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2万円台で多機能&ロングバッテリー「HUAWEI WATCH GT 3 SE」の使い心地をチェック

ASCII.jp / 2022年11月27日 12時0分

11月18日に発売したスマートウォッチ「HUAWEI WATCH GT 3 SE」。価格は2万7280円

 ファーウェイが11月18日にスマートウォッチ「HUAWEI WATCH GT 3 SE」を発売した。「WATCH GT」シリーズは、ベーシックなアナログ腕時計を模した円形デザインで、必要十分な機能を備え、電池が長持ちすることでも人気のシリーズだ。3世代目の「WATCH GT 3」は2021年12月に発売され、今年7月にはプレミアムモデル「WATCH GT 3 Pro」が登場。

 今回、ラインナップに加わる「WATCH GT 3 SE」は、従来モデルと同等の機能を備えつつ、カジュアルなデザインを採用。価格を少し抑えたモデルだ。どんな人に向いているのか? 発売に先駆けて使うことができたので、率直な使用感をレポートしたい。なお、筆者はiPhone 14 Proとペアリングして、1週間使用した。

HUAWEI WATCH GT 3 SEは2万7280円。筆者はiPhone 14 Proとペアリングして使った

軽やかな装着感で、スポーツ時にも適している印象

 円形の文字盤には1.43インチの有機ELディスプレイを搭載。ほとんどの画面は背景が黒で表示されるので、文字やアイコンがくっきりと見やすい。

文字盤は大きく見やすい
背面に心拍数や血中酸素レベルを測定するセンサーを搭載

 ベゼルに「分を刻むデザイン」は、旧来のダイバーズウォッチに「回転可能なベゼル」と連携した機能として多用されてきたが、本モデルのベゼルは回すことはできずあくまでもデザインとしてのあしらい。ちなみにケースの右側の2時位置にあるリューズを模したボタンも、回す操作には対応していない(上位モデルのGT 3と GT 3 Proはボタンを回して画面のスクロールなどができる)。

右側に2つのボタンとスピーカーを搭載
左側にはマイクが搭載されている

 ケースは樹脂製でカジュアルな印象。カラバリはグラファイトブラックとワイルドネスグリーンの2色展開で、筆者はワイルドネスグリーンを使っている。落ち着きのある色なので、幅広いユーザー層に合いそうだが、ハイブランドのスーツなどには合わないだろう。

フォーマルな場を除けば、ビジネスシーンでも違和感なく使えそうだ

 付属のバンドはシリコン製と思われるが、わりと硬めでしっかりと装着できる。一般的な22mm幅なので、市販のバンドに付け替えることもできる。ケースは約35.6gという軽さで、厚さも約11mmに抑えられている。見た目の印象よりも軽やかな装着感で、スポーツをするときや、長時間の装着にも適しているだろう。

バンドには穴が多く、通気がよく、汗がたまらないのでスポーツ時にも適している
バンドの取り外しは簡単
リューズを押すと、アプリ一覧が表示

物理ボタンで操作できる機能は、やや物足りない

 ケースに右上(2時位置)にリューズを模したボタンがあり、さらに右下(4時位置)にもボタンがある。リューズはアプリ一覧を表示するボタンで、アプリ使用中にはホーム(時計の画面)に戻したり、長押しして操作メニューを表示したりできる。右下にあるのは「機能ボタン」で、よく使うアプリを指定して、素早く起動することが可能。また、ワークアウトの計測スタートなど、確実さが求められる操作に使うこともある。

リューズは回せず、画面をスワイプしてスクロールする。タッチ反応は良好

 ほとんどの操作はタッチスクリーンでできる。レスポンスはスムーズで、わりと大きな画面なのでタッチのミスはほとんど起きないはずだ。ホームを長押しすると、文字盤のデザインを変更することができ、デザインによってガラリと印象は変わる。

文字盤のデザインを変更すると、かなり印象は変わる
好きな画像を背景に設定することも可能
スマホにインストールした「HUAWEI Health」アプリで、新しい文字盤デザインを購入して追加することも可能

 文字盤を下方向になぞると「クイック設定」が表示。上になぞると通知を確認できる。右になぞると現在地の天気と再生中の曲名が表示。左になぞると心拍数、血中酸素、活動記録、天気予報、睡眠の記録などが次々と表示される。これらは「カスタムカード」と呼ばれ、ユーザー自身が表示させたカードを設定できる。

下方向にスワイプすると、よく使う機能のオン・オフができる「クイック設定」が表示
上方向にスワイプすると通知を確認できる。文字は見やすい
自分が知りたい情報を素早く確認できる

 個人的にちょっと気になったのは、タッチ操作とボタン操作のどちらか片方では操作が完結しないこと。リューズを回せれば、アプリを選択して起動させられそうだが、画面のスクロールには指でなぞる必要が生じる。機能ボタンには1つのアプリしか指定できないが、2回押しや長押しで異なるアプリを起動できるようになれば、より便利なのになぁと感じたりもした。

 これから手袋を使うシーズンに入るが、手袋では操作しづらい場面も出てくるだろう。ただし、ほとんどのスマートウォッチがそういう仕様なので、このウォッチだけの弱点というわけではない。ただ、せっかく2つの物理ボタンがあるので、もうちょっと活用できたらいいのに……と思ったのが本音だ。

ウインタースポーツのモードも備えている

「ルートバック」など、一歩進んだ機能も搭載

 HUAWEI WATCH GT 3 SEには、加速度センサー、ジャイロセンサー、光学式心拍センサーなどを搭載し。GPSをメインとする複数の測位システムにも対応。5ATMの防水性能も備えている。

 これらを利用して計測できるワークモードは100種類以上とのこと。そのうち18種類が専門的なデータ計測や分析が利用できるようだ。具体的には屋外の運動がランニング、ウォーキング、ハイキング、クライミング、トレイルラン、サイクリング、オープンウォーター(水泳)、トライアスロン、スキー、スノーボード、クロスカントリースキーの11種類。屋内はランニング、ウォーキング、サイクリング、プール(水泳)、エリプティカル、ローイング、縄跳びの7種類。なお、ランニング、ウォーキング、エリプティカル、ローイングは「自動検出」にも対応。

 初期設定はオフになっているがオンにすると、運動を始めたことが自動で認識されて、ワークアウトモードの起動に導かれる仕組みだ。

ワークアウト中の画面の例

 筆者は試用中に屋外ウォーキングしか試すことはできなかったが、操作に迷ったり、不便を感じたりすることはなかった。「ワークアウト」のメニューから選択するだけでスピーディーに起動でき、距離や時間などの目標を設定することも可能。一定の距離を通過した場合などに画面と音声で通知されるが、英語でやや長めの音声ガイドが流れるので、初めて使う人は驚くかもしれない。スポーツジムなど、多くの人がいる場所で使う場合は「設定」でオフにしておく必要がある。

ワークアウト終了時の画面の例

 ワークアウトを終えると、計測されたデータを画面で確認でき、スマホにインストールした「HUAWEI Health」アプリに同期される。同アプリでは、地図上に歩行ルートを表示させたり、心拍数の推移をチェックしたり、より詳細なデータを確認することができる。

「HUAWEI Health」アプリでは、より細かい情報が見やすく表示される

 いまやほとんどのスマートウォッチやスマートバンドで運動のトラッキングができ、心拍数が自動でモニタリングされる。そんな中で、筆者がWATCH GT 3 SEを使って、おっと思ったのが「ルートバック」機能だ。ウォーキング中に画面を右になぞると、来た道を戻るガイドを起動できる画面に切り替わった。GPSを使うワークアウトをしている場合に使える機能で、登山やハイキングなどで道に迷った場合に重宝するだろう。また、GPS信号が弱くなった場合に通知して、登山中に道に迷うことを事前に防ぐ「失踪アラート」という機能も備えている。

道に迷った時に、来た道をたどって戻れる機能も搭載

 他社のウォッチでは見かけない機能として「AIランニングコーチ」なるものも搭載されている。自分の年齢や過去のランニング状況などに合わせて、自分に合ったランニングプランを作成してくれる機能だ。向き不向きはあるだろうが、「いつ、どれくらい走ればいいのかがわからない」という人は試してみる価値があるだろう。

画面に表示される質問に答えていくと、自分に適したランキングのプランが提案される。作成されたプランはウォッチに同期され、ランニング時に起動できる
ただ腕に巻いているだけで、睡眠の質やストレス値も測定してくれる

「HUAWEI Health」アプリで健康状態を細かく確認できる

 ヘルスケア機能は、心拍数と血中酸素は24時間モニタリングされて、手動でも検測も可能。ストレス値は一定時間おきに測定され、腕に着けたまま寝るだけで睡眠の質をチェックできる。さらに1時間以上座り続けていると、立ち上がって身体を動かすように通知してくれる機能もある。

健康状態のモニタリングは「HUAWEI Health」アプリでオン・オフができる

 「HUAWEI Health」アプリで必要な機能を有効にしておけば、あとは装着しているだけで、健康状態が監視されるわけだ。電池持ちがいいので、すべてを有効にしても問題ない。

 なお、「HUAWEI Health」アプリには、スマホを近くに置いて寝ることで、寝言やいびきを録音できる新機能が追加されたそうだ。睡眠の質をより細かく分析できるわけでが、iPhoneは未対応(今後のアップデートで対応予定)ということで筆者はまだ試していない。

マグネット式のクレードルに乗せて充電する

ヘビーに使っても電池は余裕で1週間以上持つ

 ファーウェイのスマートウォッチは電池持ちに定評がある。ファーウェイが公表するWATCH GT 3 SEのバッテリー持続時間は「通常使用で約14日間、ヘビーユースで約7日間」となっている。筆者が100%に充電してから1週間使った時点での残量は43%だった。筆者の場合、1週間の間にGPSを使うウォーキングを約1時間×2回計測し、ウォッチを腕に着けたままの睡眠トラッキングは4回実施した。メインで使っているスマホとペアリングしているので、通知はそこそこ多かったと思う。それでも1週間は余裕で持ったので、使い方によっては2週間以上使い続けられそうだ。

HUAWEI WATCH GT 3 SEの同梱品

 充電は付属の充電台付きのUSBケーブルを用いる。ケーブルが長く(76cmくらい)、マグネット式でピタッとくっつくので、使いやすく感じた。何よりも、月に数回の充電で済むのは大きなメリットだ。なお、Qiに対応しているので、市販のワイヤレスチャージャーや、スマホのバッテリーシェア機能などでも充電できる。

スマホで再生中の音楽の操作も可能

2万円台としては十分すぎる仕様 スマートバンドからの買い替えにもオススメ

 HUAWEI WATCH GT 3 SEは、スマホとBluetoothで接続した状態で、音声通話も可能。事前に登録した10件の電話番号にはウォッチから発信することもできる。スマホで再生する音楽の操作も可能。「Apple Music」を操作できることも確認した。iPhoneのカメラのリモートシャッター機能も備えている。

月相を確認することも

 アウトドアユース向けに細かい天気情報を表示できることも利点。週間天気、紫外線情報、日の出・日の入りに加えて、潮汐や月相の情報もウォッチの画面で確認できる。また、筆者の試用中には確認できなかったが、気圧が急激に変化した場合に、悪天候になることを知らせる「アラート機能」も備えているという。

気圧計も搭載している

 筆者はまだ1週間しか使っていないが、引き続き使ってみたいと感じている。機能面で足りないと感じるは決済機能くらいで、2万円台の時計としては十分な機能を備えている。画面が大きめで見やすく、軽やかな装着感なので、普段、腕時計を着ける習慣がなく、初めてスマートウォッチを使うという人も試してみる価値がある。現在、スマートバンドを使っていて、機能をワンランクアップさせたい人にも適しているだろう。

 

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