撮影ライトは光量が正義? NEEWER CB60 LEDビデオライトを使う
ASCII.jp / 2023年2月14日 16時0分
テレビで一般人は眠そうに映る!?
初めてテレビに出演したときに驚いたのは、スタジオの明るさでした。テレビスタジオを初めて訪れる人は、きっとその明るさに驚かれることでしょう。
撮影の合間に照明スタッフに質問してみたところ、バラエティー番組のテレビスタジオでは、人物に当たる光を「900〜1000ルクスくらいの光量」に調整しているそうです。
ちなみに、一般的なオフィスの書類に当たる光量は、300ルクス以上とされています(厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」より)。オフィスと比べると、テレビスタジオの光量はおよそ3倍です。
たまに、一般の人がテレビに出演する機会がありますよね。プロのタレントと比べると、緊張していながらも、なんだか眠そうな表情に映ってしまうことがあります。日陰の室内から太陽の下に突然出たように、スタジオの明るさに思わず目を細めてしまうせいかもしれません。
ルクスとは人物や物に当たったときの明るさのこと
光には、明るさの目安として、ルクス、ルーメン、ニトなど、いろいろな単位があります。冒頭で説明したルクス(lux)という単位は、「ライトの光が、その先の物や人物、壁や床に当たったときのその表面の明るさのこと」です。
当然、ライトからの距離があれば、光は拡散して弱くなります。撮影用のライトの場合、カタログやショッピングサイトなどで、「ライトからの距離、△メートルで○○ルクス」という記載をご覧になったことがあるかもしれません。
ルクスが物に当たった明るさに対し、ルーメン(lm)はライトから発せられる光の総量のこと。
家庭用のLED電球などの場合は、場所によってライトからテーブルや床の距離が違います。そうした理由から、ライトから発せられる光(束)の総量を示すルーメンで表示されることがほとんど。
ちなみに、ニト(nt、またはcd/m2)はコピューターディスプレイの輝度の表記などに使われる単位です。
明るさの単位は、いろいろあるのです。
NEEWER CB60 LEDビデオライトのスペック
撮影用のライトとして、筆者が購入したのは「NEEWER CB60 LEDビデオライト」(以下、CB60 LED)です。70Wのモデルも出ていますが、こちらは60Wのモデルになります。ブラックフライデー価格で、Amazon.co.jpで1万3519円で購入しました(現在は1万5999円)。
CB60 LEDを選んだ1番の理由は、「1メートルで6500ルクス」の光量です。広いスタジオを使うプロの写真家や映像監督が使うなら、光量が足りないかもしれません。しかし、筆者のようなリビングルームをスタジオ代わりに使うサンデー撮影家には十分な光量です。
以前の記事でも紹介したように(第183回「ワンランク上の撮影になる、ハニカムグリッドのライティング」)、壁や天井、パラソルに光を反射させて使ったり、光をやわらかく拡散させるためのデフューザーをライトに取り付けたりすることで、明るさは減少します。
部屋の広さにもよりますが、筆者の自宅でテレビスタジオのように人物をキレイに照らすには、CB60 LEDクラスの光量は最低限必要な計算です。
バイカラーではなく、色温度5600K固定なのもいい
照明には「バイカラータイプ」のものがあります。オレンジ色のLEDと白色のLEDを使い、色温度を調節できるタイプのこと。肌を美しく見せるなど、補助ライトには便利な機能です。
しかし、オレンジ系と白色系、2種類のLEDを使うことにより、全てが白色のLEDに比べ、全体の光量が低くなる弱点があります。
CB60 LEDは色温度を5600K(デイライトと呼ばれる日中の太陽光に近い色)に固定することで、光量の減少を抑えています。
光が当たる対象を自然に近い色に照らす演色評価もCRI 97と高く、肌の色やトランプを撮影する、筆者の用途にピッタリ。これもCB60 LEDを選んだ決め手になりました。
ボーエンズマウントは他社の撮影機器を合わせやすい
また、ライトは単体で使うだけでなく、光を拡散させるソフトボックスや集中させるリフレクターなど、他の撮影機器を取り付けることがあります。接続するためのマウント規格は、どれを選ぶかも悩みどころ。
国内外で、さまざまなマウント規格があります。日本ではコメット社の「コメットマウント」が有名です。
CB60 LEDが採用している「ボーエンズマウント」は、アマゾンなどのショッピングサイトでも種類が豊富。総じて、価格がリーズナブルなことも特徴です。
1人で出演と撮影なら、ライト用リモコンが必須
1%〜100%で光量が調整できる、LED撮影ライトならではの機能も嬉しいポイントです。
ライトをセッティングするときは、本体裏側のボリュームで光量におおよそのあたりをつけて、撮影中は付属の電波式のリモコンでどの角度からでも微調整ができます。
筆者は撮影者と出演を同時に担当するケースがほとんどなので、カメラとライトの前に立ち、モニターを見ながらリモコンで調整できるのは本当に便利です。
電気代の値上げが叫ばれている昨今では、カメラを回していないときにライトの光量をすぐに落とせるのも嬉しいところ。
未来のスターの必需品?
1つは持っておきたいメインライトとして、テレビスタジオのような光量で照らせる、CB60 LEDはオススメです。
もし将来、テレビ出演を予定しているなら、スタジオの明るさに慣れておくためにも、ぜひご自宅に用意しておいてはいかがでしょうか……。
前田知洋(まえだ ともひろ)
東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、チャールズ英国王もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。
著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。
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