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【活用提案】iPadの「ブック」アプリは「Apple Books」も読めるし、PDFファイルの管理もバッチリ!

ASCII.jp / 2023年3月6日 14時0分

 電子書籍と言えば「Kindle」の存在が大きいが、iPadユーザーなら知っておきたいのが「Apple Books」だ。これは、2010年に開始されたアップルが提供する電子書籍サービスで、iPadやiPhone、Macなど、アップルのデバイスならどれでも利用できるものだ。

 電子書籍サービスという点で見ると、どうしてもKindleの陰に隠れがちになるが、アップルが提供するだけあってiPadとの親和性が高く、操作しやすいのがポイント。また、「Apple Books」で使う「ブック」アプリはPDF形式のファイルを取り扱うことも可能なので、仕事などで使うPDFファイルを一元管理するのにも非常に便利だ。

 今回は、「Apple Books」の概要や、「ブック」アプリでPDFファイルを扱う方法などについて紹介していこう。

本の購入も読書も「ブック」アプリだけで完結

 「Apple Books」では、iPadに最初からインストールされている「ブック」アプリを利用する。もし、アンインストールしてしまった場合は、「App Store」から再インストールが可能だ。

 使い方は簡単で、「Apple Books」内にある「ブックストア」または「マンガストア」から書籍を購入すると、アプリ内に書籍が並んで、読めるようになる。購入した書籍は、ほかのアップル端末と同期されるので、いつでもどこでも購入した書籍を読むことが可能だ。

書籍の購入はアプリ内のストアから行う。購入した書籍は、サイドバーの「今すぐ読む」や「すべて」から読める。「For You」には読書履歴からおすすめの書籍が表示される。

 Kindleをはじめとするほかの電子書籍アプリでは、アプリ内決済が認められていないため、本を買うときはブラウザーでその電子書籍サービスのストアにアクセスして購入することになる。しかし、「Apple Books」は「ブック」アプリだけで本の購入から読書までを完結できるので、手間がかからないのが大きなメリットだ。

「Apple Books」は「ブック」アプリ内で書籍の購入が可能。ほかの書籍リーダーにはないメリットだ。

 ただ、本の価格はやや高めで、Kindleなどに比べると割高感は否めない。だが、定期的にセールが行われており、Kindleなどよりも安くなるときがあるので、欲しい本は随時チェックするといいだろう。一部タイトルは無料で配布されているので、これらもチェックしておくと、お気に入りの一冊が見つけられるかもしれない。

ストアでは定期的にセールが開催されている。また、無料で配布している書籍も少なくないので、普段からチェックしておくのがおすすめ。

 注意したいのは、WindowsパソコンやAndroid端末では「ブック」アプリが提供されていないため、購入した書籍が読めないこと。つまり、「Apple Books」はアップル端末専用のサービスといえるので、アップル端末以外でも読書をする機会がある人は、別のサービスを利用したほうがいい。

iPadの取説が「Apple Books」で読める

 どんな製品でもそうだが、使っていてわからないことがあったり、トラブルが発生したりしたとき、まず頼りにするのが「取扱説明書(取説)」だ。しかし、iPadには取説が付属していない。iPadのような情報端末の場合、わからないことはネットで調べるという文化になっているのも、取説がない要因だろう。

 だが、デジタルに慣れている人ならそれでも問題ないが、やはり取説は欲しいという人もいるはずだ。実は、iPadの取説は「Apple Books」で無料ダウンロードできる。800ページ近くある、かなりしっかりとした取説なので、お守り代わりにダウンロードしておくのもおすすめだ。

 なお、古いバージョンの取説も配布されているので、ダウンロードする際は、最新バージョンであることを必ず確認しよう。

サイドバーの「検索」をタップし、検索ボックスに「iPadユーザガイド」と入力。検索結果の「iPadユーザガイド」をタップする。
iPadOSのバージョンを確認し、「入手」をタップする。画面の指示に従って認証を行う。
ダウンロードしたユーザガイドをタップすると、iPadの使い方が記載された取説を確認できる。

書籍を読みやすく設定する

 画面が大きいiPadでは、小説などの書籍の場合、相対的に文字が小さくなってしまい、読みにくく感じることがある。そのため、「ブック」アプリで本を快適に読むには、自分好みに設定しておくことが重要だ。設定を変更するには、本を開いてから設定画面を呼び出せばいい。

本を開いた状態で画面をタップ。右下に表示されたアイコン→「テーマおよび設定」をタップすると設定画面が開く。

●テーマを変更する

 「ブック」アプリでは、テーマが6つ用意されている。テーマを変更すると、背景色とフォントをまとめて変更できるので、いろいろと試してみて、読みやすいものを設定しておこう。

テーマは全部で6つ用意されている。タップするとすぐに反映されるので、最も読みやすいものを選択しよう。

●文字の大きさを調整する

 文字の大きさは、小さい「ぁ」、あるいは、大きい「あ」をタップして調整する。小さい「ぁ」をタップすると文字が小さくなり、大きい「あ」をタップすると文字が大きくなる。

小さい「ぁ」をタップすると文字が小さくなり、大きい「あ」をタップすると文字が大きくなる。下のドットで現在の大きさを確認できる。

●フォントや間隔を調整する

 「オプション」をタップすると、フォントや行間隔、文字間隔などの調整が可能だ。視認性が高まるように、好みのフォントに変更しておこう。また、必要に応じて行間隔や文字間隔を調整しておくと、さらに読みやすくなるだろう。

フォントを変更するには、「オプション」をタップ。「フォント」で使いたいフォントを選択する。「ボールドテキスト」をオンにすると、フォントを太字にできる。
「カスタマイズ」をオンにすると、行間隔、文字間隔、単語間隔を調整できる。

●本を縦スクロールで読む

 iPadは画面が大きいので、図解が多い書籍を読むのに最適だ。しかし、このようなタイプの書籍では、図解と解説がページをまたいでしまうことがあり、読みづらく感じてしまう。こんなときは、スクロールで読めるように設定するといいだろう。

 「ブック」アプリでは、縦方向に無段階・無限スクロールして読むことが可能なので、ウェブサイトを見るような感覚で読み進められる。また、図解と解説がページをまたいでいても、(レイアウトしだいだが)同じ画面内に表示させることが可能だ。

本をページめくりではなく、スクロールで操作するには、設定画面で縦スクロールアイコンをタップする。
スクロール表示に切り替わり、ページをまたいでいても表示範囲内なら同じ画面で表示される。この表示方法は、iPadを縦持ちにして使うのがおすすめだ。

●ライトモードやダークモードを切り替える

 ライトモードやダークモードも変更が可能だ。設定の選択肢の中にある「デバイスに合わせる」を選択すると、iPadのモードに合わせて自動的に変更される。「周囲に合わせる」を選択すると、その場の明るさに応じてライトモードとダークモードが自動的に切り替わる。

ディスプレーの明るさアイコンをタップすると、表示モードを選択できる。「デバイスに合わせる」は、iPadのモードに合わせて自動的に切り替わり、「周囲に合わせる」は、その場の明るさに応じて切り替わる。

「ブック」アプリを使ってPDFを管理する

 ここまで「Apple Books」の概要や基本的な設定などについて紹介してきた。しかし、普段はKindleで本を読んでいるから、「Apple Books」で本を買うことはない、という人もいるだろう。実は、そんな人でも「ブック」アプリを活用できるシーンがある。それがPDFの管理だ。

 最近は、書類をPDFで配布することが増えてきた。さまざまなPDFファイルをiPadで扱う場合、保存場所があちこちに分かれていると管理が非常にやりにくい。そんなときこそ、「ブック」アプリの登場だ。

 「ブック」アプリはEPUB形式(電子書籍のファイル形式)だけではなく、PDF形式にも対応しているので、PDFを一元管理するのにもってこい。また、非常に操作性がよく、Apple Pencilなどを使ったPDFファイルへの書き込みも非常に快適だ。

●「ブック」アプリにPDFファイルを追加する

 PDFファイルを「ブック」アプリに追加するには、「ファイル」アプリでそのPDFファイルを開いて、共有するだけなので、ほとんど手間はかからない。また、開いたウェブページを「ブック」アプリに共有すれば、そのページをPDFに変換して追加可能。つまり、気になったページをどんどんため込むスクラップブックのような使い方もできる。

「ファイル」アプリでPDFファイルを開く。内容が表示されるので、「ブックで開く」をタップ。これで「ブック」アプリに追加される。
ウェブページをPDFファイルとして「ブック」アプリに追加するには、共有アイコン→「その他」→「ブック」をタップする。

●スクショした画像からテキストを認識できるPDFとして読み込む

 前々回の記事(【活用提案】iPadでKindle本を読むときはこの技を使うべし! ちょっとの工夫で使い勝手がアップ!)で、スクショした画像を「ブック」アプリに読み込む方法を紹介したが、この方法では、すべてを画像としてPDF化しているため、テキスト部分を選択することが難しい。スクショした画像内にあるテキストも選択できるようにしたい場合は、スキャナーアプリを使ってOCR処理してから追加する必要がある。

 ここでは無料で利用できる「Adobe Scan」を使った方法を紹介しよう。このアプリはカメラを使ったスキャンだけではなく、読み込んだ画像をOCR処理してからPDFファイルに変換できる。なお、アプリの利用には無料で作れるAdobeアカウントが必要だ。

【Adobe Scan】 作者:Adobe Inc. 価格:無料(App内課金あり) https://apps.apple.com/jp/app/id1199564834

 画像をOCR処理してから「ブック」アプリへ追加するには、まず「写真」アプリでスクショを選択して、「Adobe Scan」アプリに共有。次に、「Adobe Scan」アプリでOCR処理をして、PDFファイルとして出力する。それを「ブック」アプリに共有するという流れだ。

「写真」アプリでスクショを開き、共有アイコン→「Adobe Scan」→「スキャンでレビュー」をタップする。
「Adobe Scan」アプリが起動し、プレビューが表示される。必要に応じて画面下部のツールを使って調整する。調整が終わったら、「PDFを保存」をタップする。
PDFファイルに変換され、OCR処理が施される。表示が「その他」に変わったら、「共有」→「コピーを共有」をタップする。
共有メニューが表示されるので、「その他」→「ブック」をタップする。これでOCR処理が施されたPDFファイルが「ブック」アプリに追加される。

●PDFファイルを快適に読む&使いこなす

 PDFファイルの場合、表示方法は書籍のように細かなカスタマイズができない。できることは、画面の明るさの調整と、縦スクロールのオン/オフだけとなる。縦に長いPDFファイルの場合は、縦スクロールをオンにしておくのを忘れないようにしよう。

「ブック」アプリでPDFファイルを開き、画面をタップ。上部のメニューで「ぁあ」をタップして、明るさは、スライドバーで調整できる。スクロール表示にする場合は「縦スクロール」をオンにする。

 手書きメモを使いたい場合は、ツールバーを表示してからApple Pencilなどで書き込めばいい。

上部のメニューでペンアイコンをタップすると、ペンツールが表示されて、手書きができるようになる。

 また、選択したテキスト範囲は、コピーしたり検索したりすることが可能。中でも便利なのが「翻訳」だ。前述の方法で洋書をスクショして「ブック」アプリに取り込めば、選択した範囲の翻訳が可能になる。面倒な翻訳もサクッとできるので、覚えておくといいだろう。

テキストを選択すると、操作メニューが表示される。単語の意味を調べたり、ウェブを検索したりすることが可能だ。
テキストを選択して「翻訳」をタップすると、選択部分を翻訳できる。これは、ほかの書籍リーダーにはない機能だ。

 「Apple Books」はiPadに最適化された電子書籍サービスなので、アップル端末だけを使っている人にはおすすめだ。また、「ブック」アプリはPDF管理に最適なアプリなので、「Apple Books」で読書をしない人でもぜひ使ってみてほしい。

 なお、”自炊”(スキャナーなどで自分でデジタル化)した紙の本を「ブック」アプリで管理するのも便利だ。いろいろとはかどると思うので、”自炊”をよくやるという人は活用してみてはいかがだろうか。

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