AMD Ryzen 7 6800U搭載でゲーム性能が爆上がり! ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版実機レビュー
ASCII.jp / 2022年12月30日 12時0分
テックワンはZen 3+アーキテクチャーのAMDモバイルプロセッサーを搭載した7型ゲーミングUMPC「ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版」を12月22日に発売した。価格は16万2800円からとなっているが、公式ストアで購入する場合は10%オフクーポンを適用して購入できる。
本製品はCPUにAMD「Ryzen 7 6800U」(8コア/16スレッド、最大4.7GHz)を採用。このCPUはRDNA 2アーキテクチャーの内蔵グラフィックス「AMD Radeon 680M」を搭載しており、AAAゲームも快適にプレイできると謳っている。今回本製品の実機を借用したので、製品詳細、パフォーマンスについてじっくりとレビューしていこう。
メモリー、ストレージ容量の異なる3モデルを用意
「ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版」には下記の3モデルがラインナップされている。
CPUは「AMD Ryzen 7 6800U」(8コア、16スレッド、最大4.7GHz、cTDP15~28W)で共通。メモリー(LPDDR5-6400)とストレージ(PCIe Gen3 x4接続SSD、インターフェースはPCIe Gen4 x4対応)で差別化が図られているわけだ。
ディスプレーは7型WUXGA(1920×1200ドット、323ppi、16:10、リフレッシュレート60Hz、sRGB 100%、10点マルチタッチ対応、グレア)を搭載。ウェブカメラは内蔵されていない。
インターフェースはUSB4×2、USB 3.0 Type-A×1、3.5mmイヤフォンジャック×1を用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 6(11ax)とBluetooth 5.0をサポート。ゲームパッドはXinput準拠で、6軸ジャイロ機能(サードパーティー製のドライバーが必要)、リニア振動モーターも内蔵されている。
本体サイズは262×107×23~35mm、重量は約612g。48Wh(12450mAh)のバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間はゲームプレイで約2.5時間、ビデオのストリーミング再生で約10時間と謳われている。
パッケージには本体以外に、65W窒化ガリウム急速充電器、USB Type-Cケーブル、説明書を同梱。オプションとしてONEXPLAYER mini専用ドッキングステーション「ONEXDOCKING」(9760円)が用意されている。「ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版」は端子の数が限られている。外部ディスプレーなどと接続して小型デスクトップPC的に利用したいのなら、「ONEXDOCKING」はぜひセットで購入しておきたい。
なおゲームコントローラーのスイッチのメーカーは公表されていないが、家庭用ゲーム機などと比較しても遜色ない感触だ。UVコーティングが施されている表面塗装もちょうどいい摩擦感である。軽い操作感にはやや慣れが必要かもしれないが、快適にゲームプレイに集中できるコントローラーに仕上がっている。
「Apex Legends」における推定ゲームパフォーマンスは「70+ FPS」
AMD Ryzen 7 6800Uを搭載する「ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版」はどのぐらいのパフォーマンスを発揮するだろうか? まずCPU性能については「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は11165pts、「CINEBENCH R20」のCPU(Multi Core)は4345ptsを記録した。同じCPUを搭載する「GPD WIN Max 2」はR23が11921pts、R20が4710ptsだったので、わずかに及ばなかったことになる。
しかしながら、前世代のCPU、AMD「Ryzen 7 5800U」を搭載したProなしの「ONEXPLAYER mini Ryzen版」(参考記事:https://ascii.jp/elem/000/004/097/4097646/)では、R23のMulti Coreが7930ptsだったことを考えれば、かなり性能向上したことがわかる。
】一方3D性能については、「3DMark」のTime Spyで2728、Fire Strikeで6626、Wild Lifeで15858となった。「GPD WIN Max 2」はTime Spyで2692、Fire Strikeで6476、Wild Lifeで15241だったので、こちらは「ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版」のほうがわずかにスコアはよかった。「GPD WIN Max 2」のベンチマークは9月6日以前に実施している。その後、OSやドライバーになんらかの最適化が実施されている可能性がある。
なおTime Spyにおける推定ゲームパフォーマンスは、「Apex Legends」(1080p Ultra)で「70+ FPS」となった。ディスプレーのリフレッシュレートを超えており、「Apex Legends」を快適にプレイできると言えよう。
] ちなみに、やはり前世代のRyzen 7 5800U搭載モデルは、Fire Strikeで3522だったため、スコア差は約1.9倍になる。CINEBENCH同様にGPU性能も大幅に向上している。
「PCMark 10」の総合スコアは6277、Essentialsは9923、Productivityは8550、Digital Content Creationは7911となった。PCMark 10の指標「Gaming Laptop(2020)」の総合スコアが4515なので、「ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版」はその139%相当のスコアを記録したことになる。
ストレージ速度については、「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は3503.74MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は2740.93MB/sとなった。PCIe Gen3 x4接続のSSDとしては順当な結果と言えるだろう。
さて実際のゲームでのパフォーマンスについては、「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは8540(快適)、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(1920×1080ドット、標準品質)のスコアは3436(普通)となった。
「MSI Afterburner」で「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」実行中の平均フレームレートを計測したところ、HD(1280×720ドット)軽量品質で64.7fps、フルHD(1920×1080ドット)軽量品質で44.7fps、HD(1280×720ドット)標準品質で54.6fps、フルHD(1920×1080ドット)標準品質で33.4fpsとなった。FINAL FANTASY XVクラスのゲームであっても、HD(1280×720ドット)軽量品質に設定すれば、快適にプレイできるわけだ。
バッテリー駆動時間については、「性能」(TDP)15W、ディスプレー輝度50%、ボリューム50%という条件で「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(1920×1080ドット、標準品質)をループ再生したところ、バッテリー残量5%まで1時間37分15秒動作した。負荷の高いゲームではカタログスペックの「ゲームプレイで約2.5時間」には届かないようだ。
なおバッテリー充電時間は、50%までは56分1秒、70%までは1時間21分21秒、80%までは1時間34分2秒、90%までは1時間47分3秒、100%までは2時間19分41秒かかった。
現時点のゲーミングUMPCカテゴリーにおいてハイエンドクラスの選択肢
AMD Ryzen 7 6800Uを採用した「ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版」は、前世代のCPUを搭載したゲーミングUMPCより大幅に3Dグラフィックス性能が向上している。もちろんゲームによっては解像度や品質を調整する必要はあるが、「Apex Legends」クラスのゲームであれば1920×1080ドットで快適にゲームを楽しめる。現時点のゲーミングUMPCカテゴリーにおいてハイエンドクラスの選択肢であることは間違いない。
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