CTC、メタバースでの複数ユーザーによる共同開発を可能にする「Omniverse on MEC」を提供開始

　伊藤忠テクノソリューションズ（以下、CTC）は2月6日、5Gネットワークによる低遅延の通信環境でメタバース（仮想空間）での複数ユーザーによる共同開発を可能にする「Omniverse on MEC」を提供開始した。 　NTTドコモとNTTコミュニケーションズが連携して提供する低遅延・高セキュリティーな通信ネットワークサービス「docomo MEC」にメタバースの開発プラットフォーム「NVIDIA Omniverse Enterprise」（以下：Omniverse）を組み合わせたサービス。 　メタバースの活用は従来ゲームやSNSなどのエンターテイメントが中心だったが、近年ではネットワークの高速化や端末性能の向上とともにメタバースを活用したデジタルツインの実現に向けて、製造、物流、医療、スマートシティーなどさまざまな分野に広がりをみせている。しかし、実用的なメタバース環境を効率的に構築するためには、複数のエンジニアによる共同作業が必要で、リモートワークを含めた異なる場所からの効率的な共同作業を実現するため、遅延の少ない通信環境が求められている。 　Omniverse on MECは、docomo MEC基盤でメタバースの開発プラットフォームOmniverseを利用し、メタバース空間での効率的な共同開発を可能とするプラットフォームサービス。さまざまな3Dデータを取り込み、物体の形状、位置、表面の質感や光源などを精緻に表現可能で、建設業界での3Dモデル作成やレビュー、製造業界での各種シミュレーション、メディア・エンターテイメント業界での3Dコンテンツの制作などの業務を実現できるとしている。 　docomo MECは、セキュアな閉域網でNTTドコモの5G通信による高速な通信環境を利用することができるコンピューティングプラットフォームであり、パブリッククラウドでは提供されていないRTX GPUを利用し、円滑な3Dコンテンツのグラフィック処理が可能。Omniverseとdocomo MECを組み合わせることで、セキュアで快適な通信環境で3Dコンテンツの制作やレビューなどの協調作業を効率的に進めることが可能となる。 　CTCは2022年2月からOmniverseを取り扱っており、製造工場での作業トレーニングや建設物のデザイン制作などの導入実績があることから、培ったノウハウを元にメタバースを利用した業務改善の提案、システム構築、ユーザートレーニング、運用や保守までをトータルで支援。価格は月額46万2000円から。業務プロセスの改善や効率化を求める製造業や建設業を中心に提供する。