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日本上陸予定のOrbicが北米で発売する5Gミリ波対応スマホ「Myra 5G UW」をチェック

ASCII.jp / 2023年3月23日 12時0分

 アメリカのデバイスメーカーであるOrbicが「MWC Barcelona 2023」で日本市場への参入を表明した。同社はアメリカで5Gスマートフォンや4Gフィーチャーフォンを展開しており、日本への投入モデルはは北米品の日本向けローカライズになるとも予想される(ついにKaiOS搭載のケータイが国内上陸か? Orbicの日本市場参入は本気のようだ)。

OrbicのMyra 5G UW

 日本では名前の知られていないOrbicだが、製品の実力はどれくらいなのだろうか? アメリカのキャリア、Verizonから販売されているOrbicの5Gスマートフォン「Myra 5G UW」を試してみた。

ミドルレンジの堅実なスマホ 特筆すべき部分はないが悪いところもない

 Myra 5G UWの製品名の「UW」とはベライゾンの5Gブランドである「Ultra Wideband」対応モデルであることを表している。日本やヨーロッパなどで販売されている5Gスマートフォンのミドルレンジ機は大半がSub 6対応だが、Myra 5G UWはベライゾンが採用している28GHz帯のミリ波に対応しているのだ。Myra 5G UWはベライゾンの普及5Gモデルとしてユーザー獲得の武器にもなっているという。

ベライゾンのミリ波に対応

 Myra 5G UWのスペックはチップセットがSnapdragon 750G、メモリー6GBにストレージ64GB(microSDカードは512GBまで)という構成。ディスプレーは6.78型で解像度は1600×720ドット、アスペクト比は20:9、バッテリーは5000mAhを搭載する。OSはAndroid 11で、Android 12へのアップデートが予定されている。価格は349.99ドル(約4万6000円)だが、ベライゾン加入者向けに割引販売もある。

Snapdragon 750G搭載のミドルレンジモデル

 カメラはシンプルに4800万画素の広角、800万画素の超広角、200万画素の深度測定というトリプル構成。フロント側には1600万画素カメラを搭載、価格が安いモデルだが水滴型のノッチではなくパンチホールで内蔵している。指紋認証センサーは背面中央上部に備えており、その下にはベライゾンの5Gのロゴ「5GV」の表記が見える。

トリプルカメラを搭載する

 本体のデザインは極めてオーソドックスで、右側面に電源とボリューム、左側面にはnanoSIMカードトレイを備える。本体底部には3.5mmヘッドフォン端子も搭載。本体サイズは約80×173×9.1mm、重さは230gだ。

本体下部はヘッドフォンとType-C端子、右にはボリュームと電源ボタン

 プリインストールアプリはベライゾン固有のものがいくつか入っている程度。アメリカではSIMカードがあらかじめセットされ、プリペイド端末としても販売されている。ベライゾンの5Gの電波を掴んだ後は「My Verizon」アプリを通して簡単に回線の開通・購入もできるようだ。

ホーム画面とプリインストールアプリ。参考までに設定画面はごく標準だ

 本体を使ってみると、ディスプレーの周りのベゼルがやや広く感じられる点が若干気になった。Snapdragon 750Gは一世代前のチップセットだが、Myra 5G UWは2021年9月発売の製品であるため、当時としてはミドルレンジ機では一般的な選択だっただろう。画面のタッチ操作やSNSのタイムライン表示のスクロールに若干ひっかかりは感じられるが、スペック相応といったところ。

Snapdragon 750GはSNS用途のカジュアルモデルといえる

 参考までにAnTuTuのスコアは378233だった。もちろんハイエンドなゲームを遊ぶユーザー向けの製品ではない。とはいえ、格安機のようなもっさりした動作ではないため、ライトユーザーもストレスなく使うことができそうだ。

AnTuTuは378233

シンプルなカメラで撮影も簡単

 カメラアプリのUIはきわめてシンプルな構成になっている。カメラは広角と超広角を搭載していながら、デフォルトのカメラアプリでは倍率は1倍のみが表示されており、そこからデジタルで最大8倍までの望遠に対応する。カメラのモードも「VIDEO(動画)」「PHOTO(写真)」「三(その他)」のみ。カメラを起動して難しい事を考えずに日常の1コマを気軽に写して残す、そんな使い方をイメージしているのだろう。静止画は標準では1200万画素で撮影、動画は4K UHDまで対応する。

カメラ部分のアップ

 「その他」のモードには4800万画素への高画質固定モードやナイトモードもある。そして珍しいことにこちらで「超広角」に切り替える。超広角は800万画素と画質がやや落ちることもあり、記録用に使うのがいいかもしれない。プロモードがあるのはちょっと頑張っている。また、QRコードリーダーは内蔵されている。

カメラのUI。その他に超広角やナイトモードがある、カメラの設定

 それでは以下は実際の作例だ。

1倍で撮影
1倍、4800万画素にして撮影
超広角に切り替えて撮影。フォーカスは選択できずパンフォーカスのようだ(横1920ドットにリサイズ)
デジタル2倍
デジタル8倍(最大倍率)
食事に寄ってみた。マクロはないがそれなりに撮れる
ポートレートモードでボケ最大。深度測定カメラがあるのでしっかりボケる
ナイトモードも結構しっかり写る(横1920ドットにリサイズ)

【まとめ】日本投入は価格が決め手になるか

 Myra 5G UWは大手メーカーの製品ではないものの本体の作りは悪くなく、5Gミリ波に対応するなど無線周りの設計もしっかりしている。ディスプレーやカメラは価格を抑えたことから必要最小限ではあるものの、4Gから5Gへの乗り換え用端末として、キャリアにとっては重要な製品になっていることは間違いない。

 Myra 5G UWはベライゾン向けに開発された製品であり、日本では同じクラスのライバル製品が多いことから、このまま日本向け製品として登場することはないだろう。しかし、今後日本でも5Gミリ波の普及が進むことを考えると、アグレッシブな価格設定をした製品や「大手キャリアのミリ波対応ミドルレンジ機」をOrbicが日本に投入する可能性は十分考えられる。Orbicの日本投入製品に期待したい。

購入時に貼ってある輸送用保護フィルムもちょっと洒落ている

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