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現役高校生と保護者は、卒業アルバムに何を求めるのか?

ASCII.jp / 2023年2月24日 15時0分

現役高校生、卒アルに何を求める?

 間もなく卒業シーズン。卒業シーズンといえば、卒業アルバム。

 卒業アルバムメーカー国内大手のダイコロが、現役高校生男女 200 人、高校生の子どもを持つ保護者 世代の男女 200 人を対象に、卒業アルバムに関する調査を実施した。

 コロナ禍の生活が続き、卒業アルバムの写真が「マスクばかりになりそう」と不安を感じたり、「卒アル映え」を重視し、写真の加工をいとわない現役高校生の思いが明らかになるなど、興味深い調査結果となっている。以下より、調査結果を抜粋して紹介する。

マスクをした写真ばかりになりそう……生徒の心配

 まずは、「現役高校生が卒業アルバムで不安に感じること」というテーマ。

 複数回答可方式で「写真写り(46.5%)」や「購入しても見るのがおっくうになりそう(12.0%)」という回答が集まる中、不安に感じることの1位となったのは「マスクをした写真ばかりになりそう」の59.5%、次いで「コロナ禍の学生生活で写真が少なくなりそう」の50.0%だった。

 コロナ禍も3年を超え、マスクを着用する人の姿もすっかり日常の風景となったが、やはり思い出として度々見返したい卒業アルバムにおいては、マスクで顔がよくわからないのは寂しいもの。コロナ禍の事情をはっきりと反映した結果となった。

生徒は加工したいが、保護者は加工してほしくない

 続いては、「現役高校生の自分の卒業アルバムへの希望」というテーマ。

 こちらも複数回答可で、89.0%が「事故画(写りの悪い写真や目をつぶってしまった写真など)を避けたい」、65.0%が「卒業アルバムの“映え”を『意識したい』」と回答。そして、41.5%は「写真はアプリで加工したい」と回答している。

 SNSの加工機能や写真加工アプリは、若年層を中心に、いまや当たり前に受け入れられているカルチャーだが、その影響は卒業アルバムにも波及しているようだ。

 なんとも令和らしい結果だが、保護者がこれを是としているとは限らない。同調査では、保護者の78.5%が、子どもの写真を「加工してほしくない」と回答している。

 さらに詳細に調査結果を見ていくと、卒業アルバムの写真について、現役高校生の78.5%は「アプリで加工した写真のみが残るのは避けたい」と回答しており、57.5%は「アプリで加工する前後の写真を両方残しておきたい」と回答。“映え”を意識した加工写真も残したいが、リアルな姿も思い出としては貴重……複雑で絶妙な心情が浮かび上がってくる。

SNS活用率は79.0%

 「卒業アルバム以外で学生生活の思い出を残す方法」に関する設問では、63.5%が「スマホカメラ」、59.5%が「Instagram」、58.0%が「LINE」と回答。SNSの活用率は79.0%を超えており、スマートフォン、SNSが、学生時代の思い出を残すツールとして重要なものとなっていることがよくわかる。

 面白いのが、「自分の思い出を残す際に写真と動画のどちらを選びたいか」という設問。

 こちらの結果は、現役高校生の76.0%、保護者世代の80.0%が「写真で残したい」と回答しており、今回の調査の範囲では、動画よりも写真の方が、思い出を残す手段として好まれていることがわかる。

 その理由としては「写真という断片的な瞬間から、少しずつその時を思い出していく感じが好きだから(高校生)」といった回答が得られ、デジタルネイティブなZ世代においても、写真の持つ価値が深く理解されていると感じる。

卒業アルバム、必要?

 これだけスマートフォンのカメラの品質が上がり、写真も動画も、自由に残せるようになると、自ずと「卒業アルバムの必要性」に疑問を持つ人もいるのではないだろうか?

 だが、今回の調査では、現役高校生の94.5%、保護者の92.0%が「卒業アルバムは必要だ」と回答しており、その重要性を強く意識していることがわかる。どれだけスマートフォンのカメラが発達し、SNSで日常的に思い出を残せるのだとしても、卒業アルバムという形式で思い出を保管しておくことには、時代を超えた意味があるようだ。

卒アルプラットフォーム「卒アルモバイル」とは

 最後に紹介するのは、「卒業アルバムに関する不満/期待」というテーマ。保護者に不満内容を聞くと、50.0%が「写真選びに納得がいかなかった」、48.7%が「自分の写真が少なかった」と回答。一方の現役高校生は、81.5%が「写真選びにこだわりたい」、70.5%が「自分で写真や素材を選んでカスタマイズしたい」と回答している。

 学生時代を思い出してみると、確かに、写真を選ぶ機会は与えられず、教師によって勝手に選定されていたように思う。そんな中で、自分の気に入らない写真が載っていたり、そもそも自分の写真があまり載っていなかったりといったことが起こってしまうのは必然だが、とにかく、写真選びに関しては、世代を超えて不満、期待を持ち合わせていることが伺える。

 なお今回の調査を実施したダイコロでは、世界初をうたう卒業アルバムのプラットフォーム「卒アルモバイル」を2022年4月にローンチしている。卒アルモバイルは、「学校行事が中止や規模縮小になった」や「マスク姿の写真ばかり」といったコロナ禍ならではの卒業アルバム制作関する意見を反映する形で開発されたもの。

 スマートフォンやタブレット等のデバイスから視聴でき、紙のアルバムではできない動画や音による表現にも対応している。データはクラウド上に保管され、在学中や卒業後にも、写真や動画を自由に追加可能。さらに、生徒自身が撮影した写真を活用して、オリジナルアルバムに編集し直すこともできる。

 卒業アルバムの大切な要素を残しつつ、デジタルならではのリッチなコンテンツと、カスタマイズ性が楽しめる卒アルモバイル。従来の卒業アルバムだけでなく、このような形式による卒業アルバムの形も、受け入れられていくのかもしれない。

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