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2022 App Store Awards受賞デベロッパに聞いた! 人気のゲーム&アプリ誕生秘話

ASCII.jp / 2022年12月3日 12時0分

2022年のApp Store Awardsを受賞した16のゲーム・アプリが発表されました

 アップルが、App Storeで配信する人気のアプリとゲームを選出・表彰する「2022 App Store Awards」の受賞結果を発表しました。今年は計16件のアプリとゲームが選ばれています。その中から2組のデベロッパに喜びのコメントを聞きました。

2022年に「App Storeで最も影響力のあったアプリ」が選ばれた

 App Store Awardsはアプリやゲームによる体験を通じて、人々のコミュニケーション手段や文化的体験に影響を与えたコンテンツを表彰する毎年開催のイベントです。アップルのグローバルApp Storeエディトリアルチームが、世界各国・地域のデベロッパが開発したアプリを審査します。

 2022年のアワードでは新たに「Cultural Impact賞」も設けられました。同賞ではユーザーの生活習慣や文化に最も影響を与えた5つのアプリを選んでいます。

App Store Awardsを受賞したデベロッパにはApp Storeのアイコンをモチーフにしたトロフィーが贈られます

 栄えあるアワードを受賞した各デベロッパには、2020年以降からApp Storeのアイコンを象った100%再生アルミニウム製の青いトロフィーが贈呈されます。筆者が2021年に同賞を獲得したデベロッパの方を取材した際に「トロフィーが大きく立派で驚いた。Mac miniぐらいのサイズ感!」と、嬉しそうに賞を獲得した感想を語っていたことがとても印象的でした。トロフィーの裏側にはデベロッパーの名前と受賞したアワードのタイトルが刻印されています。

 2022年のApp Store Awardsは特に人気を集めた16のゲームとアプリが受賞。「Cultural Impact賞」も新たに設けられました。

●2022 App Store Awardsの受賞結果

・今年のベストiPhone App 「BeReal」(デベロッパ:BeReal) ・今年のベストiPad App 「GoodNotes 5」(デベロッパ:Time Base Technology Limited) ・今年のベストMac App 「MacFamilyTree 10」(デベロッパ:Synium Software GmbH) ・今年のベストApple TV App 「ViX」(デベロッパ:TelevisaUnivision Interactive, Inc) ・今年のベストApple Watch App 「Gentler Streak」(デベロッパ:Gentler Stories LLC) ・今年のベストiPhoneゲーム  「Apex Legends Mobile」(デベロッパ:Electronic Arts) ・今年のベストiPadゲーム  「Moncage」(デベロッパ:X.D. Network Inc) ・今年のベストMacゲーム  「Inscryption」(デベロッパ:Devolver) ・今年のベストApple TVゲーム  「El Hijo」(デベロッパ:HandyGames) ・今年のベストApple Arcadeゲーム  「Wylde Flowers」(デベロッパ:Studio Drydock Pty Ltd) ・今年のベストChinaゲーム  「League of Legends Esports Manager」(デベロッパ:Shenzhen Tencent Tianyou Technology Ltd)

●App Store Award:Cultural Impact ・「How We Feel」(デベロッパ:How We Feel Project, Inc) ・「Dot’s Home」(デベロッパ:the Rise-Home Stories Project) ・「Locket Widget」(デベロッパ:Locket Labs, Inc) ・「Waterllama」(デベロッパ:Vitalii Mogylevets) ・「Inua - A Story in Ice and Time」(デベロッパ:ARTE Experience)

 続いて以下に、2022年にApp Store Awardsを獲得した2組のデベロッパーとそのアプリ・ゲームの特長を紹介します。

人気ゲームがiPhone対応に! 「Apex Legends Mobile」開発者の声

Apex Legends Mobile:ゲームの概要  バトルロイヤル対戦型FPS。先にゲーミングコンソールとPCでヒットした名作をモバイル版にリメイク。iPhone/iPad向けアプリとして5月に登場した。最大2名のプレーヤーどうしでタッグを組み、レジェンドと呼ばれるキャラクターを操作してバトルロイヤルを勝ち抜く。レジェンドのアビリティを駆使しながら戦略的プレイが求められる。

ハイスピードで展開される人気のバトルロイヤルゲーム「Apex Legends Mobile」がiPhoneに登場しました

●Electronic Artsのデベロッパ MikeとKevinのコメント

 没入感あふれる体験をiPhoneユーザーに提供できるように、チームは気持ちを新たにモバイル版の開発に注力してきました。レジェンドたちもコンソール版・PC版のキャラクターをそのまま移植するだけでなくモバイル版のために作り込み、背景のストーリーも含めて世界観を再構築しています。

 モバイル版のユーザーインターフェースは、iPhoneのタッチスクリーンで快適に操作できるよう設計し直しています。例えばアビリティの発動などを複数の指により素速く操作できます。モバイルゲームの場合、屋外を移動しながらプレイする方の中に「サウンドトラックは不要」という声もあります。Apex Legendsではオーディオを聞かずに視覚情報だけで快適にプレイするための工夫も採り入れています。ちなみに使い慣れたBluetoothコントローラーも使えるので、iPadで楽しむ際にぜひ試してください。

 モバイル版は新旧世代のiPhoneで入念に互換性を確認した後、5月にローンチしました。その後は全6シーズンのアップデートにより、新しいレジェンドやマップ、イベント、アイテムの追加を提供して好評をいただいています。11月30日に開始した新シーズン「Underworld」では、コンソール版/PC版でも人気のキャラクター「レヴナント」がモバイル版に参戦しました。ぜひお楽しみください。

 Electronic Artsには、日本のファンにフィットしたゲーム体験を提供できるように、日本に拠点を置く開発とマーケティングの専任チームがあります。ローカルのニーズを汲んだゲーム開発にとても注力しています。

 Apex Legendsのコンソール版/PC版はともに日本でも好評です。モバイル版ではより若年層のユーザーにリーチをできた手応えがあります。若いプレーヤーの方々はランチタイムや放課後の時間帯にApex Legendsで盛り上がってくれているみたいですね。App Store Awardsの受賞とともに嬉しく思っています。なお、日本のプレーヤーの皆さんは、キャラクターを選択する際にバックグラウンドやルックスはあまり気にせず、「戦闘能力重視」の傾向があると思います。遊び方に地域差が表れてとても面白いです。

 Electronic Artsではゲーミング体験を向上させるため、プレーヤーの皆さんからのフィードバックを大切にしています。今後も世界中のiPhoneユーザーから寄せられる声を受けて、Apex Legends Mobileもますます「ハマれるゲーム」としてブラッシュアップしたいと思っています。

今年のApple Design Awardsファイナリストが受賞 「Waterllama」開発者の声

●Waterllama わたしの水分補給:アプリの概要  ウクライナ出身のデベロッパ、Vitalii Mogylevets氏が開発。人にとって不可欠な「水」の摂取量を記録するヘルスケアアプリ。水分バランスを維持しながらストレス解消、パフォーマンスの向上、健康の維持と改善が図れるという。Apple Design Awardsの2022年ファイナリストに選ばれたアプリが、App Store AwardsのCultural Impact賞を獲得。日本語を含む22の言語にローカライズされている。

Vitalii Mogylevets氏が開発した、水など飲料の摂取量を記録するアプリ「Waterllama」

●デベロッパ Vitalii Mogylevets氏の声

 WaterllamaはiPhoneユーザーの方々に「水」に関する様々な探索を楽しみながら、定期的に水分を摂取する習慣をつくってもらいたいと考えて開発したアプリです。Apple Watchにも対応しています。

 ある時に私自身が睡眠後、目覚めた朝に軽い脱水状態になっていたことがあり、水分接種の大切さを自覚したことがきっかけでアプリの開発を始めました。健康的な生活を続けるためのアプリにしたいと考えました。アプリの名前、メインキャラクターを動物の「ラマ」とした理由は、共同創業者である私の妻と、私がラマをとても好きだからです。

 アプリをローンチして以来、使っていただいたユーザーの皆さまには水やその他の飲み物の接種がiPhoneを使って簡単にセルフコントロールできるアプリとして好評をいただいています。

 アプリの開発には2ヵ月を要しました。パンデミックの最中に自宅をスタジオとして開発していましたが、室内のネットワーク環境が何週間か続けて不調だったことがあり、その間は自宅でも唯一コネクションが安定していた「浴室」でプログラミングやオンラインミーティングをこなしてきました。

ユーザー自身で水分摂取量を記録。自身のヘルスケアを楽しみながら続けられるように各種「チャレンジ」や、自身の体格等に合わせた必要摂取量をカスタマイズできる機能などが揃っています

 Waterllamaのアプリの中で、デベロッパとしておすすめしたい機能がいくつかあります。ひとつは様々な「チャレンジ」です。水やコーヒー、お茶など様々な飲料の接種量をチェックするための機能です。砂糖や人工甘味料を含む飲料の摂取を減らしたり、ビタミンとミネラルを健康的に摂取するなど、チャレンジする目標を選んで健康的な生活習慣の獲得を目指します。

 チャレンジ達成により獲得できる動物のキャラクターは45種類以上。アップデートにより追加もしています。動物に着せるアクセサリーのアイテムなどもあります。

 「スマートリマインダー」もぜひ活用してください。デフォルトでは起床から就寝までの間、2時間水分を摂取することを忘れていると通知が届くようになっています。設定は15分の間隔から選べます。様々な通知サウンドも用意しました。

 水分の「必要摂取量」をカスタマイズできる機能もあります。最初は一般的な毎日の目標として2000ミリリットルとしていますが、性別や体重、毎日の活動量などプロフィールを性格に設定すると、ユーザー個人に最適化された推奨摂取量を導き出して提案します。

ティム・クックCEOが総括:2022年受賞アプリの傾向

 最後にアップルのティム・クックCEOが総括した、2022年のアワードの受賞結果へのコメントを紹介します。

Tim Cook greets developers at WWDC22.

 「今年のアワードを受賞したコンテンツは、いずれも新鮮なひらめきと体験に満ちたものばかりです。大きなチーム単位で開発されたアプリから、インディペンデントなクリエイターが手がけたものまでプロフィールも多様性に富んでいました。多くのアプリとゲームに共通しているのは、私たちのコミュニティや生活に大きな影響を与え得るものだということです」

 アップルは2008年にApp Storeを立ち上げて以来、あらゆる年齢層とバックグラウンドを持つクリエイターを支援しながら、安全で活気あふれるアプリケーション配信のプラットフォームをつくってきました。毎年選定されるApp Store Awardsもデベロッパのモチベーションアップにつながる良い試みだと思います。2023年もまたストアから刺激的なアプリとゲームが数多く誕生することを期待しましょう。

 

筆者紹介――山本 敦  オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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