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1kg以下で外でも写真・動画編集できる14型ノートPC

ASCII.jp / 2022年12月26日 11時0分

「SENSE-14FH120-i5-UXSX」

 「SENSE-14FH120-i5-UXSX」(関連記事)は、ユニットコムのクリエイター向けブランド「SENSE∞」から登場したノートパソコンで、第12世代のモバイル向けCoreプロセッサーを搭載。写真編集をはじめとしたクリエイティブ作業向けのパソコンで、かつ重さが1kg以下と軽量なので、単純に薄く持ち運びやすいノートパソコンを望む場合でも、まっさきに候補に挙げていいパソコンにもなっている。価格は12万6800円から。

 クリエイター向けのパソコンなため、処理能力はそれなりの性能が必要で、CPUにはCore i5-1235U、メモリーは16GB、ストレージは500GB SSDが搭載され基本スペックは十分といえるだろう。クリエイティブ作業において、唯一ネックかなと思われるのはCPUがCore i5であること。

 しかしここは、発熱や消費電力への対策と思えば納得のいくことで、自分はプロカメラマンなのだが、仕事での運用も考慮すると、性能の次に重要なのは確実に安定して動作することだ。発熱に心配を抱える高性能なCPUよりも、多少パフォーマンス低下の可能性があっても動いてくれなければ意味がない。

 とくに本機は14型スリムノートパソコンなので、モバイル用途がメインのパソコンとなり、出先など環境が整ってない場所での使用も考えらる。そのため、消費電力や発熱を抑えるためにも、性能よりも運用のしやすさを重視しているのだろう。

 あくまでも個人的な考えだが、高性能で快適なパソコンでも運用時になにかしら気を使わなければいけないのであれば、多少性能が下がっても安定して動くマシンを選ぶ。実際筆者が仕事用に所有しているパソコンは、最高性能ではなくワンランク下で余裕を持って動作するノートパソコンばかりだ。

 とはいっても、しっかり実用性がないと運用するうえでも困る。そこでまずは、実用性の確認をしようと思い、アドビの「Photoshop」「Photoshop Lightroom」「Premiere Pro」を利用して、日常的に行なっている作業での使用感を確認してみた。

 なお、プリインストールされているソフトウェア「Control Center」の電源設定で「パフォーマンス」モードに設定、Windows 11の設定では、一番パフォーマンスの出るであろう「最適なパフォーマンス」にしている。

付属ソフト「Control Center」では、4つの動作モードが選べる。一番性能が発揮される「パフォーマンス」に切り替えて計測している
Windows 11の設定でも一番性能が出せる「最適なパフォーマンス」に切り替えている

写真編集は快適にこなせる

 まずは、パソコンのレビュー時に毎回行なっている、LightroomでのRAWデータ500枚の書き出しにかかった時間を測定した。約2400万画素のデジカメで撮影、ファイル容量はRAW時で約30MB弱、PSD16bit形式で書き出したときには約140MBになる。

 PSD16bit形式への書き出しは約8分20秒、JPEG(高画質)で約8分40秒と、十分実用性のある速度で処理が行なえている。前世代の第11世代モバイル向けCPU「Core i7-1165G7」と比べるとほんのちょっと及ばないが、誤差の範囲とも思える処理時間でほぼ同等といっていい。

書き出し中の様子。CPU使用率は約60%前後で、動作には余裕がありそう。Lightroomでの書き出し時にGPU負荷はほぼないので、内蔵グラフィックでも問題はない

 Lightroomでは補正作業もチェックしたみたが、操作感も悪くない。サムネイルの読み込みは多少の待ち時間を感じるが、気になるほどではなかった。

色調補正と変形ともに、CPUの負荷は30%程度でタスクマネージャーを見ている感じでは、作業が重いようには見えないライトルームでの書き出しや補正作業は多くの処理をCPUが行っていることもあり、ディスクリートGPUを搭載していない本機でも問題は感じない
こちらは変形時のCPU負荷

 続いて、Photoshopでの操作感を見てみた。2400万画素のデジカメで撮影した6000×4000ピクセル、PSD16bit形式のファイルを開いて作業をしてみた。「変形」「チルトシフト」「ニューラルフィルタ」を試した結果が、以下のとおりだ。

CPUとGPU共に負荷はかかっていて多少動作が重いが、タスクマネージャーの様子を見る限りは、余裕で処理を行なっている感じだ
GPUの処理能力も利用するフィルタでは、GPU負荷が高くなり、CPUはそこそこの負荷がかかっている。プレビュー表示に若干のタイムラグを感じるので、パラメータスライダーに合わせてリアルタイムで効果の確認ができるわけではないが、十分な処理能力といえる
本来はGPUの機能を用いるフィルターだが、内蔵GPUではかなり荷が重いようでCPU負荷はかなり高い。プレビュー表示には数秒程度かかるが、処理そのものは行なえていて第11世代の頃より処理速度は速いと感じた

動画編集は用途によるが簡単な編集はしっかりできる

 最後は、Premiere Proで4K動画の書き出しと処理の確認を行なった。まずは、4K動画の書き出し。約30秒前後のカットを繋げて約10分の動画を作成し、4K/MP4形式で書き出してみた。Premiere Proでは動画書き出し時の設定で、レンダラーをGPUを利用したOpenCL処理と、CPUでのソフトウェア処理を選べるが、OpenCL処理は約9分5秒、ソフトウェア処理は約6分という結果になった。

 OpenCL処理は、本来ディスクリートGPU前提の機能なので、内蔵グラフィックスの本機ではかなり荷が重い。しかし、ソフトウェア処理ではかなり高速に書き出しが行なえる。第11世代の「Core i7-1165G7」でも同様だったが、低消費型CPUとはいえかなり高いパフォーマンスを持っているといえる。

PremiereProの設定でレンダラーを選ぶことができる
こちらは書き出し開始直後
こちらは書き出し開始後しばらく後。書き出し開始直後は、CPU負荷は低くGPUの負荷が高いが、次第にGPU負荷は下がりCPUの負荷が高くなっていた
カット間にトランジションを入れてプレビュー再生してみた。CPUの負荷は低く、GPUに若干の負荷が掛かる程度だが、プレビュー・音声ともに駒落ちがあり、スムースな再生とは言い難かった

 Photoshop及びPhotoshopLightroomでの静止画処理では、プレビュー表示に若干の時間がかったので、快適な操作感とまではいかないが、実用性は十分にあると思えた。

 またPremiere Proでの動画編集処理は、再生プレビューでプレビューの音声も含めて駒落ちが見られるので、フレーム単位での細かい調整はちょっと難しい場合があり、複雑な処理まで含めてフィニッシュまで行なうのは厳しい場合がある。しかし、エフェクトをあまり使わずに、切り貼りといった単純な処理ですむような編集なら、十分な性能といえるだろう。

 使い方次第では十分な性能といえ、携帯性やコストパフォーマンスを考慮すると、かなりお得な感じのするパソコンだ。

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