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斬新なデザインはそのままに、音質が大きく向上したNothing Ear(2)をレビュー

ASCII.jp / 2023年3月23日 12時0分

話題のイヤホンをクイックレビュー

 イギリスのNothing Technologyが22日(現地時間)に、ワイヤレスイヤホンの新モデル「Nothing Ear(2)」を発表しました。同社が2020年夏に最初のプロダクトとして発表し、日本でも発売された「Nothing Ear(1)」の後継モデルです。Ear(1)はスケルトン調の斬新なデザインが注目されましたが、Ear(2)も同じデザインコンセプトを継承。されど、中身は大幅にアップデートされています。

 発表に先駆けて、日本のメディア向けに「Nothing Ear(2)プレブリーフィング」が開催されました。同社のマーケティング責任者兼共同創立者のアキス・イワンジェリディス氏がオンラインで製品のプレゼンテーションを行ないました。そこで聞いた話を中心にEar(2)の特徴を紹介します。

ロンドンにいるマーケティング責任者 兼 共同創立者のアキス・イワンジェリディス氏がオンラインでプレゼンテーションをした

Ear(1)のデザインを継承しつつ コンパクト化を実現

 Ear(1)は世界でこれまでに60万台を販売し、昨年末に発売されたハーフインイヤー型の「Ear(stick)」を合わせると販売台数は100万台を超えているとのこと。

左からEar(1)、Ear(stick)、Ear(2)。Ear(stick)はハーフインイヤー型で、イワンジェリディス氏いわく「日本ではインイヤー型(カナル型)のほうが人気のようだ」と話していた

 Ear(2)はEar(1)と同じくカナル型で、デザインは異なるもののアップルの「AirPods Pro」に近いサイズ感。イヤホンのステムが透明で、ケースを閉じていてもイヤホンが見えるシースルーのデザインになっています。これはスマートフォン「Nothing Phone(1)」にも共通するデザイン。ただし、Ear(1)やPhone(1)のカラバリはホワイトとブラックの2色でしたが、Ear(1)はホワイト1色です。Ear(2)はEar(1)よりも若干コンパクトで、「質量として30%の削減が図られた」(イワンジェリディス氏)そうです。

下がEar(1)で、上がEar(2)
Ear(1)のケースは4つのパーツで作られていたが、Ear(2)は3つのパーツになり、コンパクト化を実現
イヤホン(片耳あたり)は4.5gで、ケースは51.9g

音質にこだわって、カスタムドライバーを再設計

 Ear(2)には新しい独自のカスタム ダイヤフラムを備えた11.6mmのドライバーユニットが搭載されています。Ear(1)からの進化点として、イワンジェリディス氏はまず「デュアルチャンバー」を挙げます。「より多くの空気を取り込んで、円滑な空気の流れによって、サウンドを向上させた」とのこと。ダイヤフラムの素材にはポリウレタンとグラフィンを組み合わせて使用。「ポリウレタンはバス(低音域)の性能を高めて、グラフィンは音に明瞭さを与える機能を果たします」(イワンジェリディス氏)。

スピーカーの穴を大きくして、円滑に空気を流す「デュアルチャンバー」を新搭載
音質向上について説明するイワンジェリディス氏。音質に影響するマグネットも、いろいろなものを使い比べて、Ear(1)よりもパワフルなものを採用したとのこと

 ハイレゾオーディオ認証を受けて、LHDC5.0コーデック技術を採用していることも特徴。独自設計のアクティブノイズキャンセリングは最大40dbのノイズ低減を実現しています。

自分に最適化された音を楽しめる

 ユーザーが便利さを実感できる新機能としては、イヤホンの装着性をテストできる機能が追加されました。3サイズのイヤーチップが付属していて、左右の耳それぞれに最もフィットするものをテストできます。

Ear(2)の同梱品。イヤーチップはMサイズが装着されていて、Sサイズ、Lサイズに交換することが可能
「Nothing X」アプリでイヤーチップのフィット感をテストできる

 さらに、音の聴こえ方をユーザーに最適化できる機能も追加されています。ノイズに混じって聴こえるビープ音を聴き取るテストを行ない、自分だけのヒアリングIDを作成。それに基づいて、自分に最適化されたイコライザーを利用できる仕組みです。

イコライザーは4パターンがプリセットされていて、カスタマイズも可能
自分の聴こえ方に最適化したイコライザも設定できる

 アクティブノイズキャンセリングはEar(1)にも搭載されていましたが、ノイズ除去のレベルを「高・低」から選ぶ必要がありました。Ear(2)では「高・中・低」から選択でき、さらに「アダプティブモード」を追加。自分で切り替えなくても、自動で調整されるようになりました。これによって「リスニングの快適性を高めるとともに、バッテリー消耗も最適化できるようになっています」(イワンジェリディス氏)。

ノイズキャンセリングの設定画面。自動で設定される「アダプティブ」モードを追加
アクティブノイズキャンセリングも自分に最適化できる

 より高性能なチップの採用によって、通話音質も改良されているとのこと。Ear(1)の開発時には30人ほどだったエンジニアが、現在は170人以上になり、開発環境も大きく変わったようです。「Ear(1)では、ノイズと音声の100万通りの組み合わせをテストしましたが、Ear(2)では、2000万通りをテストしています」(イワンジェリディス氏)。

 アンテナの搭載位置を変えることで、接続時の安定性を向上。また、2つのデバイスの同時に接続できる「デュアル接続」(マルチポイント接続)にも対応。パソコンに接続して音楽を聴きつつ、スマホに着信した電話に応答することもできます。

2台に接続して、容易に切り替えられる「デュアル接続」にも対応

誤操作をしにくいプレスコントロールを採用

 Ear(2)は、ステムを2本の指で挟むようにカチッと押すと一時停止・再生・スキップなどの操作ができます。Ear(1)では軽くタップする「タッチコントロール」でしたが、「プレスコントロール」に変更されました。「タッチコントロールでは大きな音が聴こえて、それを不快に感じる人がいました。また、間違って触れてしまうこともあります。Ear(2)では、より精緻に反応するように改良しました」(イワンジェリディス氏)

イヤホンには赤(右)と白(左)の印が付いている
ステムをカチッと押して操作できる
プレスコントロールは、自分が使いやすいようにカスタマイズ可能

 バッテリー持続時間はケース込みで、ANCをオフにした場合は36時間、オンにした場合は22.5時間。ちなみに、Ear(1)は、ANCオフで34時間、ANCオンで24時間なので、最大持続時間は延びましたが、実質的な電池持ちはほぼ同等と考えていいでしょう。なお、イヤホンのみではANCオフで6.3時間、ANCオンで4時間、音楽を再生できます。

 充電ケースはUSB Type-Cケーブルで充電できるほか、ワイヤレス充電にも対応しているので、ほかのデバイスに給電できるQi対応スマホなどに載せて充電することも可能。イヤホンはIP54、ケースはIP55の防水・防塵性能も備えています。

充電ケースの右側にUSB Type-Cポートを搭載。ケーブルも付属している

より豊かな音になり カスタマイズの自由度も向上

 いち早くEar(2)を借りることができたので、実際に音楽を聴いてみました。

筆者はiPhone 14 Proとペアリングして、「Apple Music」の楽曲を聴き比べてみた

 Ear(1)と聴き比べると、音の違いは一目ならぬ一聴瞭然。Ear(2)のほうが音に厚みがあり、異なる音源が明瞭に聴こえて、いい意味で賑やかなサウンドを楽しめます。Ear(1)はやや浅いというか、スッキリとした音質なので、それを好む人もいるでしょうが、Ear(2)はイコライザ機能によって、好みの音質に調整しやすいことも利点。

左がEar(1)、右がEar(2)。パッと見では違いがわからない
左がEar(1)、右がEar(2)。穴の位置やステムの内部構造が異なる

 アクティブノイズキャンセリングは、日常的には「アダプティブ」モードに設定して使うのが良さげ。ユーザーの使用環境に合わせたカスタマイズができるので、より効果的なノイズ除去もできそうです。

 Nothing Ear(2)は3月30日発売で、2万2800円。Nothingの公式サイト「Nothing.tech」とKITH TOKYOでは3月23日から先行販売されます。Ear(1)(1万8500円)よりも4300円高いですが、聴き比べてみると、その差額以上の価値があると感じられました。

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