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AIが書いたラブレターにだまされる人は7割!? ネット上の恋愛はサイバー詐欺に注意

ASCII.jp / 2023年2月17日 9時0分

著作者:rawpixel.com/出典:Freepik

成人の3割はAIにラブレターを代筆してもらう予定

 昨今、ネット上でAIが話題になっている。AIを利用することで、まるで人間とやり取りするかのように自然な対話ができたり、プロ顔負けのイラストが作成できたりするようになった。

 マカフィーは、AIとインターネットが恋愛や人間関係をどのように変化させているかを明らかにするため、世界9ヵ国を対象に現代の恋愛(Modern Love)に関する新たな調査を実施した(AI Goes Dating: McAfee Study Shows 1 in 3 Men Plan to Use ChatGPT to Write Love Letters this Valentine’s Day| McAfee Press Release)。

 アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリア、インド、ブラジル、メキシコ、そして日本の計9ヵ国5109人を対象とした大規模調査をまとめたものだ(18歳以上対象)。

 これによると、成人のおよそ3分の2(69%)は、AIが書いたラブレターと人間が書いたラブレターの違いを見分けることができなかった。日本でも、53%が見分けられなかったという。

 また、全成人の3割はデートアプリのプロフィール作成にAIを利用する、または利用予定だと回答。日本では男女合わせて7%の成人が、AIを使ってラブレターを書くと回答している。AIを使う理由としては、「自信を持てる」「インスピレーションがない」「時間がない」という理由が挙がった。

 現時点でも、半数以上の人が見抜けないほど、AIは自然な文章を作成できる。これからは、AIでプロフィールやメッセージの文面を作るのが当たり前になってくるだろう。文章を書くのが苦手な人にとっては、サポートしてくれるAIは有用な存在になるはずだ。

 一方で、違和感のない文章を手軽に作れることから、サイバー犯罪者が悪質な行為を拡大させるおそれもある。ネット上でのなりすまし詐欺などに、AIが悪用されるかもしれない。

 マカフィーの調査によれば、「個人情報の共有をオンラインで求められたことがある」と答えた57%のうち、16%は生年月日を、9%はパスワードの開示を、20%は親密な写真やビデオの共有を求められたことがある。さらに55%が現金の授受、そのうち20%は1万ドル以上を要求されたという。

 日本でも、自分もしくは知り合いがなりすまし詐欺に遭った経験があると回答した人は、14%にのぼった。AIの悪用によって、本物と偽物のメッセージを見分けることがますます難しくなれば、このような詐欺の被害は増えていくかもしれない。

 オンラインで情報を受け取ったが、これは人が作成したものなのか、あるいはAIに作成させたものなのか……。その点を識別することが難しい時代になり始めている。

 デートアプリやSNS上で、自分をアピールする手助けとしてAIを利用することもあれば、相手を欺くために悪用するケースもある。恋愛に夢中になることは悪いことではないが、冷静な判断がしにくい状態になる人もいる。そのスキを、サイバー犯罪者にねらわれるかもしれない。

自分の身を守る行動を心がけよう

 デートアプリやSNSを利用する際は、何よりもまず、自分の身を守る行動を心がけなくてはならない。

 まず、見知らぬ人から受け取ったテキスト、メール、DMには注意。現時点では、AIが作成したメッセージは、短い文章を使ったり、同じことを繰り返したりする傾向がある。とはいえ、AIが作成する文章は、これからますます違和感がなくなっていくだろう。

 そこで、ネット上での基本的な対応が大切になってくる。見知らぬ人からメッセージが来た際、文中のリンクにアクセスしたり、気軽に会う約束を取り付けたりしないほうがよい。また、会ったことのない相手にはプレゼントや金銭を送ってはいけない。個人情報を要求された場合は、警戒することが必要だ。

 相手に質問をして、答えに矛盾がないか確認するのもよい。デートアプリなどの場合、相手のプロフィール写真を画像検索してみるのは一つの手段だ。別の名前に関連付けられていたり、他人の画像を勝手に利用していることに気づいたりしたら、要注意となる。

 また、信頼できる家族や友人に、恋愛相手について話してみてもよいだろう。一人だけで考えていると、つじつまが合わないことを見逃してしまう可能性もある。

 もちろん、信頼できるセキュリティソリューションを導入しておくことは基本だ。悪意を持った人間がオンラインで送信する可能性のある不正なリンクをクリックしないように保護したり、ウイルス、ランサムウェアなどの脅威からデバイスを保護できる。

 今回は、McAfee Blogから「偽りのバレンタイン: オンラインデート詐欺とそれを見分ける方法」を紹介しよう。(せきゅラボ)

※以下はMcAfee Blogからの転載となります。

偽りのバレンタイン: オンラインデート詐欺とそれを見分ける方法:McAfee Blog

ここ数年の間、オンラインデートの人気は高まっています。それに伴い、オンラインでのロマンス詐欺も増加傾向にあり、このロマンス詐欺で心も財布の中身も空っぽになってしまう人がいます。

オンラインデートやロマンス詐欺の始まり方

出会い系詐欺やロマンス詐欺は、オンラインの出会い系アプリやサイトに限らず、ソーシャルメディアやオンラインゲームでも起こります。FTCによると、この詐欺は通常、同じ手口で始まるとされています。予期せぬ友達申請や不意に送られてくるメッセージによって始まります。

最初の紹介が行われると、チャットが始まり、そこから友人関係 (またはそれ以上) に発展します。これと並行して、詐欺師は、仕事や勤務先の情報を交えながら、どこか奇妙でありながら真実味のある語り口で被害者を引き付けます。報告書によると、詐欺師は、海上の石油掘削施設の作業員や、海外に駐留している軍人、国際機関に勤務する医師など、直接会うのが難しい職務に就いていることを話すようです。

偽りの関係を築くと、詐欺師は金銭を要求し始めます。FTCによると、詐欺師は偽の理由をでっち上げて金銭を要求するとされています。たいていの場合は、ある種の苦難にまつわるもので、以下のような支払いを行うために「わずかな援助」を必要しているというものです。

 ・航空券などの旅費  ・医療費  ・大切なものを回収するための通関手数料  ・ギャンブルによる借金  ・査証などの公的な渡航書類

 他にもありますが、ここに挙げたものが一般的な概要です。詐欺師がよく使うのは、一見合理的に見える興味深い複雑なストーリーです。ロマンス詐欺師が、被害者による金銭的支援を本当に必要としているような印象を与えるものです。

よくあるオンラインデート詐欺

詐欺の被害を届け出た人たちによると、詐欺師への支払いにはいくつかの典型的な方法があると言います。

その1つは送金による支払いで、多くの場合、電信送金会社を介して送金します。詐欺師にとって、この手段によるメリットは、現金を受け取るのと同じように価値があるということです。送金してしまったら、もう戻ってきません。クレジットカードなどの支払い方法であれば、請求をキャンセルしたり、異議を唱えたりすることができますが、このような送金の場合は被害者は保護を受けることができません。

2つめは、ギフトカードを利用する方法です。ロマンス詐欺師に限らず、あらゆる種類の詐欺師はこの方法を好みます。大手のオンライン小売業者のギフトカードでも、実店舗のチェーン店のギフトカードでも、ギフトカードは現金のように効果的に機能するからです。電信送金と同じように、ひとたびギフトカードを渡してしまうと、その代価を取り戻すことは非常に困難です。

3つめの一般的な支払い方法は、チャージ式のデビットカードによるものです。詐欺師は、このようなカードを最初に要求し、その後も何度かチャージするよう要求してくる場合があります。

つまり、ロマンス詐欺師は通常、異議申し立てや払い戻しが最も困難な、簡単な支払い方法を模索し、詐欺行為の後には、被害者を金銭的な問題に陥らせるのです。

オンラインデート詐欺やロマンス詐欺に遭わないためのアドバイス

オンラインで新しい人と出会う場合、FTCは以下のようなことを提案しています。

 ・相手から先に金銭が送られてきた場合であっても、直接会ったことのない相手に金銭や贈り物を送らないこと。  ・信頼できる相手に、この新たな恋愛の対象ついて話してみること。つじつまが合わないことを、見逃してしまうことがあります。友人や家族が心配している場合は注意するようにしてください。  ・慎重に関係を築くようにすること。質問をして、回答に矛盾がないかを確認してください。  ・相手が使用しているプロフィール写真の逆画像検索を試してみること。別の名前に関連付けられていたり、詳細が一致しない場合は詐欺です。

詐欺師は非情であるとは言え、それでも人間です。詐欺師も間違いを犯します。詐欺師のストーリーはまさに作り事なのですから。本当ではないストーリー。詳細が支離滅裂になったり、時間や日付を完全に間違えたり、明らかな嘘をついたりする場合があります。また、詐欺師の中には、一度に複数の被害者に詐欺行為を働いていることがあります。そのため、詐欺師自身が混乱に陥り、間違いを犯す可能性があります。

ソーシャルメディアアカウントでの詐欺から身を守る

前述したように、一部のロマンス詐欺師はソーシャルメディアを荒らしたり、ダイレクトメッセージや友達申請を通じて接触してきます。このような状況で、詐欺師に巻き込まれる可能性を減らすために自分でできることが3つあります。

1.ソーシャルプロフィールを非公開にする:

Facebook、Instagramなどのソーシャルメディアプラットフォームでは、プロフィールと投稿を友達のみに公開するオプションがあります。この設定を選択すると、自分の行動や発言、投稿が広範囲にわたるインターネット上に表示されなくなります。これにより、安全にプライバシーを保護でき、ロマンス詐欺の手に十分な情報が渡ることはありません。

2.見ず知らずの人物からの友達申請は否認する:

届いた招待に対して批判的な見方をしましょう。まったくの見ず知らずの人物は、単なるロマンス詐欺師ではなく、サイバー犯罪目的でユーザーに関する情報を収集するために作成された偽アカウントであったり、デマ情報を拡散する目的で作成されたアカウントであったりする可能性があります。そういったアカウントがたくさん存在します。実際、2021年の第3四半期だけでも、Facebookは18億件の偽アカウントに対策を講じました。そのような友達申請は拒否しましょう。

3.自分自身とデバイスを保護する:

セキュリティソフトウェアによる保護対策を講じることで、詐欺師がオンラインで送信する可能性のある不正なリンクをクリックしないように保護したり、ウイルス、ランサムウェア、フィッシング詐欺攻撃などの脅威から安全に保護することができます。プライバシーを保護し、電子メール、SSN、銀行口座、クレジットカードなど、詐欺師やアイデンティティ情報の窃盗犯が悪用する可能性のある情報をモニタリングすることにより、個人情報も監視することができます。アイデンティティ情報の盗難が当たり前の出来事となっている現在では、セキュリティソフトウェアは本当に欠かせないものとなっています。

関係を終わらせる

詐欺の疑いがある場合は、難しいと感じるかもしれませんが、関係に終止符を打ち、届け出てください。

FTC (ReportFraud.ftc.gov) に連絡して、金銭的な損失を可能な限り回復させるためのサポートや今後の手順について指示を仰いでください。同様に、詐欺が起こったソーシャルメディアサイト、アプリ、サービスにも通知してください。警察に届け出る場合は、アイデンティティ盗難と詐欺についての広範な記事で説明しています。

ギフトカードで資金を提供した場合は、速やかに被害届を出すようFTCは提案しています。

最後に、自分をあまり責めないでください。もしあなたがオンラインデート詐欺やロマンス詐欺の被害に遭ったとしても、このような手段で利用されるのは、あなたが最初でも最後でもないことを知っておいてください。あなたが被害を届け出ることで、他の誰かが被害に遭うのを防ぐことができるかもしれません。

※本記事はアスキーとマカフィーのコラボレーションサイト「せきゅラボ」への掲載用に過去のMcAfee Blogの人気エントリーを編集して紹介する記事です。

■関連サイト

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