定日は、現時点での予定。最近は円の値動きも激しいので、今後変更になる可能性もあるとしている。

 発表会の冒頭、MINISFORUM CEO 王懐斌(ワン・ホワイ・ビン)氏がビデオレターで挨拶を行った。

来日予定だったが、予定が合わずにビデオレターにてシリーズの説明などを行った王氏

ハイエンドなモバイルCPUに加え、dGPUを搭載した 性能の割の小型&薄型なゲーミングデスクトップPCが多数登場!

 次に9月に実施された東京ゲームショウ2022(TGS2022)にて展示も行っていたフラグシップモデル「MINISFORUM HX99G」(HX99G)を紹介。本機はCPUにAMD「Ryzen 9 6900HX」(8コア/16スレッド、最大4.9GHz)を採用し、別途discrete GPU(独立したGPU、以下dGPU)であるAMD「Radeon RX 6600M」を搭載した小型のゲーミングPC。メモリーは32GB、ストレージが512GB。

側面はハニカム構造のデザインで堅牢性も高そうなHX99G

 MINISFORUMでは、AMD「Ryzen 9 5900HX」を採用した「Minisforum EliteMini HX90」のように、ハイエンドなモバイルCPUを搭載したモデルが非常に人気だったが、GPUはiGPUのみだった。

 HX99Gは、そのさらに上位モデルとしてdGPUを備え、ゲームがより快適にプレイできることが期待される。Radeon RX 6600MはRDNA 2世代のGPUで、数多くのPCゲームをフルHDで快適に遊べるスペックを有する。

小型の筐体ながらCPUとdGPUの両方を冷却するために、強力なデュアルファンとヒートシンクを備える。GPU側のファンはセミファンレスのため、負荷の低い時はCPUファンのみが回転し、静音性とのバランスを取っている

 小型ではあるものの、前面にUSB 3.2 Gen1 Type-A、USB 3.2 Gen1 Type-C、オーディオ端子を搭載。背面にUSB4×2、USB 3.2 Gen2×3、HDMI×2、2.5G LANと豊富なインターフェースを備える。

この手のタイプにしては、2.5G LANやHDMI×2と、ゲーミングらしく高速通信、4K×4画面のマルチ映像出力に対応するインターフェースを有している
会場では足を外して横置きにし、ディスプレーに繋げてゲームプレイのデモも行なわれていた。本体は2.9リットルとdGPUも搭載したゲーミングPCとしてみると小型だが、もちろんiGPUのみの手の平サイズのPCに比べれば大きい。ただし、よほど重いゲームでもなければ、フルHDで快適に動作するデスクトップとしては魅力的な構成だ

 発売時期は2022年12月頃の予定で、市場想定価格は18万2980円。18万円を超えるが、搭載CPUや全体構成を考慮に入れれば、近い構成のノートPCなどよりはお買い得と言える価格に収まっている。

 HX99Gの弟分となるHX90Gは、すでに予約開始中。CPUは前世代のAMD「Ryzen 9 5900HX」(8コア/16スレッド、最大4.6GHz)、GPUはAMD「Radeon RX 6600M」を搭載。メモリーとストレージは、HX99Gと同じく32GB、512GB。発売は11月26日予定で、市場想定価格は16万3390円となっている。

HX90Gは、HX99Gに似たフォルムだが、縦置きの足が異なる。また、インターフェースはUSB 3.1 Gen1、USB Type-C、USB 3.2 Gen2×4、HDMI×2、DisplayPort×2、2.5G LAN(公式サイト参照)と多少異なるようだ

 次に紹介された「DESKMINI NUCX17」は、2.65㎜とPCとしては驚異的な薄さを誇る筐体に、MINISFORUMとしては初となるCPUがインテルのCPU「Core i7-11800H」(8コア/16スレッド、最大4.6GHz)を搭載し、GPUが「GeForce RTX 3070 Laptop」という高性能なもうひとつのフラグシップモデル。メモリーは32GBで、ストレージが512GB。

筐体はシルバーを基調とし、スラっと背が高い独特なデザイン

 TGS2022でも先行展示されていたが、独特なフォルムのため、非常に注目を集めた製品とのこと。インターフェースは前面にUSB 3.2 Gen2×3、SDカードスロット、背面にThunderbolt4、HDMI、LANポートを備える。

薄型なため、HX99Gよりはインターフェースが少なめだが、必要最低限は備わっている。インテル純正の小型ゲーミングPC「Skull Canyon」と同じ髑髏マークが刻印されているのが印象的だ
実際に横から見るとわかるが、デスクトップPCとしてはかなり薄い

 その薄さを活かしてデスクの端に置くの限られたスペース、テレビラックの隙間に置くなどができるとしている。予約はすでに開始していて、発売予定時期は11月26日に発売予定。市場想定価格は20万4980円。

「MINISFORUM NAG6」(NAG6)はCPUにインテル「Core i9-12900H」(14コア/20スレッド、最大5.0GHz)、GPUにAMD「Radeon RX 6600M」を備えたゲーミングPC。やはりメモリーは32GBでストレージが512GB。筐体のデザインは異なるが、立ち位置的にはHX99Gに近い製品とのこと。

NAG6はフラットで2本線の入ったフロントに、両サイドは中身が割と見えるメッシュのデザイン
本体サイズはHX99Gより若干小さい感じ
強力なトリプルファンと大型ヒートシンクで冷却する
インターフェースの詳細な情報は公開されなかったが、前面にもUSB Type-A、Type-Cがひとつずつ、オーディオ―端子を備えながら、背面にはUSB Type-A×4、USB Type-C×2、HDMI×2、LANポートが備わっていた。ただし、端子の色などは変わる予定とのこと
NGA6は2023年2月以降の発売予定で、市場想定価格は15万8900円の予定とのこと

高性能なモバイルCPUは搭載するものの、より小型な最新PCも発売予定

 前述した製品群は、MINISFORUMとしてはラインアップの拡充において追加されたゲーミングモデルになるが、これまで同社製品で人気を博したdGPUを備えず、高性能なモバイルCPUを備えた小型でコスパの高いミドルレンジのPCは今後も継続して新製品を展開するという。

 VENUS SERIES「UM690」は、今まで販売してきたUMシリーズの最新モデル。筐体は従来シリーズを踏襲した、0.8リットルと非常にコンパクトなPC。それでいながら、CPUがHX99Gと同じAMD「Ryzen 9 9600HX」(8コア/16スレッド、4.9GHz)で、メモリーが32GB、ストレージが512GB。

手の平サイズと非常にコンパクトながら、高性能なモバイルCPUを搭載。前面にはUSB Type-C×2が備わっている

 コンパクトなサイズながら背面にHDMI×2を搭載。前面のUSB Type-Cもひとつは画面出力に対応するため、合計で3画面出力も可能としている。

背面インターフェース。詳細な説明はなかったが、ポートの色や印字からからUSB 3.2 Gen2×2、USB 3.2 Gen1×2、HDMI×2、2.5G LANと思われる
発売時期は2023年2月以降予定で、市場想定価格は12万3800円

 最後にすでに予約販売中の「MINISFORUM TH80」(TH80)が紹介された。TH80はCPUにインテル「Core i7-11800H」(8コア/16スレッド、最大4.6GHz)を採用した薄型PC。メモリーは16GB、ストレージが512GB。

筐体はシルバーを基調とし、ブランド名もないフラットでシンプルなデザイン

 本機は高さ36㎜と薄型であるため、ディスプレーの下に収めるか、ディスプレーを置いて、その下のスペースにキーボードや小物を置けるようにするモニタースタンドの下に入れて使うことが想定できるとしている。

 また、VESA規格に対応するため、対応ディスプレーの裏に取り付けて使える。インターフェースは前面にUSB Type-CとUSB 3.2 Gen1 Type-A、3.5mm コンボジャック。背面にUSB 3.2 Gen2×4、HDMI、DisplayPort、ヘッドフォンジャック、2.5G LANを備える。

背面インターフェース。ケンジントンロックやCMOSクリアーも搭載する
発売は11月26日で市場想定価格は9万6800円

 MINISFORUMの現在発売中、予約開始中、今後発売予定のラインアップの一覧は以下の通り。

黄色に塗られている製品はすでに発売中の製品。青色に塗られた製品が予約中の製品。来年以降にはUMシリーズのCPU違いのUM580B、UM450といったより低価格モデルも販売される予定とのこと

 dGPUとiGPUを比較したり、CPUやメモリー、ストレージ違いもあるので、一概には比較できないが、大体性能の目安として比較した一覧は以下の通り。

dGPUを搭載したモデルは、いずれも15万円以上とiGPUモデルよりも高価ではあるが、いわゆるゲーミングノートPCと比較しても遜色ない価格帯であるとしている

 同社はTGS2022に出展したが、その際にこんなにも小型のゲーミングPCがあるとは思わなかった、この価格帯で購入できるとは、といった来場者の関心も高かったという。eスポーツの大会やストリーマーがPCでゲームをプレイすることで、若い世代を中心にゲーミングPCへの関心が高まっているなか、今回追加されたラインアップは、限られたスペースで使いたいといったニーズに合った製品としても注目したい。

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