27インチ湾曲ゲーミングディスプレー、MSI「G272CQP」がまたしてもコスパ良すぎ

　前回、エムエスアイコンピュータージャパン（MSI）の31.5インチ湾曲ゲーミングディスプレー「G322CQP」を紹介したが、今回紹介したいのは27インチモデルで同等スペックの「G272CQP」だ。

　没入感でいうと、やはり大画面のほうが高いが、設置場所によってはちょっと大きすぎで難しかったり、没入感より見やすさ重視で、小さめのサイズを求めていたりする人には、この27インチで湾曲ディスプレーというサイズ感はピッタリなのではないだろうか。

　そんなG272CQPをさっそくレビューしていこう。

27インチでWQHDという高精細感

MSI「G272CQP」の外観

　G272CQPは27インチVAパネルを採用し、解像度はWQHD（2560×1440ドット）、湾曲率は1000Rだ。Windowsの表示スケール100％だと、ちょっと文字が小さく感じるかもしれない。サイズは607（W）× 267（D） × 426（H）mmで、60cm幅のデスクいっぱいという感じ。31.5インチだと701mmあるので、より小さなスペースに設置可能だ。

　湾曲率1000Rは、顔面を覆うような感じになるので没入感が高くなる。ただ27インチだとかなり画面に顔を近づけないと覆われた感じがしないので、そこは大画面に劣る。ただ眼球の曲面とほぼ同じと言われており、目を左右に動かしても焦点距離が変わらないため、都度焦点を合わせるということが少なくなり、目の疲れも軽減されるメリットもある。さらに画面が小さいほうが全体を俯瞰的に把握しやすい面もあるので、対戦ゲームで勝ちに行く場合は多少有利になるかもしれない。

　最大リフレッシュレートは170Hz（オーバークロック設定時）で、応答速度が1ms （MPRT）。ただし、HDMI接続時は最大144Hzとなる。輝度は300nitでHDRに対応し、コントラスト比は3000：1なので、G322CQPより性能は高くなっている。

　最大表示色は約10億7300万色で、sRGBカバー率は98.1％、DCI-P3カバー率は90.4％と高く、ゲーミング以外でもちょっとしたクリエイティブな作業にも使えそうだ。

背面はLEDイルミネーションはないものの、ゲーミングディスプレーらしいデザイン

　背面は、LEDイルミネーションはなく、MSIのロゴが刻まれたゲーミングディスプレーらしいデザイン。OSD操作はスティックタイプのナビキーを採用し、非常に設定しやすくなっている。

OSDの操作はスティックタイプのナビキーを採用。その下には電源ボタンも備わっている

　調整機構は高さとチルトの調整のみ。スイベルはないので、よりきめ細かく調整したいのであれば、付属のスペーサーネジによりVEAS100に対応しているので、ディスプレーアームを活用するというのもありだ。

高さ調整は130mmとG322CQPに比べて30mm大きい

チルトは-5～20°と標準的な仕様だ

　コストを抑えているものの、ゲーミング機能はしっかり搭載されている。同期機能としてFreesync Premiumに対応。FPSなどのアクションゲームで不利になるブレや残像を抑制するアンチモーションブラー（黒挿入機能）や、暗いシーンでも視認性を上げるナイトビジョン機能も搭載する。また、アンチフリッカーやブルーライトカット機能も搭載しており、長時間の使用時に目の疲れを軽減してくれる。このあたりの機能は、G322CQPと同等だ。

ゲームの種類に合わせて最適な設定を用意

ナイトビジョンモードは、暗い部分だけ明るくしてくれるAI制御も搭載

目の疲れを軽減するブルーライトカットの設定も用意されている

　インターフェースは、Display Port（1.2a）×1、HDMI（2.0b）×2とヘッドホン端子を備え、電源はACアダプターを採用している。ACアダプターは電源ケーブルを使用するタイプだが、小さめなので置き場所に苦慮することもないだろう。

インターフェースはDisplay Port（1.2a）×1、HDMI（2.0b）×2、ヘッドホン端子とシンプル

PCゲームだけでなくPS5などでもプレイしたい

　実際に設置してゲームをプレイしてみた。前回のG322CQPに比べると2まわり以上小さいので、ある程度画面に近づかないと没入感は楽しめないが、設置場所が限られているならこのサイズでも十分だろう。しかも解像度がWQHDなので精細感が高く、ゲームはもちろん画像や動画を表示したときにより美しく見える。

　スイベルがないので、一度設置場所を固めたら座る位置によって左右に振ることはできないが、高さ調整はできるので、近づいたり離れたりといった座る位置によって調整が効くのは嬉しい。

　リフレッシュレートが最大170Hzだと、かなり滑らかに動くのでゲームをプレイしやすい。「blurbusters」のサイトでも確認してみたが、「Ghosting Test」でも「Video Gaming Motion」でも動きがくっきりと見える。アンチモーションブラーをオンにすると残像感がより薄まるが、このあたりは好みでオン/オフを設定するといい。

「Ghosting Test」の写真。撮影だと残像があるように見えるが、実際の目にはここまでの残像感はない

アンチモーションブラーをオンにしたときの画面。実際には赤味がかった黒が挿入され、残像感をより軽減する

　PlayStation 5（PS5）に接続していくつかゲームをプレイしてみたが、HDRに関しては逆光の太陽も眩しく感じるぐらい。スコアアタック的なときは逆に必要ないが、「グランツーリスモ7」で運転していると、リアリティが増して楽しくなる。

HDR対応なので、逆光などのときは眩しく感じる。映像のリアリティさが増す

　PS5ではWQHD解像度で120Hz駆動に対応。120Hz駆動に対応したゲームならより高画質かつ滑らかな映像でプレイできることになる。PCゲームに限らずPS5のような家庭用ゲーム機専用として購入するのもありだ。

「フォートナイト」の設定画面。120Hz駆動でプレイするにはゲームごとに設定が必要だ

120Hz駆動のWQHD解像度でFPSゲームがプレイできれば、有利に働くはずだ

美しい風景が広がるアクションRPGなら、発色やコントラストの高さが、没入感をさらに生む

実売価格4万円前後とコスパのいいモデル

　こうして見てきたが、31.5インチのG322CQPほど大画面でなくてもいいが、湾曲タイプのゲーミングディスプレーが欲しいというニーズに応えられる製品。27インチというサイズはいま売れ線のサイズだし、湾曲ディスプレーでこの性能ながら、実売価格4万円前後と手の届きやすい価格設定になっている。

　店舗を中心とした販売のため、店頭へ行って実際に映像を体感すると、この製品のコスパのよさが分かるはずだ。

　VAパネルながら発色もいいので、エンタメやちょっとしたクリエイティブな作業での利用もいけるはず。作業領域も広いので作業効率も上がるだろう。サイズも価格もお手頃なものを求めているのであれば、オススメしたい製品だ。

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