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世界一クールだと思ったモバイルバッテリー「Storm2」を衝動買い

ASCII.jp / 2023年1月19日 12時0分

米国のクラファンで見送ってたSTORM2がAmazonブラックフライデーで2万3999円で登場したので速攻衝動買いした

 「SHARGEEK STORM2」パワーバンク(以降、モバイルバッテリー)が、2022年11月末にAmazon.co.jpの特売期間であるブラックフライデーに登場した。通常価格の2万9900円を約6000円引きの2万3999円で購入できるチャンスで、速攻で衝動買いした。KickstarterやIndiegogoなどの海外クラウドファンディングを見送ってしまっていたので、脊髄反射的高速衝動買いだった。

 当時Makuakeでプレッジ(応援購入)を募っていた同じモデルと比較してみたところ、Amazon.co.jp版は筆者にとって猫に小判な「DC to DCケーブル」と「DC-ワニ口クリップケーブル」の2つが付属しないモデルだった。2023年4月の出荷を待って2万8980円で買うより、半年近く前に入手できて5000円近く安い方の「得する早期衝動買い」を優先した。

高級スマホのパッケージみたいなのに入って送られてきたSTORM2

 12月初めに届いたSTORM2はハイエンドスマホのようなちょっと豪華なパッケージに入ってやって来た。同梱品はSTORM2本体であるモバイルバッテリーとType-C to Type-Cケーブル、専用ポシェットそして日本語を含む多国言語対応のUSER MANUALとシンプルだ。

中身は本体とType-Cケーブル、専用ポシェット、USER MANUALの4点

 ミーハーな筆者は、これまでも発売後すぐに「窒化ガリウム(GaN)素子」を採用したPD対応モバイルACアダプターを何台か購入して使っていた。もちろんモバイルバッテリーも何度か物色してみたが、各社が当時販売中のモバイルバッテリーは超クールなSTORM2と比べて、そのデザインがイマイチピンとくるモノがなく、いままでパスしたままだった。

PD対応窒化ガリウム(GaN)素子のUSB ACアダプターは幾つも使ってるがその延長線上で登場してるPOWER BANK(モバイルバッテリー)はどれもデザイン的にイマイチ

超クールなデザインかつ優秀なスペック 「STORM2」パワーバンク

 海外のクラファンに登場した初期からSTORM2の評判は高く、その外観も性能も圧倒的だった。スペックはもちろんのこと、その工業デザインには多くの人が注目した。横置きの方が安定感があるが縦置きも可能だ。STORM2の特長は、簡単に言ってまずトランスルーセントの筐体を採用していること。そしてOSを搭載し、IPS方式のカラフルな液晶表示画面に現在の電源関連のすべての情報を、リアルタイムで表示してくれることだ。

STORM2は優秀なスペックをより一層際立たせるデザイン性能が素晴らしい。安定の横置き以外に娘にガソリンスタンドと言われた縦置きもなかなか目立ち度最高だ。見られることを考慮した1.14インチIPSフルカラーディスプレーやスイッチの配置も合理的且つ美しい

 スペック的には、PD100Wの急速充電に対応。USB-C(IN/OUT)、DC(IN/OUT)、USB-A(OUT)、USB-C(OUT)の4ポートを備えた2IN/4OUTデザイン。また本体を充電しながら、デバイスに給電できるパススルー回路にも対応。そして3台同時充電機能、内蔵バッテリーにはサムスンのINR 18650 32E(3200mAh)セルを8本使用し25600mAh/93.5Whながら機内持ち込み可能だ。オプションでソーラーパネルも接続できる。

USB-C(IN/OUT)、DC(IN/OUT)、USB-A(OUT)、USB-C(OUT)の4ポートデザイン。内蔵バッテリーにはサムスンのINR 18650 32E(3200mAh)セルを8本使用。Airline Safeモデルだ

 重さ50g前後のINR 18650 32Eを8本使い、容量が25600mAhもあるなら当然なのかもしれないが、全体重量は実測598gと筆者のサブ・モバイルPCである富士通のLIFEBOOK UH-X/E3(ムサシ:634g)本体とほとんど変わらない。両者を別々に手に持ってみるとサイズ感の差なのか、軽いはずのSTORM2の方がずっしりと重く感じるから、人間の感覚とはその程度のモノなのだろう。

実測重量は598g。筆者のサブ・モバイルPCのLIFEBOOKムサシとほぼ同じ
240×135ピクセルのディスプレーの表示項目はは左上に入出力接続状況、入力・出力の電流、電圧、電力の状況。右上には電池残量(パーセント表示)電池電圧、電池電流、電池温度、基盤温度、運行時間のシステム状況と並ぶ

240×135ピクセルのディスプレーに 各種情報をリアルタイムに表示

 STORM2の上面に配置されているフルカラーIPS TFTディスプレーのサイズは、1.14インチ。解像度は240×135ピクセル。ディスプレーの最上段左には、3つのUSBポートと2つのDCポートに関する現在の「入出力のケーブル接続状況」を表示。そしてその下には現在の入力と出力の両者に対して電流、電圧、電力の状況をリアルタイムに表示する。

 右上には電池残量(パーセント表示)電池電圧、電池電流、電池温度、基盤温度、運行時間のシステム状況もリアルタイムで表示する。複数のデバイスを同時に充電する場合に、ポートごとの出力電圧などを切替チェックすることも可能だ。少し残念なのは、電池残量は100%でも25%でも電池アイコンの内側の数字が変わるだけで、スマホのようにアイコン上のサイズ変化の表示がないことだ。

 IPSディスプレーの右横には、オレンジ色で1辺9mmほどの正方形のコントロールボタンがある。2秒長押しで電源のオンオフ、設定、選択ができる。また一回押しで機能の切替をすることができる。コントロールボタンの操作でDC出力電圧設定(0.1V刻み)やディスプレーの設定、バッテリーの詳細情報表示、温度単位設定、運行時間のリセット。メイン画面に戻るなどの操作を指先でスピーディーにすることが可能だ。

ディスプレー表示項目の選択はすぐ横のオレンジ色のコントロールボタンの長押し、普通の一回押しで操作する

 まずはSTORM2を使用して筆者のメインスマホであるGalaxy Z Fold4の内蔵バッテリー(4400mAh)を充電してみた。一度目は残量10%のGalaxy ZZ Fold 4に充電をしたところ77分で100%充電。2回目は残量0%で充電開始したところ、88分で満充電となった。

筆者のメインスマホであるGalaxy Z Fold4(4400mAh)を充電してみた。1回目は残量10%→100%の充電に要した時間は77分

 0%からの充電ではGalaxy Z Fold4の主電源オフでしたため、充電状況をモニターするアプリの「シンプルバッテリーグラフ」が動作していなかった。リアルタイムでモニターできず満充電後の確認となったために、0%〜100%までの充電カーブが現実とは異なる直線表示になってしまっている。

Galaxy Z Fold4の2回目の充電は残量0%→100%で要した時間は88分だった。4400mAhクラスの多少大きなバッテリーを搭載したスマホへの充電なら数回は可能そうだ

 引き続き、バッテリー残量がゼロになっていた筆者の富士通LIFEBOOK UH-X/E3(ムサシ)にもUSB Type-Cポート経由で充電した。STORM2のディスプレー表示は20.23V、3.22Aの65.12Wで充電がされていることが分かる。またSTORM2本体に充電しながら、ThinkPadにも給電するというパススルー充電もしてみたが、快適だった。最後に筆者の普段使いのPD対応100W USB/ACアダプターでSTORM2を充電してみた。大部分の時間は5A、20V近い90Wを超える入力で、約1時間半で満充電となった。

内蔵バッテリーの干上がった富士通LIFEBOOKムサシへの充電では65Wで快適にスタート。ThinkPad X1 nanoにはSTORM2本体にも充電しながらのパススルー充電をしてみた
筆者の100W PD対応USB/ACアダプターでバッテリー残量ゼロになったSTORM2を充電してみたところ90W以上で約1.5時間で満タン迄充電できた

 デザインも電源管理の使い勝手もスペックも申し分のないSTORM2だが、唯一残念なのは外装のトランスルーセントなアクリルケースが、傷つきやすいことだった。そうとは知らず、机の上をあちこち滑らせて移動していたら、底面が細かな傷だらけになってしまった。ちょっとセコイ感じはしたが、シリコンラバーの小さな足を付けてこれ以上の傷は回避することにした。

一度も持ち出すことなくテーブルの上だけで使っていたSTORM2だが底面は細かな傷だらけになってしまった。強力な滑り止めにもなりSTORM2を少し浮かせて擦り傷防止のシリコンクッション材の脚を取り付けた。効果はバッチリでした

 「必然性があれば、ビジネスピープルなら5kgのラップトップPCでも持って行く……」というのはモーレツ昭和時代の昔話かもしれないが、縦位置で娘に見せたら「ガソリンスタンド」みたいと言われた約600gのSTORM2を持ち歩くことは、1kg前後のモバイルPCや200g前後のスマホに慣れ親しんだ身には、覚悟が要りそうだ。多くのユーザーは街歩きの常時携行USBバッテリーではなく、出張時や電源確保の難しい屋内などでの活用がメインとなるだろう。

 
T教授

今回の衝動買い

・アイテム:SHARGEEK「STORM2 POWER BANK」 ・購入:Amazon.co.jp ・価格:2万3999円(ブラックフライデーセール価格)

T教授

 日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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