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AFが進化した新モデル、パナソニック「LUMIX S5II」で新年の“まったり猫”を撮る

ASCII.jp / 2023年1月18日 12時0分

ほわんとしたかわいい写真だけど、手前にいる猫の肉球を子猫がちゅうちゅう吸ってる絵面なのだった。肉球吸うシーンって初めて見た。2023年1月 パナソニック LUMIX S5II

 2022年は、OMデジタルソリューションズ、富士フイルム、ソニー、キヤノンと、ハイエンドからミドルクラスまで新世代のデジタル一眼がどんどん登場して、カメラ好き……特に最先端のカメラ技術好きにはたまらなかったわけだが、2023年最初に登場したカメラもまた魅力的なのである。

 それが、パナソニックのLUMIX S5II(DC-S5M2)だ。発売は2月だが、一足早くお借りできたので早速、猫撮影である。まだ製品版ではないので、その辺はご了承を。

 従来モデルのLUMIX S5(DC-S5)は、フルサイズセンサーを搭載したミドルクラスのカメラで、安定した画質や操作性のよさで定評があった。でも、LUMIXシリーズは、ずっと「コントラスト検出AF」という昔ながらのAF方式を使っており、これは現在主流の「像面位相差AF」に比べると本質的にコンティニュアスAFが不得手……わかりやすくいえば、止まってる猫ならピシッと撮れるけど、こっちに歩いてくる猫に合わせ続けるのは苦手という弱点を持っていたのだ。

 それがとうとうS5IIで像面位相差AFを採用したのである。LUMIXファンにはたまらないし、Sシリーズを躊躇していた人にもハードルが下がった。それが最大のトピックだ。

LUMIX S5II。操作系やデザインのテイストは従来モデル(S5)を継承。持ちやすいし操作もしやすい、質実剛健な、いいカメラなのだ。

 もともと動物認識(それも胴体までちゃんと認識してくれる)AFを持っているだけあり、今度のはイケそうじゃね? よし、飛んだり跳ねたり走ってきたりする猫を撮るぞーということで、新年最初の「保護猫シェルター QUEUE」におじゃましたのである。

 そうしたら、目の前に繰り広げられていた光景はこれなのだった……って、おい! みんなまったりしすぎてるやん。飛んだり跳ねたり走ったりとか、そういうレベルじゃない。

半分くらいの猫がここに集まって、超まったり状態。思わず何匹いるか数えちゃうよね。みんな思い思いの格好なのがまたいい。2023年1月 パナソニック LUMIX S5II

 なぜ広い部屋の真ん中にみんなが集まってるのかというと……まあ想像はつくよね。この下に大きなホットカーペットが敷いてあるのだ。これぞ、冬の風物詩。

 しかも、常連さんからのプレゼントという猫ベッドがいくつも置いてあるものだから、まったり感、増し増しである。丸い猫ベッドでくっついて寝てる2匹なんてこうだからね。この2匹は仲よかった(ときどき喧嘩してたけど)。

頭くっつけ合って寝る猫のほほえましさは最強です。ちゃんと目にピントが合ってるのもよし。2023年1月 パナソニック LUMIX S5II

 しかもこの状況、目線を下げて横から見ると広い部屋に布団が無造作に敷いてあるように見えて、部活の合宿か修学旅行かって感じで実に楽しげ。これ、修学旅行感ないですか?

布団が無造作に敷いてある部屋で、むくっと起き上がったハチワレって感じがいい。50mm F1.8というボケがきれいなレンズで。2023年1月 パナソニック LUMIX S5II

 中には猫用布団もあって、そこに潜り込んだ子猫がおもちゃを咥えて離さないってシーンは合宿感ないですか? いやもう、この布団型猫ベッドがいい。

布団に潜り込んで寝てても、おもちゃが来ると反応しちゃうのが子猫ならでは。この猫布団、うちにも欲しい。2023年1月 パナソニック LUMIX S5II

 って、全然カメラの話をしてないけど、猫たちが合宿の夜状態だったのだからしょうがない。まあ、よほど複雑な構図(猫が何匹もいるとか)じゃない限り、コンティニュアスAF+動物検出AFでOKなので、こちらはレンズを向けて、いいタイミングで撮ればいいのである。

 撮影画面はこんな感じ。「動物+人物AF」にして猫にカメラを向けると、このように猫全体を捉えてくれる。緑の枠は身体全体だけど、撮影すると可能な限り“顔”、さらには“瞳”にピントが合ってるので、大雑把ではなくて、ちゃんと緑の枠の中のどこに合わせるかまでちゃんと処理してるのだろう。

S5IIのモニタ。「動物+人物AF」(アイコンは鳥だけど、これで動物全般に対応する)で猫を見つけたところ。ピントはちゃんと目元に合ってた。
キャットタワーのハンモックでまったりしてるキジトラ。背景のボケ具合も大事。2023年1月 パナソニック LUMIX S5II

 まったりしてていいですな。こんなまったりしてる中、ほかのお客さんが突然「肉球を舐めてる!」と言ったのである。「え、なになに?」と猫をおどかさないよう、そっと近づいたら、ほんとに子猫がほかの猫の肉球をちゅうちゅう吸ってるように見える。

よく見るとハチワレキジトラの右前足の肉球に、白い子猫が吸い付いてるではないか。2023年1月 パナソニック LUMIX S5II

 ほんとに吸ってるの? とズーミングすると、確かに肉球に口をくっつけて吸ってるように見える。何かと間違えてるのか、実は肉球って柔らかくておいしいのか。

アップで見ると、明らかに肉球に吸い付いてるのである。これは初めて見た光景。2023年1月 パナソニック LUMIX S5II

 冒頭写真は反対側に回って撮ったもの。こっちのほうが子猫の様子がかわいい。こんな感じで、みんなでいろんな角度から眺めたり写真を撮ったりしても一切動じることなく、しばらく吸い続けたのだった。肉球が柔らかくてプニプニしてて気持ちいい、と思うのは人間だけじゃなかったようである。

 この日一番のトピックは、この肉球吸いでありましたな。肉球吸ってるまったり写真で終わっては、S5IIの実力発揮とはいえないし、S5IIの話も全然してない気がするので、近いうちにまたやります。

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筆者紹介─荻窪 圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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