「LUMIX S5Ⅱ」実機レビュー = 撮像素子もエンジンもデザインも新しくなった最強フルサイズカメラだ!
ASCII.jp / 2023年2月10日 13時0分
パナソニックからフルサイズミラーレス機の最新モデル「LUMIX S5Ⅱ」が発売される。2020年に登場した前モデル「S5」は、バランスが良いスタンダードモデルで評価の高い一台。今回のモデルチェンジでどのように進化したのかは興味深いところだ。
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撮像素子も画像エンジンもデザインも一新で フルサイズカメラの完成形に
ボディーサイズは全体的に数ミリ程度のアップはあるが、ほぼ同等。ただ手にして感じたのがグリップのホールド感の変化だ。形状が少し細身になり、シャッターボタンの角度も改良され、格段に握りやすくなっていた。それほど小型軽量とはいえないサイズだが、このグリップのおかげで長時間撮り歩いても苦にならなかった。
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上面や背面のダイヤルやボタンの配置も変わりなく、形状が異なり指先の感覚で確認できる上面の3つボタンや、AFモードや測距エリア切換を統合したファインダー右横のレバー&ボタン、上面左肩のドライブモードダイヤルなど、前モデルから受け継がれた優れた操作性は相変わらず快適だ。
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とはいえボディー周りで変更点はある。まずストラップの取り付け部がボディーと一体型の構造に変更された。従来の三角環の金具では動画撮影に音声を同録する際に、音が気になる場合もあるので、その為の配慮だろう。
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背面のAFセレクターも突起のないフラットな形状に変更し、長時間操作しても指先が痛くならないのが嬉しい。さらに斜め方向の入力にも対応した。実際に操作してみるとAF測距点の移動がよりスムーズになっている。
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またファインダー部には冷却ファンとヒートシンクが搭載され、前モデルでは30分だった動画の連続記録時間が無制限になった。側面端子のHDMIがTypeAに変更したことと合わせ、動画撮影派には嬉しい進化だ。
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EVFも解像度が236万ドットから368万ドットに、倍率も0.74倍から0.78倍に向上している。前モデルでも特に視認性に不満は無かったが、見比べてみると表示の滑らかさで違いを感じることができる。
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メディアはUHS-Ⅱ対応のSDデュアルスロットを採用。バッテリーは前モデルと同じ「DMW-BLK22」で共用ができる。公称の撮影可能枚数はファインダー撮影時で470枚から370枚と減少しているが、実際にRAW+JPEGで街中をスナップで撮り歩いてみると、416カット撮影することができたので、スタミナは標準的といえるだろう。
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像面位相差で迷わない高速AFに 新エンジンで画質もUPだ
機能面の進化でもっともアピールしているのが、LUMIXシリーズ初の像面位相差AFの搭載。従来のAFより動体の追従性能が向上した。実際に撮影してみると、向かってくる電車など規則的に動く被写体なら問題なく追随してくれた。
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連写はフル解像度のRAW+JPEGでメカシャッターは秒7コマ、電子シャッターなら秒30コマでAF追随撮影が可能だ。バッファも増強されUHS-1のSDカードでもメカシャッターは228枚、電子シャッターは200枚(ともにRAW+JPEG)まで連続して撮影し続けることができた。
ただし積層型撮像素子ではないので電子シャッターでは動体歪みが発生する。また前モデルの高速連写機能「6K/4Kフォト」(1800万画素相当で秒30コマ、800万画素相当で秒60コマの画像からJPEGで書きだしが可能)では搭載されていたプリ連写が省かれてしまったのは残念だ。
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AFの認識機能は人物と動物(鳥も含む)に対応している。試しに動物認識をONにして飛んでいる鳥を電子シャッターの秒30コマ連写で撮影してみた。食い付きや急な動きへの追随などはフラッグシップの高速モデルに及ばないものの、スタンダード機のAF性能としては高速だ。
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画素数は変わらず2420万画素と最近のフルサイズ機としては控えめだが、細部を拡大して見ても精細な解像感で画質に不満は感じない。また色乗りの良い発色や明暗差の強い状況でも滑らかに再現される階調が好印象だ。
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高感度は常用でISO51200、拡張で204800まで設定ができる。実際の撮影した写真を見るとISO6400程度までは高感度であることを感じさせず、ISO12800を超えるとノイズ処理による解像感低下はあるが、細部の描写を気にしなければ常用を超えるISO102400でもシーンによっては実用レベルだ。
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キットレンズの標準ズームは前モデル同様「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」。一般的な標準ズームより広角側にシフトした焦点距離が特徴。20mmスタートのズームとしてはコンパクトで、風景やスナップなど幅広いシーンで使いやすい。
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「LUMIX S 50mm F1.8」が付属するダブルレンズキットも注目。やはりフルサイズ機にはボケを求めるユーザーも多いはず。手頃なサイズ感で標準ズームより2絞り以上明るいF値のボケが味わえる単焦点レンズが、通常のレンズキットに2万円ちょっとプラスするだけで手に入るのは超絶お得だ。
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小型軽量で寄りにも強い超広角ズーム LUMIX S 14-28mm F4-5.6
3月16日に発売予定の「LUMIX S 14-28mm F4-5.6」(10万7800円)も魅力的なレンズである。超広角とは思えないほど小型軽量で、前枠にフィルター(77mm径)が装着可能なのもポイント。ズーム全域で最短15cmの近接撮影も可能で広角マクロも楽しめるLマウントユーザー注目の一本だ。
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手ブレ補正は動画の手持ち撮影時に効果を発揮する「アクティブI.S」を新搭載したことがアピールされてはいるが、静止画でもボディー単体で5段分、手ブレ補正搭載レンズと協調補正では6.5段分の効果が得られる。
キットレンズの「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」で試してみると、広角側の遠景なら1/2秒、望遠側近景でも1/8秒程度までは、かなりの確率でブレは防げたので、フルサイズ機としては十分満足できる補正効果だ。
主に動画撮影機能が強化された感のあるモデルチェンジだが、静止画メインのユーザーにとっても扱いやすい操作性や、解像感と階調に高感度も優れた画質、さらにお手軽な価格も含め、やはりバランスの良い一台だ。前モデルと同様にフルサイズで本気で写真や動画を撮りたいユーザーにとって、最適のカメラなのである。
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