ポタフェス2022冬、会場で見つけた新製品・参考出品
ASCII.jp / 2022年12月20日 20時0分
12月17日と18日の2日間、秋葉原で開催された“ポタフェス 2022冬 秋葉原”。会場で見つけた参考出品、気になる新製品などをまとめてみた。すでに公開の記事と合わせて読んでほしい。
試聴整理券はあっという間に配布終了~ヤマハ「YH-5000SE」
最近予約が開始されたばかりの「YH-5000SE」は、ヤマハの高級ヘッドホン。平面駆動型で49万5000円と高額の機種だが、非常に人気。開放型で50mmのオルソダイナミック型という往年のファンも反応しそうな仕様である。5Hz~70kHzとワイドレンジ。インピーダンスは34Ω、出力音圧レベルは98dB/mW、質量は約320g(ケーブルを除く)。
オーテク60周年記念、リアルウッドヘッドホン
オーディオテクニカは、60周年記念モデルである2製品を展示。ひとつは世界初の完全バランス音声出力システムを採用したワイヤレスヘッドホン「ATH-WB2022」。独立したDACとオペアンプを搭載し、ワイヤレス/USBデジタル接続の両方で96kHz/24bitのハイレゾ音源に対応。異なる木材による3層構造ハウジングを採用。「音の入り口から出口まで、すべてのプロセスをこだわり抜いた、ピュアオーディオに迫る前人未踏のハイエンドデジタル接続ヘッドホン」とうたっている。
また、初代のウッドモデルと同じミズメ桜材を利用した「ATH-W2022」も。ヘッドホンの左右は、越前漆塗り。蒔絵師が1台1台丁寧にえがいた桜と鳳凰の絵柄をあしらっている。バッフル一体型の新規開発58mmドライバーを搭載。チタンセンタードームや積層純鉄板を採用した磁気回路を組み合わせ、日本の音響技術と伝統を現代に語り継ぐ、ウッドモデル史上、最高の贅を極めたヘッドホンとしている。
finalはたまごのようにかわいいUZURAと久々の有線モデルA5000
ハイエンドの完全ワイヤレス「ZE8000」の注目度が高いfinalだが、実売1万円以下とより手を出しやすいagブランドの「UZURA」にも注目。疲れないノイズキャンセリングと自然な外音取り込みを特徴としているそうだ。卵のようにかわいいケースで、音はナチュラルで疲れにくい。カラーは7色展開で順次発売中。
また、有線モデルで12月23日に発売予定の「A5000」も発見。finalとしては久々の有線イヤホンで、実売3万2800円程度。自社開発ドライバー「f-CORE DU」搭載。A8000の開発時に確立したfinal独自の評価法を基に設計したという。トランスペアレントなサウンドが楽しめる。ケーブルは新設計の2-Pinソフトシルバーコートケーブル。編み込みで取り回しが良い。
MADOOとAcoustune
ピクセルのブースではAcoustuneやその派生ブランドであるMADOOの製品を展示。新型音響チャンバー「ACT04」を搭載したAcoustune「HS2000MX SHO -笙-」や、MADOO「Typ512」などが並んでいた。
また、静態展示だが、Acoustuneの「HS2000MX」の“マーク2”モデルも参考展示していた。カラーリングが華々しい。中華圏での旧正月に合わせて作られたカラーバリエーションモデルだそうだが、無酸素銅製の音響チャンバーを搭載する点も違いとなっている。国内販売は検討中とのことだ。
また、ANIMAブランドの製品としては、星街すいせいとTAKU INOUEによるプロジェクト「Midnight Grand Orchestra」とコラボした「ANW01 Midnight Grand Orchestra Ver.」を展示していた。すでに完売状態だというが、製品を購入しないと聴けない星街すいせい Advent Voiceの一部を聴けたので、ファンには嬉しい機会だったのかもしれない
intimeは発表直後の3製品を展示し、人気
intimeは、リケーブル対応ハイブリッド型イヤホン「煌Mark II」「轟Mark II」「雅Mark II」の試聴機を展示していた。発表直後の製品をいち早く体験できる場であり、長い試聴列ができていた。2023年2月より一斉に登場予定だ。
Maestraudioの参考出品
アユートブースも相変わらずの盛況。アナログのポタアン「AK PA10」やAZLAの参考出展はすでに紹介しているが、そのほかの展示を紹介する。群馬県高崎市に拠点を持つオーツェイドが展開するMaestraudioは、通には有名なintime(アンティーム)の技術を高度にブラッシュしたブランドで、今年からイヤホン「MA910S」という製品を展開。
会場ではMA910Sのリケーブル対応モデル・4.4mm端子搭載でバランス駆動対応モデルが展示されていた。リケーブル対応モデルは金属製フェイスプレートを使用したことで、音が若干変化している。制振性が増すためか、付帯音が少なく、特定の音域を強調しない、どの音域も平均的に聴こえるモニター系の音になっている。4.4mmモデルは従来と同じフェイスデザインだが、バランス化の効果は高く低域などがしっかりしている。価格は、リケーブルモデルが2万円、4.4mmモデルは1万5000円を切りたいとのこと。来年の春までの発売を目標にしている。
HIFIMAN「Svanar」
HIFIMANブースでは、12月2日発売のハイエンドイヤホン「Svanar」を展示。ダイヤフラムの表面に特殊なメッキ処理を施した「トポロジーダイヤフラム」を採用している。フロントチャンバーとリアチャンバーの異なる金属素材を使用することで、共振のチューニングをするという。音は、解像度が高くナチュラルで聴きやすい。中、低音域に厚みがありつつも明瞭でスッキリとした聴き心地となっているように感じた。
“Svanar”はスウェーデン語で「白鳥」を意味し、華やかな動きの白鳥をイメージして名付けられたとのこと。価格は22万9900円。
See audio「Yume II」
リアルアシストは、新製品や参考出品を数多く展開していた。See audioの「Yume II」は、アルミ合金で美しく高級感のある外装。高精度の5軸CNC加工で作られたシェルには刻印が施されている。音は、細部まで滑らかでクリーンな音域を表現していた。精密に設計された高精度3Dプリント音響キャビティ構造で音響的な整合性の向上とドライバーへの適切な実装に配慮して設計されているとのこと。Yume IIは近日発売予定となっており、価格は3万3500円前後となっている。
GRADO「GW100x」やTHIEAUDIOの静電ドライバー搭載イヤホン
GRADOやTHIEAUDIO(セーオーディオ)の輸入代理店であるナイコムブースでは、GRADOの新製品「GW100x」と「GS3000X」を展示していた。THIEAUDIOは国内販売が始まって日が浅いが人気が高く、試聴の列が長く続いていた。
GW100xは12月16日に発売したばかりのセミオープン型のワイヤレスヘッドホン。2019年に発売した「GW100」をリニューアルしたモデル。ドライバーを一新し、第4世代で直径44mmの「Xドライバー」を搭載。効率向上や、歪みを低減させたという。
新たなチップセットはBluetooth 5.2に対応。バッテリー消費を抑え、連続再生時間は46時間まで伸びた。また、高音質での通信が可能なコーデックであるaptX Adaptiveに新たに対応し、マルチポイント接続機能も利用できる。価格は3万7180円。
GS3000xはステートメントシリーズのひとつで10月発売。GW100xと同じ「Xドライバー」を搭載しているが、こちらは特別にチューニングされた52mm口径のドライバーで、メタルチャンバーはココボロ材に囲われ、パワフルな音を奏でる。前モデルよりケーブル、ヘッドバンドを一新。ケーブルには純度を高めたスーパーアニールカッパー12芯ケーブルを採用している。価格は希望小売価格30万6900円。
THIEAUDIOでは「Oracle MKII」が8万8600円で12月22日発売予定の新製品。ダイナミック、BA2基、静電ドライバー2基のハイブリッド構成。「Prestige」が約18万円で来年1月下旬から2月上旬に販売開始するモデル。静電ドライバーを4基も搭載。10mmのダイナミック型ドライバー、中高域向けのBA型ドライバーを2基、中低域用のBA型ドライバーを2基搭載した9ドライバー構成。コネクター部は4ピンが出ていて、3.5mm、4.4mm端子などと交換できる。
じわじわ来ているスケルトンデザイン
最近人気が再燃しているスケルトンデザイン。NUARLなども展開しているエム・アイ・ティのブースでは、まさにその名の通りの完全ワイヤレスイヤホン「SkeLeTon」が展示されていた。こちらは(nb)Audioブランドによるもので、LDACコーデックにも対応している。すでに発売済みの製品で実売1万円弱。
質感の高い、007コラボワイヤレスヘッドホン
D&Mのブースでは、B&Wブランドの「Px8 007 Edition」を展示。007とB&Wのイギリスつながりコラボ。世界限定の商品。ミッドナイトブルーのシックなカラーで細かいところまで配慮されたデザインが魅力的だ。
Unique Melodyは骨伝導ドライバー搭載の完全ワイヤレス
マルチドライバーの有線イヤホンでは採用が進んでいる骨伝導ドライバー。完全ワイヤレスでもついに採用が進みそう。
Unique Melodyのブースでは、骨伝導デバイスも利用した完全ワイヤレスイヤホン「U-Free」が試聴できた。ダイナミック型と骨伝導ドライバーを1基ずつ搭載した密閉型のハイブリッドイヤホンで、ノイズキャンセリング機能も搭載。SBC/AAC/aptXのコーデックに対応。現在アプリなどを開発中で来年の発売になるそうで、価格は4万円前後となる見込み。
非常に優れたサウンドで、リッチな低域に支えられつつも中域がかぶらずボーカルなどがとても見通しよく聞こえる。今回聴いた製品の中でも出色の出来栄えかもしれない。現在アプリを開発中で、来年の初頭には発売できるとのことだが、今から楽しみだ。価格は4万円前後になるという。
iBasso「AMP14」、SHANLING「H7」「MO Pro」
SHANLINGやiBassoの輸入代理店を務めているMUSINは、両ブランドから参考出展の商品をいくつか展示していた。AMP14(参考出展)はKORG Nutube真空管を搭載したアンプカード。iBassoのDAPである「DX320」「DX300」シリーズに接続できる。4.4mmバランス駆動用端子を搭載し、ヘッドホン出力とラインアウト端子が一つずつある。既発売のAMP13からさらなるノイズ対策を施して高音質化を図ったという。価格は4万円前後を想定しており、発売時期は未定となっている。
SHANLING「H7」は、USB Type-Cデジタル入力に対応したハイエンドポータブルヘッドホンアンプ。DACにAK4499EX、AK4191EQデルタシグマモジュレータを搭載している。Bluetoothレシーバーとしても動かすことができ、スマホやDAPに接続してワイヤレスで音楽などを聴くことができる。また、SDカードスロットを搭載しており、H7単体でプレーヤーとして使うこともできる。価格、発売時期は未定となっている。
「M0 Pro」は、1.54インチディスプレーを搭載した小型DAP。基本的な機能はM0を踏襲し、性能や機能をアップグレードさせたものになっている。フルバランス回路を搭載し、アウトプットは3.5mmプラグしかないがオリジナルの5極端子になっており、別売りのアダプター(発売時期・価格未定)を介することで、4.4mm5極バランスに変換することができる。価格は2万円前後を想定しており、2023年初頭の発売を目指している。
VISION EARS「PHÖNIX Limited Edition(Universal Fit)」
ドイツのイヤモニブランドVISION EARSは、12月17日に予約開始した「PHÖNIX Limited Edition(Universal Fit)」を展示していた。新しいフェイスプレートデザインを採用。フェイスプレートとパッケージに全世界222本限定の証となるシリアル番号が刻印されている。音は、タイトで、深みのある低域を表現していた。現行モデルと異なる低域用BAドライバーを採用しているとのこと。価格は59万4000円。
Empire Earsはプロトタイプを2モデル
米Empire Earsはプロトタイプイヤホンの「PROJECT VII」「PROJECT X」の2機種を出展していた。PROJECT VIIは9ドライバー構成、PROJECT Xは6ドライバー構成となっている。両製品とも骨伝導、DD、BA、EST全てのドライバーを搭載している。ブースでは、日本市場向けの音を調査するために、試聴とともにアンケートが実施されており、音の好みと意見を募集していた。
ソーラー充電可能な完全ワイヤレス
「PHOENIX」はurbanistaのソーラー充電式完全ワイヤレスイヤホン。同ブランドには、ソーラー充電式のワイヤレスヘッドホン「LOS ANGELES」もあるが、よりコンパクトに持ち運べる。ケースの側面にソーラーパネルを搭載しており、充電が可能。昼や蛍光灯下であれば電池切れの心配が少ないので、ケース充電込みで無限大の連続再生時間の機種と言ってもいいのかもしれない……。
ポタフェス初出展のキヤノンはライト付きスピーカー
ポタフェス初出展となるキヤノンは、発売したばかりの「albos Light & Speaker」をアピール。ライトとBluetoothスピーカーが一体化した製品で、先行して実施したMakuakeのクラウドファンディングでは、Makuakeのポータブルースピーカーとしては歴代トップの600人以上の支援を集めたという。
アルミ削り出しの円筒形デザインの上に、光色と3段階の明るさ切り替えを持つ大型のライトを搭載。スピーカーは無指向性で、直径50mm径のドライバーを採用している。ライトの向きは自由度高く動かせるので、間接照明やデスクライトなど様々シーンで活躍しそうだ。
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