1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

【活用提案】リモートデスクトップアプリを使ってiPadからWindowsパソコンをリモート操作する

ASCII.jp / 2023年2月6日 14時0分

 iPadがあれば、外出時もたいていの作業をこなすことができる。しかし、例えば、大容量のファイルや重要なファイルなど、iPadやクラウドストレージには保存しておけないデータの場合、自宅のパソコンにだけ保存してあるケースも多いだろう。すると、それらのデータをiPadで使いたいと思ってもアクセスすることができず、困ってしまうことがあるかもしれない。

 そこで、あらかじめ準備しておきたいのが、自宅のパソコン(Windows)のリモート操作だ。iPadにリモートデスクトップアプリをインストールしておけば、パソコンをリモート操作できるようになるので、クラウドストレージに保存していないデータも操作が可能になる。

 リモートデスクトップアプリには、いくつか種類がある。どれも一長一短があるので、各アプリの特徴を知って、最も自分の使い方に合うものをチョイスしたい。ただし、会社のパソコンを利用する場合は、会社のセキュリティポリシーとも関わってくるので、勝手にインストールしてはいけない。

 今回は、iPadで使える代表的な3つのリモートデスクトップアプリについて、機能や特徴、簡単な使い方について紹介していこう。

最も手軽に使える「Chromeリモートデスクトップ」

 「Chromeリモートデスクトップ」は、ブラウザーの「Chrome」と連携して、インターネット経由で自宅にあるパソコンの画面表示や操作ができるサービス。Googleアカウントがあれば、たいていの環境でリモート操作が可能になり、しかも無料で利用できる。手軽にリモート操作を始めるにはもってこいのサービスだ。

 「Chromeリモートデスクトップ」を使うのに必要なものは次のとおり。

【iPad】 「Chromeリモートデスクトップ」 作者:Google LLC 価格:無料 https://apps.apple.com/jp/app/id944025852

【Windowsパソコン】 ・「Chrome」ブラウザー ・「Chrome Remote Desktop」(リモートデスクトップの拡張機能) ・「Chrome Remote Desktop Host」(クライアントからの接続を常時受け付けるサービスプログラム)

●パソコン側で初期設定を行う

 最初にWindowsパソコンの準備を行う。まず、「Chrome」でChromeリモートデスクトップのサイト(https://remotedesktop.google.com/)にアクセスし、Googleアカウントでログインする。あとは、画面に表示される指示に従って拡張機能「Chrome Remote Desktop」と、サービスプログラム「Chrome Remote Desktop Host」をインストールする。最後に、パソコンの名称とアクセスに必要なPINコードを設定すればいい。

Windowsパソコンの「Chrome」ブラウザーで、Chromeリモートデスクトップのサイト(https://remotedesktop.google.com/)にアクセスする。Googleアカウントでログインしたら、「パソコンにアクセス」をクリックする。
アプリのインストールダイアログの「×」をクリックして閉じ、「リモートアクセスの設定」にあるダウンロードアイコンをクリックする。
別ウィンドウで拡張機能のインストール画面が表示されるので、「Chromeに追加」をクリックする。拡張機能をインストールできたら、このウィンドウを閉じる。
元から表示されていた画面にある「同意してインストール」をクリック。ダウンロードフォルダーが表示されるので、続いて続いて「Chrome Remote Desktop Host」をインストールする。
「Chrome Remote Desktop Host」のインストールが完了すると「名前の選択」が表示されるので、パソコン名を入力して「次へ」をクリック。次の画面で設定するPINコードを2回入力して「起動」をクリックする。
入力したパソコン名の下に「オンライン」と表示されれば、準備は完了だ。

●iPadからリモート操作する

 Windowsパソコンの準備が終わったら、iPadからアクセスしてみよう。iPadで「Chromeリモートデスクトップ」アプリを開き、Googleアカウントでログイン。すると、接続できるパソコン名が表示されるので、選択してPINコードを入力。これで、Windowsパソコンを操作できるようになる。

iPadで「Chromeリモートデスクトップ」アプリを開き、画面下部の「ログイン」をタップ。Googleアカウントでログインしたら、接続するパソコン名をタップする。
設定したPINコードを入力して「→」をタップ。リモート接続され、パソコンの画面が表示される。

 基本操作は、タップがクリックで、2本指のタップが右クリックだ。ただ、ダブルタップしてもうまくダブルクリックの操作にならないため、ファイルを開くときは2本指でタップをし、表示されるメニューから操作したほうがいいだろう。

 また、ウィンドウなどのボタンは小さくて、けっこう操作がしづらい。そんなときは、ピンチ操作で画面を拡大/縮小するとやりやすくなる。リモートデスクトップの各種設定や切断などの操作は、画面右下にある「≡」アイコンから行う。

タップがクリック、2本指のタップが右クリックに対応している。各種設定、リモート操作の中断といった操作は、画面右下の「≡」をクリックして表示されるメニューから行える。

●「Chromeリモートデスクトップ」の使い勝手は?

 Chromeリモートデスクトップは、無料で利用できるのが最大のメリットだ。だが、実際に使ってみると、ややタイムラグがあったり、思ったように反応してくれなかったりすることがある。ファイルを開いて閲覧する程度なら特に問題はないのだが、アプリを使って作業するには、ちょっとストレスがたまるかもしれない。

 また、パソコンが起動状態でないと使えないというデメリットがある。スリープ状態でも利用できない点は注意したいところだ。

軽快に動作する「Splashtop Personal」

 できるだけ快適にリモート操作をしたいという人におすすめしたいのが「Splashtop」だ。1秒当たり30フレームでリアルタイムに高速描写するので、カクカクした動きにならないのが特徴。Chromeリモートデスクトップのような遅延が起きにくく、ストレスなく操作できる。

 「Splashtop」には複数のプランが用意されていて、個人で使う場合は「Personal」を選択。このプランの場合、同一ネットワーク上のリモート操作なら無料で利用できるのだが、外出先からリモート操作するには「Anywhere Access Pack」と呼ばれる契約が必要になる。そのため、実際には有料と考えたい。気になる料金だが、月額550円と年間2000円の2種類が用意されている。もし、使い続けるなら年間契約のほうが圧倒的にお得だ。

 「Splashtop Personal」を使うのに必要なものは次のとおり。

【iPad】 「Splashtop Personal」 作者:Splashtop Inc. 価格:無料 https://apps.apple.com/jp/app/id382509315

【Windowsパソコン】 ・ストリーマーアプリ

●パソコン側で初期設定を行う

 Windowsパソコンで「Splashtop」のサイト(https://www.splashtop.co.jp/download/)にアクセスし、ストリーマーアプリをダウンロードしてインストールする。インストール後、アプリの画面に従ってアカウントを作成し、ログインすれば準備は完了だ。

「Splashtop」のサイト(https://www.splashtop.co.jp/download/)の「ストリーマー」で「Personal」と「Windows」を選択し、ダウンロードとインストールを行う。アプリが開いたら、「Splashtopアカウントを作成」をクリックして、アカウントを作成する。
作成したアカウントのメールアドレスとパスワードを入力して「ログイン」をクリック。ログインできたら「コンピューター名」を確認する。

●iPadからリモート操作する

 iPadから操作するには、「Splashtop Personal」アプリを開き、先ほど作成したSplashtopアカウントでログイン。あとは、コンピューター名をタップすれば接続が完了する。この際、「Anywhere Access Pack」の購入を促すメッセージが表示されるので、不要の場合は「Not interested」を選択しよう。

iPadで「Splashtop Personal」アプリを開き、画面下部の「既にSplashtopアカウントを持っています」をタップ。次の画面でアカウント情報を入力して、「ログイン」をタップする。
接続するコンピューター名をタップする。サブスク契約を促すメッセージが表示されるので、「Not interested」をタップする。これでパソコンの画面が表示される。

 基本操作は、タップがクリック、長押しが右クリックだ。ダブルタップするとダブルクリックの操作になるので、Chromeリモートデスクトップよりも直感的に操作できるだろう。なお、ピンチ操作で画面の拡大/縮小も可能だ。リモートデスクトップの各種設定や切断などの操作は、画面右下にある「<」をタップしてから操作できる。

タップが左クリック、長押しが右クリックに対応している。右下の「<」をクリックすると、さまざまな機能が使えるツールバーが表示される。各種設定、リモート操作の中断などは、いちばん左のアイコンをタップして行う。

●「Splashtop」の使い勝手は?

 Chromeリモートデスクトップに比べるとキビキビと動作するので、ストレスなく利用できる。また、「Wake On LAN」(ネットワークを通じてPCを起動する仕組み)に対応しているパソコンなら、スリープ状態でもリモート操作が可能になるのは大きなメリットだ。ただ、外部ネットワークからの接続は有料なので、どの程度使うのかを事前によく検討したい。それなりの頻度で利用する人に向いているサービスといえるだろう。

マイクロソフト純正の「Microsoftリモートデスクトップ」

 マイクロソフトにも、Windowsパソコンをリモート操作できるアプリ、「Microsoftリモートデスクトップ」がある。マイクロソフトが提供するだけあって、準備は非常に簡単だ。

 ただし、Microspftリモートデスクトップを使うには、OSがWindows 10/11の「Pro」エディション以上でなければならない。多くの人が使っている「Home」エディションでは利用できない点には注意したい。これ以外にもいろいろと制約があるが、それは後述する。

 「Microsoftリモートデスクトップ」を使うのに必要なものは次のとおり。

【iPad】 「Microsoftリモートデスクトップ」 作者:Microsoft Corporation 価格:無料 https://apps.apple.com/jp/app/id714464092

【Windowsパソコン】 ・Windows 10/11 Proエディション以上

●パソコン側で初期設定を行う

 ここでは、同じネットワークにあるパソコンにリモート操作する手順を紹介する。この場合の設定は、実に簡単。設定アプリから「リモートデスクトップ」をオンにするだけで準備は完了だ。

Windowsパソコンで設定アプリを開き、「システム」→「リモートデスクトップ」の順にクリック。「リモートデスクトップ」をオンにする。また、iPadの設定で必要になる「PC名」を確認しておこう。

●iPadからリモート操作する

 iPadから操作するには、「Microsoftリモートデスクトップ」アプリを開き、パソコンへの接続を作成し、ここから接続を行う。なお、このとき、パソコンへサインインする際に使うユーザー名とパスワードが必要。Microsoftアカウントでサインインしている場合は、そのユーザー名とパスワードとなる。

iPadで「Microsoftリモートデスクトップ」アプリを開き、「+」→「PCの追加」をタップ。「PC名」にWindowsの設定アプリに表示されていたPC名を入力し、「保存」をタップする。
作成された接続をタップし、パソコンにサインインする際のユーザー名とパスワードを入力して「続行」をタップする。接続が完了すると、パソコンの画面が表示される。

 基本操作は、タップがクリック、長押しが右クリックだ。注意したいのは、初期操作が「マウス」モードになっていること。このモードの場合、画面をトラックパッドのように使って、画面上のマウスポインターを操作することになり、ファイルを開く場合は、ポインターを合わせてからダブルタップをしなければならない。もちろん、ほかのリモートデスクトップアプリと同様のモードも選択できるので、使いづらいと思ったら変更するといいだろう。

モード変更は、iPadで画面上部中央のアイコンをタップし、表示された画面の左上にあるモードのアイコンで使いたいものをタップする。なお、リモート操作を中断する場合は、そのデスクトップの「×」をタップする。

●Microsoftリモートデスクトップの使い勝手は?

 マイクロソフトのアプリだけあって、動作もキビキビしており、使い勝手は悪くない。ただし、実際にはいくつかのハードルがある点を知っておきたい。

 まず、外出先から接続するには、グローバルIPアドレスが必要な点。ほかのリモートデスクトップアプリは、インターネット上にあるサーバーを経由して接続しているのだが、Microsoftリモートデスクトップは直接パソコンへ接続するため、グローバルIPなどの情報を設定しなければならない。さらに、宅内のルーターの設定も変更しなければならないため、かなりハードルが高い。

 また、Microsoftリモートデスクトップの認証にMicrosoftアカウントを使う場合、接続先のパソコンで、一度もそのMicrosoftアカウントのパスワードを入力してサインインしたことがないと、認証に失敗してしまう。これは、認証アプリの「Microsoft Authenticator」をスマホにインストールして、多要素認証を有効にした環境で起こりうる問題だが、解消するには、パソコンでWindows Hello(生体認証)やPIN認証をすべてオフにして、パスワードを入力してサインインする必要がある。これに気がつかないと、いつまでも接続できないことになってしまう。

 このように、やや難度の高いアプリのため、ある程度のスキルがある人に向いているアプリと言えるだろう。

 今回は、自宅にあるパソコンをiPadから操作するリモートデスクトップアプリについて紹介してきた。どのアプリを選ぶかは、目的や使い方によって異なるだろうが、手軽にリモート操作したいなら「Googleリモートデスクトップ」、本格的にリモート操作をしたいなら「Splashtop」がおすすめだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください