MSI 初の1kg切りでバッテリー長持ちの理想形ビジネスモバイルPCが登場「Prestige 13 Evo A12M」シリーズ
ASCII.jp / 2023年3月27日 11時30分
エムエスアイコンピュータージャパン(MSI)から、ビジネス向けモデルとして「Prestige 13 Evo A12M」が登場した。13.3インチのディスプレーを搭載し、MSI史上初の1kgを切る990gの重量、そしてバッテリー駆動時間が21時間以上をうたう、ビジネスモバイルノートPCとしては理想的なモデルだ。そんな本製品をさっそくレビューする。
マグネシウム合金を用いたMSIの本気
MSIはこれまでも、ゲーミングノートPCだけでなくビジネス向けモデルも数多く展開してきた。だが、海外と日本とではビジネス向けモデルに要求される仕様に違いもあり、なかなか日本向け仕様が採用されることは難しい。そうしたなか、MSIも本気を出して軽量化に取り組んだのが、今回の「Prestige 13 Evo A12M」だ。
先述の通り、13.3インチのディスプレー(WUXGA:1920×1200ドット)を搭載し、299(W)×210(D)×16.9(H)mmとほぼA4サイズの薄型ボディ。本体にマグネシウム合金を採用したことで、重量は990gと1kg切りに成功している。もちろんアメリカのMIL規格「MIL-STD-810G」に準拠しており、高い耐久性を備えつつ、バッテリー駆動時間は公称最大21時間(Core i7モデルの場合。Core i5モデルは最大23時間15分。測定法はJEITA 2.0準拠)と、軽くて長時間駆動というモバイルノートPCの理想形を実現している。
CPUは、今回お借りした「Prestige-13Evo-A12M-079JP」だとインテル第12世代Core i7-1280Pプロセッサー(最大4.8GHz)を搭載し、コア数は14(Pコア6+Eコア8)の20スレッド。ほかにもCore i5-1240Pプロセッサー(最大4.4GHz、Pコア4+Eコア8の16スレッド)も用意されている。グラフィックスは、いずれもCPU内蔵のインテル Iris Xe グラフィックスを使用する。
メモリーは16GB LPDDR5で、32GBも選択可能。ストレージはM.2接続のNVMe SSD 512GBで、1TBと2TBも用意されている。無線LANは6GHz帯に対応したWi-Fi 6Eで、Webカメラは207万画素の顔認証に対応し、指紋認証も備える。
キーボードは、バックライト付きでキーピッチは実測で18.8mm、ストロークは1.1mm。一部詰まっているところはあるが、ローマ字入力であれば違和感なくタイピングできるだろう。タッチパッドは大型なため、微妙な移動もやりやすい。
ディスプレーは180度に開き、画面を反転させることが可能。相手に画面を見せながらプレゼンをするということがたやすい。
インターフェースは、Thunderbolt 4 Type-C(USB PD対応)×2、USB3.2 Gen2 Type-A×1、HDMI×1、オーディオコンボジャック×1、microSDカードリーダーを備えており、ビジネスで利用するのに必要十分な仕様だ。
バッテリーは75Wh(4セル)搭載しており、先述の通り最大21時間も駆動可能なので、まる1日持ち運んで作業するという際も、ACアダプター不要で過ごせそうだ。ACアダプターは電源プラグタイプとUSB Type-Cコネクタータイプの2種類同梱されており、好きな方を利用できるようになっている。
付属のアプリでは、各種設定が行なえる「MSI Center Pro」により、最適なパフォーマンスでアプリを実行できるほか、Web会議で重要なマイクとスピーカーのノイズキャンセリング機能設定なども可能。また、背後からの覗き見を防止する「Tobii Aware」アプリも付属。外出先で利用する際は、起動して利用したい。
20スレッドの威力は絶大で余裕のパフォーマンス
続いて、各種ベンチマークテストを行なった。テストにあたっては、「MSI Center Pro」で「スマートオートモード」と「ハイパフォーマンスモード(クーラーブースト)」の2種で計測している。
まずは、定番のCPU性能を測る「CINEBENCH R23」から。計測は、デフォルトの10分回したときの値とした。
結果は、マルチコアがスマートオートモードで9954pts、ハイパフォーマンスモードで11208ptsを記録。さすがに20スレッドの威力を存分に発揮している。シングルコアもそれぞれ1669pts、1789ptsなので、ハイパフォーマンスモードにするとしっかり性能アップしていることがわかる。ただ、その分ファンが全開となり、騒音計で30cm程度離れた正面で計測すると56.1dBAとかなり大きい。そのため、パフォーマンスを求める動画のエンコーディング時などで活用したい。
次に、アプリ動作の性能を測る「PCMark 10」を実行した。結果は、スマートオートモードで5589、ハイパフォーマンスモードで5964となった。外部GPUを搭載しないビジネスモバイルとしては、十分すぎるほど性能が高くビジネス系アプリはもちろん、簡単な写真や動画の編集も十分こなせるレベルだ。
CPU内蔵GPUだが、3DCG性能を計測する「3DMark」も実行してみた。結果は、DirectX 12対応の軽量系テスト「Night Raid」で16000を超えた。インテル Iris Xe グラフィックスが第12世代でかなり進化したため、軽い3DCGゲームなら十分楽しめるレベルになっている。DirectX 11のテスト「Fire Strike」では5300超えを記録。重めのDirectX 12テスト「Time Spy」になると、2000前後とさすがに厳しいが、昔なら1000を超えることはなかっただけに、かなり頑張っているといえる。
3DCGゲームのベンチマークテストも行なった。まずは、軽い系の「ドラゴンクエストX ベンチマークテスト」から。フルHDのフルスクリーン表示で、グラフィック設定は最高品質と標準品質で計測している。
結果は、スマートオートモードでも最高品質が8423と「とても快適」評価。ハイパフォーマンスモードだと10172と「すごく快適」評価となり、十分楽しめるレベルといえよう。
続いて、ドラゴンクエストXよりも重い「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」をテスト。フルHDのフルスクリーン表示で、グラフィック設定は最高品質(ノートPC)、標準品質(ノートPC)で計測している。
結果は、パフォーマンスモードで標準品質(ノートPC)のとき9010と「快適」評価だが、あとは「やや快適」や「普通」評価。さすがにグラフィック設定を見直さないと、ちょっと辛いレベルだった。
軽いは正義! モバイルワークで活躍する一台
「Prestige 13 Evo A12M」は、実際に持ってみても軽くて、持ち運びで苦になることはない。やはり、モバイルワークをするとなると軽いということは重要で、日本向けの仕様にしてくれたことは非常にありがたい。それでいてバッテリーも長持ちするのでACアダプターを持ち歩く必要もなく、A4サイズなのでカバンへ収納してもかさばることもない。
通信モジュールを搭載しないため、本製品単体で場所を選ばずネット接続というわけにはいかないが、多くの場所でWi-Fiが利用できることを考えれば、モバイルワークでも十分に活躍できる。
インテルEvoプラットフォームに準拠し(①レスポンスがいい、②9時間以上のバッテリー駆動、③30分の充電で4時間駆動、④1秒以内にスリープ復帰、⑤Wi-Fi 6とThunderbolt 4の搭載、が要件)、パフォーマンスも高く、軽くするためにほかの性能を削ることなく実現したことは、MSIの日本市場に対する本気を見た気がする。
価格は今回紹介した「Prestige-13Evo-A12M-079JP」がMSIストアで24万9800 円。ボディカラーは、マットホワイトとステラグレイの2種類が用意されているので、必要なスペックとともに好きなカラーリングを選んでほしい。仕事用としてマシンを新調したいという人は、本製品を検討すべきだ。
Prestige 13 Evo A12M詳細ページ MSI Storeで購入する(3月30日(木)までの購入でワイヤレストラベルルーター「AC750」プレゼント) MSIサイト
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