Windows 11の3月アップデートでの新機能をプレビュー システムトレイが改良
ASCII.jp / 2023年3月5日 10時0分
今回は、Windows 11のインサイダープログラムの状態や、直近のプレビューから、Windows 11 Ver.22H2に近々搭載されそうな新機能を紹介する。
22H2のプレビューと23H2のプレビューでの ユーザーの振り分けを開始
まず、Windows 11のWindows Insider Programによるプレビューには、「Dev」「ベータ」「リリースプレビュー」の3つのチャンネルがある。現時点では、Devチャンネルは次のメジャーアップデート(今秋予定のWindows 11 Ver.23H2)に向けたプレビューが進められ、ベータチャンネルではVer.22H2のアップデートのプレビューとなっている。一方のリリースプレビューでは、毎月のBアップデート(米国時間の毎月第2火曜10時配信)で実施されるアップデートのプレビューという位置づけだ。
しかし、2月23日にベータチャンネルで配布中のBuild 22623.1325(KB5022914)に「Off-ramp」ウィンドウが設定された。
Off-rampとは、ベータチャンネルを抜け出し、通常リリースに戻ることを意味する。現在ベータチャンネルに登録していて、プレビュービルド22623.1325がインストールされている場合、Windows 11の「設定」→「Windows Update」→「Windows Insider Program」ミグ「プレビュービルドの受信を停止する」にあるトグルスイッチをオンにすると、3月のBアップデートから、通常版Windowsのアップデートを受信し、通常版に戻ることができるようになる。
これは、今秋のVer.23H2のプレビューに向けた準備だと考えられる。Windows 11のリリース版がVer.21H2だった昨年5月、Devチャンネルからベータチャンネルへの移行措置が実施され、ベータチャンネルでは、現在のWindows 11 22H2のベータ版のプレビューが始まった。
つまりは、ここで現行の22H2のプレビューを希望しているユーザーと23H2のプレビューを希望するユーザーを振り分けるのだと思われる。なお、このOff-rampが利用できるのは3月8日まで。ベータチャンネルからリリース版Windows 11に戻りたいユーザーは、早期に設定を変更する必要がある。
ただし、現在ベータチャンネルを選択している場合、もう1つの選択肢として、リリースプレビューチャンネルに切り替えるというものもある。
前述のとおりに、リリースプレビューチャンネルでは翌月のBアップデートのプレビューがなされており、リリースプレビュー版で搭載され機能の大半がWindows 11リリース版に反映されている。ちょっとだけ先行したプレビューでもいいというのであれば、リリースプレビューチャンネルに変更するのもありだろう。筆者の試したところでは、現時点では設定の変更のみで、ベータチャンネルとリリースプレビューチャンネルの行き来が可能なようだ。
3月のアップデートで想定される新機能
記事執筆時点で公開されているリリースプレビュー版ビルドWIP22621.1343(KB5022913)には、以下のような新機能がある。
・2-in-1マシン用の「タッチ最適化タスクバー」 ・タスクマネージャーの改良 ・通知領域のアイコンオーバーフローエリアとシステムトレイ設定の改良 ・その他
原稿執筆時点では、KB5022913は、2月21日に公開されたBuild 22621.1343でしたが、2月28日にBuild 22621.1344として再公開されました。Windows Insider ProgramのBlogはそままですが、Windows 11の公式リリースページでは、ビルド番号が更新されています。
●Releasing Windows 11 Build 22621.1343 to the Release Preview Channel https://blogs.windows.com/windows-insider/2023/02/21/releasing-windows-11-build-22621-1343-to-the-release-preview-channel/
●Windows 11 リリース情報 https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/release-health/windows11-release-information
「タッチ最適化タスクバー」は、Windows 10の頃から落ち着かなかった旧「タブレットモード」の改良である。タブレットモードは、ピュアタブレットを想定しての機能だったが、どうも2-in-1用にタッチ中心で使う場合の最適化に落ち着いたようだ。
具体的には、2-in-1 PCをタブレット状態にすると、タスクバーをタッチ用に拡大、あるいは省略表示する。
デスクトップにウィンドウがないとき、タスクバーはアイコン間隔を空けて表示される。ウィンドウが表示されると、タスクバーは、縮小状態となるが、画面下からのスワイプで元に戻る。また、再度画面下からスワイプするとスタートメニューを表示する。エクスプローラーは自動的にコンパクトビューが解除される。
従来のタブレットモードにあった、ウィンドウの全画面、分割表示は自動的にはされなくなった。これは、Windows 11のスナップレイアウトを使うことで、ユーザーがタッチ操作ですることが可能になったため、勝手にウィンドウを動かす必要がなくなったからだと思われる。スナップレイアウトに関しては、以下の記事を参照してほしい(「ウィンドウを配置するWindows 11の便利機能の「Windowsスナップ」と「FancyZones」」)。
ただし、この「タッチ最適化タスクバー」は、2-in-1のみで有効で、「設定」→「個人設定」→「タスクバー」→「タスクバーの動作」→「このデバイスをタブレットとして使用する場合にタスクバーをタッチ操作用に最適化する」でオン/オフが可能だ。
タスクマネージャーは、検索欄が追加され、名前でプロセスを絞り込めるようになった。いままでは、並べ替えて探すしかなかったが、これからは実行ファイル名やプロセスID、プログラムのベンダー名などで検索ができる。
タスクバーの通知領域(システムトレイ)も改良され、マウスカーソルをホバーさせると、ハイライトが角丸で表示されるようになった。
また、左端のオーバーフローエリアのアイコンもアニメーションするようになり、オーバーフローエリアは、「非表示のアイコンメニュー」("Show hidden icons" Flyout menu)という名称になった。このレイアウトアルゴリズムが変わり、横に最大5つ配置できるようになって高さ方向が圧縮された。設定からは「非表示のアイコンメニュー」自体をオンオフできるようになった。
そのほか、タスクバーの検索アイコンやボイス関連の変更などがある。Windows Insider Blogによれば、「Windows Studio Effects」が、タスクバーのクイック設定からアクセス可能になるとのことだったが、筆者の手元にあるSurfece Pro Xでは確認ができなかった。
このリリースプレビューが無事終了すると、まもなく予定されている3月7日のBアップデートでリリース版のアップデートとして配布される予定だ。これまでのところ、リリースプレビューチャンネルのプレビュー版に搭載されていた機能は、ほとんどリリース版に反映されているので、このまま新機能としてWindows 11 Ver.22H2の新機能として搭載される可能性は高いと思われる。
通知領域ではなく、システムトレイが正式名称に?
タスクバーの右端にある領域は、「通知領域」(Notification Area)が正式名称だった。しかし、Windows 95の頃から、ここはシステムトレイと呼ばれていたので、今でもそう呼んでいる人は多いだろう。
MicrosoftのRaymond Chenのブログ「The Old New Thing」によれば、Windows 95開発中の名称がプログラム名としてそのまま残ったことから誤解が生じ、その後、マイクロソフトのドキュメントでも間違ってシステムトレイという名称を使ったことから、誤解が定着したらしい。
●Why do some people call the taskbar the "tray"? - The Old New Thing(英語) https://devblogs.microsoft.com/oldnewthing/20030910-00/?p=42583
しかし、2023年2月21日のWindows Insider Program Blogの「Releasing Windows 11 Build 22621.1343 to the Release Preview Channel」では、
New! This update enhanced the system tray (formerly called the notification area). (日本語訳)この更新により、システム トレイ (以前は通知領域と呼ばれていました) が強化されました。
という記述がある。これ以前のWindows Insider Programブログでは「System Tray」と「Notification Area」が混在している。
Windows 11のVer.21H1では、「タスクバーコーナー」なる名称が使われたが、「通知領域」という表示も見られた。たとえば、以下のヘルプページでは「Taskbar Notification Area」となっている。
●Customize the taskbar notification area - Microsoft Support https://support.microsoft.com/en-us/windows/customize-the-taskbar-notification-area-e159e8d2-9ac5-b2bd-61c5-bb63c1d437c3
現在のWindows 11 ver.22H2の設定ページでは「システムトレイアイコン」(「個人設定」→「タスクバー」)になっている。誤用にまけて、結局はシステムトレイを正式名称にしたようである。筆者が探した範囲では、前記のWindows Insider Program Blogが「通知領域」を旧名称であるとして現在の名称が「システムトレイ」であるとしていた。もう何十年もWindowsを使わされてきているので、名称の変更はきちんとやってほしいところだ。
年1回のメジャーアップデートとなったWindows 11だが、Bアップデートでの機能追加は、昨年9月の22H2のリリース以後、2022年10月、11月、2023年1月と3回行なわれている。12月はなかったのは、米国のクリスマス休暇でマイクロソフトが長期間休むからである。さて、3月のBアップデートはどうなるのだろうか?
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