エリクソンとインテルがO-RAN Allianceの重要性を強調、6Gの可能性もデモ
ASCII.jp / 2023年3月1日 19時30分
通信機器大手のエリクソンは2月27日(現地時間)、MWC 2023の自社ブースより、オンラインで発表会を開催した。同社のCEO、Börje Ekholm氏がインテルのトップと対談して、O-RAN Allianceをはじめとしたエコシステムの重要性を強調した。
まだまだ普及期の5G 5Gの浸透と用途の多様化がキャリアの収益も改善させる
Ekholm氏はまず、モバイルの契約数が85億に達していることに触れ、「モバイルネットワークはすべてのものを接続してエンパワーする。これほど安価でコスト効率の良いテクノロジーはない」とし、これまで産業界が果たしてきたデジタル化が「5Gにより加速するだろう」と語った。
オペレーターを支援する技術として、エリクソンのCloudRANポートフォリオが柔軟性のある展開が可能になると話す。それだけでなく、業界全体が向かっているオープン化に向けてもCloudRANは重要になるという。「モバイル業界は重要な資産を持っている。今後、クラウドやAIなどを活用するために、ネットワークの標準化を進めていく。これにより、最高の性能が実現し、イノベーションを活性化し、グローバルにスケールができる」。
モバイルネットワークでは現在、O-RAN AllianceとしてRANのオープン化が進んでいる。エリクソンも同団体に参画しているが、この日はオープンなRANで協業しているというインテルCEO、Pat Gelsinger氏がゲストとして登場した。
Gelsinger氏は、「コネクティビティーを加速するためには、ネットワークを変えていく必要がある。クラウド化、ソフトウェア化が必要で、これによりスケールを提供できる」と述べ、発表したばかりの「vRANブースト対応第4世代Xeonスケーラブル・プロセッサー」を紹介した。
「主要な機能をアクセラレートすることで、ソフトウェアの高速化をサポートする。これがネットワークのパフォーマンス改善につながる」とGelsinger氏。性能、消費電力効率ともに倍レベルの改善が期待できるという。
5Gの商用ネットワークは現在、世界で235を数える。エリクソンによると、5Gが先行している上位の20市場では、5Gの浸透率と収益の相関関係が見られるという。
ユースケースとしては、固定ブロードバンドを補うFWA、コンシューマー側ではクラウドゲーミング、XRなどがみられるという。特にXRは「2030年までに最大10億台のデバイスがオンになると予想されている」と同社でUnifing Value Propositionマーケティングマネージャーを務めるKim Shieh氏。法人向けでもプライベート/ローカル5Gなどが進んでいるとした。その5Gの浸透率はまだ20%程度で、「まだまだ成長の余地がある」(Shieh氏)とする。
Ericssonブースでは、6Gの可能性を思わせるデモも見せているという。6Gの周波数帯と考えられているサブテラヘルツ帯を使ったパフォーマンスのデモとしては、実機を使って102Gpbsを超えるスループットを実現していた。
バーチャルイベントでは、Ericssonの本社をデジタルツインが移動するというデモを紹介した。6Gのベースバンドを経由しており、デジタルツインが動くのに合わせて性能や速度が変化するという。エリクソンのラボではこのようなデジタルツイン技術を使って新機能のテストをおこなっているだけでなく、AIモデルのトレーニングにも使っているそうだ。
デモエリアでは、マサチューセッツ工科大学(MIT)との提携により、MITが開発するセンサーファイバーを編み込んだセーターやベストも展示する。数千ものセンターが搭載されており、ヘルスケアなど様々なユースケースが考えられるという。
現時点では、ケーブルやバッテリーが必要だが、無線信号からエネルギーを供給する技術を開発しており、将来的にはバッテリーが不要になるという。「充電が不要になると、6Gの可能性が大きく広がる」とデモのスタッフは語った。
EricssonでCTOを務めるErik Ekudden氏は、「6Gは2030年頃では」と話し、まずは5G、5G Advancedと進めていき、リサーチをして、要件などを固めていくことになるとした。
この記事に関連するニュース
-
6G時代の最適な通信品質をめざし、デジタルツイン技術を活用してさまざまなシーンに応じた通信性能を可視化する実証実験に成功
PR TIMES / 2024年11月20日 17時45分
-
「AI-RAN」でソフトバンクのネットワークは何が変わる? ユーザーのメリットとビジネス上のインパクトを解説
ITmedia Mobile / 2024年11月16日 9時35分
-
ソフトバンクと富士通、AI-RANの実用化に向けてパートナーシップを強化
PR TIMES / 2024年11月13日 16時15分
-
ソフトバンクの5Gネットワークがさらに進化 AIと5Gを同一インフラで運用する「AITRAS(アイトラス)」発表
ITmedia Mobile / 2024年11月13日 12時37分
-
エリクソン、新しい5G Advancedソフトウェア七点を発表
PR TIMES / 2024年11月11日 14時45分
ランキング
-
1NHKのネット受信契約(案)が“ダークパターン”過ぎて見過ごせない件(前編) NHKの見解は?
ITmedia NEWS / 2024年11月28日 19時9分
-
2どうする? 大学生用パソコンの選び方 「4年通しよりも2年で買い替え」がオススメな理由
ITmedia NEWS / 2024年11月28日 13時26分
-
3「ミリ波対応スマホ」の値引き規制緩和で感じた疑問 スマホ購入の決め手にはならず?
ITmedia Mobile / 2024年11月28日 18時13分
-
4えっ、プレステ2のゲーム高すぎ!? ここにきて中古ソフトが高騰している納得のワケ
マグミクス / 2024年11月28日 21時45分
-
5松屋が“店内持ち込み”で公式見解→解釈めぐり賛否 「何と言うサービス精神」「バレなきゃいいのか……?」
ねとらぼ / 2024年11月28日 20時2分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください