SwitchBot屋外カメラの駆動時間延長を期待し「SwitchBot屋外用ソーラーパネル」を活用
ASCII.jp / 2023年1月12日 12時0分
期待に胸を膨らませた「屋外カメラ」の相棒として 「屋外用ソーラーパネル」を併用
2022年10月の当コラムで「SwitchBot屋外カメラ」の使用レポートをご紹介した。パッケージに記載されていた「雨の日も、暗い夜も。1度の充電で365日おうちを見守る」と記述されていたので、かなり疑いながらも筆者の期待はピークに達していた。
しかし、使い出してみるとSwitchBot屋外カメラ本体の充電に1日近くかかっても、実際に屋外に設置して使っていると長くても1週間が駆動時間の限界だった。屋外カメラそのモノの機能は同類の中でも優れておりこのまま没にするのは惜しい商品だった。顛末は該当記事「1回の充電で365日見守る!?「SwichBot 屋外カメラ」を衝動買い」を見て頂きたい。
SwitchBot屋外カメラの最大の特長は、Wi-Fiで長時間のバッテリー駆動ができるとのことだったので、テラスにコードレスP2P屋外カメラとして設置した。しかし、脚立がなければ取り付け取り外しできない高所に設置したSwitchBot屋外カメラを、1週間間隔で取り外し充電しまた取り付ける気にはならなかった。
この際、USBケーブルを室内から引き出して有線屋外カメラとして引き続き使用するかどうか悩みながら、ひとまずSwitchBotのサポートに状況説明を兼ねて「屋外カメラだけでどうやったら365日駆動できるのか」を質問してみた。残念ながら、目からうろこのアイデアは聞き出すことはできなかった。
最終的にSwitchBotの提供できるベスト回答は、同社の「屋外用ソーラーパネル」を併用するという結論となった。「SwitchBot 屋外用ソーラーパネル」は1週間ほどで届いた。パッケージに対応機種のモデル名などは記載されていないが、同社の「屋外カメラ」との併用が前提らしい。防塵・防水性能はIP55で、サイズは139×199×12mmで重量は222gと軽量だ。
SwitchBot 屋外用ソーラーパネルの同梱品は、本体ソーラーパネルと専用USB Type-Cケーブル(3m)、取り付けベース、取り付け用ステッカー、ネジパック、取説だ。今回の目的は、このSwitchBot 屋外用ソーラーパネルを現在のSwitchBot屋外用カメラから3m以内で、太陽ができる限り長く垂直に当たる場所に設置することだ。
太陽光発電充電器などを購入すると必ず記載のあるのが「太陽光がソーラーパネルに垂直に当るように設置する」という面倒くさい取り扱いのハードルだ。理論上は同意できても、どうも製品提供側にとって有利な言い逃れできる免責記述に感じてしまう。
しかし、テクノロジーの支援を受けずに実際にお天道様の出ているあいだ中、ソーラーパネルを持って移動したり、1時間おきにソーラーパネルの角度変更できる暇人は、地球上にそれほどいないだろう。なので今回は、地球の自転による太陽位置の変化とそれによるソーラーパネルへの入射角度は、忘れることにした。
続いて1月初旬の我が家における日照環境を合わせて記述しておく。ソーラーパネルを設置予定のテラスは、南南西向きで目の前に太陽を遮る大きな建築物はない。都心ゆえ、東側にある商業ビルやマンションに遮蔽されて、午前中はそれほど日照は期待できない。
実際にテラス全面に太陽光が確実に届くのは、今の季節なら正午少し前から夕方の4時半前くらいの5時間弱になる。都心としては、太陽光発電には比較的良い環境だと思っている。ソーラーパネルの設置場所は、午後の太陽光とその移動を考慮して、屋外カメラから約1m下の外壁に南南西より心持ち西寄り仰角10度の空をにらむ角度で固定した。
固定手段は付属のネジ止めではなく、3Mの屋外用強力粘着両面テープで固定した。最初は仮止めのつもりだったが、おもいのほか粘着力が強力で、222gのソーラーパネルはすでに5日ほどしっかりとタイルの外壁に張り付いている。今のところ付属の3mのType-Cケーブルの3分の2ほどはまってしまったので、見栄えは無視して一時的に束ねて放置状態だ。
SwitchBotソーラーパネルはSwitchBot屋外カメラと組み合わせて使用すると、スマホ用のアプリ上に表示されるデバイスアイコンにも太陽光発電がアドオン形式の「太陽アイコン」として表示される。ソーラーパネルを認知した場合のアイコンとソーラーパネルが機能して実際に充電が行われているアイコンは区別されているようだ。
SwitchBot屋外カメラと同ソーラーパネルのコンビを テラスに設置してテストを実施
さて今回、SwitchBot屋外カメラ+SwitchBotソーラーパネルのコンビネーションで、1月4〜8日までの4日間実際のテストをした。過去のテスト結果から、SwitchBot屋外カメラ単体の使用では内蔵バッテリーが満充電でスタートしても、平均して毎日15%ずつバッテリーが消費される。結果的に、途中で何らかの追加充電手段がなければ、以前のコラムで紹介したように7日間の連続駆動が限界だろう。
今回は我が家のテラスに設置したSwitchBotソーラーパネルにより、正午ごろから16時半頃まで1日約4時間強の太陽光発電で充電できる想定だ。関西人の筆者は身をもって痛感しているが、冬の関東地方は好天が多い。今回テストした1月4日〜8日も、ほぼ全面的に快晴のお天気だった。半面、曇や雨の日のデータが今回は欠けている。
そのかなり運が良いベストとも言える環境下で、SwitchBot屋外カメラの内蔵バッテリーの4日間のバッテリー残量を、朝夕2回スマホアプリである「SwitchBot」から確認して記録してみた。測定初日の1月4日は、ACアダプターを使用しテラスから取り外したSwitchBot屋外カメラをUSB/ACアダプターで100%充電し、午後3時50分頃にテラスの取り付け場所に戻した。
翌1月5日の朝9時20分には、再度スマホアプリからSwitchBot屋外カメラのバッテリー残量をチェックしたところ、残量は83%となっていた。前日の午後4時頃から当日の9時過ぎまでの間の約18時間で、内蔵バッテリー17%消費したことになる。
同日1月5日の夕方3時には、約3時間程の太陽光発電による充電でSwitchBot屋外カメラの内蔵バッテリー残量は97%までリカバリーしていた。約17時間後の翌1月6日の朝7時半には、バッテリー残量は83%となり約14%の消費があったと思われる。
同日1月6日午後4時半には、太陽光充電でSwitchBot屋外カメラの内蔵バッテリーは98%まで充電され、17時間後にあたる翌日1月7日朝の8時半にはバッテリー残量は83%まで低下している。以前と同じ繰り返しになるが、同日午後の4時には太陽光充電のパワーでバッテリー残量は98%まで復活していた。
そして翌日の1月8日朝6時半には、バッテリー残量は84%となり消費量は14%。そしてつい先ほど太陽が南西の空のかなり低い位置に移動したころ、アプリでバッテリー残量を確認したら既に98%まで回復していた。SwitchBotソーラーパネルは、太陽さえあれば着実に仕事をしている感じだ。
たった数日間だけの実績をモニターした結果だが、SwitchBot屋外カメラの内蔵バッテリーを満タンでスタートして毎日15%前後を消費し、お天道様が元気ならSwitchBotソーラーパネル充電で、ほぼ同じ量を即日リカバリーしていることが分かる。
1日4時間少々程度の日照を確保できる環境なら SwitchBot屋外カメラと同ソーラーパネルのコンビはオススメ
今回テストしたSwitchBot屋外カメラの設定は「ペットのみの動体検出」「メールでのアラート通知」「動体検出時はサウンド付き録画」を内蔵SDカードを指定して実施した。屋外カメラの監視設定としては、極めて標準的な選択だといえる。
SwitchBot屋外カメラ単体ではとても実現不可能な1年間連続ロングランも、SwitchBotソーラーパネルをペアで活用すれば理論上は可能そうだ。ただし、SwitchBotソーラーパネルを1日数時間近く日当たりの良い場所に設置して、晴れの日が永遠に続く前提だ。今回は幸運な条件が整っていた感はある。
前述した動体検出の条件設定で、SwitchBot屋外カメラの内蔵バッテリーは1日当たり15%消費する。1週間の全く晴れの日がないとすれば約7日間で内蔵バッテリーは底をつくが、1日でも晴れの日があれば1日は延命できるイメージだ。
ただ、自然環境的な要素で曇や雨の日が3日も4日も続けば、筆者の現在の使い方で1日約15%のバッテリー減がありそうなので、3日太陽光が全くないとすれば、100%近くあったバッテリーは4日目の朝にはバッテリー残量はおおよそ55%。4日目が快晴で太陽光発電による充電が十分機能しても、45%をリカバリーするかどうかは今のところ定かではない。曇天や雨の日が続けば、ぜひその条件下で再度テストしてみたい。
冬の日の太陽の光が十分入るテラスに面したリビングは、愛犬のボビーじいちゃんの日向ぼっこ空間だ。1日4時間少々程度の日照を確保できる環境なら、SwitchBot屋外カメラとSwitchBotソーラーパネルのコンビネーションは、ぜひとも推奨したい。SwitchBotも「雨の日も、暗い夜も。1度の充電で365日おうちを見守る」を実現できる可能性の高い両者を同梱したキットモデルを、ぜひとも発売するべきだろう。
今回の衝動買い
・アイテム:SwitchBot「屋外用ソーラーパネル」 ・提供:SwitchBot ・価格:4231円(Amazon.co.jp)
T教授
日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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