【腕時計ライターが推薦「いま欲しい」機械式腕時計3選】「40〜60万円」で狙う一流時計ブランドの実力派メカニカル
ASCII.jp / 2022年12月24日 12時0分
激動の2022年も残りわずかとなった。「新たな1年を目前に少し背伸びをした、いい時計を手に入れてみる」なんていうのは、なんとも小粋な贅沢感が漂い思わず気分が高揚する。恒久的に使える機械式で、予算を一般的に入門クラスとされる10〜30万円からワンランク上の40〜60万円程度に引き上げたなら、上述の人気どころも俄然選択肢に入ってくる。これらは実質的なクオリティの高さに加えステータス性も申し分なく、日々のモチベーションの源泉にもなり得るだろう。時計全般の価格が高騰する中、比較的手頃で満足度の高いこの価格帯は狙い目といえる。今年発表された新作から、「注目株」を紹介!
本格仕様のダイバーズがファッショナブルな魅力を得た! ブライトリング/スーパーオーシャン オートマチック 44
ブライトリングの屋台骨はなんといっても多彩なラインアップを誇る航空時計だが、一方でダイバーズウオッチも有名だ。同社は1957年に初のダイバーズコレクション「スーパーオーシャン」を発表して以来、数多くのプロ用潜水モデルを展開。海の分野においても着実に実績を重ねてきた。
その、由緒あるスーパーオーシャンが今年、ダイナミックなリニューアルを敢行した。「ダイナミック」の内訳は今回、内部の機構や防水スペック云々よりもむしろ外装やデザインにあるといってよく、基本的に年中海に潜っているわけではない我々一般層にとっては朗報である。
立体的でスタイリッシュなバイカラーのフェイス。分針はスクエアシェイプをあしらった特徴的なデザインで、たとえば「モダンレトロ」などといったファッション用語をも想起させるカジュアルなイメージが強調される。どちらかというとプロフェッショナル仕様のイメージが強かった従来の世代とは異なり、海の底から颯爽と日常風景の中にワープしてきた、とでもいうような「新鮮な普遍性」が魅力的なのだ。
このモデルは、同社が1970年代に発表し、人気となった「スローモーション」という機種のデザインコードを再解釈したものだ。300m防水や経過時間の誤認を防ぐための逆回転防止ベゼル、視認性の高いダイヤルといったスーパーオーシャンならではの本格的な潜水用スペックを備えながら、よりトレンド感のあるデザイン性を確立している。ベゼルは従来のバーニッシュラッカー仕上げから高硬度で艶やかなセラミック製になり、ケース厚は44mm径のモデルの場合1.5㎜ほどスリムに。さらにサテン仕上げとポリッシュ仕上げを巧みに使い分けることで立体的なハイライトを得た。サイズアジャスト機構を備えたラバーストラップは繊細なテキスタイルを模したデザインで、随所があくまでスタイリッシュにアップデートされているのだ。懐古調を上品にミックスした面立ちはビジネスシーンとも親和性が高く、周囲にさりげなくセンスのよさをアピールすることになる。それだって、立派な「実用性」じゃないか。
ブライトリング/スーパーオーシャン オートマチック 44 Ref. A17376211C1S1 58万3000円
●主な仕様 駆動方式:自動巻き(連続駆動時間約38時間) ケース径:44mm ケース厚:12.62mm ケース素材:スレンレススチール ストラップ素材:ラバー 風防素材:ドーム型サファイアガラス(両面無反射コーティング) 防水性能:300m防水
伝統が息づくロングセラーがスリムになって才色兼備! オメガ/デ・ヴィル プレステージ
オメガの創業は1848年で、スイス時計産業の中心地であるジュラ地方の時計工房として出発し、ほどなく頭角を現した。栄光の来し方の中で最大級のブレークはといえばやはり1969年、NASAの月面探査計画でシーマスターの派生機種として展開されていたスピードマスターが使われ、世界中の注目を浴びたことだろう。以降、スピードマスターやシーマスターはオメガの代名詞となった。
このようにスポーツ系のモデルが躍進する一方で、オメガは創業以来一貫して数々の素晴らしいドレスウオッチを作り続けており、長い歴史全体を見ればむしろ根幹はこちらともいえるのだ。「デ・ヴィル」は1967年にシーマスターから派生したドレス系のコレクションで、これを母体に1997年、よりシンプルでクラシカルなコレクションとして誕生した「デ・ヴィル プレステージ」が10年ぶりにリニューアル。第3世代となった。外装、機構ともに連綿と受け継がれてきたソフィスティケーションが深化し、魅力を増している。
メンズとレディス合わせて6モデル、計138種が新たに発表された中で、40㎜径のメンズ、センターセコンドのモデルはご覧の通り機能的なベーシック・デザインが秀逸という指向性は先代の機種も同様なのだが、大きな進化ポイントは薄さだ。ドーム状のダイヤルを採用し、その裏のスペースにムーブメントを収めることでシリーズ初のケース厚10㎜以下、9.93㎜を実現した。いうまでもなくドレスウオッチにとって薄さは重要な「スペック」。見た目が上品なだけでなく装着感に優れ、大きく手を動かしてもシャツの袖口にひっかかることなく、所作を美しくすることができるのだ。
くだんのドーム状ダイヤルは、インデックスや指針もダイヤルの形状に合わせてカーブしており、精緻な工芸品を思わせる。派手さはないかもしれないが、滋味にあふれるこのような奥深い魅力はドレスウオッチの真骨頂といえるものだ。その内側に潜むCal.8800は同社が近年威信をかけて実用化を進めてきた高精度・高耐磁性能を担保するマスター クロノメーター仕様。仕事も休日も、冠婚葬祭までこれ1本で何でもこなす普遍的な外観に破格の高性能。スポーツ系のフラッグシップに比して価格は手頃ながら、オメガの真価を物語るとても象徴的な存在だ。
オメガ/デ・ヴィル プレステージ Ref.434.13.40.20.02.001 56万1000円
●主な仕様 駆動方式:自動巻き(連続駆動時間約55時間) ケース径:40mm ケース厚:9.93mm ケース素材:スレンレススチール ストラップ素材:アリゲーター 風防素材:ドーム型サファイアガラス(内面無反射コーティング) 防水性能:30m
復刻トレンドの先端を行く端麗な仕上がり ロンジン/レコード ヘリテージ
2022年も様々なブランドから過去の名作を現代に蘇らせた、いわゆる復刻モデルが数多く発表され、時計シーンを華やかに彩った。復刻モデルの魅力はもちろん対象となる機種に多様な価値や長所があるからに違いないが、それとは別途、そのブランドの実力の証左となり得ることだ。当然のことだが一定以上の期間存続した実績、歴史のない新興ブランドにはそもそも復刻の対象が存在しないので、復刻モデルを作りようがない。
さらに復刻モデルはそうしたブランドの過去の名作が、現代の最新スペックで手に入る。これらを踏まえると復刻モデルというだけでどれもが素晴らしく思えてくるが、ロンジンが過去の自社の名作に焦点をあて、復刻するコレクション「レコード ヘリテージ」に加わった最新作はそんな復刻モデルの魅力を凝縮、高度に体現したものといえる。
このモデルは、同社の歴史において重要な意味をもつCal.13ZNを搭載した傑作に着想を得て開発された、レトロな2レジスター式のクロノグラフだ。Cal.13ZNはロンジンが1930年代に実用化した、積算時間の計測をよどみなく連続で行えるフライバック機能付きのクロノグラフムーブメントで、同社の実力を世に知らしめるアイコンのひとつとなった。これを搭載した往時のモデルの特徴、転写式のゴールドインデックスやリーフ型の指針、独特の形状のプッシュボタンなどを踏襲し、さらに、クロノグラフ機構と併用して乗り物の速度などを計測できるタキメータースケールも同コレクションで初めて採用している。
このようなクラシカルなディテールを精細に盛り込みながら、内部のムーブメントは極めて現代的だ。Cal.L895.4は、当時のフライバック機能は非搭載だが、精度の要となる調速機構のテンプに耐磁性の高いシリコン製ひげゼンマイを用いた最新仕様。精度規格の世界的な権威であるスイス公認クロノメーター検定協会(COSC)の厳格な基準に準拠しており、安定した高精度が望めるのだ。5年間の長期保証も、一流ブランドによる最新モデルならではのアドバンテージといえよう。
ロンジン/レコード ヘリテージ Ref.L2.921.4.56.2 42万3500円
●主な仕様 駆動方式:自動巻き(連続駆動時間約59時間) ケース径:40mm ケース厚 13.8mm ケース素材:スレンレススチール ストラップ素材:レザー 風防素材:サファイアガラス(多層反射防止コーティング) 防水性能:3気圧防水
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