4万円台で購入できるクリエイターの"相棒"、その名は「VP2785-2K」!
ASCII.jp / 2023年1月25日 11時0分
クリエイター向けディスプレーは、リフレッシュレートよりも発色と色域が重要だ。特に、絶対的な色を定義できるインクと同じ色を、ディスプレーでしっかり再現できるかどうかが重要になる。印刷物などの多くは色の判断を反射光で行なうため、透過光で色を表現するディスプレーとは根本的に色が違うからだ。色にこだわるのであれば、印刷物で正しい色を表示できる「カラーマネージメントディスプレー」がオススメだ。
カラーマネージメントディスプレーは業務用だけでなく、趣味でクリエイティブ活動をしている人にも推したいところ。ただ、YouTubeやSNSなどで写真や動画、イラストを発信する場合、編集にはこだわっているものの、色を意識している人はあまり多くないと思われる。
閲覧者や視聴者が所有するモニターによっては映っている色が異なるため、同じ色で見せるのは難しい。だが、それでも写真や動画などの制作物が意図しない形で伝わらないよう、カラーマネージメントディスプレー選びには十分注意した方がいい。
仮に最適なディスプレーを見つけたとしても、モデルによっては表示できる色の範囲が異なるほか、時間の経過とともに色味は変わってしまう。そこで正確な色を再現するため、画面の色を測定して正確性を上げる機能「ハードウェア・キャリブレーション」が欠かせない。対応するキャリブレーションツールやソフトを使い、定期的に正しい色に戻すことが秘訣と言える。
しかしながら、業務用に近いカラーマネージメントディスプレーの多くは高価なものが多く、購入をためらっている人もいることだろう。そこでオススメしたいのが、ViewSonicが販売する「VP2785-2K」だ。
本モデルは、必要十分な機能を備えているうえに、ハードウェア・キャリブレーション機能に対応するカラーマネージメントディスプレーだ。通販サイト「ドスパラ」だと4万8800円で購入できるため、性能を含めるとコスパはかなり高い(2023年1月24日時点)。そのVP2785-2Kを試用する機会を得たので、使用感などのレポートをお届けしよう。
VP2785-2Kの外観を徹底チェック
VP2785-2KはIPSパネルを使用した27型ディスプレーで、解像度はWQHD(2560×1440ドット)。フルHD(1920×1080ドット)よりも広い作業範囲を確保できる。加えて、Adobe RGBカバー率は100%に対応していて、静止画の編集や印刷物の制作においては正確な色再現が可能だ。
また、デジタルシネマの規格「DCI-P3」のカバー率は96%なので、動画コンテンツの制作時にも便利と言える。ドイツの印刷関連団体認証機関であるFograによる認証を得ているため、視覚的に高い正確性がある。
機能面を紹介する前に、まずはVP2785-2Kの本体から紹介しよう。27型ということもあって、ディスプレーはかなり大きめだ。幅は約612mm、高さは低くした状態で約415mm、一番高くした状態で約545mm。奥行きはスタンドをつけた状態で約215mm、パネル部分は約57mmだ。
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さらに縦置き(ピボット)も可能だ。専用ソフトウェアを前もってインストールしておけば、ピボット時に自動的に縦横へと表示が変わるので、作業環境を手軽に切り替えられる。
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質量はスタンド付きで約6.7kg、パネルだけで約4.1kgと見た目よりは軽く感じる。電源にACアダプターを使っている分、本体の質量も軽くなっているのだろう。スタンド込みで約6.7kgとそれなりの重さがあるので設置時に苦労しそうな予感はあるが、スタンドとパネルの装着はとても簡単だった。ネジ不要で組み立てられるのはとてもありがたい。
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続いてはインターフェースを紹介する。映像入力ポートはUSB Type-C、HDMI 1.4、DisplayPort 1.2と、必要なものは一通り用意されている。また映像出力用にUSB Type-CとDisplayPortも1基ずつあり、モニター経由の「デイジーチェーン」に対応しているのはかなり便利に感じた。USB Type-Cはハブとしての機能も持ち合わせているので、PC側のUSB Type-Cポートを映像出力だけで潰してしまうことはない。
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細かい設定や便利な機能が使えるOSDメニュー
ディスプレーの設定、いわゆる「OSD(オン・スクリーン・ディスプレー)」は電源スイッチも含めて右下に集中し、ボタンではなくホットキーによるタッチタイプを採用している。タッチすることで画面右下にOSDのメニューが表示されるようになっている。タッチで操作できるので、触るだけで無駄にディスプレーが揺れる心配がない点は好印象だ。
また、用途に合わせた設定がプリセットされているほか、「PIP(ピクチャー・イン・ピクチャー)」「PBP(ピクチャー・バイ・ピクチャー)」「デュアルカラーモード」など、クリエイティブな作業をサポートする機能も備えている。細かい設定や便利な機能が揃っていて便利に思えた。
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クリエイティブの作業効率を高めてくれる性能
ここからは機能面を紹介していく。まず、VP2785-2Kには「KVMスイッチテクノロジー」が搭載されている。これは、1つのキーボードとマウスだけで、2台のPCを切り替えながら操作できるというものだ。
加えて、PC側に複数の映像出力ポートがなくてもUSB Type-C端子もしくはDisplayPortによるディスプレーのデイジーチェーンも可能。ディスプレー出力用の端子が少ないノートPCでも複数のモニター接続ができるほか、PCとの接続が一本で済むため、設置時にケーブル類がすっきりするはずだ。
さらに「デュアルカラーエンジン」も搭載していて、1台のディスプレーで異なる色設定を表示できる。PBP(ピクチャー・バイ・ピクチャー)を駆使することで、色設定を変えて制作物を比較したり、編集作業をしたりする使い方が見込める。
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ほかにも、TUV認証を受けている「アイケアテクノロジー」もポイントだ。フリッカーフリーおよびブルーライトフィルターテクノロジーにより、長時間の作業でも目の負担やストレスを軽減してくれる。長時間作業をすることも多いのでこの機能は個人的にうれしく感じた。
VP2785-2Kを使ってみて個人的に気に入ったのは、「デュアルカラーモード」だ。これは、印刷用のプロファイルとウェブ用のプロファイルをすぐに切り替えることができる機能だ。筆者はプロカメラマンとして、ウェブ用の写真撮影だけでなく、会社案内や製品の撮影、雑誌、レストランのメニュー撮影など、ウェブと印刷用で様々な撮影をすることが多い。レタッチ作業時、すぐにプロファイルの切り替えができるのはとても便利に感じた。
もうひとつのお気に入りはパネルのサイズと解像度。WQHDは27型ディスプレーに最適なサイズ感を与えてくれる。普段はフルHDの24型ディスプレーを2台並べて使用しているが、27型の大きさは視認性が高く作業効率も上がる。これならシングルディスプレーでも悪くないと思ったほどだ。
クリエイティブ系のソフトは総じてメニューやパレットなどが多く、実作業領域は結構狭くなってしまう。だが、27型のサイズ感と解像度の向上によって作業領域が広くなったほか、視認性も向上していると感じた。
加えて、色精度は「Delta E <2」と高く、仕事道具としての信頼性は十分に高く感じられた。実際に使ってみて裸眼で見ているような色再現性を持っていると言える。色再現性を重視するクリエイティブ用ディスプレーを探している人にオススメできる。
4万円台で購入できるクリエイターの"相棒"
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PCでクリエイティブな作業をする場合、ディスプレーに表示された映像を目で判断して作業を行なうが、この時点で正確な色や明るさが表示できていないと、作業そのものの意味がなくなってしまうことがある。
作業で使用したディスプレーだけで見たり、そのディスプレーを使って他人に見せたりするのであれば問題はないだろう。だが、制作物を印刷したり、ネット経由で他者に見せたりする場合には、自分の意図したものと違う結果が受け取り側に伝わってしまう可能性も考えられる。
冒頭でも述べたが、自身が手がけた制作物を多くの人に見せるため、できる限り標準的な色や明るさを表示できるディスプレーが望ましい。また、最終出力が印刷物なら、それこそディスプレーで見たままの印刷ができるよう、それ相応の性能も必須となるだろう。その点、今回試したVP2785-2Kは、これらの条件をクリアしているモデルと言っても過言ではない。
これから本格的にクリエイティブ的な創作活動を始めようと思うなら、本機は最初に選んで損のないディスプレーだ。また、仕事用だけでなく、YouTubeやSNSなどで動画やイラストを発信したい人にもオススメできる。価格も4万円台とおトクなので、カラーマネージメントディスプレーを探している人は、VP2785-2Kを候補に入れても良さそうだ。
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