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Google Pixel 7 ProやPixel 6シリーズでポータブルストレージの挙動を再検証

ASCII.jp / 2023年1月13日 11時0分

 Google Pixel 6シリーズを、2022年8月より提供が始まったAndroid 13にアップデートすることによって、exFATへの対応が実現したことは過去の記事で紹介したとおりだ。ただ、その記事で紹介しているように、exFATに対応したものの、実際のファイル転送速度が非常に遅いという問題があった。

 その後、Pixel 7シリーズが登場するとともに、Pixel 6シリーズ向けのAndroid 13も何度かアップデートが提供されており、exFATまわりの状況が変わっている可能性がある。そこで今回は、Pixel 6シリーズとPixel 7シリーズでのexFATまわりの挙動を再検証してみたいと思う。

AndroidでのexFAT対応は Linuxカーネル5.10以降でサポート

 はじめに、AndroidでのexFAT対応についておさらいしておこう。過去の記事では、Android 13からexFATに対応となったと紹介した。確かにそれは事実だ。ただGoogleが公開しているサポート情報によると、AndroidでのexFAT対応は、「Linuxカーネル 5.10以降でサポート」になっているという。つまり、Android 13でもLinuxカーネルが5.10よりも古い場合には、exFATには対応しないことになる。

 そこで、手元のPixelシリーズで確認してみたところ、Pixel 6 Pro、Pixel 6a、Pixel 7 ProのAndroid 13はLinuxカーネルが5.10以降になっていることを確認。しかし、Pixel 5ではAndroid 13の最新ビルドでもLinuxカーネルが「4.19」と5.10よりも古いものとなっていた。

Pixel 7 ProのLinuxカーネルは5.10
Pixel 6 ProのLinuxカーネルも5.10
Pixel 6aのLinuxカーネルは5.10
Pixel 5のLinuxカーネルは4.19なのでexFATに対応しない

 今回は、Pixel 5、Pixel 6 Pro、Pixel 6a、Pixel 7 Proでのみの確認だったが、おそらくPixel 5以前のPixelシリーズでも、Android 13のLinuxカーネルは5.10より古くなっている可能性が高い。つまり、PixelシリーズでのexFAT対応は、Pixel 6シリーズ以降に限られると考えて良さそうだ。

 なお、SamsungのGalaxyなど他社のAndroidスマートフォンでは以前より独自にexFATへの対応を実現している製品が数多く存在していることを考えると、Pixelシリーズでできないはずがない。そのため、Pixel 5シリーズ以前でのexFAT対応もぜひ実現してもらいたいところだ。

Pixel 7 Proは問題なくexFATを認識し 転送速度も速かった

 ではまず、Pixel 7 ProでのexFAT対応を検証していこう。今回は、Android 13最新ビルド「TQ1A.230105.002」にアップデートした状態のPixel 7 Proを用意するとともに、exFAT対応ストレージとして、容量1TBのポータブルSSD「T7 Shield」を用意した。

防塵、防水、耐落下性を備えたボディを採用する「Samsung Portable SSD T7 Shield」。リード最大1050MB/sec、ライト最大1000MB/secの高速なシーケンシャル性能を実現している

 そのうえで、過去の記事と同じ約14GBの動画ファイルをPixel 7 ProからT7 Shieldへ転送する時間を計測した。

 ちなみに、Googleの純正アプリの「Files」では、1分40秒ほどで転送が終わることもあったが、転送にすごく時間がかかることもあった。転送がいつまでたっても終わらないこともあり、前回のGoogle Pixel 6シリーズでの検証と同様「Files」での転送は挙動が安定せず、実用的ではないと判断した。

 そこで前回同様、ファイル管理アプリの「ファイルマネージャー+」を利用して転送する時間を計測した。転送時間の計測はストップウォッチを利用し、3回計測の平均を出している。

 結果は、転送時間が約34秒と、申し分ない速度で転送できた。データ転送速度は400MB/sを超えている。Pixel 7 ProのUSB Type-CはUSB 3.2 Gen2対応、T7 ShieldもUSB 3.2 Gen2対応ということを考えると、T7 Shieldの最大書き込み速度である1000MB/s近くの速度が発揮されても良さそうだが、速度的にはまずまずという印象だ。

 もちろん、転送したデータはPCで問題なく再生できたし、Pixel 7 ProからT7 Shieldに転送したデータを直接再生することも可能だった。

 これなら、動画や写真などのデータで内蔵ストレージの容量が不足した場合でも、T7 ShieldのようなポータブルSSDを用意することで素早くデータを転送し、内蔵ストレージ容量不足を解消できるだろう。そういった意味で、exFAT対応は非常に心強いと言える。

Pixel 6 Pro、Pixel 6aでも Android 13最新ビルドで高速転送を確認

 続いて、Pixel 6 ProとPixel 6aだ。過去の記事では、Pixel 6 ProとPixel 6aをAndroid 13にアップデートすることでexFATに対応したことは確認したものの、約14GBの動画データを転送するのに約3分45秒もかかるというように、データの転送速度が非常に遅いという問題があった。その後Pixel 6 Pro、Pixel 6a向けのAndroid 13のアップデートによって、その問題が改善されているか確認してみた。

 今回用意したPixel 6 ProとPixel 6aは、いずれもAndroid 13の最新ビルドにアップデートしたものだ。ビルドはPixel 6 Proが「TQ1A.230105.002」、Pixel 6aが「TQ1A.230105.001.A2」だ。そして、先ほどのPixel 7 Proでの検証と同じ条件で、約14GBの動画ファイルの転送時間を計測した。

 結果は、Pixel 6 Proが約34秒、Pixel 6aが約33秒と、Pixel 7 Proとほぼ同じ程度の短時間で転送できた。過去の検証の場合と比べると7倍以上速くなった形だ。転送速度はPixel 7 Pro同様に400MB/sを超えている。そして、Pixel 6 ProとPixel 6aのUSB Type-CはUSB 3.1 Gen1準拠のため、USBポートのデータ転送速度を十分に引き出せている。

 このことから、Pixel 6シリーズの初期のAndroid 13ビルドでは、exFATのI/Oまわりに何らかの不具合が存在し、それによってデータ通信速度が遅くなっていたものと考えられる。そして、その後のビルドで不具合が解消され、本来の速度でデータを転送できるようになったのだろう。そのため、Pixel 6シリーズでもexFATファイルフォーマットの大容量USBポータブルストレージを、本来の速度で問題なく利用可能と考えてよさそうだ。

Android 13最新ビルドなら exFATで400MB/s超のデータ転送ができる

 今回見てきたように、Pixel 6シリーズおよびPixel 7シリーズでは、Android 13最新ビルドにアップデートすれば、問題なくexFATファイルフォーマットの大容量ポータブルストレージが利用可能となる。

Android 13最新ビルドにアップデートすれば、Google Pixel 6シリーズおよびPixel 7シリーズでも400MB/sを超える速度でポータブルストレージが使える

 データ転送速度については、Pixel 7 Proではもう少し高速でもいい気はするが、いずれも400MB/sを超える速度でデータを転送できており、大容量データもかなり短時間で転送可能。もちろん、これが本来あるべき姿なのは間違いないが、少なくともそれが実現されたこと自体は大いに歓迎したい。

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