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1インチセンサーにツァイスの名レンズを再現する最強カメラスマホ「vivo X90 Pro+」

ASCII.jp / 2023年1月25日 12時0分

vivo「X90 Pro+」

 vivoのスマートフォンは日本では未上陸だが、海外ではツァイスと連携したカメラを搭載する「Xシリーズ」の評判が非常に高い。今回はその最新・最上位モデルとなる「vivo X90 Pro+」を試す機会があったのでレビューしよう。カメラ性能はもとより本体の仕上げやスペックも高く、ユーザーの間からは「最強のカメラフォン」という声も聞かれるほどの製品だ。

最強のチップセットに最高のクワッドカメラを搭載

 vivo X90 Pro+の主なスペックは、ディスプレーが6.78型(3200×1400ドット)のLTPO4 AMOLED、リフレッシュレートは120Hz駆動。チップセットはクアルコムの最新モデル「Snapdragon 8 Gen 2」を搭載し、メモリーは12GB、ストレージは256GBまたは512GBを搭載する。

 バッテリーは4700mAhで有線80W、無線50Wの急速充電にも対応。最近では100Wを超える超高速充電対応製品も増えているが、X90 Pro+は無線充電も高速化することで、ケーブルあり・なしどちらでも快適な充電環境を提供してくれる。フロントカメラは3200万画素だ。スマートフォンとしてのスペックは非常に高い。

Snapdragon 8 Gen 2を搭載するハイパフォーマンスなモデル

 カメラは5030万画素のメイン広角に加え、4800万画素超広角、5000万画素2倍望遠、6400万画素3.5倍望遠と強力なクワッドカメラを搭載する。この組み合わせを見るだけでも他社のフラッグシップモデルのカメラを大きく超える性能を有していることがわかるだろう。メインの5030万画素カメラは1インチセンサーだ。

 背面はビーガンレザー仕上げでカラーはブラックとレッドの2色展開、円形のカメラ台座デザインも含め、高級カメラを思わせるデザインになっている。「ZEISS」のさりげないロゴがいいアクセントだ。

ビーガンレザー仕上げの背面には強力な4つのカメラを円形台座にまとめた

 本体サイズは約75.3×164.4×9.7mm、221g。ディスプレーも含め、側面の角を落としたエッジ形状のため本体は握りやすい。また、手に持ってみると背面のビーガンレザーがいい具合に滑り止め効果もあるようで、裸で持ち歩いても落しにくい。カメラ部分がやや重みがあるため重量バランスは中心より上に寄っているが、持ちにくくはなかった。

側面は角を落としたエッジデザイン

 カメラ部分のでっぱりは多少あるが、気になるものではないだろう。なお、付属のケースも背面デザインを模した革調のものとなっている。ケースをつけるとカメラ台座部分を隠してくれるので、机の上に多少乱雑に置いたときにも傷がつきにくいようになっている。中国メーカーのスマートフォンの付属ケースというと、たいてい透明なTPU製のものだが、X90 Pro+はケースあり、ケースなしどちらでも高級カメラ風のデザインを損なわないようになっているのだ。

カメラ部分の出っ張り具合

 OSはAndroid 13ベースの「Origin OS 3」を搭載。vivoの中国モデルが搭載するOSで、アイコン形状が大きいウィジェットなどグラフィカルな仕上げのUIが特徴。ほかの中国メーカーの独自OSよりもかなり手が入れられたデザインになっている。

 vivoのスマートフォンはグローバルには「Funtouch OS 13」を搭載しているが、vivo X90 Pro+は中国のみでの販売だ。vivo X90 PRO+の下位モデルとして「vivo X90 Pro」「vivo X90」が存在し、この2モデルは中国とグローバルで販売されている。

Origin OS 3を搭載

 今回試したモデルはストレージ512GBの最上位モデルで、本体の動作にストレスを感じることは一切なかった。動画処理など高負荷な作業では発熱が感じられたのはSnapdragon 8 Gen 2搭載を考えると仕方ないところだろう。

 また、ストレージから最大8GBを仮想メモリーに割り当てできるため、20GB相当のメモリーを利用できることになる。画像処理用にはvivoが搭載した「V2」チップも搭載されており、夜景や動画処理に威力を発揮する。ベンチマークはAnTuTuで約130万とさすがのパフォーマンスを示してくれた。

システム構成とAnTuTuスコア

1インチセンサーとV2チップで 最強カメラフォンを実現

 それではvivo X90 Pro+のカメラを改めて見ていこう。メインカメラはソニーのIMX989、1インチセンサー5030万画素、F1.75を搭載。ツァイスのT*(ティースター)コーティングレンズを採用している。超広角は4800万画素でF2.2。望遠を2つ搭載しているのはポートレート撮影を意識しており、2倍望遠は50mmでF1.6とボケも強く出せる。3.5倍望遠はペリスコープ式で90mmに相当する中望遠でF3.5。デジタルで最大100倍の望遠に対応する。

 vivoのXシリーズはこれまでカメラにジンバル機能を搭載し、ビデオの手ブレを強力に抑えてきたが、vivo X90 Pro+ではアクションカメラなどに見られる水平維持動画撮影がサポートされた。これにより街中でのVlog撮影時など、画面が左右に揺れることもなくより自然な動画を撮影することが可能になった。

約5000万画素通しの4つのカメラを搭載する

 カメラのUIは、画面を上から下にスワイプするだけで基本的な設定を変更できるため使いやすい。画面上部中央の「ZEISS」をタップすることで、ツァイスの撮影ノウハウを活かした自然な色合いに仕上がる「Zeiss Natural Colors 2.0」と、vivoのカメラ技術を活かしたコンピューティショナルフォトグラフィー「vivo Vivid Colors」の切り替えができる。

 最近のスマートフォンでおなじみの、メーカーロゴなどが入るウォーターマークのオンオフもここからすぐに変更できるのは便利だ。高倍率撮影時は、画面上にポップアップの小画面で全体が表示されるほか、AIの補正でブレを抑えた撮影ができる。

カメラのUI。ZEISS仕上げの写真の切り替えもワンタッチ。100倍望遠も楽に撮影できる

 その他のモードには多彩なオプションが用意されている。通常の撮影ではピクセルビニングにより1200万画素相当となるが、「高解像度」を選ぶことで5000万画素での撮影も可能だ。一般的なスマートフォンではメインカメラのみ高画質で撮影できるが、vivo X90 Pro+は超広角から3.5倍望遠まですべてが高画質なため、高解像度モードではすべてのカメラでフルの性能を活かした撮影もできる。動画撮影に関しては4K60fpsに加え、8Kは30fpsにも対応する。

カメラのその他のモードから高画質を選ぶことができる。動画は8K30fpsに対応

 撮影時のボケの度合いは、ツァイスのレンズを再現したモードも楽しめる。Sonnar、Planar、Distagonなどツァイスの過去の名レンズをデジタルでそれぞれ再現。夜景撮影時などに背景のボケの写りの度合いを、レンズ交換するように切り替えて撮影できる。フロントカメラも高画質なことから、動画撮影時に自分の顔もミニウィンドーに表示して同時撮影する「デュアルビュー」も高画質な撮影が可能だ。なお、動画に関してはV2チップのAI処理により暗いシーンでも明るい撮影ができる。

ツァイスレンズのボケ度合いの切り替えが可能(上)。高画質でデュアルビュー動画も撮影できる(下)

 以下はカメラの撮影例だ。クリックで原寸表示ができる。

超広角撮影
メインカメラで撮影
メインカメラで撮影、高画質5030万画素
2倍望遠で撮影
3.5倍望遠で撮影
デジタル30倍撮影
デジタル100倍撮影

 以下はメインカメラでモード変更などして撮影した作例。

メインカメラで近距離を1インチセンサーなので背景のボケも強く出る
ポートレートモードでボケ最大にして撮影
草木に近寄って撮影。マクロはないがこの程度までは十分近づける
食事を撮影。1インチセンサーのためここまで近寄ると背景がボケてしまう
夜景モード撮影。夜空は補正が入るが建屋内の照明もしっかり写すなど仕上げは美しい
香港の街中でスナップ撮影
香港の街中でスナップ撮影
香港の街中でスナップ撮影
香港の街中でスナップ撮影

【まとめ】静止画も動画も 美しく楽しく撮れる最強カメラフォン

 vivo X90 Pro+はスマートフォンとしての性能は最高レベルであり、高級感ある本体の質感もフラッグシップモデルにふさわしいデキで、所有欲を十分満たしてくれる。4つの背面カメラとフロントカメラ、すべてが高画質のため、あらゆるシーンで撮影結果に不満がでることはないだろう。

 写真だけではなく動画も美しく撮影でき、しかもV2チップで夜景や高画質撮影でもストレスは感じられない。

 ここまですばらしいカメラを搭載したスマートフォンが、中国のみでしか入手できないのはもったいないと思えるほどだ。日本のようにハイエンドモデルの需要がある国でもぜひ販売してほしい。

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