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【先行レビュー】2種類のMac mini「超高性能なのに安いM2 Pro搭載」と「超廉価なM2搭載」登場!

ASCII.jp / 2023年2月2日 1時0分

M2世代のMac miniが2月3日に発売!

 M2世代のMac miniが、2月3日に発売される。最新のMac miniは仕様によって「一番安いMac」と「リーズナブルな高性能機」のふたつの顔を持つ。発売に先んじて試用する機会が得られたので、実際に使いつつこの新型機をご紹介しよう。

Apple Silicon第2世代で、Pro搭載デスクトップ初登場

 2020年11月発表のM1を皮切りに登場したApple Silicon世代のMacは、チップの世代と搭載しているコア数でたいたい性能が判別できる。

 Mシリーズコアは、iPhoneに搭載されるAシリーズコアをベースとして作られており、非常に処理能力が高い上に、消費電力が少ない。そして、A14 Bionicのほぼ2倍のGPUコアを積んだものがM1、その倍がM1 Pro、さらに倍がM1 Max、その倍がM2 Ultraという構成になっている。厳密に言えばCPU/GPUのコア数も違ったり、カスタムチップを搭載したりという違いもあるが、まずは基本的な構成として、上記を理解しておくといい。

 そして、新しいプロセスルールでより集積度合の高いコアが開発されると、M1→M2というように世代名称が変化し、その新しい設計の回路で、Pro、Max、Ultra……と、高性能チップが作られていく。

相変わらずコンパクトで美しいパッケージ。本体色がシルバーの取材機にはシルバーのアップルマークのステッカーが付属していた

 最初のM1世代の構成でいうと、M1を搭載するのがMacBook Air、13インチMacBook Pro、Mac mini、iMac。M1 Pro、M1 Maxを搭載するのが、14インチと16インチのMacBook Pro。そしてM1 Max、M1 Ultraを搭載するのがデスクトップのMac Studioとなっていた。つまり、「デスクトップのM1 Pro搭載モデル」が抜けていたのだ。2022年6月に登場したM2 MacBook Airから始まったM2世代でその「穴」が埋まるのかどうかは注目されていたポイントだった。

 予想通り、今回のM2 Pro搭載のMac miniの登場で、この「穴」が埋められた。そこそこ入手しやすい価格なのに「8K数枚までの動画編集でほぼ性能に不足を感じない高性能機」として本機は非常に高く評価できる。また、M2コア搭載の最廉価モデルは8万4800円となり、「とにかく安くMacを使いたい!」という人に勧められるモデルになった。

写真はM2 Pro搭載機……だが、この角度からの外見では判別できない。ちなみに、2010年モデルから1年後にSuper Driveのスロットが省略された以外、13年間外見にはほとんど変更がない

M2搭載Mac miniは 8万4800円と非常にリーズナブル

 今回試用したのはM2 Pro搭載モデルだが、M2搭載の最廉価モデルの仕様も確認をしておこう。

 8万4800円で購入できるのは、8コアCPU、10コアGPU、8GBユニファイドメモリ、256GBストレージのモデル。正直、256GBのストレージは心もとないが、とりあえずMacを使ってみたい……ということでクラウドや外部ストレージを活用するならこれで十分だ。ほぼ同じ仕様のM2搭載MacBook Airが16万4800円であることを考えると、ディスプレイやキーボードが含まれないとはいえ、Mac miniは高性能なのに安い。

 Apple Silicon搭載機はインテルMacに比べて飛躍的に性能が向上しているので、無印のM2チップでも、一般事務はもちろん、写真・動画編集、3Dグラフィックス、プログラムのビルドなど、ほとんどの一般的な作業で不自由を感じることはない。

 もし、まだインテルMacを使ってる方がいらっしゃるなら、ぜひ本機への乗り換えをお勧めしたい。M1チップでも多くの場合、不自由することはないが、M2世代は特に動画編集に強くなっているので、YouTubeをやっている方など、動画を編集する機会の多い人には特にお薦めだ。

 少し注意点があるとすれば、Mシリーズチップ搭載機ではインテルMacで動いていたアプリのうち、ごく一部が動作しないということだろう。今や大半が対応を完了してるが、非常に古いユーティリティなどや、お気に入りのカスタムアプリなどが動かない可能性はゼロではない(ほとんど存在しないが)。特に影響の多い例としては、Parallels DesktopのインテルMac版が動作しないことが挙げられる。Parallels DesktopのApple Silicon版は、インテル版のWindowsを動作させられない。とはいえ、この問題もインテル側でエミュレーターが提供されているので、困ることはほとんどないのだが。

 また、無印M2搭載のMac miniのThunderboltは2ポートであることも注意しておきたい。外部ディスプレイは、6Kなら1台。もしくは、Thunderbolt接続で5K、HDMIで4Kの2台までの接続に制限される。

 これらの制限を除けば、M2 Mac miniは安価で優れた性能を持つお勧めモデルだ。

M2 Pro搭載モデルは、Thunderboltポートが4つになった。とはいえ、外見上はインテル版と同じになったというだけで、目新しさはない

モバイルMacよりかなり安い

 そして、今回注目のM2 Pro搭載のMac miniは18万4800円から。18万4800円モデルの仕様は、10コアCPU、16コアGPU、16GBユニファイドメモリ、512GBストレージ。必要なストレージは人それぞれだろうが、それ以外の仕様は一般的なほとんどの人のニーズを賄えることと思う。

 ちなみに、筆者はM1 Pro搭載のMacBook Pro 14インチを使って、日々の業務をするようになって1年3ヵ月ほどが経つが、処理速度的に不満を感じたことはただの1度もない。M2 Pro搭載とあればなおさら不満を感じることはないだろう。

 ちなみに、筆者が借りたMac miniはM2 Pro、12コアCPU、19コアGPU、16GBユニファイドメモリ、1TBストレージという上位モデル。CPUとGPUは、Mac miniの中で最上位となるモデルだ。アップルストアで価格を見ると25万4800円。これでもまだMacBook Pro 14モデルの最廉価モデルより安い。

 撮影時のように、Studio Display(21万9800円)、Magic Keyboard(2万5800円)、Magic Trackpad(1万9800円)、Magic Mouse(1万3800円)を組み合わせると50万円を超える買い物になってしまうが、安価な4Kディスプレイを買い手持ちのマウスやキーボードを活かせば、30万円強で、この超高性能マシンを使えることになる。

 まだ円安の影響は続いており、Macが高価な買い物になっている今、この高性能でこの価格は大変お買い得な存在だと言っていいだろう。

 また、M2 Pro搭載モデルは4つのThunderboltポートを持ち、最大で2台の6K Thunderbolt接続ディスプレイと1台の4K HDMIディスプレイを接続できるという拡張性の高さも魅力のひとつ。ちなみに外見上は、インテル世代のThunderbolt 4×4ポートのものとまったく同じ。モデル番号を見ない限り区別がつかないはずだ。

M2搭載のMacBook Airと比べた

M2 MacBook Airに対して おおむね1.6~1.8倍の性能

 さて、性能差を確認するために、ベンチマークテストを実施した。比較対象は、2022年6月に発売されたM2搭載MacBook Air。

GeekBench 5とBlack Magic Disk Speed Testにかけた。25万4800円という価格が信じられないほどの高性能を持つ

 結果はマルチコアCPUの数値で約1.7倍、GPUが1.6倍程度ということで、コア数の増加に応じた性能を得ていることが分かる。価格は大きくは変わらないのだから、可搬性を諦めることで処理能力が1.6~1.7倍になるということでもある。モバイル状態で使うことがなく、複雑なビデオ編集など負荷のかかる処理をすることが多い人であれば、M2 Pro搭載Mac miniは非常にお勧めできる選択肢だといえるだろう。

M2搭載MacBook Airと比べてみた。同機でも不満を感じることはそう多くはないと思うが、さらに圧倒的なパフォーマンスを発揮する

 また、Blackmagic Disk SpeedでSSDの速度も計測してみたが、こちらも非常に速いSSDが搭載されている。M2 MacBook Airに対して約1.8~1.9倍の性能向上を見せており、チップセットの処理能力向上に見合ったストレージを採用してるといえるだろう。

M2 Pro搭載機はもちろんM2搭載機もお勧め

 性能差はほぼスペック通りといって良いが、円安で各機種の価格が高くなっていることを考えると、モニターやマウス、キーボードなどを含まないことで低価格を実現しているMac miniのコスパは高い。持ち運ぶ必要がなに用途でお使いなら、本機は非常にお勧めできる。また、8万4800円と非常にリーズナブルなM2 搭載Mac miniもコスパが高い。

 特に、まだインテルMacを使っている人は、この機会にぜひApple Silicon搭載機に乗り換えてみて欲しい。これまで引っ掛かっていたタスクが、まったく問題なく軽やかに片づいくことに驚くはずだ。

筆者紹介――村上タクタ  趣味の雑誌を30年間に600冊ほど作ってきた編集者・ライター。バイク雑誌「ライダースクラブ」で仕事を始め、ラジコン飛行機雑誌「RCエアワールド」、海水魚とサンゴ飼育の雑誌「コーラルフィッシュ」、デジタルガジェットの本「flick!」の編集長を約10年務めた後退職。現在フリーランスの編集者・ライターであり、ウェブメディアThunderVoltの編集長。HHKBエバンジェリスト、ScanSnapアンバサダー、mmhmmヒーロー。iPhone、iPadなどのデジタルガジェットや、バイク、クルマ、旅、キャンプ、絵画、日本酒、ワインと家族を愛する2児の父。

 

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