カメラに不満を覚える週末芸能記者がカメラの祭典「CP+」で気になるアイテムを探してきた
ASCII.jp / 2023年3月12日 10時0分
日頃「ASCII.jp自動車部」の部員Kとしてカメラを使っている不肖は、自分が使っているカメラに関して、少し不満があったりします。そこで4年ぶりの開催となったカメラの見本市「CP+」(シーピープラス)にお邪魔し、極めて個人的に気になるカメラやアイテムをチェックしてきました。
クルマもグラビアも撮れるカメラが欲しい!
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こんな感じの写真を毎週末、ソフマップAKIBAマルチメディア館で撮っています……。ASCII.jp自動車部の部員Kとしての仕事のほか、実はASCII.jpと同じKADOKAWAグループの媒体「WEBザテレビジョン」の記者として、DVDや写真集、カレンダーの発売記念イベントの取材をしていたりしています。この仕事は、取材後急いで喫茶店に行き、1時間以内に原稿作成と写真のセレクト、さらに色補正やトリミングをして編集部へ入稿。また取材をして原稿作成などを繰り返します。こういうネット記事はスピードが勝負だったりします。
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ここで問題になるのが機材の重さ。一眼レフ(EOS R)に白い望遠レンズ1本。ストロボにノートPCと、あれやこれやと入れると、カメラバックは10kg超。これを担いで1日中歩いたり走ったりして仕事をすると、肩はバキバキ、腰はポキポキ。次第に集中力も落ちて誤字脱字のオンパレード。家に帰ったらバタンキューで本業の原稿が遅延すると良いことナシ。よって「機材を軽くしたい」というのは常日頃思っていたりしています。
なかにはコンパクトカメラで撮影されている方(主にスポーツ新聞社)もいらっしゃいます。ですが、ソコソコのクオリティーを求められている手前、そうはいかず。結局カメラに求める性能はというと、ざっくり言って「低照度下でノイズの少ないカメラで、35mm換算で200mmの望遠レンズとストロボを取り付けられることが条件」(一部会場では400mmのズームレンズが必要)というのが個人的所感。逆にいえば標準ズームは滅多に使いません。そんなカメラを探しつつ、ついでに、何か新しい撮影に便利な小物があるとイイナ、と思いながら会場へ向かいました。
4年ぶりのCP+はメーカーは変わらず カメラの主役がミラーレスへ
4年という月日は、カメラ業界の動向を変えるに十分な時間でした。キヤノンやニコン、ソニーなどのカメラメーカーと、タムロン、シグマといったレンズメーカーが大きなブースを構えるのは、4年前と同じ。ですが、展示内容はミラーレスがメイン。ケタタマシイ音を立てる一眼レフの姿は、そこにはありませんでした。電子シャッターにより秒間20コマとか当たり前になったのですが、一方で「撮った手応えがない」カメラが増えたようにも。
アクセサリー系は出展ブースの顔ぶれが大きく変わりました。4年前は三脚やライティングアクセサリーの大手であるマンフロット/ジッツオ、プロフォトといったブランドが大きなブースを構えていたのですが、会場に彼らの姿はなく、変わりに中国系企業のアクセサリーメーカーが軒を連ねていました。カメラ本体も大切ですが、ライティングも撮影には重要ですし、アクセサリーも同様です。店舗ではなかなか現物を見ることができないものですので、ライティングやアクセサリーの展示が多いとうれしいと思いました。
講演会も、以前は著名な写真家に交じってYouTuberの姿がみられるようになったのも印象に残りました。「動画で見たことがある人が、目の前で喋っている」という感覚で話に耳を傾けていました。
大本命のキヤノンブース
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ということで、まずは自分が使っているカメラメーカー、キヤノンにお邪魔。自転車競技「BMX」のハーフパイプコースがブース中央に組み立てられ、動体AFの良さをアピールしていました。ミラーレスのラインアップは拡充する一方、一眼レフ機の姿はなく。その中でイイナと思ったのは「EOS R8」。EOS RPの後継モデルで新エントリー機となります。「最近のEOS型番って、イマイチよくわからんのよね」と文句の一つを言いながら触ってみると、コンパクトで確かにイイ感じ。操作はEOS R6 MarkIIに近く、センサーサイズもEOS R6 MarkIIと同じ。ボディー内手ブレ補正がありませんが、芸能会見の場合、感度とシャッタースピードを上げればいいだけです。いきなり本命を見てしまったので、次のブースに移動しましょう。
人気レースクイーンで60分待ちの富士フイルム
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続いて富士フイルム。芸能会見ですと、大手新聞社はキヤノンとニコン、オフィシャルカメラマンの若手はソニーという傾向があるのですが、ネット媒体の記者の中には富士フイルムのカメラを使われる方を時折見かけます。その理由を尋ねると「JPEG撮って出しの色がイイ」のだとか。
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富士フイルムといえばフィルム時代の色を再現するというモードがあるのですが、撮って出しで入稿できるのなら、時間短縮につながりますので試してみたいところ。というわけでブースに訪れたら60分待ち!
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その理由はモデルさんと個撮っぽいことができるからのよう。いいなぁと思いながら、記事用として腕を伸ばしてカメラを向けていたら……。
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なんと、人気レースクイーンの沙倉しずかさんが、不肖に気づいたらしく目線を送っていたではありませんか! さすがアメージングビーナスです。アメージングビーナスについてはGoogleで検索していただければと思います。というわけで、富士フイルムのカメラは、何かの機会で触れてみたいなと思いながら次のブースへ。
動画性能もアピールしていたニコンブース
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ニコンはZシリーズで攻勢をかけます。とはいえ、大きなカメラには見向きもせず、Zfcというコンパクトに注目しました。
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往年のFM2を彷彿させる、どこかレトロなデザインは見ていてホッとします。小さくてイイナと思っていたら、ブラックモデルが新商品。残念ながらそちらはほかの人が触りまくっていたので、写真を撮ることはかないませんでした。
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これにパンケーキレンズを組み合わせたらご飯3杯イケル! と思っていたら、26mmF2.8というレンズも出すのだとか。さすがニコン、わかっていますね。ですが「ニコンを買ったら、結局デカい望遠ズームレンズを買うことになる」というわけで、次のブースへ。
αシリーズが大人気のソニーブース
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若手カメラマンに人気のソニー。何となく来場者も若い人が多いように思えます。昔は「ソニーが一眼カメラを出すの?」と眉をしかめたのも今は昔。レンズラインアップは圧倒的ですし、何よりミラーレスに関しては一日の長があります。
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個人的に気になったのは、以前から発売されている世界最小・最軽量をうたったフルサイズミラーレスのα7C。初めて触ってみると「確かに小さいな」と感動しきりです。ですが、小さすぎると、大きなレンズを取り付けた時にホールドしにくい、という事にも気づいてしまったり。でも大きなレンズなんてイラナイかなと思えば……。ここら辺はレンズとボディーのバランスというのが重要になります。でも何となくレンジファインダー機みたいな外観にはそそられます。
軽量コンパクトカメラのオリンパス
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同じく小さいといったらオリンパス。正しくはOMデジタルソリューションズで、2020年にオリンパスから映像事業を継承する新会社として独立した後、国内投資ファンドに譲渡されました。女性記者のカメラを見ると、OMデジタルソリューションズのPENシリーズを使われる方を多く見かけます。その理由はおそらく小さくて軽いからでしょう。
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昨年11月に発売開始したOM-5を訴求されていたので、触ってみました。これが驚きの小ささ! ですが、レンズが小さいということもあって使いづらさは、それほどでもなく。これは取材用にいいかもと思った次第です。お値段も実売14万円で本体が手に入るので、なかなか現実的でいいかも。
動画も得意なLUMIXブース
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動画に強いと評判のLUMIX(パナソニック)。ブースでは最新モデルS5IIを訴求されていました。が、主に動画性能(AFの良さ)を訴求していた印象で、動画系の人たちの注目を集めていました。ちなみにASCII.jpのグラビア記事の写真は、ライターさんがLUMIXで撮影されていらっしゃいます。
何のレンズを付けるのかが重要 タムロン&シグマブース
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続いてレンズメーカーブースへ。タムロンのブースに50-400mm F4.5-6.3という、とんでもない望遠レンズがありました。芸能会見の時、300mmがあればなぁということが多いので、コレはいいかも! F値が暗いですが、F8まで絞ってしまえば問題ナシな気がしました。
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50mmF1.4 ARTの後継といえるミラーレス版の新型レンズとLマウントを訴求していたシグマ。50mmF1.4 ART愛好者としてはキヤノンのRFマウント版が出るのか気になるところですが、現状予定なしのとのことで、一安心していいのか残念なのか難しいところ。
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見つけたのは富士フイルムのカメラについた18-50mmの通しF2.8ズーム。フルサイズでいうところの、大口径標準ズームです。にしても小さくてイイナ、AFスピードも速くてイイナ、と感心しきりでした。
カメラのアクセサリーも撮影には重要
カメラ本体は「OM-5か、EOS R8かな」などと思いながらアクセサリー関係へ。
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まずはSUNEAST(旭東工エレクトロニクス)へ。最近秋葉原で2TBのSSDが1万円弱、4TBも2万円ちょっとで販売する価格破壊のPC用メモリやストレージを販売する会社です。会場ではSSDの姿はなく、代わりにSDカードなどのメモリーカードを訴求していました。SSDのことについてお話を聞きたかったのですが、係員をキャッチすることができず。
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撮影したデータをどこに保管するのかが毎回の悩み。筆者はQNAP社のNASを使っています。ですが最近は「同じNASメーカーを使い続けるのは、管理はラクだけれど、万が一の時のリスク分散を考えると別メーカーも買った方がいいのかな」とも。そこで登場するのがSynologyです。
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色々なモデルがあるなぁと思っていたら、ブースの近くにレンズの砲列が。何かと思ったら人気レースクイーンの霧島聖子さん。そういえば4年前もSynologyブースでNASを抱えていらっしゃいました。
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撮影中、カメラのストラップが邪魔になることはありませんか? ということで筆者は着脱できるピークデザインのストラップを使っています。会場にはピークデザインのフルラインアップが展示されていて、コレいいな、アレいいなと試していました。また三脚なども展示。見た目はとてもよく軽くてヨサゲなのですが、お値段が高いのであきらめることにします。
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筆者も使っている中国の撮影機材メーカー、Leofotoブースにお邪魔。2014年に創業し、日本に入ってきたのは2018年頃。最初は低価格なカーボン三脚だなぁと思い、筆者も買ってみたらコレが実にイイ! あっという間に市場を席捲し、お値段もイイ感じの高級ブランド化してきたように感じます。三脚パイプの作りもイイのですが、自由雲台がとても使いやすくてオススメです。クイックシューの豊富さにも驚かされました。
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SIRUIも同じく中国の撮影機材メーカー。こちらでも三脚などを展示されていました。注目したのは一脚用の雲台。こちらモータースポーツ系のプロカメラマンが使われていることが多くて、気になっていました。ノブとかが大きくて使いやすそうです。お値段は1万5000円(税別)なので、ちょっと試していようかなと思えるプライスなのもうれしいですね。
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さて、実は探していたモノの1つが「カメラバッグ」。不肖はthinkTANK Photoというブランドのバッグを愛用しています。このブランドは最近、多くのカメラマンが使っている、いわばデファクトスタンダードみたいなもの。使いやすいのですが、「いかにもカメラバッグ」という外観で、これを持って歩いていると街で浮いているような気もします。
ここはオシャンにしたいというわけで、同じthinkTANK Photoの「Retrospective EDC Backpack」に注目。使い勝手はそのままに、オシャレ素材っぽい感じです。ちなみにお値段2万9700円でした。これにOM-5とレンズ1本、ストロボ、13インチのノートを入れれば、デキる芸能記者って感じ!
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最後に「コレはイイ!」というアイテムをご紹介しましょう。韓国プロナインのチャージャーです。対応するアダプターを用意すれば、メーカーや形状を問わずカメラのバッテリーが充電が複数できるというのは目からウロコです。しかも、USB Type-Cで充電できるのも◎。
というのも、最近のクルマはUSB Type-Cが標準でついてきますし、なくても12Vのアクセサリーソケットに変換アダプターを取り付けて使えばいいのですから。個人的にバッテリー式ストロボ用のアダプターを出してほしいとお願いしてきました。
EOS R8かOM-5が欲しいけれど、その前に富士フイルムを試さないと、いやその前にお金を貯めないと……。などと思いながら、仕事で使えそうな新しいカメラ機材を見てきた次第です。新しいカメラに心躍らされましたが、「もっとアクセサリー系の出展が多いとうれしい」との感想も抱きました。
ともあれ、4年ぶりの展示会。メーカーの方から色々なお話を聞ける数少ない機会ですので、来年もお邪魔したいと思います。
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