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13900KをNoctuaで空冷運用するRTX 3060搭載ゲーミングPCに注目

ASCII.jp / 2022年12月24日 11時0分

 動作クロックの向上やEコアの増強などで、シングルスレッドでもマルチスレッドでも飛躍的な性能アップを果たした、Raptor Lake-SことデスクトップPC向け第13世代インテルCoreプロセッサー。ゲームからクリエイティブ用途まで幅広くこなせるだけに、指名買いする人も多い。そんな第13世代インテルCoreプロセッサーを標準搭載したゲーミングPCが、サイコムの「G-Master Spear Z790/D5」だ。

サイコムのゲーミングPC「G-Master Spear Z790/D5」。標準構成の直販価格は28万9350円~(配送料込み)

 高性能なCPUは発熱量が多く、高い冷却能力を備えるCPUクーラーが不可欠となる。特に、Core i7/i9クラスのCPUを使いたいと考えているなら、240mm以上のラジエーターを備えた簡易水冷クーラーは必須と言っていいレベルだろう。しかし、本機はあえてNoctuaの空冷クーラー「NH-U12S redux」を採用している点がユニークだ。

 このCPUクーラーは、「空冷クーラーの傑作」と言っても過言ではない「NH-U12S」をベースにした廉価モデル。廉価モデルとはいえ冷却性能の高さはNH-U12S譲りで、高性能CPUの発熱に耐えられるだけの実力がある。それゆえか、今回届いた仕様機材はCPUを標準モデルのCore i7-13700Kから、より高発熱なCore i9-13900Kにカスタマイズされていた。

空冷クーラーに最適な通気性に優れたPCケースを採用

 とはいえ、本当に空冷クーラーでも安定するのか中身が気になるところ。ということで、まずは内部をチェックしてみよう。サイドパネルを開くと、多数のドライブベイの存在がまず目に飛び込んでくる。

最近のPCでは珍しく、ドライブベイが多い

 PCケースはCooler Masterの「MasterBox CM694」。本構成では簡易水冷クーラーのラジエーターの装着が不要なため、内部を広く使える。そのため、最近ではあまり見かけなくなったドライブベイも多く、5インチは2段ある。3.5インチは合計6台、2.5インチは合計8台入る圧倒的な収納力がウリだ。これだけあれば、動画編集用途で多数のドライブが必要になっても安心だろう。

2.5インチドライブは裏面にも装着できる。サイコムのPCは裏配線がきれいなので、実装時にケーブルの位置を再調整するなどの余計な手間を省ける

 また、フロントパネルは通気性に優れたメッシュデザインで、冷たい外気をスムーズに取り入れられる。エアフローが重要な空冷クーラーにはぴったりなPCケースと言える。HDDなども安定して冷やせるだろう。

NH-U12S reduxはサイドフロー式の大型空冷クーラー

 空冷クーラーのNH-U12S reduxはCPUの熱をヒートパイプでヒートシンクに移動し、風量の大きな120mmファンで強力に冷やすタイプ。ヒートシンクは薄いアルミのフィンを多数重ねたもので表面積が大きく、冷却性能が高い。

 サイドフロー式の空冷クーラーの場合、排気用のPCケースファンがほぼ直線上にあるため、熱風がそのままPCケース外に排出されるレイアウトになっている。つまり、PCケース内に熱が拡散することがほとんどないため、PCケース内温度は上昇しづらい。

 もちろん、まったくPCケース内に熱が逃げないわけではないが、MasterBox CM694は天板部分もメッシュになっているため、自然と熱が排出されるようになっている。この点でもこのPCケースは空冷クーラーに向いているわけだ。

 ゲーム性能の要となるビデオカードは、MSIの「GeForce RTX 3060 VENTUS 2X 12G OC」を採用。名前からもわかる通り、GeForce RTX 3060を搭載し、ほとんどのゲームをフルHDやWQHDで快適に遊べるだけの実力がある。

GeForce RTX 3060搭載ビデオカードを標準装備

 負荷が低く、GPUが一定温度よりも低い場合はファンの回転が止まるので、ふだん使いでは非常に静か。また、2つの大型ファンでGPUを冷却するため、ゲーム中も安定したパフォーマンスを発揮できる。

 安定面で言えば、電源ユニットもチェックしたいポイント。G-Master Spear Z790/D5は、サイコムのほかのシリーズでも採用実績の多いSilverStoneの「SST-DA750-G」を搭載している。

電源ユニットは750Wで80 PLUS GOLDのSST-DA750-Gを搭載

 容量は750Wで、変換効率の高い80 PLUS GOLD認証モデルな点がうれしい。また、ケーブルは必要なものだけを接続するモジュラー式なので、PCケース内がケーブルでぐちゃぐちゃになってしまう心配もない。

 サイコムは電源ユニットもBTOオプションが豊富だ。より高性能なビデオカードに変更したい場合は、さらに大容量の電源ユニットを選択できる。メーカーや製品まで細かく選べ、例えば800W台の製品なら6モデルから選べるというコダワリようだ。なお、電源容量は最大1200Wまで用意。これなら、GeForce RTX 40シリーズのようなハイエンドビデオカードでも安心して使える。

 インターフェースにも触れておこう。背面はUSB Type-Cを含むUSB 3.2 Gen 2が1基あるほか、USB Type-AはUSB 3.2 Gen 2が2基、USB 3.2 Gen 1が1基、USB 2.0が4基と十分な数を備えている。また、有線LANは2.5GbE対応になっている点も好感が持てる。

多数のUSBポートに加え、2.5GbE対応の有線LAN、音声入出力などを装備

 前面インターフェースは本体天面の手前側に装備。USB Type-Aが2基、USB Type-Cが1基、ヘッドセット用端子という構成だ。USBメモリーやゲームパッド、ヘッドセットといった一時的に利用するものを接続するには十分だろう。

USBポートはType-Aだけでなく、Type-Cも用意されている点がうれしい

 なお、G-Master Spear Z790/D5はサイドパネルがガラスではなくスチールを採用しているため、中身が見えない。昨今のゲーミングPCのトレンドとは逆だが、そもそも中身は見えなくていいと考えている人や、足元に設置したいからガラスよりもスチールのほうが安心できる、というメリットも。こういった飾らない実直な高性能PCが欲しい人も少なくないだろう。

 以上で、外観と内部の紹介は終了だ。次回は性能面を紹介する。本来は簡易水冷クーラーが推奨されるCPUを採用しながら、空冷クーラーでどこまで性能を発揮できるのか。熱はどの程度上がっているものなのか。気になる性能と熱のバランスに迫る。

DVDスーパーマルチの光学ドライブを標準装備している点も本機の特徴だ。最近ではぐっと必要な機会が減ってきたPCパーツとはいえ、あればうれしいという人もいるだろう。ちなみに、BTOでは「なし」も選べ、その場合2610円安くなるので必要ない人は外してもいいかもしれない

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