シャドバ大学生リーグ実行委員会から繋がる、eスポーツの未来
ASCII.jp / 2023年3月9日 11時0分
Cygamesは、対戦型オンライントレーディングカードゲーム「シャドウバース」の大学生リーグ「Shadowverse University League」を実施している。同じサークルのメンバー5名~10名で1つのチームを結成し、年間のリーグ優勝を目指すチーム対抗戦で、1st Seasonと2nd Seasonには、全国からのべ113チームが参加している。
2月4日には、それぞれのシーズンで優秀な戦績を収めた4チームが一堂に会し、「シャドウバース大学生リーグ 22-23 GRAND FINALS」を実施。有観客での開催となった本大会には、学生さんを中心とした多くの観客が足を運び、日本一の座をどの大学が手にするのか固唾を呑んで観戦していた。
GRAND FINALSには、京都大学、千葉工業大学、東京都市大学、北海道大学が出場。結果は、京都大学「京都大学シャドバサークル」が優勝し、本リーグ史上初となる2連覇を成し遂げた。
このShadowverse University Leagueは、実はほとんどの運営を大学生が実施している。昨年大会においても、本大会実行委員会の運営部のみなさんにインタビューさせてもらい、学生さんとは思えないような運営の大変さや魅力について聞くことができたが、今回は、さらにより多くのことが学生さんに任せられるようになったのだという。
また、この学生リーグの実施においてパソコン周りをサポートしているのが、サードウェーブのゲーミングパソコンブランド「GALLERIA(ガレリア)」だ。昨年同様、実行委員会のメンバーには、運営用のパソコンとしてGALLERIAのゲーミングノートパソコンを貸し出したほか、優勝賞品としてもゲーミングノートパソコンを提供している。
果たして、昨年に比べてどのようなことが変わったのか、実行委員会に所属する、千葉工業大学4年生の渡邊 陸央さんと、法政大学3年の真木 拓海さんにお話を伺い、昨年との違いや、オフライン大会の実施などについて伺った。また、サードウェーブ(GALLERIA)の森畑 崇氏にも、本大会に対する想いを聞いた。
大学生リーグの企画・運営も大学生が担当 オフライン・有観客の難しさ
──よろしくお願いします。まずは、自己紹介をお願いします。
渡邊 陸央さん(以下、渡邊さん):大学生リーグ実行委員会のリーダーを務めている渡邊です。本大会は、卒業論文の関係であまり業務に携われなかったので、真木君に企画進行のリーダーをやってもらって、そのサポートという形で携わりました。最近は卒業論文の制作も終わったので、よりお手伝いできるようになりました。
真木 拓海さん(以下、真木さん):大学生リーグ実行委員会の真木と申します。今は大学3年生で、GRAND FINALSでは実際に何をするのかという企画の部分と、制作物の作成を担当しています。
──具体的にはどういったことを担当されていたのでしょうか。
真木さん:試合の部分については別の担当がいるので自分は担当していないんですけど、観客を盛り上げる施策を企画して、実行するといった感じです。
──この実行委員会に入ろうと思ったきっかけがあれば教えてください。
渡邊さん:もともとシャドウバースの大学生リーグに出場していて、シャドウバースが好きだったというのと、eスポーツの運営ってどんな感じだろうと興味があったので、募集をみてすぐに応募しました。そのまま合格して、今に至ります。
真木さん:自分はシャドウバースが好きだったのと、以前実行委員会のメンバーだった方から大学生リーグの実行委員会っていうのがあるんだよと教えてもらいました。もともと学園祭の実行委員といった学生主体での活動が好きで、かつシャドウバースも好きだったので、とてもいいなと思って応募しました。
──今回取材させていただくにあたって、昨年よりやることが増えたと伺っています。どういった業務が増えたのでしょうか。
渡邊さん:昨年から引き続きの作業がありつつ、有観客になった点が大きいですね。加えて、大会終了後に実施するアフターパーティーについても、今年からは学生主体で企画して実施することになりました。せっかくシャドウバースが好きな人たちが集まっているので、交流の場を設けたいということで、企画しました。
真木さん:あとは、リーグのジャッジといったことも、学生が対応できることになりました。これも、新しく増えた業務の1つですね。
──色々とやることも増えたとのこですが、大会を通じでやりがいを感じた、大変だったと感じたことはありますか?
真木さん:できるだけの準備はしてきたつもりなんですが、やはり想定が甘かったなと感じる部分がありました。もともと想定していたことと違う部分が出てきてしまって、それに対して現場に用意されているもので対応しなくてはいけないというのは、大変でした。そこは、さまざまな方の力を借りた部分もあるんですけど、ある程度どんな状況でも対応できる準備はしてきたので、望んだ形にはなったかなと感じています。
渡邊さん:卒業論文を制作していてブランクがあったので、その間の変化に対応するのが少し大変でした。ただ、今回はオンラインでさらに有観客ということもあり、選手の顔も間近で見ることができて、自分たちの企画だったり、Twitterを使ったキャンペーンだったりをやった際に選手の皆さんが盛り上がっているのを見て、とてもやりがいは感じています。
──ちなみに、有観客の難しさってありましたか?
渡邊さん:初めてのオフライン開催なので、どれくらい観客に来てもらえるかが想定できないというのが難しかったです。どれくらいの規模を想定して企画すればいいのかも、悩みました。
真木さん:自分たちは運営している立場なので、イベントの企画や運営については理解しているんですけど、参加者が実際に何もしらない状態で参加してどう思うかという部分考える、参加者側の視点に立つというのが難しかったですね。
──大会の企画、運営に関してはノウハウがたまってきたと思いますが、慣れてきた部分もありますか?
渡邊さん:全体的に慣れてきた部分は結構あります。予選はオンラインで実施してきたんですけど、マニュアルやフローは結構洗練されてきましたし、自分が教える側に回れたというのもあるんですけど、予選の運営に関してはノウハウができてきて、やりやすくなりましたね。
シャドウバースも大会運営用機材としても優秀なGALLERIA
──ちなみに今回も、運営にGALLERIAのパソコンを使用されていると思いますが、GALLERIAというゲーミングパソコンブランドの印象を教えてください。
渡邊さん:さまざまなeスポーツタイトルやチームにスポンサードされていて、eスポーツにすごく貢献されているなという印象ですね
──実際に使用されてみていかがですか?
真木さん:それぞれのメンバーに仕事を振っているんですけど、企画資料の作成や告知で使用する画像の作成など、ほとんどの業務を行なううえでパソコンが必須になっているので助かります。また、各シーズンファイナルの試合の撮影もGALLERIAのパソコンを使っています。さまざまな場所に機材を提供していただき、とても助かっています。
──シャドウバースもプレイされましたか?
真木さん:シャドウバースって動画による演出が結構あって、それがスマートフォンだと、パソコンほどヌルヌルは動かないので、がっつりシャドウバースを楽しむのであれば、ゲーミングパソコンでプレイしたほうが楽しめます。
実行委員会から、eスポーツ・ゲーム関連の会社に就職 未来に繋がる大学生リーグ
──ちなみに今後、卒業してもeスポーツにかかわりたいと思いますか?
渡邊さん:今4年生で就職の内定をもらっているのが、eスポーツに関係のある職場なんです。
──そうなんですか! おめでとうございます。
渡邊さん:ありがとうございます。
真木さん:自分も、卒業してもeスポーツやゲームの仕事に携わりたいなと考えています。やっぱり自分の好きな物に仕事でも関われるっていうのは、自分のモチベーションにもなると思います。
──来年もリーグは続いていくと思いますが、こうなってほしい、こうしたいなどはありますか?
渡邊さん:僕が卒業しちゃうというのもありますが、同級生でシャドウバースをプレイしている人が結構多くて、その層が卒業するなと思っていて、来年以降、大学生リーグを盛り上げるためには、下の世代の学生たちがより気軽に大学生リーグに参加できるようなルールだったり、仕組みがあるべきなんじゃないかなと、自分の中では考えています。
真木さん:自分はもっと実行委員ができる内容、仕事の種類を増やしたいなと思って、1つ考えているのは動画編集ができるようになりたいなと思っています。今はテキストを作って、画像を貼ってSNSに投稿するくらいはできているんですけど、動画になるとそうはいかないので。やっぱり大会のハイライトや見どころシーンを、SNSに公開できれば、より多くの人に周知できるんじゃないかなと考えています。そのため、ちょっとそういった専門的な分野に特化したひとが入ってくれるといいなと思っています。そのためにも、実行委員の人数を増やして、できることの幅は増やしていきたいです。
──最後に、お二人からシャドウバースの魅力を教えてください。
渡邊さん:シャドウバースにとって、オンラインでいろいろな人と戦えるというのは、メリットの1つだと思いますが、オフラインかつ有観客で開催すると、選手や観客同士でコミュニケーションが生まれたり、一体感が生まれたりするのも、シャドウバースの魅力だなと改めて感じました。
真木さん:カードゲームの性質上、同じデッキを用意することがあると思うんです。その土俵が同じ環境でも、デッキの使い方や戦い方によってしっかりと勝敗が付くという点が素晴らしいなと思います。土俵が一緒でも差がでるということでプロ選手がより際立つこともいいなと思っています。
──ありがとうございました。
正直うらやましい 大学生リーグを通じて成功も失敗も経験してほしい
続いて、サードウェーブ(GALLERIA)の森畑氏にもお話を伺った。
──では、森畑さんに伺いたいんですけど、GALLERIAは本大会に毎年スポンサードされていますが、スポンサードを続ける本大会に感じている魅力があれば教えてください。
森畑 崇氏(以下、森畑氏):販売拡大という目的はあるんですけど、やっぱりeスポーツを運営する学生さんを応援したいというのがメインです。学生さんの大会運営だったり、ゲームの競技シーンには、ゲーミングパソコンが必要ですよということも、伝わればいいなと思っています。そして、それを感じてもらった学生さんから発信してもらえたら、よりいなと。毎年こうやってご支援させてもらって、とくに今回はオフライン大会ということもあり、より機材が必要になってくる状況になってきましたので、改めて今年もご協力したいなと考えました。
──Shadowverse University Leagueに感じる魅力を教えてください。
森畑氏:GALLERIAというより、僕からの目線でいうとやっぱり楽しそうだなって(笑)。おじさん目線になっちゃいますけど、こういった取り組みが学生の間にあるって、羨ましいなと。やっぱりこういった取り組みを、我々がなるべく応援して、学生さんにeスポーツに触れる場を提供できたらいいなと思っています。
──確かに我々が学生のときは、eスポーツという言葉がなかったですからね。
森畑氏:そうですね。スポンサーもゲームメーカーのCygamesさんもほとんど口出しせずに、学生さん主体でやってもらって、成功も失敗も経験として得てもらえるのが一番ですね。そして、運営に携わった学生さん達が、こういう学生リーグをやっていたんですということを、自分自身の強みとして感じてもらいたいです。学業をこなしながら大会運営をやるというマルチタスクは、やっぱり大変なことですから。
──今後はどうなってほしいですか?
森畑氏:学生リーグの話題が広まって、究極ゲームをしらない人でも「これ手伝えるよ!」 といった感じで色々な才能が集まる運営になってくれればいいですよね。そうすればもっと楽しくなるんじゃないかなと思いますし、よりeスポーツが広まるなと思っています。
──先ほど話が挙がった動画編集ができる人とかもそうですよね。
森畑氏:確かに、動画編集ができる人が入って、動画で告知や周知ができるようになれば、よりすそ野は広がるかもしれませんね。GALLERIAのゲーミングパソコンは、ゲームだけでなく、動画編集にも使える性能なので、そういった用途にも使っていただいて、よさや信頼性をしっていただければ、すごくうれしいです。
──ありがとうございました。
シャドウバース大学生リーグ 22-23 GRAND FINALSを現地で見学させていただいたが、規模はそこまで大きくないものの、そこには完全に本格的なeスポーツ大会の姿があった。これが、学生を中心に企画・運営していると考えると、すごいの一言しか出ない。
大学生の方でシャドウバースが好きな人はもちろん、知らなくてもeスポーツに興味がある、学生の間に企画や運営をやってみたいという人は新規メンバー募集が出るタイミングがあるため、大学生リーグの公式サイトや、学生実行委員会のTwitterをチェックしてみよう
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