第13世代Core、ノート/デスクトップPC向けに新たに40種類以上発表
ASCII.jp / 2023年1月4日 0時0分
インテルは1月3日、ノートPC向けの第13世代インテルCoreプロセッサー、およびデスクトップPC向け第13世代インテルCoreプロセッサーのK無しモデル、そしてエントリー向けCPUのインテル Nシリーズを発表した。
ノートPC向けのCPUでは、Core HXシリーズ9種類、Core Hシリーズ11種類、Core Pシリーズ4種類、Core Uシリーズ8種類の計32種類。
デスクトップ向けのCPUでは、MTPを抑えたK無しモデルが10種類、省電力モデルのTシリーズが6種類の計16種類。インテル Nシリーズは計4種類のモデルが発表されている。
ハイエンドノートPC向けのHXシリーズ
Core HXシリーズは、ハイエンドゲーミングノートPCやモバイルワークステーション向けの製品に搭載されるCPU。前世代の第12世代インテルCoreプロセッサーから登場したシリーズで、他のノートPC向けモデルに比べ、ダイの形状から大きく異なる。
他のノートPC向けがCPUとチップセットを1つのパッケージに収めたマルチチップパッケージなのに対し、Core HXシリーズはCPUとチップセットを別にした2つのパッケージからなる。つまり、デスクトップ向けのCPUに近い構成になっている。
ラインアップは、Core i9-13980HX(24コア/32スレッド、最大5.6GHz)、Core i9-13950HX(24コア/32スレッド、最大5.5GHz)、Core i9-13900HX(24コア/32スレッド、最大5.4GHz)、Core i7-13850HX(20コア/28スレッド、最大5.3GHz)、Core i7-13700HX(16コア/24スレッド、最大5GHz)、Core i7-13650HX(14コア/20スレッド、最大4.9GHz)、Core i5-13600HX(14コア/20スレッド、最大4.8GHz)、Core i5-13500HX(14コア/20スレッド、最大4.7GHz)、Core i5-13450HX(10コア/16スレッド、最大4.6GHz)。詳細なスペックは以下の通り。
スペック的にもデスクトップPC向け第13世代Coreに近い。Core i9やCore i5の上位モデルではデスクトップ向けと同等のコア数を持つばかりか、Core i7-13850HXはCore i7-13700K(16コア/24スレッド、最大5.4GHz)をコア数で上回っている。MTP(PL2)も157Wと高めに設定されている。
また、第13世代のCore HXシリーズでは、使うアプリケーションごとにWi-Fiの最適なバンドを割り当てる「インテル Double Connect テクノロジー」に対応。さらに、VRデバイスを無線接続した際のレイテンシーを20%低減することができたという。
第13世代のCore HXシリーズでは、Bluetoothの最新オーディオ規格「Bluetooth LE Audio」をサポートする。Bluetooth LE Audioでは、圧縮率の高いLC3という新たなオーディオコーデックを使用することで、音質を損なわずにバッテリーの消費を抑えられるとされている。
第13世代のCore HXシリーズを搭載した製品は、2023年以降、60以上の製品が登場予定とのこと。
各クラスをカバーするノートPC向けの Core Hシリーズ/Pシリーズ/Uシリーズ
続いて、Core HXシリーズ以外のノートPC向けCPUを見てみよう。ノートPC向けの第12世代Core同様、Core Hシリーズ、Core Pシリーズ、Core Uシリーズの3シリーズに分類されている。
先述したように、Core HXシリーズが2つのパッケージからなるのに対して、これらのシリーズは1パッケージという点は共通。ただ、同じ1パッケージでも、ダイのデザインや消費電力などで差が出ている。
Core Hシリーズのラインアップは、Core i9-13900HK(14コア/20スレッド、最大5.4GHz)、Core i9-13905H(14コア/20スレッド、最大5.4GHz)、Core i9-13900H(14コア/20スレッド、最大5.4GHz)、Core i7-13800H(14コア/20スレッド、最大5.2GHz)、Core i7-13705H(14コア/20スレッド、最大5GHz)、Core i7-13700H(14コア/20スレッド、最大5GHz)、Core i7-13620H(10コア/16スレッド、最大4.9GHz)、Core i5-13600H(12コア/16スレッド、最大4.8GHz)、Core i5-13505H(12コア/16スレッド、最大4.7GHz)、Core i5-13500H(12コア/16スレッド、最大4.7GHz)、Core i5-13420H(8コア/12スレッド、最大4.6GHz)。
Core PシリーズはCore i7-1370P(14コア/20スレッド、5.2GHz)、Core i7-1370P(12コア/16スレッド、5GHz)、Core i5-1350P(12コア/16スレッド、4.7GHz)、Core i5-1340P(12コア/16スレッド、4.6GHz)。
Core UシリーズはCore i7-1365U(10コア/12スレッド、最大5.2GHz)、Core i7-1355U(10コア/12スレッド、最大5GHz)、Core i5-1345U(10コア/12スレッド、最大4.7GHz)、Core i5-1335U(10コア/12スレッド、最大4.6GHz)、Core i5-1334U(10コア/12スレッド、最大4.6GHz)、Core i3-1315U(6コア/8スレッド、最大4.5GHz)、Core i5-1305U(5コア/6スレッド、最大4.5GHz)。そしてCoreブランドではないが、Intel Processor U300(5コア/6スレッド、最大4.4GHz)というモデルもラインアップされている。
今回のノートPC向けCPUの型番は、「インテル vPro プラットフォーム」への対応状況やメモリーのサポート状況によって、型番が細かく刻まれているようだ。同社のデータによれば、Core i9-13900HKのパフォーマンスはCore i9-12900Hに比べて10%程度向上している模様。
ノートPC向けHシリーズやPシリーズにおいては、内蔵GPUに最新の「Iris Xe Graphics」をサポートしたモデルが存在する。サポート条件はCore i5以上でメモリーバンド幅が128bit以上であること。
第13世代のCore Hシリーズ/Pシリーズ/Uシリーズを搭載したノートPCは、2023年に250以上の製品が登場予定とのこと。
またそのほか、第13世代Coreに準拠した「インテル Evo プラットフォーム」の要件についても発表された。インテル Evo プラットフォームは、インテル製CPUを搭載したノートPCについて、一定のスペックを満たした製品に認証を与えるもの。
ゲーミングPCなど特定の要素に特化している必要はないが、時代に沿った広くさまざまな用途に対応できる製品を目指した基準になっている。いわば、このマークが貼ってあるPCはインテルのお墨付きと言える。
今回特に強調されているのが、「インテル Unison」を活用した“Multi Device Experience”の部分。インテル Unisonは、ノートPCとAndroid/iOSのデバイスを接続し、写真や動画などのデータの共有、通話、メッセージアプリの使用、通知の表示などをPC側で可能にするもの。インテル Evo準拠のPCでのみサポートされる。
デスクトップPC向けラインアップも大幅拡充
次はデスクトップPC向け第13世代インテルCoreプロセッサーの新製品について。2022年10月に、Core i9-13900K、Core i9-13900KF、Core i7-13700K、Core i7-13700KF、Core i5-13600K、Core i5-13600KFの6製品が発売された。これらは型番にKが付く倍率ロックフリーのモデル。今回発表されたのは、MTPを抑えたKのつかないモデルとなる。
ラインアップは、Core i9-13900(24コア/32スレッド、最大5.6GHz)、Core i9-13900F(24コア/32スレッド、最大5.6GHz)、Core i7-13700(16コア/24スレッド、最大5.2GHz)、Core i7-13700F(16コア/24スレッド、最大5.2GHz)、Core i5-13600(14コア/20スレッド、最大5GHz)、Core i5-13500(14コア/20スレッド、最大4.8GHz)、Core i5-13400(10コア/16スレッド、最大4.6GHz)、Core i5-13400F(10コア/16スレッド、最大4.6GHz)、Core i3-13100(4コア/8スレッド、最大4.5GHz)、Core i3-13100F(4コア/8スレッド、最大4.5GHz)。
また、型番末尾にTが付く省電力モデルも発表されている。T付きのラインアップは、Core i9-13900T(24コア/32スレッド、最大5.3GHz)、Core i7-13700T(16コア/24スレッド、最大4.9GHz)、Core i5-13600(14コア/20スレッド、最大4.8GHz)、Core i5-13500T(14コア/20スレッド、最大4.6GHz)、Core i5-13400T(10コア/16スレッド、最大4.4GHz)、Core i3-13100T(4コア/8スレッド、最大4.2GHz)。
今回、第13世代CoreのKなしモデルにおいて注目すべきは、Core i5にEコアが搭載された点だろう。第12世代Core以降、性能重視のPコアと電力効率重視のEコアという2種類のコアを採用した設計が特徴となっていたが、第12世代ではKなしモデルのCore i5にEコアは搭載されていなかった。
しかし今回、第13世代のCore i5にはKなしモデルでもEコアが搭載され、コア数が一気に増加した。これによるコストパフォーマンスの変化が気になるところだ。
なお、第13世代CoreのKなしモデルの性能については、加藤勝明氏によるレビューをASCII.jpで掲載しているため、ぜひそちらも参照してみてほしい。
エントリー向けのシリーズが新たにブランディング
また今回、新たにインテル Nシリーズの4製品も加わった。もともとこのクラスは、インテル Pentium Silver プロセッサーなどが担っていたエントリー向けのライン。主に教育などの用途においての使用を想定しているという。
このシリーズは、前述したPコア/Eコアの2種類のコアのうち、Eコアのみを搭載したCPUとなる。Gracemontアーキテクチャーを採用した電力効率の高いEコアを使用することで、Windows PCだけでなく、ChromeOSを使用したPCにも採用が見込まれる。
ラインアップは、Core i3-N305(8コア/8スレッド、最大3.8Ghz)、Core i3-N300(8コア/8スレッド、最大3.8GHz)、Intel Processor N200(4コア/4スレッド、最大3.7GHz)、Intel Processor N100(4コア/4スレッド、最大3.7GHz)の4種類。今回、このクラスでは初めてCore i3 Nシリーズとしてブランディングされた。
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