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ポモドーロタイマー機能に惹かれ第2世代「Ticktime Cube」を衝動買い

ASCII.jp / 2023年3月10日 12時0分

3年前の六角柱のTickTimeから、デザイン的に後退したかに見えるキューブデザインになった。しかし明らかに王道はキューブデザインだ

 生まれてこの世でタイマーというモノを知ってから、四捨五入するとすで1世紀ばかり夢中になっている。しかし、別にアカデミックにタイマーの歴史を語ろうとか、タイマーを機能的に分類して紀要や論文を書いてみたいというわけではない。

 タイマーというハードを製造提供しているメーカーは、昔は時計屋さんや文具屋さん、家電製品の会社などがほとんどだったはずだ。ところが世間一般に「ビジネスピープルの効率的働き方」や「個人の生産性向上」などが話題になり、ライフハック系が大好きなブロガーやメディアがこぞって取り上げだした。

タイマーは小さな市場だが、単なる計測だけではなく生産性向上を目標に、多くの企業が参戦する超おもしろいマーケットだ

 そんな環境になれば、マニアックな国内外のクラウドファンディング企業も、放っておくはずがない。あっという間に多くの新機能モデルや新しいデザインのタイマーが、現れだした。筆者が3年前にINDIEGOGOでバックしたTickTimeの最初の六角柱モデルなどは、その草分け的存在だった。

 最初のプロダクトが世に出て、ともすると機能競争一辺倒になってしまうのが電卓と同じこの業界の特徴だが、今回紹介する新しい「Ticktime Cube」は、機能性よりも分かりやすさや人間の本能が自然とやってしまう操作性に戻ろうとしているのをどこかに感じる、興味深い商品に仕上がっている。

ラーメンタイマーや目的特化で使うTIMECUBEは、この世界の王道商品だ。最近はそっくりさんデザインやカラーモデルも多く販売され、選択の幅も広がった

 これまで筆者が一番評価しているタイマーは、一時は1000円以下で売られていた「TIMECUBE」という名称のただの立方体のシンプルモデルだ。天面と底面以外の側面4面に1分、3分、5分、10分などと4つのタイマーがプリセット済みで、タイマーをスタートするにはその面を上に向けてただ置くだけという簡単さだ。

 残念ながらプリセットされたタイマーの中に自分の欲しい長さのモノが見つからなかった場合は、自分の望む時間が4個プリセットされたほかのモデルを探して購入する必要があった。筆者は、現在もオリジナルモデルと後発のモデルを合わせて数台持っているが、今もラーメンタイマーの世界では無敵の王道製品だ。

 Ticktime Cubeは、以前の六角柱モデルからタイマーの王道デザインである立方体デザインに改心復帰したので、ますます目を離せない。加えて外観カラーがピンク、ブルー、イエロー、ホワイト、ブラックなどカラフルなことも大きなアドバンテージだ。

 ところが今回は出荷直前になって「外観カラーがブラックだと出荷が早いよ」ってメールを主催者のINDIEGOGOから送られてきた。もちろん優柔不断な筆者は当初希望していたイエローからあっさりブラックに切り替え、今年の2月中旬に受け取った。

右が新登場の「Ticktime Cube」、左が3年前に登場した六角柱モデル。多機能性の追求か、デザインの独自性追求か、先行するTIMECUBEの真四角デザインが影響したのかもしれない

 筆者が購入した最初のTickTimeモデルは、シルバーカラーの六角柱デザイン。悪くはないが、やはり思い切りの良い今回のキューブモデルと比較すると、王道デザインからは大きく外れた感じを受ける。第2世代のTickTimeの企画者にも、その辺りに迷いがあったのか今回のモデルではキューブデザインに戻ったようだ。

同梱物はシンプルだ。なにより今回からUSB Type-Cの採用がうれしい

 パッケージは、前モデル同様ハードな紙製でちょっと高級感がある。本体以外の内容物は専用ポシェット、取説、USBケーブルなどだ。今回のモデルで、筆者が機能強化・シンプル化以外で何よりうれしかったのは、USB Type-Cケーブルとポートの採用だった。今時のガジェットでMicroUSBなど言語道断だ。

底面の操作パネル。電源オンオフ、音・バイブレーション、音量大小、自由な分秒のなどの設定が簡単にできる

 Ticktime Cubeはごく普通のUSB ACアダプタで、2〜3時間で満充電。取説によるとバッテリー容量は550mAhで、25時間ほど使えるようだ。底面のLEDパネルには電源オンオフボタン、音量調節ボタン(サイレントモード・振動モードの切り替え)そして天面にはカウント数字表示のLED、スピーカーが配置されている。

大きな文字で描かれた1分・3分・5分・10分の面を上に向けて置くだけでカウントダウンが始まるのは、オリジナルのTIMECUBEと同じだ

時間の延長が飛躍的に簡単になった!

 基本的な使い方は、ほぼTIMECUBEと同じで簡単だ。まず電源ボタンを押す。続いて設定したいタイマー時間を上に向けて置くだけだ。即、表記された数字(1分〜10分)からカウントダウンが始まる。Ticktime Cubeでは「クイックカウントダウン」と呼んでいる。

経過時間は丸いTickTimeロゴの液晶面を見るとわかる

 もちろん今回のTicktime Cubeも、任意の好きな時間のタイマーセットが可能だ。LEDパネルを見ながら「M+ボタン」と「S+ボタン」を押して分単位、秒単位のスタート設定ができる。そして今回、一番使い勝手をよくしているのは各面の数字の下にある、指紋アイコンのついたタッチ部分だ。そしてロゴのある丸い液晶画面を上向きに置くだけで、経過時間の測定もできる。

今回のモデルは、無理に六角柱にすることなく各タイマー数字の下にある指紋アイコンをタップする回数で、例えば5分、10分、15分、20分と増やせるデザインとなっている

 今回のモデルは任意のタイマー数字を上に向け置き、続けて指紋アイコン部分をタップすることで時間の延長ができることだ。例えば5分タイマーの面を上に向けた状態で、指紋アイコンを指先で1回タップすると10分、2回タップすると15分、3回タップすると20分のタイマーがセットできる。そして1.5秒の長押しで、25分間のタイマーとなる。

 この機能を上手く利用して今回のTicktime Cubeは有名な「ポモドーロ・テクニック」のカウントダウン設定をすることができる。ご存じのようにポモドーロとはイタリア語でトマトをさすが、今は起業家で作家でもあるフランチェスコ・シリロ氏が大学院生の頃に思いついた、有名な「時間管理術」だ。

 ポモドーロ・テクニックの詳細はその道のプロやChatGPTに任せるが、単純に言ってしまえば人間は考えることに集中する時間と休憩時間を繰り返すという最適値があれば、仕事のペースが安定し効率アップが図れるというモノだ。

5分のカウントダウンタイマーをスタートして指紋アイコンを長押しすることで、25分と5分を繰り返し、それをさらに4回繰り返すポモドーロタイマー設定が可能だ。画面の上にはポモドーロ(イタリア語で「トマト」)が表示される

 この集中する時間と休憩時間の組み合わせの最適値が、シリロ氏によると25分(集中)+5分(休憩)だそうだ。今回のTicktime Cubeは、このポモドーロ・テクニックも集中・休憩の組み合わせを5分のタイマー面を見ながら指紋アイコンを長押しすることで、自動的にスタートするように作られている。

ポモドーロタイマーモードの1回目で、残り時間24分28秒を示している。1〜4回の数字はUSB Type-Cポートのすぐ下、右に90度回転して数字が表示されている

 従来なら専用に作られたスマホアプリを使うとか、You Tubeの映像を使うなどを実験した人も多いと思うが、それがTicktime Cubeだけで実現する。25分のカウントダウンが終わるとバイブや音で知らせ、自動的に5分のカウントダウンに入る。このセットの組み合わせが4セット進行し、現在何セット目であるかもディスプレイ上に表示される。

今までポモドーロタイマーのために2個のタイマーを使ったり、アレクサの手を借りたり、アイリック・ロボットの助けをもらったが、今回からはTicktime Cubeでできる

 筆者は従来、各25分と5分にセットした2つのタイマーを並べて、スタートボタンをあっちこっち押して使ったり、先日衝動買いした卓上ロボットのアイリック上のポモドーロタイマーを使ったり。はたまた「アレクサ、25分経ったら教えて!」「アレクサ、5分経ったら教えて!」の繰り返しだったが、より便利なモバイルタイマーを手に入れた感じだ。

ファミレスなどで原稿書きの際にポモドーロタイマーを使う場合、周囲に聞こえないようにイヤフォンで25分や5分のスタートストップを聴けるガジェットが欲しくなってきた

 実は今、この原稿はTicktime Cubeとポメラを持って、近所のガストで朝の7時半からモーニングを食べながら書いている。もちろんTicktime Cubeは、消音モードや振動モードで使っている。5分の休憩の時はトイレやドリンクバーに行ってカフェオレのお替わりを取りに行くことで、腰を伸ばす運動を兼ねた原稿書きは絶好調。

 ファミレスや図書館など、周囲が静かな場所や自分だけがこの25分+5分の崇高な理論に浸って原稿書きや企画作業をしたいときは、イヤホンでお知らせがあればグッドかもとか考えてしまった。「大抵のモノは昔からある」は筆者の口癖なので、現代社会のどこかにはすでにあるのだろうが、いつ出会えるか楽しみだ。

 
T教授

今回の衝動買い

・アイテム:Pihen International Limited「Ticktime Cube」 ・購入:INDIEGOGO ・価格:252香港ドル(約4500円)

T教授

 日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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