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そこまでやるか!STORMが初心者のための自社製CPUクーラーを開発

ASCII.jp / 2023年1月24日 10時0分

 2022年末から2023年始にかけて、怒涛の勢いで新しいCPUやGPUが登場してきた。それに伴い、新しいゲーミングPCを手に入れたいと考えている人も多いだろう。昨今は日本でもPCゲームユーザーが増えており、こうした最新パーツのパフォーマンスに注目する人も増えている。

 そうしたゲーミングPCを購入する上で人気なのがBTO PC。比較的手頃な価格の製品が多く、ちょっとしたスペックのカスタマイズも可能なので、ゲーミングPC初心者からの人気が高い。

 BTO PCメーカーのSTORMでは、そうした初心者からのPCスペックに関する問い合わせを受けることもあり、さまざまな意見を取り入れてPC初心者でも安心して使用できる製品づくりに力を入れている。

 以前に取材した中では、熱を効率よく逃がすためのエアフローについて、独特な方法で検証することにより品質を確保しているというのを伺った。また、社長自らパーツに対するコダワリを持ち、特に電源ユニットやメモリーといったPCの動作に関わる生命線とも言えるパーツはかなり気を使って選択しているというのもお聞きしている。

 いずれも、ベンチマークで大きくスコアーを上げるような部分ではないが、安定性や製品の寿命を考えた上では重要な部分だ。PCにあまり詳しくない初心者が使ってもトラブルなく利用できるように考えられていることがわかる。

 そんなSTORMが、PC初心者向けのオリジナルのCPUクーラーを開発し、製品に搭載することとなったのだという。今回、STORMを運営するアイティーシー本社にお邪魔して、開発の経緯などを聞いてみた。

初心者のために設計されたCPUクーラー

 昨今はCPUが消費する電力の増加もあって、CPUクーラーにはより冷却性が求められるようになった。上位モデルのCPUだと空冷のCPUクーラーでは冷やしきれず、簡易水冷のCPUクーラーを採用するBTO PCも一般的になっている。

 しかし、負荷をかけた時にCPUがしっかりと冷却できているのかはぱっと見では確認しづらい。もちろん専用のソフトウェアを使えばチェックできるが、PC初心者にそうした手間のかかる作業を求めるのは酷だろう。

 そこでSTORMでは、ウォーターブロックのヘッドに情報を表示するCPUクーラーを独自に開発し、自社のBTO PCに採用した。ウォーターブロックに情報を表示するCPUクーラーは、一部のパーツメーカーから販売されているが、BTO PCで採用する例は珍しい。

STORMのオリジナルCPUクーラー。ヘッドにリアルタイムで情報を表示できる

 このCPUクーラーでは、ブロック部分中央にリアルタイムでCPU温度を表示し、その周りを囲むようにポンプ回転数、そして外枠に沿う形でファン回転数を表示する。特別なソフトなどを使わず、一目で稼働状況を確認できるように作られているため、PC初心者にもわかりやすい。

 出荷時にドライバーの設定などを事前に済ませているため、製品の到着後に特別な設定などをする必要はなく、起動すれば使える状態になっているのもありがたい点だ。

 また、チューブの長さも同社で取り扱っているPCケースに合わせて最適な長さになるよう調節しているという。市販の簡易水冷CPUクーラーを使った場合、チューブが長すぎてビデオカードに接触してしまう場合が多く、輸送時にカードの破損につながる恐れがある。そこでこのクーラーは、一般的な製品よりチューブを5cmほど短くしている。

 こうすることで、最適なバランスで配置できるようになっている。なお、チューブが短くなっても冷却液の量などはほぼ変わらず、冷却性能には影響がないとのこと。

チューブの長さなども同社の製品に最適化されている
ファンは静音設計のものを使用。中心部にSTORMのロゴシールが

 今回のオリジナルクーラーは、半年以上もの開発時間をかけて今の形に至ったという。ユーザーはもちろん、工場でPCを組んでいるビルダーにとっても扱いやすいよう、試作を繰り返したとのこと。

プロダクトマネージャー王氏(左)と販売促進部の矢内氏(右)から、開発の経緯について伺った

 ファンは静音性を重視し、回転数は1600RPMほどのものを採用している。これも、初心者が特に設定せずともゲーム体験を損なわないようにという配慮だ。同社のテストによれば、Core i7-13700Kに「OCCT」で負荷をかけて計測したところ、80℃程度に抑えられたとのこと。

 今後、簡易水冷CPUクーラーを搭載するSTORMのPCでは、このオリジナルクーラーか、こちらの記事で紹介した「Phanteks Glacier One 240 T30」というハイエンドクーラーの2つに二極化していくという。

Phanteks Glacier One 240 T30

ほかにも最新世代のパーツが登場

 また、CPUクーラー以外にも最新のパーツを紹介していただいた。今後STORMのPCに採用されるPhanteksのミドルタワーPCケース「G360_04」は、国内ではSTORMのみの取り扱いだという。

 今回の取材では、実際にG360_04やオリジナルCPUクーラーを搭載したモデル「PG-4X80Z79」を製品例としてお見せいただいた。

黒と白、2色展開のG360_04

 PC内部のLEDファンの光り方は、ケースのボタンで一括調整できるように配線されている。短押しで発光パターンを変更でき、長押しすればファンの光を消すこともできる。

 ファンのLEDについては、以前から簡単に消灯できるようにしてほしいという声も多かったため、PCケース上で操作できるようにこだわったという。これもSTORMならではのPC初心者への心配りだろう。

LEDの発光パターンはボタン1つで簡単に変更できる
PCケース上のインターフェース

 また、同社が新しく採用を始めた新世代の電源ユニットも見せてもらった。最新世代のGeForce RTX 40シリーズなどで採用モデルが現れている、PCI Express 5.0世代に対応した電源規格、12VHPWRをサポートした電源ユニットをしっかりと採用しているのが好印象だ。

同社で採用している最新世代の電源ユニット
右下に12VHPWRの端子を備えている

 近年のビデオカードやCPUを採用した高性能なゲーミングPCは、消費する電力もより大きくなっており、これまで以上に容量の大きな電源ユニットが必要とされる。STORMでは、以前から容量に余裕のある電源ユニットを採用することを指針としていた。

 今回の電源ユニットも、1200Wという最新のハイスペックゲーミングPCで十分に余裕のある容量になっている。ドライブの増設など、購入後のちょっとしたカスタムなどでも不安はないだろう。

STORMで採用するGeForce RTX 4080搭載ビデオカード。LEDもついたハイエンドモデルだが、こうしたモデルでも安定して運用できる構成で組まれている

細かい配慮が嬉しいSTORM PC初心者ほど要チェック!

 PCゲームのユーザーの増加によって、日本のゲーミングPC市場もより激戦区となっている。BTO PCメーカーも、安さを売りにしたり、さらなる機能性を求めたり、あるいはデザインを追及したりとそれぞれに特色のある製品展開を目指している。

 そうした中にあって、STORMはよりPC初心者に目を向ける姿勢を強くしている。余計な気苦労を負わず、快適にゲームを楽しめるようにという心遣いが魅力と言えるだろう。ゲーミングPCを購入する上で、長く使えるしっかりとした製品を選びたいという人は、ぜひSTORMの製品をチェックしてみてほしい。

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