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ソニーが3年ぶりの「ウォークマン ZX707」と「A300」シリーズを発表

ASCII.jp / 2023年1月11日 10時0分

 ソニーは1月11日、ウォークマンの新機種「NW-ZX707」と「NW-A300」シリーズを発表した。約3年ぶりの新製品で、発売は1月27日を予定している。価格はいずれもオープンプライスだ。

WM-ZX707
NW-A300シリーズ

ハイエンドモデル「NW-ZX707」

 NW-ZX707は「ウォークマン Z」シリーズの最新機種で実売価格は10万5000円前後。2月発表のウォークマン・フラッグシップモデル「NW-WM1AM2」の技術をふんだんに盛り込んでいる。従来機種の「NW-ZX500」シリーズは、幅の狭いスリムな筐体だったが、NW-ZX707はディスプレーサイズがNW-WM1AM2と同じ5インチに大型化した関係で、本体サイズは幅72.5×奥行き16.9×奥行き132.3mm、重量は約227gに増えている。ただし、約299gのNW-WM1AM2よりは小型軽量だ。

 主な改良点は下記の通り。

・OSをAndroid 12に変更(NW-ZX500シリーズはAndroid 9) ・ディスプレーの大型化(3.6インチから5インチに) ・バッテリー駆動時間を最大約25時間に延長 ・DSEE Ultimate/DSDリマスタリングエンジンの搭載

 本体には64GBのストレージとmicroSDカードスロットを装備。フルデジタルアンプのS-Master HXを搭載。4.4mmのバランス駆動用出力も備えている。

4.4mmのバランス駆動用端子を持つ。

これはもうSignatureウォークマンなのでは?

 音質面では、NW-WM1AM2と多くのパーツを共有。透明感、表現力、音の広がり、低域の力強さが改善したという。取り組んだ要素は数多いが、大きなポイントは(1)シャーシの低抵抗化、(2)さらなる電源強化、(3)オーディオラインの最適化、(4)クロックの最適化だ。

 (1)は、低インピーダンスで高剛性なアルミ切削シャーシを採用。アルミブロックから高精度で削り出した部材を使用している。S-Master HXの基板を取り付ける精度が高くなり、その性能をしっかり引き出せるという。このシャーシにはアルマイト塗装が施されている。アルマイトは酸化膜のため、特性としては絶縁体だ。そこで一部を削り、GNDを落とす仕組みにしているという。背面ロゴはレーザーで削り、金メッキしている。

アルミ削り出しのシャーシ部
銅を削り出したシールド部材

 リアカバーは、強度とインピーダンスのバランスを取れたアルミ製とした。ステンレスなど別素材では、音に若干の癖が出るとソニーでは説明している。シールドはNW-WM1AM2と同じ無酸素銅の切削ブロックで、下地にニッケルを入れず、直接金メッキをしたものとなる。

リアカバー

 (2)では、NW-WM1AM2と同じ大容量固体高分子コンデンサーや耐震性能の高い「FTCAP3」を使用している。固体高分子コンデンサーは当初の想定より太く大きなものにしたため、リアが少し膨らんでいる。全体が平らになるように、背面に使用しているゴム素材の厚さを調整しているという。バッテリーもNW-WM1AM2と同じもので、保護回路の低抵抗化によって、音への影響が高い電源供給部が強化されている。

FTCAPが中央に見える

 (3)では、WM1シリーズで使用している8mm角の大型コイルを使用。サイズの都合で、左右対称のレイアウトにはできなかったが、最適な位置に配置している。基板レイアウトの最適化は、長年培ったソニーのノウハウが生きる部分。アナログ回路の時代からポータブルオーディオを続けてきた成果が反映されているという。また、音質に優れた金入りのリフローはんだを使用することで、広さ、高さの表現が向上したとする。ソニーでは、ウォークマンに限らず、ヘッドホンの「WH-1000XM5」にも金入りのリフローはんだを採用しており、横展開を進めている。

大型コイルが右奥に見える
高音質はんだ

 (4)では、まず48kHz系と44.1kHz系の信号に対応した2系統のクロックを装備している。NW-WM1AM2よりは一回り小さなサイズだが、低位相ノイズ品となっている。

印象的なコーナー部分

 このように内容的にはNW-WM1AM2にかなり迫るものとなっている。また、ヘッドホンジャックがあるコーナー部分は、高級感のある削り出し金メッキパーツを採用。コスト度外視の選択だが、角の90度をカッチリと出すために採用したという。

コンパクトだが広がりある音質の「NW-A300」シリーズ

 NW-A300シリーズはNW-A100シリーズの後継機種で容量64GBの「NW-A307」と容量32GBの「NW-A306」の2機種展開。実売価格はそれぞれ5万7000円前後/4万6000円前後。カラーバリエーションはそれぞれグレー、ブラック、ブルーの3色が選べる。

ブラック
グレー
ブルー

 スマホにはない音楽専用機ならではのメリットを訴求している。具体的には高音質に加え、スマホのバッテリーを温存できる点、CD音源の簡単転送、LDACの価値を発揮などだ。Android 12を採用し、バッテリー駆動時間は最大36時間、DSEE Ultimateに対応する。なお、ノイズキャンセル機能付きイヤホンが付属するモデルはなくなっている。

凹凸のある背面のデザインも特徴的だ。

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