地球にやさしいスマホ「arrows N F-51C」は、使う人にもやさしかった
ASCII.jp / 2023年3月27日 11時0分
ドコモが2月10日に発売したFCNT製のスマホ「arrows N F-51C」を使ってみました。再生可能エネルギーを使用する国内の工場で、再生プラスチックなどのリサイクル素材を一部用いて製造された、サステナブルなスマホ。ドコモオンラインショップでの価格は9万8780円(「いつでもカエドキプログラム」適用時の実質負担額は4万9940円)となっています。
再生材を使っているとは思えないリッチな質感
筆者は、「arrows N」にリサイクル素材が使われていることは事前に聞いていましたが、初めて手にした際は、どこに使われているかはわかりませんでした。背面パネルは磨りガラスのようなサラサラとした手触りで、サイドフレームは一般的なアルミの印象。しかし、実際にはどちらも再生材で、全体の約67%が再生材(バッテリーやディスプレイなどの電気電子部品を除く)で作られているのです。背面パネルには再生プラスチック、フレームには再生アルミニウムが用いられているとのこと。再生材と聞くと、くすんだ色味やザラザラとした粗い質感をイメージしがちですが、「arrows N」はパッと見も、じっくり触っても“フツーのスマホ”という印象です。
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右側面には音量ボタンと電源ボタンを配置。電源ボタンは指紋センサーを兼ねています。「arrows NX9」や「arrows We」など、従来のarrowsでは電源ボタンが上にありましたが、「arrows N」では電源ボタンの上に音量ボタンを配置する、一般的なレイアウトに変更されています。ほかのメーカーのスマホから乗り換えた人も、すんなり操作できるでしょう。
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上部にはnanoSIMとmicroSDを挿せるスロットとマイク、下部にはUSB Type-Cポートとマイク、スピーカーを搭載。nanoSIMは1枚しか挿せませんが、eSIMを追加することができます。内蔵スピーカーはモノラルで、音質はそれなり。ステレオ音声を聴くにはイヤホン(別売)が必要です。イヤホンジャックはないので、有線のイヤホンを使う場合は、USB Type-C端子との変換アダプターが必要になります。
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ディスプレーは約6.24型の有機EL。ボディー幅は約72mmに抑えられていて、大きすぎず、小さすぎずといったサイズ感。重さは約171gなので、最近のスマホとしては軽い部類に入ります。カバンを手にしたままで電話に応答したり、メールをチェックしたり、片手で操作することが多い人に適している印象です。
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プライバシーモードなど、便利な独自機能が充実
「arrows N」はarrowsブランドのリニューアル第1弾。背面には新しいロゴが記され、ホーム画面や専用アプリなどのデザインも一新されています。従来よりも洗練されて、よりユーザーフレンドリーな印象が強くなっています。
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デザインがガラリと変わったのが「arrowsオススメ機能」。arrowsには多くのオリジナル機能が搭載されていますが、それらがどんな機能かがわかり、使いたい機能を設定できるアプリがホーム画面にプリセットされています。「arrows N」でこのアプリを開くと、目的から機能を選ぶことができ、使ってみたい機能をスムーズに有効化できるようになっていました。初めてarrowsを使う人でも、便利な機能の存在に気づける仕掛けになっているわけです。
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筆者が実際に試して、便利だと感じたオリジナル機能をいくつか紹介しましょう。まずは「アプリピン止め」。人に見せたい画面がある場合などに、その画面を固定する機能です。シンプルな機能ですが、スマホを手渡した場合に、画面に指が触れて切り替わってしまったり、うっかりプライベートな情報を見られたりするのを防げる機能です。
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かつてF(富士通)のケータイで人気を博し、「arrows We」で復活した「プライバシーモード」も引き続き搭載されています。指定したアプリやその通知、指定した電話番号からの着信などを隠せる機能で、家族に知られたくないアプリを使っている人には役立つこと請け合い。そこまでの秘密を持っていなくても、ビジネスの場で、ゲームやエンタメのアプリを隠すといった使い方もできます。
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なお、「アプリピン止め」や「プライバシーモード」の解除には、指紋認証が使えます。「arrows N」は指紋認証に加えて、フロントカメラによる顔認証にも対応していますが、指紋と顔のダブル認証も可能。より強固にプライバシーを守れることも利点です。
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ほかに、かなり前から搭載されている機能ですが、素早くメモを起動できる「FASTメモ」、よく使うアプリを素早く起動できる「スライドイン機能」も簡単に使いこなせるので、初めてarrowsを使う人にもオススメです。
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明るくナチュラルな色で撮れるカメラも魅力
リアカメラは2眼で、メイン(約5030万画素/F値1.88)+超広角(約810万画素/F値2.2)という構成。メインカメラには大型(1/1.5インチ)のイメージセンサーを採用し、従来よりもAFが速く、明るく撮れるようになったことも特徴のひとつです。
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実際にいろいろな被写体を撮ってみましたが、屋外・屋内を問わず、明るくナチュラルな色調で写りました。AIによる被写体・シーン認識に対応していますが、それによって色が濃くなり過ぎたりすることもないので、初期設定のままで撮影して良さそうです。
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暗い場所で撮影すると、AIが認識して「夜景」モードに導かれます。それでもキレイな夜景が撮れますが、「Super Night Shot」に設定することで、さらに明るく撮ることが可能。リアルな夜景というよりも、“暗くてはっきり見えない部分も明るく写したい”といった状況で役立つはずです。
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arrowsにはアドビの画像編集アプリ「Photoshop Express」がプリインストールされていて、撮影した画像をすぐに補正する「Photoshop Express モード」で撮影することもできます。しかし、通常のモードでもキレイに撮れるので、より映える画像にしたいときだけ「Photoshop Express」アプリで編集するのがよいように思いました。
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フロントカメラは約1240万画素/F値2.24で、セルフィーやビデオ通話も高画質で楽しめます。ビデオは、リア・フロントどちらも最大フルHD(1920×1080ドット)で撮影できます。手ブレ補正には対応していますが、ビデオ撮影で設定できる機能は写真ほど多くありません。
パフォーマンスと電池持ちも満足必至
CPUはクアルコムのSnapdragon 695 5G(最大2.2GHz/オクタコア)、メモリーが8GB、ストレージが128GBという構成。Snapdragon 695はミッドレンジ向けなので、“ヘビーな使い方には向かない”という印象を持つ人もいるでしょうが、実際、ほとんどのアプリはスムーズに使えました。基本アプリはキビキビと動き、マルチタスク操作も問題なし。カメラの撮影モードの切り替えや連続撮影もスピーディーにできて、「ポケモンGO」「ツムツム」のような定番ゲームもサクサクとプレイできました。グラフィックに凝ったゲームは厳しいですが、誰でも満足できるはずです。
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バッテリー容量は4600mAhで、電池持ちも問題なし。筆者がややヘビーに使った日でも、電池は40%くらい残ったので、標準的な使い方であれば2~3日は持つと考えてよさそう。また、Qnovo社と共同開発した充電技術を搭載し、電池寿命を長くできることも特徴です。
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初期搭載OSはAndroid 12。最大3回のOSアップデートと、最長4年のセキュリティアップデートが保証されているので、少なくとも4年間は、最新モデルと同等の機能・サービスが利用できると考えていいでしょう。
【まとめ】エシカルな暮らしを意識できることが 大きな付加価値かも
「arrows N」は、環境に配慮されて開発された端末ですが、それを意識せずとも誰でも使いやすく、機能面でも満足できそうです。筆者がFCNTに取材して聞いた話では、現時点では、従来のバージン材よりもリサイクル材のほうが高く、リサイクル材を使いつつ、従来モデルと同様の堅牢性を実現させることにもコストがかかったとのこと。個装箱にも適正に管理された森林から作られたFSC認証紙を使い、植物由来のバイオマスインキを使うといった徹底ぶりなので、従来モデルよりも価格が高くなってしまうのは必然でしょう。
「arrows N」には、エシカルな暮らしを意識させるアプリもプリインストールされていて、使うことによって日常生活に変化をもたらすことも期待できそうです。それを付加価値と捉えて、4年間快適に使い続けられることを考慮に入れると、決して高い買い物ではないかもしれません。
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