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キヤノン「EOS R8」実機レビュー = 超小型軽量のフルサイズカメラの実力チェック

ASCII.jp / 2023年3月21日 13時0分

 撮像素子の画素数は「RP」の2620万画素から「R6 MarkⅡ」と同じ2420万画素に変更。撮影した写真をみても、細部の解像感豊かな階調再現、自然な発色など、画質は「R6 MarkⅡ」と同等とだ。

シャープ感は控えめだが、拡大すると石の質感がしっかり解像されている。使用レンズ「RF24-50mm F4.5-6.3」・絞り6.3 ・シャッタースピード1/320 秒・ISO100。
発色は派手過ぎない自然な色合いで、階調の再現も幅広い。使用レンズ「RF24-50mm F4.5-6.3」・絞りF8・シャッタースピード1/125秒・ISO100。
コントラストの強いシーンだが、明暗部ともに階調が残っている。使用レンズ「RF24-50mm F4.5-6.3」・絞りF6.3・シャッタースピード1/200秒・ISO100。
花びらが暗くならないよう少し露出オーバー気味に撮影。花の明るさと淡い背景の青空のいい感じ。使用レンズ「RF24-50mm F4.5-6.3」・絞りF8・シャッタースピード1/125秒・ISO100。
木漏れ日に照らされた石を印象的に見せるため露出アンダー気味に撮影。階調の広さと解像感が伝わる写真になった。使用レンズ「RF24-50mm F4.5-6.3」・絞りF6.3・シャッタースピード1/60秒・ISO100。

 高感度はISO6400まではノイズや解像感低下は感じられず、ISO12800でもまだ常用できる範囲。ISO25600あたりまでは画質劣化は緩やかだが、ISO51200を超えるとノイズ処理の影響が気になり始める。とはいえ拡大して見ないのであれば常用最高のISO102400も実用範囲だ。

感度別に撮影した写真の一部を拡大して比較。左上からISO1600・ISO3200・ISO6400・ISO12800・ISO25600・ISO51200・ISO102400・ISO204800(拡張感度)。使用レンズ「RF24-50mm F4.5-6.3」・絞りF5.6・ノイズ処理標準。
ISO6400で撮影。高感度であることを、ほとんど感じさせない。使用レンズ「RF24-50mm F4.5-6.3」・絞りF9・シャッタースピード1/8秒・ノイズ処理標準。
ISO12800で撮影。開放F値の暗いレンズでも、夜の繁華街ならシャッタースピード1/160秒で撮れた。使用レンズ「RF24-50mm F4.5-6.3」・絞りF6.3・シャッタースピード1/160秒・ノイズ処理標準。
ISO25600で撮影。少し解像感低下はあるが、鉄の硬質な質感はまだ再現されている。使用レンズ「RF24-50mm F4.5-6.3」・絞りF6.3・シャッタースピード1/13秒・ノイズ処理標準。
ISO51200で撮影。ある程度光量のあるシーンなら、画質劣化もそれほど気にならない。使用レンズ「RF24-50mm F4.5-6.3」・絞りF6.3・シャッタースピード1/125秒・ノイズ処理標準。
常用感度最高のISO102400で撮影。さすがに画質は粗いが、予想以上に細部の解像感は保持されている。使用レンズ「RF24-50mm F4.5-6.3」・絞りF6.3・シャッタースピード1/200秒・ノイズ処理標準。

 ただボディー内手ブレ補正は非搭載なので、レンズの手ブレ補正に頼ることになる。「RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM」の補正効果は4.5段だが、実際に撮影して試してみると広角側遠景では1/4秒、望遠側近景では1/8秒より速いシャッタースピードが望ましい。ブレ防止を重視するなら適度に感度をあげ、撮影時はしっかり構えることを心掛けるようにしよう。

「RF24-50mm F4.5-6.3」の広角側、シャッタースピード1/2秒で撮影した遠景。少しブレているが、拡大しなければセーフ。
「RF24-50mm F4.5-6.3」の望遠側で近景を撮影。やはり1/8秒程度のシャッタースピードが欲しいところ。

 撮っていて気になったのがバッテリーの撮影可能枚数だ。ファインダーの省電力優先設定での公称は約220枚。実際に撮影してみてもRAW+JPEGで151カット302枚を撮影した時点で完全に電池切れ。最近の機種のなかでも断トツにスタミナ不足で予備のバッテリーは必須だ。

バッテリーは「RP」と同じ「LP-E17」だが、画像処理エンジンがパワーアップしたせいか撮影可能枚数は減少……なおメディアスロットはバッテリーと同室に。

 またUSB端子での電源供給も、所有している汎用品の充電器やモバイルバッテリーではUSB-C出力でないと充電ができなかった。おそらくPD対応なら大丈夫だと思うが、心配なら純正品や推奨されて製品を選ぼう。

 手ブレ補正やバッテリーなど気になる点はあるが、それらは工夫次第で十分カバーできること。それよりも軽快に撮り歩ける小型軽量ボディーに、満足できる優れた画質。さらにワンランク上のAFや連写性能が楽しめるのは魅力的。少々お高めの価格にも納得だ。

 

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