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「AORUS 17X」2023年モデル実機レビュー = 13世代コア+RTX40のために冷却システム刷新で爆速だ!

ASCII.jp / 2023年2月13日 10時0分

 CESでのインテル、AMD、NVIDIAのモバイル用次世代チップの発表から、各PCメーカーの世界向けリリースもあり、みなさん日本での発売を心待ちにしていたと思います。

 GIGABYTEが2月2日に、AORUSシリーズの発表をおこなったので、マシンを試用してみました。

「AORUS 17X AZF-C5JP665JP」はi9-13950HXにGeForce RTX 4090で、価格は66万円

もちろん第13世代CoreのHXプロセッサにRTX 4090搭載

 GIGABYTEが今回発表したのは2モデルで、「AORUS 17X AZF-C5JP665JP」はCore i9-13950HXにGeForce RTX 4090 Laptop GPU+VRAM16GBを搭載。リフレッシュレート240Hz駆動の狭額縁17.3型QHD(2560×1440ピクセル)液晶パネルを採用し、お値段は66万円である。

 下位モデルの「AORUS 17H BXF-74JP554SH」は、CPUにIntel Core i7-13700H、GPUにGeForce RTX 4080 Laptop GPU+VRAM12GB、ディスプレイにリフレッシュレート360Hz駆動の17.3型フルHD液晶パネルを採用した製品でお値段は36万円と、30万円もの差がある。

 今回は上位の17Xを使ってみた。第13世代のモバイル用Core i9は上からCore i9-13980HX、Core i9-13950HX、Core i9-13900HXの3種一気に発表となった。共通するのは、Pコア×8とEコア×16の合計24コアで、スレッド数は32であること。また、ベースクロックはPコアが2.2GHz、Eコアが1.6GHzというのも同じである。

ベイパーチャンパーとファン4基で強力に冷やす設計となった

 異なるのはターボモードの最高周波数で、13980HXは5.6GHz、13950HXは5.5GHz、13900HXは5.4GHzであるが、消費電力はすべて55W~157Wと同じ。13980HXのみ「Thermal Velocity Boost」が可能である。

 昨年7月に試用した「AORUS 17X」は、CPUはCore i9-12900HXで、Pコア×8とEコア×8の16コアで24スレッド、最大周波数5GHz、最大ターボパワー157Wだった。Eコアの数が2倍になり、スレッド数も8増えたわけである。

 GPUのRTX4090のスペックはCUDAコアが9728個で、クロックは1455~2040MHz、消費電力は80~150Wで、VRAMはGDDR6の16GB、バス幅は256bitだ。

 先代のノート用最上位はRTX 3080TiでCUDAコア7424、クロックは1125~1590MHz、80~150WでGDDR6の16GB、256bitバスだったので、コア数が3割アップして、クロックも3割速くなってる。消費電力は同じのまま、少なくとも3割は速くなっているはずだ。

冷却システムを完全強化 ディスプレーの解像度UPは速度の自信?

 AORUS 17Xの2023年モデルはメモリーがDDR5-5600Hzで2スロットで32GB搭載。最高は64GB内蔵可能である。ストレージはPCIe Gen4で1TB+1TBでこちらも空きスロットはない。

メモリーは16GBを2枚装着済み
2つのSSDスロットは離れた場所にあり、1TBが両方にセットされている

 ディスプレーは17.3インチの狭額縁QHDで2560x1440ドット、240Hz、DCI-P3カバー率100%、TÜV Rheinland認証取得だ。

FHDからQHDになり、解像感はもちろん、明るさ鮮やかさもUPしている。

 インターフェースはThunderbolt4(PD充電サポート)に、HDMI 2.1、ミニDP 1.4(120Hz)、USB 3.2 Gen2のタイプA×3、オーディオコンボジャック、LANポートで、本体の左右と背面側に設置されている。

ボディ左にタイプA×2とオーディオジャック、右にTB4とタイプAで使い勝手はとてもいい
背面中央に電源端子とHDMI、ミニDP、有線LANが並ぶ。

 無線はWi-Fi 6E (802.11ax)とBluetooth 5.2で、WEBカメラはFHD (1080p)でWindows Helloの顔認識対応だ。

 バッテリー容量は99WhでACアダプターは330W出力で、30分でバッテリーを50%まで充電できる。ボディサイズは39.6×29.3×2.18cm、重量は2.8kgある。

バッテリー容量は99Whと先代から変わらず

 ボディデザインも変わりなく、オーラス(ホルス)をシンボライズしたハヤブサのマークで、キーボード面にが「Team up,Fight on.」という勇ましい言葉が刻印されている。

天板はマットな表面仕上げで、指紋の跡が残りにくい

 キーボードはテンキーつきのUS配列で、もちろんバックライトはフルカラーで色も動きもカスタマイズできる。キーストロークは2mmと深めで、完全な無音タイプ。タッチパッドは122×76mmで、こちらは若干クリック音がする。本体背面側には「RGB Fusionライトバー」があり、キーボードライトと同期して色変化する。

US配列のキーボードだが、ストロークは深く、とても打ちやすい
1キー単位でフルカラーのバックライトが指定できるうえ、明るさや、波のような変化なども指定可能だ
後部にもLEDが仕込まれていて(RGB Fusionライトバー)、光が変化する
GIGABYTEコントロールセンターというアプリでキーボードの光り方を細かく指定可能だ

 冷却システムは「WINDFORCE Infinity冷却テクノロジー」で、大面積のベーパーチャンバーを内蔵。ファンは4台搭載し、キーボード奥の上面、底面の2方向から吸気して、背面と左右に排気する仕組みである。先代はヒートパイプと2基のファンだったので、CPUとGPUのパワーアップに伴なって、大幅に強化したことになる。

空冷のためのファンは、小型ながら2基増えて、合計4基になっている。これはサイド側のフィン
背面側にも吹き出し口があり、大型ファンはサイドと背面の両方に空気を排出する
先代にはなかった、キーボード奥の空気吸入口
底面にはメッシュ入りの大きな取り入れ口がある。

 排気口の周囲に324枚の冷却フィンを配置し、総フィン面積は206682mm²を実現。フィン面積を129%増加させることで、冷却を加速させているという。

期待のベンチマークテスト CPUは1.5倍速、GPUは1.9倍速に!!!

天板のシンボルマークは光らないがレインボーに光を反射する

 ベンチマークテストは、GIGABYTEコントロールセンターでターボモードを選択した。昨年モデルはi9-12900HXとRTX3080Tiで、今回はi9-13950HXにRTX4090である。

GIGABYTEコントロールセンターのGeneralで「ターボモード」を押せば、最高速モードになるのは便利だ
CPUとGPUの使用率や温度も参照できる

 まず、CPU速度は、CINEBENCH R23で、昨年モデルの19048から27117へと142%に、R20では6953から10375へと149%に向上している。16コア24スレッド、最大周波数5GHzから、24コア32スレッドで5.5GHzになった。シングルコアでも10%向上しているので、クロック分とコア数で、5割の高速化となったわけで、きちんと13世代コアをフル回転させていることになる。

R23は27117、R20では10375をマークした。

 GPUのほうは、3DMarkで、 TimeSpyが11830から20376に、 FireStrikeが28333から34312に、 WildLifeが67011から92234に、 PortRoyaleが7382から13795に、 計算すると、172%、121%、138%、187%に向上している。

 前述のように3080Tiから4090へは、コア数が3割アップして、クロックも3割速くなっているから、レイトレーシングのPortRoyaleで9割近く高速化したのは頼もしい。

 RTX30と40ではDLSSもワンランクUPしているので、3DMarkのDLSSテストを実施したところ、DLSS:OFFが64、DLSS2(DLSS SR)が147、RTX40ならではのDLSS3(DLSS FG)では195FPSとなった。DLSSの進化で3割以上高速になったことになる。

TimeSpyは20376、FireStrikeは34312、WildLifeは92234、PortRoyaleは13795。RTX4090の威力を十分発揮している。
DLSS:OFFで64、DLSS SRで147、RTX40ならではのDLSS FGで195FPSとなる。

 SSDの速度は先代も今回もPCIe 4.0 x4と変わらないのだが、シーケンシャルのマルチライトで38%、ランダムライトで41%速くなっていた。

PCIe4.0x4としてきちんと速度が出ているのでアクセスで待たされることはない。

 バッテリー容量も前回とかわらず99Whで、省エネモードでディスプレー輝度100%でのネット巡回で4時間26分駆動した。通常利用ならば、モバイルノートとしても使える持続力である。

 充電速度は上記と同じ条件で動作させながらで50%までが前モデルの49分から今回は27分、70%までが71分から47分、90%までが95分から78分へと高速化していた。ACアダプターが前モデルの280Wから330WへとUPしているおかげだ。

ボックス型のスピーカーは左右側面側を向いていて、広がりのあるサウンドとなる。
ACアダプターは330Wになり大型化。DCケーブルも太くで扱いにくいっが、消費電力からいたしかたない。

 ディスプレーが先代のFHD1980×1024ドットから、QHD2560x1440ドットに精細化しているが、CPUとGPUのパワーアップにより、高解像度でも安心してゲームができるようになったわけだ。これから、ゲーミングノートはFDHという常識はどんどん崩れていきそうだ。

 新AORUS 17Xは、ベイパーチャンバーと4つのファンで強力に冷却し、330Wのパワーを最大限に引き出している。ゲーミングノートは今年、大きくスピードアップしたのである。

 

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