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グーグルがオンラインイベントを開催、AIファーストの姿勢が鮮明に

ASCII.jp / 2023年2月9日 19時30分

 グーグルは2月8日(現地時間)、オンラインイベント「Live from Paris」を開催した。

 同社は前日に大規模言語モデル「LaMDA」を活用した実験的な会話型チャットAIボット「Bard」を発表しており、その直後となるこのイベントではBardを活用した新しいGoogle検索がお披露目されるのではないかと期待を集める中、同社シニアバイスプレジデントのプラバカール・ラガヴァン氏が登壇した。

「Google翻訳」対応言語の追加や文脈検索の改善

 まず発表されたのはGoogle翻訳のアップデートだ。現在Google翻訳は133の言語に対応しており、世界中で10億人以上の人々が利用している。

 今回新たに、インターネットにアクセスできない人でも利用できる「オフラインモード翻訳」に33の新しい言語を追加。

 また、複数の意味や訳語を持つ単語をより直感的に翻訳できるよう「文脈検索」を改善した。これは今後数週間のうちにいくつかの言語から適用される。

 さらに、中間言語を介さない「ゼロショット機械翻訳」を用いて、新たに24の言語が翻訳可能になった。新たに追加された言語の話者は3億人以上、これはアメリカ全土の翻訳利用者とほぼ同数となる。

「Googleレンズ」マルチ検索に対応

 次の話題は、カメラアプリから直接検索ができる「Googleレンズ」だ。月間利用回数が100億回を突破したことで、ビジュアル検索が目新しいものから普通のものへと変化しているという。

 今回のアップデートでは、画像とテキストを組み合わせて検索できる新機能「マルチ検索」が発表された。

 たとえば、素敵なデザインの椅子を見つけたけど、もう少し落ち着いた色がほしいとおもったときに「ベージュ」という検索ワードを加えることで、同じデザインで色違いの椅子を探すことができるのだ。

 また、マルチサーチの際に「near me」という検索ワードを追加すると、近所の店舗からその商品を購入できる店舗をリストアップしてくれる機能も米国で追加された。数ヵ月かけて順次日本を含むそのほかの国々でも公開予定。

 さらに、今後数ヵ月のうちにスマホ上に表示されるあらゆる画像を使ってマルチ検索ができる「画面を検索」機能を追加する。たとえば、YouTube動画を再生中に気になる商品が表示されたら、Googleアシスタントを起動し、その商品を検索することができるのだ。

 ほかにも、カメラや撮影画像中のテキスト翻訳も改善されている。翻訳されたテキストを複雑な画像に溶け込ませることができるため、見た目も感覚もより自然になった。

「Googleマップ」イマーシブビューが東京対応 インドアライブビュー公開

 Googleマップ関連では、2022年のGoogle I/Oにて予告されていた「イマーシブビュー」が公開された。

 これは、AIを使って何十億枚ものストリートビューと航空写真を融合して作り上げられたリッチなデジタルモデルの中を自由に歩き回ることができる仕組みで「訪れる前からその場所にいるような感覚を味わえる」という。

 本日より、東京、ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコの世界5都市で利用可能になるが、今後数ヵ月以内に、アムステルダム、ダブリン、フィレンツェ、ベニスなど、ヨーロッパ内のいくつかの都市でも開始する予定だという。

 また、AR技術を使ってカメラが写す映像にATMやレストランなどの情報を重ねて表示できる屋内型ストリートビューが、今後数ヵ月のうちに東京、ベルリン、ロンドン、ニューヨークなど世界中の新しい空港、駅、モールといった1000以上のスポットが追加されることも発表された。

 さらに、ルート概要画面または携帯電話のロック画面から、簡易版の経路情報を見ることができる「一目でわかるルート案内(Glanceable Directions)」機能や、充電ステーションの位置やプラグの種類などを検索できるEV向けの地図機能も発表された。

「アート&カルチャー」AIツールWoolarooの紹介

 アート&カルチャーをテーマにした最後のパートでは、アーティストのデビッド・リーと共同で、ブロブオペラをより深く理解するためのツールや、消滅危機言語の保護を目指すAIツール「Woolaroo」などが紹介された。

会話型AI「Bard」新たな情報はなかったが AIファーストの姿勢がより鮮明に

 今回のオンライイベントは、前日に発表された会話型AI「Bard」関連の発表があると期待されていたが、残念ながら追加の情報は発表されなかった。それどころか、グーグルは本イベント開催に先立ち、Bardの使用例を紹介するTwitter広告を配信したが、質問に対するBardの回答が間違いであったため、グーグルの親会社アルファベットの株価が急落するという出来事もあった。

 とはいえ、AI技術を活用して同社の最大の強みである「検索」をより高度なものにしていくという姿勢が強調されており、同じく前日OpenAIの技術を活用した新たな検索エンジン「Bing」を発表したマイクロソフトへの対抗姿勢をより強く打ち出してきていると感じた。

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