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【活用提案】スキャン機能や音声入力、文字起こしなどiPadならではの便利機能を生かして仕事に活用すべし!

ASCII.jp / 2023年1月2日 14時0分

 iPadで仕事の資料を仕上げようと思っても、実際に作業をしてみると、どうもしっくりこない。そんなふうに感じている人は少なくないだろう。iPadは優れたデバイスだが、やはりタブレットはタブレット。パソコンと同じような感覚で使うと、違和感を覚えるのは仕方のないことだ。

 これを解消するには、iPadでやる作業を、パソコンと同じように考えないこと。iPadならではの強みを生かした使い方をすることで、かなり快適になってくるだろう。そこで今回は、iPadで「Microsoft Office」を使う際に設定しておきたいことや、もっと便利になるiPadならではの機能などを紹介していきたい。

いつも使っているオンラインストレージと接続する

 iPadで扱うデータは、基本的にオンラインストレージへ保存することになる。つまり、iPadで「Microsoft Office」を使うときは、最初に「Office(Microsoft 365)」アプリ(以下、「Office」アプリ)とオンラインストレージを接続させる必要がある。

 ただし、Microsoftの「OneDrive」を使っているなら、Microsoftアカウントでサインインするだけなので、特別な操作は不要。また、「Office」アプリが対応しているオンラインストレージなら、接続設定は非常に簡単だ。もし、対応していないオンラインストレージを使っている場合は、「ファイル」アプリで設定しよう。なお、いずれの場合も、利用するオンラインストレージのアプリをiPadにあらかじめインストールしておく必要がある。

●対応しているオンラインストレージを利用する

 「Office」アプリから直接連携できるオンラインストレージは、「Dropbox」や「Box」などだ。これらのオンラインストレージを使っているなら、「ストレージアカウントの追加」から接続すればいい。

「Office」アプリを開き、サイドバーのフォルダアイコン(「開く」)をタップ。一覧の下部にある「ストレージアカウントの追加」をタップして、接続したいストレージ名を選択する。
選択したオンラインストレージのアプリを開くメッセージが表示されるので、「開く」をタップ。あとは画面の指示に従ってオンラインストレージに接続する。
一覧にそのオンラインストレージ名が表示される。これを選択すると、そのストレージにあるフォルダやファイルが表示される。ここから「Office」の文書を選択すれば、該当するアプリで編集が可能になる。

●非対応のオンラインストレージを利用する

 「Office」アプリが対応していないオンラインストレージを利用する場合は、「ファイル」アプリを経由して利用することになる。そのため、まず「ファイル」アプリから、オンラインストレージに接続しておく必要がある。

「ファイル」アプリを開き、「…」→「サイドバーを編集」をタップ。接続したいオンラインストレージをオンにする。
「Office」アプリのサイドバーで「ファイルアプリ」をタップ。利用するオンラインストレージ名をタップし、編集する文書ファイルを選択する。

パソコンと共用するなら「フォント」の設定を忘れずに

 パソコンとiPadの両方で「Office」アプリを利用する人は、とても多いだろう。その場合は、「フォント」の設定も忘れずに確認しておきたい。

 パソコンで作成した文書に、iPadにインストールされていないフォントが使われていると、iPad側では別のフォントに置き換わって表示される。しかし、これではレイアウトが崩れるなどの問題が生じるおそれがある。テキストだけの文書ならさほど影響は出ないが、プレゼン資料のようなデザイン性が高いものの場合は心配だ。実際に使う場面で困った事態にならないよう、パソコン側でフォントの埋め込み設定をしておこう。

 フォントの埋め込み機能を使うには、Windowsの場合は、パソコン版の各アプリの「オプション」を表示し、「ファイルにフォントを埋め込む」をオンにすればいい。この設定をしておけば、iPadで開いてもレイアウトが崩れることなく、パソコンと同じ状態で表示できる。

Windowsの場合、アプリの「ファイル」タブを開き、「その他」→「オプション」をクリックする。
「保存」をクリックし、「ファイルにフォントを埋め込む」にチェックを入れる。自分が使うだけなら「使用されている文字だけを〜」、共同編集するなら「すべての文字を埋め込む」を選択する。

 また、Macでフォントの埋め込み機能を使うには、パソコン版の各アプリの「環境設定」を表示。「ファイルにフォントを埋め込む」をオンにする。

Macの場合は、メニューバーのアプリ名→「環境設定」をクリック。環境設定ダイアログが表示されるので、「保存」をクリックする。
Windowsと同様に、「ファイルにフォントを埋め込む」にチェックを入れ、「使用されている文字だけを〜」または「すべての文字を埋め込む」のいずれかを選択する。

書類に直接手書きして編集できる

 iPadで「Office」アプリを使う大きなメリットは、やはり直接手書きで編集できる点だろう。パソコン版の「Office」でも手書きをサポートしているが、タッチパネル搭載モデルである必要があるし、ペンデバイスがないとマウスやトラックパッドを使わなければならないため、あまり実用的ではない。

 iPadなら、Apple Pencilなどのペンデバイスで画面から直接書き込めるので、ペンと紙のような感覚で使える。もし、ペンデバイスがなくても、指を使って書くこともできるので、マウスなどよりもはるかに直感的だ。

 手書きをするには、「描画」タブで使いたい色を選択して書き込むだけ。これは、「Word」「Excel」「PowerPoint」で共通の操作なので、ぜひ覚えておこう。

アプリの「描画」タブをタップする。利用できるペン先が表示されるので、使いたいものをタップ。ペンデバイスを持っていない場合は、「タッチして描画する」をオンにする。
これで画面に直接手書きできる状態になった。終了するときは、別のタブをタップすればいい。

スキャンして文書や表を作成

 紙の書類やホワイトボードなどに書かれた内容を書き写すのは、非常に面倒な作業だが、iPadならスキャン機能を使って便利にこなすことができる。この機能は、「Word」や「Excel」で利用可能だ。

●スキャンして文書を作成

 「Word」でよく文書作成をするのであれば、テキストをスキャンして文書を新規作成できる「テキストのスキャン」を覚えておこう。手元にある文字書類をiPadのカメラを使ってスキャンすれば、その場ですぐにテキストへ変換して新規書類を作れるのだ。

 とはいえ、場面によってはスキャンをしている時間や余裕がないかもしれない。そんなときは、とりあえずカメラで撮影だけしておこう。「テキストのスキャン」は撮影済みの画像にも対応しているので、会社や自宅に戻ってからスキャン操作をすればいい。ここでは、撮影済みの画像に含まれるテキストからWord文書を新規作成する手順について紹介しよう。

「Office」アプリで、「作成」→「Word」→「テキストのスキャン」をタップする。
カメラが起動し、撮影できる状態になる。撮影済みの画像からテキストを取り込む場合は、「写真」のアイコンをタップ。一覧からスキャンする画像を選択し、「>」をタップする。
スキャンする範囲をトリミングし、「次へ」をタップ。トリミングした画像の編集画面が表示されるので、「保存」をタップする。
「OneDrive」にファイルが新規作成され、スキャンしたテキストを挿入した書類が表示される。

 ただし、この「テキストのスキャン」で作成できるのは”新規文書”だけだ。つまり、編集中の文書にスキャンしたテキストを挿入することはできない。もし編集中の文書に挿入したい場合は、iPadのテキスト認識機能を使ってコピーして、貼り付けるのが最も現実的といえる。

現在編集中の文書にスキャンしたテキストを挿入するには、「写真」アプリでその画像を開く。テキスト部分が選択できるのでコピーし、それを「Word」に貼り付ける。

●印刷された表を編集中の書類に挿入する

 「Excel」の場合、請求書などに書かれた数値を見ながら手入力するシーンは多い。これは面倒だし、何より打ち間違いが心配になる。しかし、「Office」のスキャン機能を使えば、表をテーブルに変換して貼り付けられる。

 こちらの場合は、現在作成中のExcel文書にスキャンしたデータを挿入できるので非常に実用的。ここでは、納品書をカメラで撮影して、編集中のExcel文書に挿入する方法を紹介しよう。

「Office」アプリで、「作成」→「Excel」→「テーブルのスキャン」をタップする。
カメラが起動するので表を撮影する。なお、この際にiPadを横向きで撮影すると、表の縦横がおかしくなるので、必ずiPadを縦向きにして撮影しよう。
トリミング画面になるので、スキャンする範囲をトリミングし、「確認」をタップする。
表がスキャンされ、結果のテーブルが表示される。誤りがある場合はテーブルをタップして修正しよう。テーブルをコピーするには、「コピー」→「そのままコピーする」をタップする。
編集中のExcel文書に戻ったら、任意のセルを長押しして「ペースト」をタップ。これでテーブルが挿入された。

音声入力で素早く文書を作成

 音声入力は、しゃべるだけでスラスラと文字入力ができるので、キーボードが使えない場面などで非常に有用な機能だ。「Word」には「ディクテーション」という音声入力機能が搭載されており、けっこう正確に入力できる。特にiPadとは親和性の高い機能といえるだろう。

 ディクテーションを使うには、「Word」の編集画面に表示されるマイクボタンをタップするだけ。あとは画面に向かってしゃべれば、文字が入力されていく。2人ぐらいまでの会話なら十分に使える感じだ。また、設定で句読点の自動入力をオンにしておけば、話し終えたときに句読点を自動入力してくれるのも便利なところ。ただし、ディクテーションを終了するとオフになってしまうので、毎回オンに切り替えなければならない点は注意が必要だ。

「Word」を開いたら、マイクアイコンをタップ。これですぐにディクテーションが有効になる。句読点を自動入力したいときは、歯車のアイコンをタップする。
表示された設定画面で「句読点の自動挿入を有効にする」をオンにする。なお、この設定はディクテーションを終了するとオフになってしまうので注意しよう。
ディクテーションを再開するには、マイクアイコンをタップする。あとはiPadに向かってしゃべれば、認識された音声がテキストとして入力される。

ボイスメモから文字起こしができる

 会議などの議事録を作成する際、「ボイスメモ」などで録音したデータを聞いて文字起こしをするという人は多いだろう。しかし、録音を聞きながら、ひたすらテキストを入力するという作業は時間も手間もかかるし、非常に負担が大きい。

 そこで活用したいのが「トランスクリプト」だ。これは、「Microsoft 365」のサブスクリプション契約があると利用できる機能で、音声データをアップロードすると文字起こしができるというもの。例えば、議事録の作成なら、iPadの「ボイスメモ」で録音したデータをWeb版「Word」へアップロード。文字起こしが終わったら、テキストを「Word」に挿入して保存。そして、その書類を編集すればいい。効率がグンと上がるだろう。

 なお、この機能が使えるのは、“Web版”の「Word」のみ。だが、iPadの「Safari」では、「トランスクリプト」の項目が表示されない(iPad OS 16.2で検証)。筆者が試したところ、最新版の「Chrome」でのみ利用できた。この機能を使いたい場合は、「Chrome」をインストールしておくといいだろう。

 ここでは、iPadの「ボイスメモ」で録音したものをWeb版「Word」にアップロードし、文字起こしをしたテキストを挿入する手順について紹介しよう。

「ボイスメモ」アプリを開き、文字起こしするデータを選択して共有アイコン→「ファイルに保存」をタップ。保存する任意のストレージ(「iCloud Drive」など)を選択し、「保存」をタップする。
「Chrome」でWeb版「Word」を開く。シンプルリボンだと「トランスクリプト」が表示されないため、リボンの右端にある「∨」をタップし、「クラシックリボン」を選択する。
「ホーム」タブの「トランスクリプト」をタップ。表示されたサイドバーから、「音声をアップロード」→「ファイルを選択」をタップ。先ほど保存した「ボイスメモ」のファイルをタップする。
ファイルがアップロードされると、自動的に処理が行われる。終了したら、「ドキュメントに追加」→「テキストのみ」をタップ。これで文書にテキストが挿入される。

 このように、iPad版の「Office」は、パソコンとまったく同じように使えるわけではないものの、パソコンではできない機能が使えるという強みがある。iPadで使う際は、こういった点を知ったうえで、iPadの強みを生かせるように工夫して、使い分けていくのがベストといえるだろう。

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