ハッセルブラッドカメラの縦折りスマホ「OPPO Find N2 Flip」はGalaxyに対抗可か?
ASCII.jp / 2023年1月7日 12時0分
OPPOの「OPPO Find N2 Flip」はFlipの名前から想像つくように、本体を縦に折りたたむことのできるフォルダブルスマートフォンだ。縦折りスタイルのスマートフォンはサムスンの「Galaxy Z Flip4」がグローバルで販売中だが、OPPOも同じスタイルの製品を投入。折りたたみスマートフォンでサムスンに挑もうとしている。
コンパクトなボディーに上品なデザイン
OPPO Find N2 FlipのスペックはチップセットがMediaTekのDimensity 9000+、メモリーは8/12/16GB、ストレージは256/512GBとなる。ディスプレーはメイン側が6.8型フォルダブルAMOLEDで解像度は2520x1080ドット(アスペクト比21:9)、リフレッシュレートは120Hz。アウト側ディスプレーは3.26型(720x382ドット、17:9)だ。
カメラはメインが5000万画素の標準と800万画素の超広角、ディスプレー側のフロントカメラは3200万画素である。
バッテリーは4300mAhで44Wの急速充電に対応。Galaxy Z Flip4の3700mAh、27Wより大容量で充電速度は高速だ。なおバッテリーの持ちはGalaxy Z Flip4がチップセットにSnapdragon 8 Gen 1を採用していることもあってか、OPPO Find N Flipのほうが持つように感じた。背面下部にはカメラで協業しているHASSELBLAD(ハッセルブラッド)のロゴも入っている。
本体サイズは開いたときが約75.2×166.2×7.5mm、閉じたときが約75.2×85.5×16mm、重量は191gだ。閉じたときにヒンジ部分に隙間はない。また、メインカメラは若干出っ張りがあるものの気になるほどではない。本体の背面側は角を若干落とし丸めた形状になっているため片手でも握りやすい。
ヒンジ部分にはOPPOのロゴの下に水の波紋と光のテクスチャーを組み合わせたデザインを施しており、高級感も味わえる。なお、中国では5999元(約11万3000円)で販売中だ。
手のひらにすっぽりと収まる小型サイズのボディーを開くと6.8型のディスプレーが現れる。高速なCPUを搭載しているので動作は機敏でストレスは一切感じられない。120Hzのディスプレーの表示も滑らかだ。ディスプレー上部のフロントカメラは3200万画素でセルフィー用途にも向いている。
開いたときの厚みは7.5mmと薄く、片手でもハンドリングしやすい。ヒンジは180度開くとしっかり固定されるため片手での操作中に誤って画面が簡単に折り曲がってしまうこともない。
さて、折りたたみスマートフォンで気になるのはディスプレーのヒンジ部分の処理だ。OPPO Find N2 Flipはたたんだときに完全に閉じることができるが、その際、フォルダブルディスプレーの「伸び」の部分がヒンジの内側に引っ込むように収納される。そのためヒンジ部分のディスプレーは10mm幅ほど本体に固定されていない状態になっている。ディスプレーの表示を消して横方向から見るとその状態が見えるが、Galaxy Z Flip4ほどしっかりとした筋は見えず、普段使っているときも、この筋はほとんど気にならない。
なお開いた状態で背面側から見ると、やはりアウト側ディスプレーの大きさが目立つ。一発でOPPO Find N2 Flipとわかるデザインだ。
パフォーマンスは十分 ヒンジを曲げても使用可能
OSはAndroidベースのColorOS 13を搭載、若干iOSにも似たユーザーインターフェースだ。今回テストしたモデルは中国向けの製品でグーグル関係のアプリは入っていないが、OPPO Find N2 Flipは今後ヨーロッパ市場などでも発売される予定だ。日本で販売中のOPPOの製品と同様に、グローバルモデルのOPPO Find N2 Flipはグーグルの利用も問題ないだろう。
本体のパフォーマンスはAnTuTuのスコアで788383。Snapdragon 8 Gen 1よりやや下という程度だった。なお、OPPOが開発した画像処理チップ「Marisilicon X」を搭載しており、AIによる夜景モードも一瞬で処理できる。
21:9のディスプレーは、2つのアプリの同時起動も楽にできる。ただし、ColorOS 13ではそれぞれのウィンドウサイズは変更できないため、若干使いにくい。また、Galaxy Z Flip4のように本体を折り曲げるとアプリの画面が分割される「フレックスモード」的な機能はカメラアプリなど一部に留まる。この辺りはまだ折りたたみディスプレーにOSの対応が追い付いていない感じだ。
なおヒンジ部分の動きはスムーズ。とはいえ、側面に指先をひっかける部分がないため、片手だけで開けるのはちょっと難しい。また、防水は非対応なので、ヒンジ部分からの水の侵入には気を付けたほうがいいだろう。ちなみにGalaxy Z Flip4は、ディスプレーがヒンジ部分に固定されているため、閉じたときにヒンジ部分に隙間が生じるものの、IPX8の防水に対応している。
本体を曲げたままの状態でも使えるが、Galaxy Z Fold4ほどしっかりは固定されないとはいえ、だいたい45度から135度程度の間で止めておくことができる。ヒンジ部分にぐらつきはないものの、Galaxy Z Fold4のほうがしっかりと固定される感じだ。とはいえ、これだけの範囲で本体を開いて使えれば十分だろう。
閉じたままでも使えるアウトディスプレーの機能
OPPO Find N2 Flipのアウトディスプレーは他社の縦折りスマートフォンよりもサイズが大きく、様々な操作に対応している。ただし、Androidアプリをそのまま使うことはできず、アウトディスプレー用の全画面ウィジェットに対応する。ウィジェットは「ニュース・トレンド」「カメラ」「天気予報」「ストップウォッチ」「バーチャルペット」などがプリインストールされている。また、モバイルペイメント用のQRコードの表示も可能。アウトディスプレーはタッチ操作にも対応しており、左右にスワイプすることで各ウィジェットが切り替わる。
バーチャルペットは複数が用意されており、OPPO Find N2 Flipを開閉するたびに様々な表情を見せてくれる。ゲーム要素はないものの、ペットが食事をしたり読書をしたり、時にはOPPO Find N2 Flipを持っていたりと、楽しい姿で現われる。今後、追加のペットを有料で販売するといった新しいビジネスの展開もあるかもしれない。
アウトディスプレーの使い方で最も実用的と感じたのは、メインカメラの利用だ。本体を閉じたまま写真、ポートレート、動画の3つのモードを使うことができる。いずれも今風の縦長写真や動画が撮れるので、各種SNSへのアップロードも加工はいらないだろう。本体を折り曲げて机の上に置いてメインカメラで自分を撮ることも簡単だ。
ハッセルブラッドカメラで美しい写真を撮影できる
カメラは各社のハイエンドモデルのように複数の高画素カメラを搭載はしていないものの、メインの5000万画素カメラで十分な絵作りができる。画像の処理にはハッセルブラッドの長年の知見を活かし、センサーレベルで色校正とシーン解析を行うという。カメラのモードは「夜景」「動画」「写真」「ポートレート」「その他」。デジタル望遠は静止画、動画共に10倍までに対応。動画は最大4K30fpsまで対応する。
その他のモードにはハッセルブラッドロゴの「プロ」やパノラマ撮影のほか、ハッセルブラッドのXPAN(XPan)モードを搭載。XPanは35mmフィルムを2枚並べたウルトラワイドなパノラマ撮影が可能で、その雰囲気をOPPO Find N2 Flipで体験できる。また、本体を曲げて置けば三脚不要で撮影できる。集合写真を撮るときにも重宝するだろう。
以下はOPPO Find N2 Flipで撮影した作例だ。なお、超広角は800万画素、それ以外は5000万画素カメラを使いピクセルビニングにより1200万画素相当で撮影される。
【まとめ】ファッション性の高い外観に 高性能なカメラを搭載した実力モデル
スタイリッシュな外観のOPPO Find N2 Flipは、特に女性に勧めたくなるデザイン性の高いスマートフォンと感じた。大型のアウトディスプレーは情報表示に優れているだけではなく、カメラの操作もしやすい。メインカメラを使いより美しい自撮りを手軽に撮ることもできる。
ハッセルブラッドコラボのカメラは色仕上げも良く、さらに本体を曲げたままカメラを使うことで撮影スタイルが大きく広がるだろう。デザインだけでではなくカメラフォンとして選ぶのも十分アリな製品と感じられた。日本でもぜひ発売してほしい製品だ。
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