黄色いだけで価値がある! AnkerのUSB急速充電器65W「ピカチュウモデル」を衝動買い
ASCII.jp / 2022年12月1日 12時0分
この原稿を書いている今週から来週にかけては、ブラックフライデーやサイバーマンデーとやらで世界中のネットや小売店で国内外を問わず、年内最大のバーゲンシーズンだ。普段から衝動買いが特技の筆者は、この時期には普段よりはるかに余分なモノを買ってしまいそうな状況なので、自重している。
今回ご紹介するUSB急速充電器の強気のピカチュウモデルも、幸か不幸かブラックフライデーからもサイバーマンデーからも漏れた、割引なしの販売価格で手に入れた。Ankerでは、既に発売中の3つの最新のUSB急速充電器をベースに3つのピカチュウモデルを作り販売している。
商品ラインアップはオリジナルベースモデルと同じく20W、65W、120WのUSB急速充電器製品で、ピチューモデル(20W)、ピカチュウモデル(65W)、ライチュウモデル(120W)の仲良しトリオモデルが対応する。筆者は今回、ピカチュウモデルとピチューモデルの2種類を手に入れた。30gと超軽量のピチューモデルは、家族がスマホ専用に使う予定だ。
いずれのモデルも、USB充電器本体に加えて専用イエローUSB Type-Cケーブルと取説、雷アイコンの付いたケーブルバンドが付属する。
Ankerでは、この秋にiPhone 14シリーズのカラーバリエーションにあわせたUSB急速充電器を発売したが、従来からスマホやパソコンの周辺機器扱いのUSB充電器は、信頼性イメージや携帯時の目立ち度を抑制する目的から、そのほとんどの外観カラーは、オフホワイトかブラックが常識だった。ベースモデルとなったAnkerの製品も、すべてオフホワイトかブラックカラーだ。
今回のピチュー、ピカチュウ、ライチュウモデルに関しては、すべてがアニメやゲームと同様のオリジナルのイエロー系カラーで統一され、付属するケーブルやケーブルバンド、パッケージまでもがイエロー系で統一されている。
Anker独自技術「GaNPrime」を採用し 3ポートの合計最大出力は65W
筆者が使う予定のピカチュウモデル(65W)のベースとなったモデルは「Anker 735 Charger(GaNPrime 65W)」で、Ankerの独自技術である「GaNPrime」を採用し、3ポートの合計最大出力は65W。PowerIQ 4.0を搭載していると記述されているが、超文系の筆者はあまり効能をよく理解できていない。今回の製品で最大のキーワードは「3ポート同時の急速充電の実現」らしいが、もちろんすべてのユーザーのケースにこれが当てはまるわけではない。
筆者宅のUSB充電器は、出力がType-Cのシングルポート製品だとAnkerのいくつかのモデルを使っているが、出力ポートがマルチポートの充電器に限ると、そのほとんどがCIOの製品が多い。今回はマルチポートでは初めてのAnker製品だが、ピカチュウモデルの外観色が決め手の衝動買いであり、購入時に細かなスペックチェックは忘れていた。
実際に3ポート出力のよく似たサイズのCIOのG65W2C1Aをピカチュウモデルと並べてもると、前も後ろも上も下も外観的には極めてよく似た雰囲気だ。実際にキッチンスケールで本体の重さを測ってみたところ、CIOは101g、ピカチュウモデルは125gだった。
同じ65WのUSB PD 急速充電器でも、重さはその製品の企画時期、発売時期、スペックによって多少異なる。半年に1回程度買い替えていれば、最新テクノロジーの最軽量、最高パフォーマンスの製品を常に活用できるだろうが、せいぜい数十グラムの差ならモバイルPCのケースを軽い製品に替えるだけで、100〜150gの差など簡単に吸収できてしまう。
GaN(窒化ガリウム)素子のPD対応マルチポート小型充電器は、今や旬のテクノロジーデバイスだが、多くのメーカーの説明で耳にするのは、65Wあるいは100W、120Wの急速充電器を使い、PD対応のパソコンやスマホ(タブレット)、スマートウオッチや時にはイヤフォンなどを複数同時充電するというなかなか魅力的な使用例だ。
各デバイスのバッテリーライフがそれぞれ異なるので、すべてのデバイス同時充電がどれほど意味のあることかは、ユーザーによりまちまちだ。しかし、できないよりできた方がよいのもある面、事実だ。ただ急速充電の規格がメーカーごとに多数あふれているために、ピンポイント的に組み合わせ機種を限定しない限り、どのデバイスでも3台同時急速充電なんて世界は存在しないので、期待過剰は禁物だ。
任意の3種類のデバイスの組み合わせによる3台同時急速充電が最大の目的であれば、65Wモデルではなく120W出力の製品が必要な場合も当然あるだろう。総出力が2倍近くになれば、本体重量も1.5倍近く増加するのが普通だ。モバイル環境ではなく自宅やオフィスでの使用なら、その程度の重量差は誤差の範囲かもしれない。
実際に筆者もThinkPad X1 NanoとGalaxy Z Fold4、Pixel Watchの3つでやってみたが、いずれも問題なく充電そのものはできた。もちろん総出力が65Wなので、3台同時急速充電なんて奇跡は普通は起こらないと信じている。
パソコンの急速充電に関しては、1ポートの単体使用では問題ないが3台同時急速充電となれば多少細かな事前分析やトライ&エラーが必要で、机上の計算だけでも満足できないケースはあるだろう。
デバイスを3台同時に充電開始した場合、低出力でも必要十分なスマートウォッチやイヤホン、スマートフォンへの充電が終了した時点で余裕となった出力がパソコンの接続されたポートに集中出力して、時間差でなんちゃって3台同時急速充電が実現するという感覚だろう。ちんたら充電に我慢できなければ、120Wや150Wの大出力急速充電器の出番だ。
いたく気に入っているが 唯一の不満は付属ケーブル……
今回「黄色いだけで価値がある!」と思って衝動買いしたピカチュウモデル65W急速充電器はいたく気に入っているが、唯一の不満点は付属の「インフレキシブル」でけっこう頑固な柔らかくないUSBケーブルだ。耐久性はあるかもしれないが、今時ナイロンメッシュケーブルは硬くて取り回しも面倒だ。
Ankerでは、筆者も以前から愛用しているシリコン素材のAnker PowerLine III Flow USB-C ケーブルという、素晴らしい商品が存在する。筆者も色違いや長さ違いを数本愛用している。今回のピカチュウモデルには、このモデルのレモンイエロー版をバンドルすべきだった。もちろんコスト的には見合わなかったので、現状の組み合わせになったのは明白だが、極めて残念だ。
いろいろな考えのある3台同時急速充電は置いておいて、今回筆者は所有しているスマートフォン3台を使ってピカチュウモデルで実際に単体デバイスに対して充電してみたので、充電結果をご紹介したい。スマホの内訳は、まず筆者のメインスマホであるGalaxy Z Fold4(バッテリー容量4400mAh)、BALMUDA Phone(バッテリー容量2500mAh)、OPPO Reno 7 A(バッテリー容量4500mAh)の3台だ。
筆者所有のスマホ3台による充電結果を発表
充電時間の測定と充電量(%)の記録には、アプリの「シンプルバッテリーグラフ」を使用した。Galaxy Z Fold4は、バッテリー残量10%の状況のデバイスに100%まで充電。BALMUDA Phoneは、同じくバッテリー残量10%の段階で充電開始し、100%までを測定。OPPO Reno 7 Aは、バッテリー残量9%で充電開始し同じく100%充電までを測定した。
結果として、Galaxy Z Fold4の4400mAh(10%から100%までの追加充電なので3960mAh)を充電するのに要した時間は83分。BALMUDA Phoneの2500mAh(10%からの追加充電なので2250mAh)の充電に要した時間は89分。4500mAhのバッテリーを搭載しているOPPO Reno 7 A(9%からの追加充電なので実質的には4095mAh)の充電時間は98分という結果となった。
この結果に満足か不満足かは、人によって感じ方は違うだろう。3つの充電容量と経過時間のグラフを読めば、充電開始後30分あるいは60分でどのくらいの充電量(%)が期待できるかは、おおよそ分かるだろう。
筆者のようにバッテリーイーターのスマホゲームをしないユーザーで100%まで充電完了後、24時間以内にモバイルバッテリーでの追加充電がほとんど必要でないユーザーなら、夜寝てから朝起きるまでに100%充電できていればほとんど問題ない。しかし、この手の話はユーザーの嗜好や要求によりさまざまだ。
筆者の購入したピカチュウモデルは、ベースモデルであるAnker 735モデル(7990円)よりライセンス料や特別カラーなどで1000円高い8990円だったが、ベースモデルのAnker 735が先日からその実売価格が6490円に値下げされたようで、ピカチュウモデルとの価格差は2500円にまで広がってしまった。
2500円高くても「黄色いだけで価値がある!」と思い続けられるかどうかは、個人差がありそうだ。しかしピカチュウモデルを買ったのなら、より楽しく快適に充電生活を過ごすためにも、レモンイエローの0.9m Anker PowerLine III Flow USB-C ケーブル(Amazonブラックフライデーセール価格:1512円)も合わせて揃えたいものだ。
今回の衝動買い
・アイテム:Anker「USB急速充電器 65W ピカチュウモデル」 ・購入:Amazon.co.jp ・価格:8990円
T教授
日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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